河井克行元法相の実刑確定 市民「やっと決着」「まだ終わらぬ」

「ようやく決着」「まだ終わっていない」。2019年参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、元法相の元衆院議員、河井克行被告(58)が控訴を取り下げ懲役3年の実刑が確定した21日、広島県内の有権者や事件の関係者はさまざまな思いで受け止めた。
広島市中区の宝石商、谷口尚文さん(76)は「ようやく決着が付いた。これを教訓に広島の政治はもっとクリーンになってもらいたい」と期待した。一方、同区の会社役員、関俊司さん(58)は「当然だ」とした上で、参院選で自民党本部から河井氏の妻案里氏陣営に渡った1億5000万円の説明について、「安倍晋三元首相、菅義偉前首相、二階俊博前幹事長から説明がなされていない。まだこの件は終わってない」と憤った。同市南区の主婦(77)は「終止符を打ったのだろうが、説明責任を果たしてほしい。若い人が将来に希望を持てるような国民目線に立った政治家を期待したい」と話した。
自民から出馬した河井氏が前回衆院選で当選した広島3区では、安佐南区のJR緑井駅前で休憩していた男性(87)が「遅すぎる。未練がましくしがみついて」とため息をついた。「夫妻とももっと早く罪を認めていれば、再出発もできたかも知れんが、もう再起不能」と失望した様子だった。
河井氏から現金150万円を受領し、同県三原市長を辞職した天満祥典氏(74)も「なぜもっと早く決断しなかったのか。遅すぎる」と疑問を呈した。河井氏から現金を受領した地方議員ら100人は全員不起訴となったが、市民団体が検察審査会に審査を申し立てている。現金を受け取ったある県議は、河井氏がこの日出した「全ての責任は私ただ一人にある」とのコメントについて「初めに言えば良かったこと。今更言ってもしょうがない」とあきれ、別の県議は「自分の責任を誠実に果たしていく」とだけ話した。
岸田文雄首相は20日、安佐南区で行った応援演説で事件に触れ「3区では自民党の国会議員が大変な事件を起こして辞職した。自民党として心からおわび申し上げなければならない」と謝罪した。【小山美砂、中島昭浩、渕脇直樹、山本尚美、根本佳奈】