オミクロン株の広がりやすさ「デルタの4倍」 西浦教授グループ

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」について、南アフリカで初めて確認された際は1人が平均何人に感染させるかを表す「実効再生産数」がデルタ株の4・2倍だったことが西浦博・京都大教授(理論疫学)のグループの解析で分かった。西浦教授は「オミクロン株の実際の広がりやすさには、免疫を逃れ感染する性質を持っていることが関連しているだろう」と分析する。
8日に開かれた厚生労働省の専門家会議「アドバイザリーボード」で報告された。南アフリカのハウテン州で、9月中旬から11月末までに感染が確認され、ゲノム(全遺伝情報)解析された217人分のデータを基に、実効再生産数を比べた。
オミクロン株が確認された11月、南アフリカではワクチン接種率は3割未満だったが、接種を受けていない人もほとんどが自然感染して免疫を獲得していたとみられ、デルタ株の実効再生産数は1を下回っていた。西浦教授は、オミクロン株は免疫から逃れる性質を持っており、南アフリカでは免疫による感染予防効果が10~20%程度に落ちていた可能性を指摘した。
実効再生産数は「ある場所や条件のもとでのウイルスの広がりやすさ」を示す数字で、1人が免疫のない人の集団で平均何人に感染させるかを表す「基本再生産数」とは異なる。オミクロン株の「感染力」そのものはまだデータがないという。西浦教授は「ワクチンの接種率が高い集団でもオミクロン株が流行する可能性は十分にある」と指摘。その上で、米ファイザー製やモデルナ製のメッセンジャーRNAワクチンの接種率が高い国で「南アフリカと同じようなことが起こるのか注視が必要だ」と語った。【金秀蓮】