那須サファリパークに家宅捜索 飼育員トラに襲われ 過失傷害容疑

栃木県那須町の「那須サファリパーク」で飼育員の男女3人がトラに頭や腕をかまれるなどして重傷を負った事故で、同県警捜査1課などは7日、同園を業務上過失傷害容疑で家宅捜索した。危機管理マニュアルなど数十点を押収し、同園の安全管理体制などを調べる。
県警や同園によると、開園前の5日朝、獣舎と屋外をつなぐ通路で、女性飼育員(26)がトラと鉢合わせになり襲われた。叫び声を聞いて駆けつけた飼育員の女性(22)と男性(24)も相次いでかみつかれるなどした。3人は頭蓋骨(ずがいこつ)骨折などの重傷を負い、うち女性1人は右手首から先を失ったが、命に別条はないという。
トラは本来、獣舎にいるはずだったが、前日夜から獣舎と屋外をつなぐ通路にいたとみられる。前日の担当飼育員は閉園後、トラが獣舎に入る姿を確認しないまま、遠隔操作で獣舎を施錠していたという。
同園では1997年と2000年にも飼育員がライオンにかまれる事故が発生しており、当時の園長らが労働安全衛生法違反容疑などで書類送検されている。同園の葛原直人支配人(46)は毎日新聞の取材に対し、「当時はマニュアルの実践が不徹底だったが、現在は改善されている。今回の事故はヒューマンエラーが重なって起きた」などと説明。捜査関係者は「同じ施設で同じような事故が起きており、安全管理がずさんだったとみて捜査している」としている。
県警に先立ち、同県や大田原労働基準監督署も5日に同園を立ち入り調査した。同県生活衛生課によると、獣舎など同園の設備に不備は見つからなかったという。【鴨田玲奈、竹田直人】