新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する政府のスマートフォン向けアプリの運用が20日、始まった。手続きにはマイナンバーカードが必要で、デジタル庁によると、アプリでの接種証明書の交付は同日午後8時半時点で約50万件。政府の「ワクチン接種記録システム(VRS)」と連動しているが、一部で登録情報に誤りがあることから記録が正しく表示されず、自治体に問い合わせが相次いだ。
アプリは緊急事態宣言発令時に、飲食店の利用やイベントへの参加などの行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」での利用が想定されている。パスポート情報を読み取れば海外渡航用の証明書の表示も可能で、米国や韓国など76の国・地域で入国時に必要な接種証明として認められる。
同庁によると、19日時点で約170市区町村で準備が間に合わなかったほか、マイナンバーカードに旧姓併記がある場合も現時点では証明書が発行されない。また、自治体のVRS登録情報に誤りや漏れがある場合も正しく表示されない。
横浜市には、20日午後3時の時点で、アプリに関する問い合わせが100件以上寄せられた。「2回接種済みなのに、1回分の記録しか表示されない」「ダウンロードできない」といった内容が多かったという。
東京都内でも、複数の区で「接種したのに、記録が0回になっている」という不具合の報告が寄せられた。同庁担当者は「記録修正の支援や、システムの改善を進めたい」としている。
忘年会シーズンを迎えた飲食店では、早くもワクチン接種証明アプリを集客に活用する動きがみられた。
東京都豊島区のすし居酒屋「スシエビス」は20日、アプリ提示で生がき三つをふるまうキャンペーンを始めた。来店した埼玉県朝霞市の女性(26)は店員に勧められてダウンロード。「周りのお客さんがアプリを提示していれば、安心して食事を楽しめる」と話した。