「俺、コロナになってん。で今、ホテルの療養施設に隔離されているんだけど…行けない、アメリカに…。昨日キャンセル申請して、●●たち(女性の名前)のぶんも全額戻してもらうから。今日、多分(お金が)返ってくるから、それ振り込むから…(略)今度別の機会に(BTS)を紹介するから…」
早口に自身がコロナ患者だと説明し、女性に旅行のキャンセルを申しでた中年男性。
女性が事前に振り込んだ100万円以上の旅行代金は今も返金されていない。現在、男とは連絡もとれずにいる。
悪質な手口を使った、山田孝之とも交流ある“アパレル会社社長”
男の正体はX氏。
「BTSに会わせる詐欺」をしたとして、『NEWSポストセブン』が12月16日に報じ、ネットで炎上している人物だ。
『文春オンライン』でも 「山田孝之と真剣佑『美女密着デート』『美ら海クルーズ』“来県自粛”の沖縄でバカンス満喫《現場写真》」 (2020年5月20日公開)や、 「『妻が相手宅に押しかけ警察も出動』RADWIMPSギター桑原彰(36)が妻子を置いて20代元モデルと“お泊り不倫”《直撃に本人は「ほぼ事実です」》」 (2021年9月16日公開)などの記事中で、有名人に女性を紹介する“アパレル会社社長”として度々登場している。
「X氏はタレントや金持ちに女性をあてがう“手配師”として繁華街で顔をきかせてきた。そんなX氏が自身の商売の生命線である女の子たちを裏切るとは…。被害者は全国各地におり、相当な数です。騙されて怒り心頭の彼女たちはSNSで連絡をとりあい『X被害者の会』を立ち上げ、1週間で10人以上が集まりました。被害総額は数千万円にものぼる。近々、警察に被害届をだす予定です」(被害者の会関係者)
取材班は、「被害者の会」に参加する女性たちに接触。ファン心理を利用した悪質な手口が明らかになった。
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「極秘案件」と言われたBTS旅行プラン
「UVERworld、ONE OK ROCK、RADWIMPS、ジャニーズ…X氏は多くの著名人とパイプがあり、私自身もこれまでX氏を通じて俳優と飲み会をしたこともあります。知りあって3年程たちますがこんなことは初めて。彼の顔の広さを知っていただけに、旅行がまさか詐欺だったとは…」
130万円以上を振り込んだが、今も返金がなく肩を落とすのは港区の飲食店に勤める20代のA子さんだ。X氏とも親しい間柄だったという。
「文春さんが報じた山田孝之との沖縄旅行や、芸能人とのハワイ旅行にも誘われたことがありました。最近ではタレントのバースデーパーティーや打ち上げなどにも呼んでもらった。どれも緊急事態宣言下でのお誘いだったので、断っていたのですが、今回は宣言も明けていたし何より相手が世界的スターのBTS。彼らは来日してもなかなか会えないことで知られている。それもあってX氏の口車に乗ってしまったんです」
A子さんは「極秘案件」として、X氏から口止めを徹底されたという。
「枠は1人分しかない」とせかされて
提示された旅行プランは、韓国経由でBTSメンバーと飛行機に同乗し、彼らとともにビバリーヒルズのホテルに宿泊できるという、ファンにとっては夢のようなものだった。
「普通の人からの誘いなら私だって詐欺だと気付きます。でも、X氏ということで信じてしまった。彼は韓流アイドルとのパイプも太く、BIGBANGやEXOのメンバーが来日した際も接待をしていました。
それから、何よりX氏はとにかく口が上手い。『俺の会社の社員ということで同行する。行ける枠は4人までしかない』『ロス在住の女友達2人は確定していて、あと枠は1人分しかない』とせかされました。私を信用させるために、おそらく偽装してつくったと思うのですが、BTSの末っ子メンバー・グクとのカカオトークのやりとりをみせてきて『グクが日本人と遊ぶのを楽しみにしている』と。舞い上がった私に『飛行機の座席をファーストクラスにアップグレードしてくれれば、グクと機内でもそばに座れて話せる』と言ってきました」
結局、A子さんはX氏に合計130万円以上の金額を振り込んだのだが、ついぞ米国行きのチケットは送られてこなかった。そのお金は今も返金されていない。
疑ったら「行くのやめるか?」と逆ギレされたB子さん
A子さんと同時期に、X氏に110万円を振り込んだのは、BTSの大ファンで、現在は芸能関係の仕事をしている20代のB子さんだ。B子さんも肩を落とす。
「X氏とは直接会ったことはないのですが、もちろん存在は知っていました。友達から旅行に誘われて、手を上げてしまいました。ただ、X氏のことは早い段階で疑っていました。旅行日程が、BTSが音楽賞の授賞式で既に渡米しているはずの時期だったり、グクのローマ字表記は『KOOK』なんですが、見せてきたグクのカカオトークのアイコンが『G』と表示されていたり…。
そういったことをX氏に指摘したら訳のわからない弁明をして、最後は烈火のごとく怒りだしてきて『じゃあ、行くのやめるか?』と言って、逆ギレしてきました」
「30万円で偽装のワクチン証明書を準備できる」
そんな不安を抱えながらも、「大好きなBTSに会えるかもしれない」という可能性を信じたB子さん。だが、懸念は他にもあった。
「実は私はまだコロナウイルスのワクチン接種をしていなくて、アメリカの入国制限に引っかかるというニュースを目にしました。するとX氏は『30万円払えば偽装のワクチン証明書を準備できる』と言ってきたんです。甘い言葉にのってしまい、入金が完了すると連絡が疎遠になりました。旅行直前になると『偽造がバレると捕まるから、リスクがあってやばい』『俺も社長だから立場的にまずい。だから旅行をキャンセルする』と言ってきました。『お金は全額返す』と言いながらも、その週末、翌週、月末と、そこから何を送っても既読スルーでした。詐欺だと気付いた数日後、SNS上で同じような被害にあった被害者の書き込みを見つけました」
B子さんのケースでは、ワクチン証明書偽装の提案にのろうとした当人にも落ち度はあったと言えるかもしれない。だが、別の多くの被害女性は、冒頭のやりとりのようにコロナ感染を理由に直前で旅行をキャンセルされており、いまだ返金もされていない。X氏がファン心理を利用して金を集めていたのは明らかである。
過去の金銭トラブルでは「全部バクチでとけた」
「被害者のそれぞれのLINEや通話のやりとりを確認すると、旅行日程やコロナに感染したという時期もズレていました。ネットが炎上した際には流石にマズイと思ったのか、それぞれの被害者に一、二度連絡をいれ『分割で返済させてほしい』と返そうとする意志を示したのですが、その後は再び連絡がとれなくなった。
実はこうした金銭トラブルは今回が初めてではありません。過去にもX氏はタレント、インフルエンサーや実業家などを相手に金を吹っかけ、金銭トラブルをおこしてきています。その際『(集めた金は)全部バクチでとけた』と話していただけに、今回も女性たちのお金は残っているのか…心配でなりません」(前出・被害者の会関係者)
12月23日以降、「文春オンライン」はX氏に繰り返し電話をかけたが、いっこうに連絡はとれなかった。
X氏のメールアドレスにも質問状を送ったが、期日内に返答は得られなかった。
A子さん、B子さんをはじめとした「被害者の会」のメンバーは今後、警察に被害届を出す予定だという。
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「文春オンライン」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式」ツイッターのDMまで情報をお寄せ下さい。
メールアドレス: [email protected] 文春くん公式ツイッター: https://twitter.com/bunshunho2386
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))