山梨県警交通機動隊長がウソとズルで“スピード違反”逃れ 同乗の部下に虚偽を命令

交通機動隊長が部下にウソをつかせ、スピード違反の取り締まりから逃れていた。

犯人隠避教唆の疑いで8日、山梨県警に書類送検されたのは、県警交通部の50代男性警視。

警視は、全国交通安全運動期間中(9月21~30日)の27日午前11時ごろ、公務で甲州市の国道20号を覆面パトカーで運転中、制限速度60キロのところを85キロで通過。路上に設置してあったレーダーに探知され、現場でスピード違反の取り締まりをしていた県警日下部署の署員から「止まって下さい」と、停車を求められた。

警視は覆面パトカーを減速させながら、助手席に同乗していた30代の警部補に「赤ランプをつけて『取り締まり中だ』と言え」と指示。警部補は窓を開け、赤色灯のスイッチをオンにし、日下部署員に「取り締まり中です」と伝え、その場から走り去った。

取り締まりに当たっていた日下部署員らが不審に思い、2人が所属する交通部や監察課に事実確認をしたところ、緊急走行中ではなかったことが判明。翌日、警視は交通反則切符を切られ、今月8日に停職1カ月の懲戒処分を受け、同日付で依願退職した。

調べに対し、「警察官が違反をしてバツが悪かった。取り締まる立場の警察官が速度違反をしては示しがつかない」と説明。自らハンドルを握った理由については「部下に積極性を見せる」ことが目的だったという。

「交通畑が長く、運転技術や能力に自信を持っていました。向上心が強く、先頭に立って指導するタイプです。スピードに対する意識が甘く、ついアクセルを踏み過ぎてしまったのではないか。上下関係の厳しい世界ですから、直属の上司からウソをつくよう命令された部下も気の毒です。そう言えと指示され、断れなかったそうです」(捜査事情通)

■せっかくの「キャリア」がパー

警視はこれまでも交通企画課などに所属し、交通安全の啓発活動に積極的に取り組んでいた。

「ちょうど警視が企画課にいた頃、県内の交通事故死が急増していました。警視は交通事故に関して、『守れる命であり、なくさなければならない』と訴え、特に高齢者や子どもの事故を一件でも減らすため、県民に交通安全の大事さを呼び掛けていました」(県警関係者)

そんな県警幹部が部下まで巻き込んでウソをつかせ、ズルまでして1万8000円の反則金(反則点数3)を逃れようとしたのだから、あまりにもショボい。

「積極性」だか何だか知らないが、変な意地を張らず、素直にスピード違反を認めて罰金を納めていれば仕事まで失わずに済んだのに、せっかくの「キャリア」がパーだ。