埼玉県上尾市内の商業施設内にある保険代理店で2月、キッズスペースで玩具の釣りざおで遊んでいた男児(3)の右目のまぶたの裏に釣り針状の針金が刺さって出血し、救急搬送される事故が起きていたことがわかった。男児の両親によると、店側は「保育士がいるので安心して預けられる」などと説明していたという。埼玉県警上尾署は8月下旬、両親からの被害届を受理し、業務上過失致傷の疑いもあるとみて捜査している。
事故は2月中旬、男児の両親が保険代理店の個室で契約の手続きなどを行っている間に発生した。両親によると、キッズスペースでは幼児用プールに浮かぶボールを釣り上げて遊べるようになっており、玩具の釣りざおから出ているひもの先に、釣り針のように曲がった針金が付けられていた。
個室とキッズスペースの間には仕切りがあり、両親側から男児の様子は見えない状態だった。両親は当初、不安を覚えたが、店側からは「保育士が常駐しており、安心してお子さんを預けられる」「他の従業員も研修を受けている」などと言われたという。
けがをして出血し、泣き叫ぶ男児の右目のまぶたの裏には、えぐられたような傷ができていた。医師からは「今後の視力低下などの可能性はわからないが、眼球打撲の疑いもある」と診断され、しばらく通院が必要になったという。
県内のある小児科医は「幼児が遊ぶところで、目などに入ってけがをするような金属が付いた玩具を置くのは危険。店側に安全への配慮が欠けていたとしか思えない。あらゆるケースを想定するべきだ」などと指摘している。
事故が起きた保険代理店を展開する上尾市の企業の代理人弁護士は取材に「協議中のため、コメントは差し控える」とした。