新型コロナウイルスのワクチンを自治体間で融通する動きが広がっている。2回目の接種を終えた人が国民の5割を超える一方で、遅れが目立つ若年層への接種を急ぐためだ。東京都は区市町村の間に立ち、ワクチンを再配分する取り組みを始める。(長嶋徳哉、増田知基)
「あした以降の接種をどうしよう……」
東京都港区の土井重典・ワクチン接種担当課長は8月下旬、手元にあるワクチンの製造番号を確認して頭を抱えた。集団接種会場用に準備していた米モデルナ社製に、異物が混入している可能性があるとわかったためだ。
使えなくなったのは約5000回分で、区内の集団接種会場3か所の3日分に相当する。代わりのワクチンが確保できなければ、区民に予約をキャンセルしてもらわざるを得ない。
急きょ、ほかの区に「モデルナ製を譲ってほしい」と相談。余裕のあった板橋、台東両区から計約5000回分を融通してもらった。
土井課長は「迅速な協力のおかげで乗り越えられた」と振り返る。板橋区には米ファイザー社製を
補填
(ほてん)し、台東区には国から後日届いた代わりのモデルナ社製を渡した。