山梨官製談合 前富士川町長を再逮捕 選挙支援で癒着関係に

山梨県富士川町で起きた官製談合事件は、前町長の志村学被告(71)=官製談合防止法違反などで起訴=が加重収賄容疑で再逮捕され贈収賄事件に発展した。隣接する市川三郷町と同様、町長が元設計事務所経営の小林一被告(72)=同法違反で起訴=側に便宜を図り、現金を受け取っていた構図が浮かび上がった。【田中綾乃】
「すべて間違いありません。小林さんとは癒着関係にありました。町民の信頼を裏切り申し訳ない」。県警によると志村前町長は容疑を認め、小林容疑者も「間違いありません」と供述しているという。
志村前町長の逮捕容疑は2018年6月、町発注の学校給食センターの設計業務の指名競争入札で、小林容疑者の事務所が落札できるよう談合に応じる5業者を選定。予定価格を教えるなどし、入札後の7月29日に謝礼として甲府市の小林容疑者の事務所で100万円を受け取った、としている。20年4月と21年6月にも、受注の謝礼や今後も便宜を受けたい趣旨と認識した上で100万円ずつを受け取ったとしている。
小林容疑者については、学校給食センターをめぐる贈賄容疑は、公訴時効期間(3年)が過ぎているため立件を見送り、20、21年の贈賄容疑で再逮捕した。
県警によると、小林容疑者は、志村前町長が僅差で3選を果たした18年4月の町長選で支援したことを契機に、携帯電話でやりとりする間柄まで関係を深め、便宜を求めるようになった。3選後、小林容疑者の事務所は、町民体育館▽学校給食センター▽新庁舎建設▽道の駅富士川▽農業体験宿泊施設――の5施設に関する町の事業を指名競争入札で落札し受注。指名競争入札の参加業者の選定過程には町長は関与しない仕組みだが、志村前町長は関係職員にメモを渡すなどして、談合に応じる業者を選定させていたという。
県警は、贈賄の趣旨は、便宜を受けたことや受注できたことへの謝礼、今後の有利な取り計らいの継続などの意図があったとみている。志村前町長の指示を受け業者選定に関与した職員については、利益を受けていないことなどから共犯としては立件しない見通し。
町長の職務代理を務める斎藤靖副町長は前町長の再逮捕を受け「町として責任を重く受け止めています。信頼回復に向けて職員一丸となって取り組んでまいります」とのコメントを発表した。