第18回ショパン国際ピアノコンクールで入賞した反田恭平さん(27)と小林愛実さん(26)は、ともに「桐朋学園大音楽学部付属子供のための音楽教室」から桐朋女子高校(男女共学、東京都調布市)に進んだ同門だ。「大切な幼なじみ」「優しいお兄さん」と呼び合う仲。互いを支えに長丁場のコンクールを乗り切り、本選ではいずれもショパンの協奏曲第1番を弾いた。
同大で長年教授を務め、学生・生徒らを見守ってきた岡本美智子さんによると、2人の存在は幼少期から突出していたという。
反田さんは型破りな演奏が持ち味。オーケストラの指揮に挑戦したり、学園祭でミュージカルの舞台に立ったりと、常ににぎやかで「周囲を引っ張るオーラ」があった。「ピアノというよりは音楽そのものを、全身で楽しんでいた」という高校時代。その終わりの2012年、日本音楽コンクールで1位になって以降は、個性を生かしつつ制御力も身につけた。「さまざまな方面で多才ぶりを発揮するけれど、最後はその全てをピアノに注ぎ込む人。ショパンの本拠地ワルシャワに留学し、自身の音を究めたのは見事」とたたえる。
一方の小林さんは05年、小学4年生にして全日本学生音楽コンクールの全国大会小学校の部を制した。「当時はキラキラと光が立ち上るような華やかな演奏スタイル」だったが、高校在学中に米国へ渡ってからは「別人のような深い音」に。「早くから頭角を現して重圧がかかる中、一心に音楽を突き詰めた精神力」が、コンクールのネット中継でも画面越しに伝わってきたと振り返る。
予備予選から本選までショパンの作品だけを演奏する特殊なコンクールを、2人はどう乗り切ったのか。「ずば抜けた才能とともに、どんな状況でもくじけない心身の強さ。そしてたゆまぬ努力を続ける根性が2人の共通点。日本もついにここまでのピアニストを生み出したかと、感慨深いものがあります」と岡本さんは話している。【斉藤希史子】