脅迫、監禁… SNSきっかけで犯罪に巻き込まれる未成年急増

ネット交流サービス(SNS)をきっかけに千葉県内の未成年がトラブルや犯罪に巻き込まれるケースが増加傾向にある。県警の担当者は「被害やトラブルの実態を知ってSNSの使い方を見直してほしい」と注意を呼びかけている。【長沼辰哉】
県内のある10代女性は、女性になりすました男性とSNSで知り合った。見た目の悩みを相談するうちに、言われるがまま顔写真や下着姿の写真をスマートフォンで送信した。その後「写真をばらまかれたくなかったら、裸の写真を送れ」と脅された。女性は裸の写真を送信してしまった。
別の県内の10歳未満の女児は無料でダウンロードができるオンラインゲームで男性と知り合った。男性からゲームのチャット機能を通じて「一緒にゲームをしよう」と誘われた。自宅近くの路上で会ったところ、車中で手足を縛られ、男性の自宅で監禁された。
また、男性が被害に遭うケースもある。10代男性はSNSで知り合った女性に裸の写真を交換することをもちかけられた。陰部の写真を送ったところ「拡散する」と脅された。
県警少年課によると、SNSに起因した殺人や強盗などの重要犯罪や性犯罪の被害に遭った未成年は2016年は28人だったが、17年以降は増加傾向にあり、19年は72人、20年は61人まで増えた。21年は7月末までで36人に上り、高い水準が続いている。ネット上では面識がなくても疑うことなく友達と思い込んだり、趣味が同じなどの共通点があるからと親近感を持ってしまったりするという。
同課は2020年から短文投稿サイト「ツイッター」でサイバーパトロールを実施。「会える人いませんか?」などの書き込みや児童買春や児童ポルノ製造などの疑いのあるツイートに対し、同課が直接警告文を表示して注意を促すなどの対策をとっている。同課は「ネットの被害はどこの家庭でもどんな子どもでも起こりえる。スマホの使用場所や時間など家庭内で使い方のルールを決めるなどしてほしい」と話している。