首相指名選挙、野党は「枝野氏」で足並みそろわず…立民内でも「辞める代表の名前書くのか」の声

衆参両院の本会議で10日に行われた首相指名選挙で、立憲民主、共産両党は、立民の枝野代表に投票したが、日本維新の会と国民民主党は、それぞれの党代表に票を投じ、足並みはそろわなかった。
立民の安住淳国会対策委員長は、衆院本会議前の代議士会で「野党第1党として国民に信頼される体制をみんなで作っていきたい」と述べ、12日に辞任する枝野氏への投票に理解を求めた。党内からは「辞める代表の名前を書くのか」(ベテラン)などと反発の声もあったが、造反者は出なかった。
一方、共産の志位委員長は本会議後、記者団に「立民とは衆院選で政権協力の合意を掲げて戦った。(枝野氏に)投票するのが当然だ。枝野氏の辞意は合意を左右しない」と強調した。
立民、共産両党など野党5党は衆院選で、213の選挙区で候補者を一本化したが、両党とも議席を減らした。立民内では敗北を受け、共産との共闘路線の見直しが主張されている。これに対し、共産は来夏の参院選に向けて路線を維持したい考えで、枝野氏への投票で秋波を送った格好だ。
共闘を「野合だ」と批判し、議席を公示前から4倍近くに増やした維新は片山共同代表に投票した。馬場幹事長は10日の記者会見で、「(衆院選での躍進は)立民や共産に期待できないので、第3極の維新に託してみようという期待だった」と指摘した。
衆院選で議席を増やした国民も玉木代表に投票した。共産との距離感が立民と明暗を分けたとみて、立民、共産両党からさらに距離を置く方針だ。