夫は「クレーマーで有名」、対応苦慮した市が監査対象から夫婦除外…住宅扶助詐欺

約2年8か月にわたり岩手県外のホテルに宿泊していた夫婦が、盛岡市から生活保護費の住宅扶助計約1440万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われた事件で、市が県の監査対象となる支給対象者のリストから、夫婦を除外していたことがわかった。15日に盛岡地裁であった妻(47)の公判で弁護側が指摘。市が取材に事実関係を認めた。
公判などによると、夫(53)、夫の父親と盛岡市内で暮らしていた妻は、2014年10月に家賃滞納で立ち退きを命じられた後、同市の扶助を受けながらホテルで生活。市は3人家族に対する扶助の上限額を月4万円と定めていたが、妻らが受給した額は月約45万円にのぼっていた。
これについて、弁護側はこの日の公判で、市が「クレーマーとして有名」だった夫への対応に苦慮し、扶助の支給が恒久化していたと指摘。市は支給が法的根拠に乏しいと認識しながら15年度以降、県の監査で指摘されないよう支給対象者のリストから夫婦を除外したとした。
公判を受け、市生活福祉第二課の西村輝課長は、読売新聞の取材に、夫婦が監査対象から外れていたことを認めた。ただ、当時の担当者がどのような経緯で除外の判断をしたのかは不明とし、「市の第三者委員会の検証を注視したい」と述べた。
公判で検察側は妻に懲役4年を求刑、弁護側は執行猶予付きの判決を求めて結審した。判決は今月29日。