ワニの骨格標本を密輸疑い 100点超か 名古屋の会社代表逮捕

ワシントン条約で商取引が禁止されている「アメリカアリゲーター」(ミシシッピワニ)の骨格標本を密輸したとして、警視庁生活環境課は18日、外為法違反(未承認輸入)と関税法違反(無許可輸入)の疑いで、名古屋市北区池花町、標本販売会社「コアボックス」代表、柴垣幸弘容疑者(57)を逮捕し、法人としての同社を書類送検したと発表した。
生活環境課によると、同社は骨格標本や剥製を扱う専門会社で、柴垣容疑者が自宅を事務所として実質的に一人で経営。柴垣容疑者が2017年3月以降、同条約で商取引が禁じられたワニの骨格標本など100点以上の密輸を繰り返し、計約400万円を売り上げたとみて調べる。
逮捕容疑は何者かと共謀して20年2月5日に米国から国際宅配便で発送させたアメリカアリゲーター(全長約3メートル)の骨格標本1体について、同8日に関西国際空港に到着した際に「オモチャ」などと偽った書類を税関に提出して輸入したとしている。密輸した骨格標本は103万円で販売した。「売り上げを上げたかった」と容疑を認めているという。
同社のホームページでは、納品先として全国の大学や博物館などが挙げられ、「世界中から特殊な動物標本を輸入」「ワシントン条約等の規制のあるものも含まれるため、仕入れ国より書類を申請し正規ルートで輸入」などと記載されていた。【柿崎誠】