沖縄県名護市沖で2016年12月、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)所属の輸送機オスプレイが不時着、大破した事故で、中城(なかぐすく)海上保安部は24日、航空危険行為処罰法違反容疑で操縦していた機長を氏名不詳のまま那覇地検に書類送検した。中城海保は機長の氏名や年齢などについての情報提供や乗員への事情聴取を米側に求めたが、協力が得られなかった。
日米地位協定の規定で、公務中の事故は日本側に第1次裁判権がない。公訴時効(3年)の成立は今年12月で、那覇地検が近く不起訴処分にして捜査は終結するとみられる。
容疑は16年12月13日夜、米軍空中給油機から給油を受ける訓練中、機長は適切な速度を保つ業務上の注意義務を怠り、オスプレイの右回転翼を空中給油機から伸びた給油口と接触させ、回転翼を損傷させたとしている。オスプレイは名護市安部の浅瀬に着水し、大破。搭乗員5人のうち2人が負傷した。
防衛省は17年9月に「パイロットの操縦ミスが原因」とする米軍の事故調査報告書の概要を公表し、事故の発生時刻や場所などを明示した。それにもかかわらず、中城海保は「捜査に関わる」として今回の発表で発生時刻などを明らかにしなかった。
米軍の事故を巡っては、地位協定が日本側の捜査の壁となっている。宜野湾市の沖縄国際大で04年に米軍の大型ヘリコプターが墜落した事故でも、沖縄県警が航空危険行為処罰法違反容疑で米軍の整備士4人を書類送検したが、氏名は不詳のままで、那覇地検が不起訴とした。【遠藤孝康】