河野氏「原発を明日やめろというつもりはない」 党内に懸念に応え

河野太郎行政改革担当相は8日、原発政策に関し、内閣府で記者団に「安全が確認された原発を再稼働していくのはある程度必要だ」と述べた。持論とする脱原発については「いずれ原子力はなくなる。ただ別に明日、来年やめろというつもりはない」とした。
河野氏は、菅義偉内閣が掲げた温室効果ガス排出量の「2050年実質ゼロ」に向け、「再生可能エネルギー最優先が基本だが、どうしても(電力が)足らざるところは安全が確認された原発を当面は使う」と説明した。使用済み核燃料の処理問題は「放置するのではなく、前向きに取り組んでいく必要がある。使い道のないプルトニウムをどのように扱うのか、現実的に考えていかなければならない」と指摘した。
河野氏は党総裁選への立候補に向け、党所属議員へのあいさつ回りを重ねている。一部議員から「脱原発」を懸念する声が上がったことを受け、政府の現行のエネルギー政策を踏まえる姿勢を示したとみられる。
また河野氏は安定的な皇位継承のあり方について、政府の有識者会議(座長・清家篤元慶応義塾長)の議論を尊重する考えを示した。
会議は女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、戦後に皇籍を離脱した旧宮家の男系男子が養子縁組して皇籍復帰する案の2案を軸に検討している。河野氏はこれまで検討の必要性を主張していた女系・女性天皇には触れず、「皇統を維持していくための対応について広く世の中から支持を頂くことが大事だ」と述べた。【堀和彦】