新党「中道改革連合」の野田佳彦共同代表は26日夜、衆院選(27日公示、2月8日投開票)を前に与野党7党首が生出演したテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)で、高市早苗首相(自民党総裁)が指摘した、自身が首相時代の解散判断をめぐる指摘をその場で否定し、自ら訂正した。
番組にはこのほか、日本維新の会の吉村洋文代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、共産党の田村智子委員長、参政党の神谷宗幣代表、れいわ新選組の大石晃子共同代表がスタジオ出演。高市首相の解散の大義について意見を述べ合い、野党党首からは真冬の選挙であることなどに、「大義」に欠けると批判的な指摘が相次いだ。また、高市首相の解散判断に「納得する」が31%、「納得しない」が51%と、解散判断に半数以上が「納得しない」と答えたとする、番組の世論調査結果を紹介された。
大越健介キャスターから反論があるか問われた高市首相は、「冬の選挙については本当に、たくさんの方々にご苦労をおかけそいます。選管のみなさまにも感謝を申し上げます」とした上で、「ただ、野田内閣の時も真冬の12月の、寒い時期の解散だった」と指摘。「地方選でも、今年も北海道や東北、北陸でも(冬に選挙が)行われている」と主張した。
ただ、野田氏が首相時代に衆院を解散したのは、2012年11月16日で、衆院選の投開票日は12月16日。高市首相が言う「真冬」とは言えない時期だった。
野田氏は、高市首相の主張に目をぱちくりさせるような場面があり、首相の発言が終わった後で挙手をして、「11月中旬の解散です」とすぐに否定し、自ら訂正した。
この時の衆院選で、当時民主党代表として選挙を戦った野田氏は政権を失い、その後に、第2次安倍晋三政権が発足した。
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《改憲勢力で3分の2超の予測も》総選挙後・政界大再編のカギとなる「憲法改正」 “安倍政権でさえ改憲原案提出なし”というハードルの高さ 高市首相に問われる決意と覚悟
高市早苗・首相の電撃解散や立憲民主党と公明党の新党結成で大揺れの政界だが、これらはさらなる激変の序章に過ぎない。総選挙後の日本政界を待ち受ける大再編劇は、何が軸となり、各党の政治家はどう動くのか。そしてそこで問われる高市首相の「覚悟」とは――。
政界再編のカギは「憲法改正」
政界再編のカギとなるテーマは何か。ノンフィクション作家でジャーナリストの門田隆将氏は「憲法改正」だと指摘する。
「現在の国際情勢から見て憲法改正は待ったなしのテーマになっている。高市首相の台湾有事をめぐる答弁で中国は日本への輸出規制など圧力を強め、政界では親中国派の立憲民主党と公明党が結束して中道改革連合をつくった。口では憲法改正の議論を深めると言っていますが、目的のひとつは改憲阻止と見ていい。
だからこそ、改憲勢力は高市首相を中心にまとまろうとしている。これまで自民党は改憲に慎重な公明党と連立を組んでいたから、改憲手続きに踏み込めなかったが、その公明党が連立離脱して障害はなくなった。今回の選挙で重要なのは自民、維新、国民、参政、保守の改憲政党が合わせて46議席伸ばせば衆院の3分の2を確保できること。参院は改憲5政党で既に3分の2の勢力がある。憲法改正に動くまたとないチャンスであり、改正議論のなかで政界再編も進んでいくはずです」
本誌・週刊ポスト前号(2026年1月30日号)の政治ジャーナリスト・野上忠興氏による選挙予測では自民、維新、国民、参政、保守の5党で55議席増で3分の2を超える情勢となっている(関連記事参照)。
別掲の表は憲法改正についての各党のスタンスをまとめたものだ。改正に前向きな政党の間でも、重視する改正項目に違いがあることがわかる。
そのため自民、維新、国民民主は憲法改正の条文案を議論する全会派参加の「起草委員会」の設置を主張しているが、立憲民主などが反対して「入り口」にも入れないまま議論は止まっていた。
憲法改正にどこから手をつけるか。憲法学者の百地章・日大名誉教授はこう語る。
「理想は全面改正ですが、現実的には困難。改憲派の政党でさえまとまった改憲案がない。よって個別的な条文改正を進めるしかない。どこから手をつけるかを考える際には、第1に国家の根幹にかかわる事柄であること、第2に、国家的緊急性が高いこと、第3に広く国民に支持が得られそうなテーマという3点を踏まえるのが良いと考える。
高市早苗首相「報ステ」でも国民・玉木代表に連立参加への秋波「さんざん政策受け入れましたよねえ」
自民党総裁の高市早苗首相は26日夜、衆院選(27日公示、2月8日投開票)を前に与野党7党首が生出演したテレビ朝日系「報道ステーション」(月~金曜午後9時54分)で、国民民主党の玉木雄一郎代表に対し、あらためて今後の連携に向けた秋波を送った。
高市首相はこの日、日本記者クラブで行われた党首討論で、玉木氏に以前から連立政権入りを働きかけていたと明かし、「玉木さんは固まっているかもしれないが(前から)プロポーズを送っている」と自ら明かし、連立参加に向けた異例の「公開プロポーズ」を行い、選挙後の政権基盤強化に向けて、なりふり構わない様子をにじませた。
番組では、高市首相の解散判断の大義が話題になった際、26年度予算案の年度内成立が困難となったことを念頭に、「残念だ」と述べた玉木氏に、高市首相は「玉木さんは、政局より政策と訴えている。予算にも賛成してくださると思います」とプレッシャーをかけた。首をひねる玉木氏の様子が、ワイプ画面で映る中、高市首相は「ぜひ予算関連法案を早期に成立させるために、ご協力をお願いします」とたたみかけた。
放送終盤には、衆院選で与党で過半数を割れば「即刻退陣」の意向を示した高市首相に、大越健介キャスターが「国民民主党とは政策的な協力があった、国民民主党を足せば衆参ともに、連立与党で過半数ということも、数字の上ではありますが」と指摘し、玉木氏に見解を求めると、高市首相は「ほら、玉木~さん~」と、迫るように呼びかけた。
玉木氏は、高市首相の呼びかけに応じることなく、「とにかく、選挙で勝たないと、ああだこうだ言えない。我々からすれば与党の安定ではなく、国民生活の安定のために何を訴え、何ができるかをこの選挙で問いたいし、対決より解決で政策本位でやってきた。国民にとっていい政策は協力します、だれとやるかというよりも、何をやるかということに集中したい」と、訴えた。
すると、高市首相は「さんざん(国民民主が訴える)政策を受け入れましたよねえ。財源はこっちで探したけれども」と、苦笑いの表情でツッコミを入れ、玉木氏は固まった表情で聴いていた。
大越キャスターが、自民と連立を組む日本維新の会の吉村洋文代表に「連立を組んでいるパートナーの高市さんが、玉木さんにプロポーズをされている。ちょっと、人間関係的に言うと、ちょっと不思議かなと思うんですけど」と、問いかける場面も。吉村氏は「玉木さんは明確におっしゃりませんでしたが、もともと昨年10月に、高市さんが『総理になれない女だ』と言ったとき、高市さんと話して、いっしょに日本の政治を前に進めようと、判断をした。臨時国会(の首相指名選挙)で高市早苗と書いたのは、自民党以外では、わが党だ。腹をくくって、今、この席に座っている」と訴えた。
その上で「総理が、自民と維新で過半数にいかなければ退陣するとおっしゃっているから、もちろん僕も同じ。自民と維新で過半数に足りなかったら、僕も日本維新の会の代表は辞任します」と述べ、「それくらいの覚悟で連立政権で前に進めていきたいという思いで挑んでいます」と口にした。
警察署に左折進入しようとした兵庫県警のパトカーが原付バイクと接触事故 60代女性が右足骨折などの重傷 兵庫・尼崎市
26日午後、兵庫県尼崎市の国道2号で、警察署に入ろうとしたパトカーと直進する原付バイクが接触する事故があり、原付バイクを運転していた60代女性が重傷です。
26日午後4時前、兵庫県尼崎市昭和通の国道で「車とバイクの事故があった」とパトカーに乗っていた警察官から110番通報がありました。
警察によりますと、尼崎南署に入るため左折しようとしたパトカーと後方から直進してきた原付バイクが衝突したということです。
この事故で、バイクを運転していた63歳の女性が左ひじと右足の骨を折る重傷です。警察が事故の詳しい状況を調べています。
兵庫県警本部刑事部薬物銃器対策課の次席兼調査官は「負傷された方には申し訳ありません。今後、交通事故防止について指導を徹底してまいりたい」とコメントしています。
中国による「奇襲リスク」が高まっている…レーダー照射を分析した大学教授が、いま最も恐れる事態
「1回1回のスクランブルの質的条件が悪化している。中国軍機が『何をしてくるか分からなくなったから』だ」
こう分析するのは、航空自衛隊OBで現千葉科学大学教授の松家秀平氏だ。
12月6日に中国のJ-15戦闘機から約30分にわたってレーダー照射を受けたのは、スクランブル(緊急発進)していた日本の戦闘機のF-15。防衛省の発表によると、同日18時37分頃から19時8分頃にかけて、沖縄本島南東の公海上空で演習中の中国空母「遼寧」から発艦した中国軍機がレーダー照射を断続的に行った。
「(レーダー照射を受けたパイロットは)気が気ではなかっただろう。火器管制レーダーの照射を30分も受けるというのは『引き金に指が入ったまま、銃口を突きつけられた』状態だったからだ」(松家氏)
日本の空の守りに異変が生じている。中国は軍拡に邁進し、高市首相の「存立危機事態発言」以降、日本にさまざまな経済的・軍事的圧力をかけている。
そもそも、スクランブルとは何か。外国の航空機による領空侵犯のおそれがある場合、主権国家として領空を守るべく、空自が「警察権」を行使し、戦闘機を発進させ、当該航空機に対して監視や退去警告をする活動だ。
スクランブルの回数は、2023年度は669回、2024年度は704回と、700~1000回で推移している。中でも、近年は中国の航空機の割合が高い。2022年度は約74%、2023年度は約72%、2024年度は約66%である。
スクランブルにおいて、中国の割合が高い中で、今回の事案のように「何をしてくるか分からなくなった」のが現実だ。緊張感が増す「空の守り」の現場で、一体何が起きているのか。
まず中国側の狙いについて分析しよう。松家氏は、中国の軍事活動の目的は、中国共産党の政治思想を背景に、軍事的な野心のみならず、国内世論の統制、疲弊する国内経済からの目眩しなど複合的な動機から成り立つと読み解く。
「中国軍は2025年11月に空母3隻体制を確立させた。これにより、空母から発艦する戦闘機の運用・訓練・整備のローテーション能力が飛躍的に向上したことに加え、第二列島線(伊豆諸島・小笠原諸島・サイパン・グアム・パプアニューギニアに至る中国の対米防衛ライン)への進出もすでに視野に入り、現実化している。日米両国への圧力を強化している形だ。現に、12月6日のレーダー照射も、沖縄本島南東公海で空母打撃群が演習していたときのものだ。この距離感であれば、日本側は九州地域まで緊張感が走る。軍事的には『平時の運用は作戦準備も兼ねている』というのが常識で、奇襲も十分考慮しておく必要がある」
「中国が示威活動を強める理由のうち、軍事的な動機はもちろん、国内の経済問題も考えられる。特に地方では経済的に疲弊しており、共産党指導部は国内世論を統制すべく『強い中国』を全面に打ち出したいという格好だ。先の『存立危機事態になり得る』という高市発言に関しても、中国側は日頃から日本の『失言』を待ち構えており、少しでも示威活動に使えそうな材料を探していたと考えられる。中国指導部は歴史的に自国に有利な『口実』を見つけるという政治スタイルを踏襲している」(松家氏)
このような明確な軍拡路線の中、航空自衛隊にとってどんな危機が想定されるのか。松家氏が指摘するのは、中国の「奇襲」リスクが高まっている点だ。もちろん、現実的に奇襲を行うメリットがなければ奇襲は行われない。ただ、奇襲の可能性を100%否定できない場合、軍事的には身構えを崩せないという。
「中国軍機におけるスクランブル措置は南西部に集中しているが、このエリアにおいて1回1回のスクランブルの緊張感が増している。2016年以前は中国軍機の飛行ルートがパターン化されており、日本側も把握しやすかった。しかし近年は、『どこから、どんなルートで中国軍機が飛んでくるか、期間や頻度など』が非常に分かりにくく複雑化している。また2025年11月の空母3隻体制確立以降、日本に対して領空侵犯しやすい体制をつくったことは言うまでもない。日本側としては空母打撃群と空母で発着を繰り返す中国軍機を常時モニターせざるを得ない」
12月6日のレーダー照射時も、日中間の緊張が高まっていた。
「中国側は捜索レーダーを使ったという主張をしているが、状況証拠としても、技術的にも、『ミサイルを打つぞ』という目的の火器管制レーダーを使ったことはほぼ間違いないだろう。中国も日本のスクランブル機を監視しているはずで、12月6日は『(レーダーを照射している中で)どこまで日本側が耐えられるのか、どのように反応するのかを見極めよう』と判断した可能性も捨てきれない」(松家氏)
松家氏はまた、中国共産党指導部と人民解放軍、組織の末端の軍人のパワーバランスにも注目する。
「危険なのは、中国軍機による今回のような行動が中国軍の組織的判断ではなく、組織の末端の個人のパイロットによる判断で為される場合だ。組織的な動きであればある程度行動にもブレーキが効く。ところが個人が共産党・軍指導部への評価を意識し、アピールとして日本を過剰に刺激する可能性もある。パイロット個人による暴走が、直接戦争の火種につながることも考えられ、非常に危険である」(松家氏)
スクランブルの1回1回の危険度が高まっている状況の中、自衛隊はどのように対応しているのだろうか。
そもそも、小泉防衛大臣も「スクランブルは隊員の負担が大きい」と話したように、スクランブルを行うパイロットは重責を担っている。24時間体制で命令を待機し、発進命令があれば一目散に戦闘機に乗り込む。
「スクランブル隊員は精神的・肉体的に負担が大きい。24時間体制でシフトを組み、待機室ではリラックスしているものの、頭・身体のどこかで緊張感を常に維持させなければならない。体調不良になることは許されないし、慣れによる緩みも厳禁。パイロット個人としても、組織としても難しい仕事だ」(松家氏)
松家氏はまた、スクランブルにおいてはパイロットの負担はもちろんのこと、地上の管制司令部(防空指揮所)も領空侵犯の可能性のある外国の航空機を常に見張っている状態であり、機体の整備士を含め、総力体制で行っているという。
「司令部(防空指揮所)が防空識別圏(ADIZ)に入ってきた航空機に対して、スクランブルを含めた措置の決定を握っている。パイロットが空を飛んでいる時も、司令部の管制官とは常にコミュニケーションをとっている形だ。一般的には司令部がパイロットに対して離脱などの指示を与える。当然、現場の管制官の判断ミスは許されるはずがなく、彼らの負担も大きい。警告射撃の段階になると、さらに上位の司令部に確認をとる場合もあり、組織的な手続きを踏む。パイロット1人に責任を負わせない組織的な措置ということだ」(松家氏)
異例づくめだった12月6日のレーダー照射時も、パイロットと管制官は異常事態に的確な判断を下していたと松家氏は評価する。
「長時間にわたるレーダー照射を受けていた以上、その状況が組織的に把握され、撃墜という最悪の事態を常に想像しながら、地上と空で冷静な連携を取っていたことがうかがえる。常日頃から訓練などによる信頼関係が構築できていたからこそ組織的で的確な対応ができたのではないか」(松家氏)
中国軍機による領空侵犯のおそれは南西部に集中していて、スクランブルの質的な負担が増大している――。南西部には小さな島が点在しており、それぞれの島にそれぞれの領空が存在する。
国家の主権を維持するため、「警察権の行使」として領空を守る責任を航空自衛隊が担っている以上、今後もスクランブルを継続していく必要がある。
「費用対効果の面から見れば、遠方への対領空侵犯措置にコストがかかるのは周知の事実だ。中国側もそれを分かっていて、無人機を頻繁に飛ばし、空自を疲弊させようとしている。だからと言って、主権国家として領空を守らないわけにはいかない。日本の安全保障は『専守防衛』が基本で、パイロットも『撃たれるまで撃てない』のが現実だ。外国軍機から見ても、よほどのアクションをしない限り、向こうは何もしてこない、と分かれば怖くないのは当たり前だろう。
対領空侵犯措置におけるスクランブル機の危険度が上がっている中で、警察権行使のあり方を再検討するべきではないか。相手方が戦闘機の場合、情報収集機の場合、諸外国との比較、などさまざまな観点を総ざらいし、法的な議論を含めスクランブル機の対応のあり方について議論すべきだろう。議論を活性化させることそのものが、外国への『抑止力』につながるのではないか」(松家氏)
急変する日本の空の守り。1回1回のスクランブルの不確実性が極めて高くなっていることを、国民は知っておくべきだろう。
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(フリーランスジャーナリスト 湯浅 大輝)
石破政権の「対中外交」は戦略なき外交の実例だ…前中国大使・垂秀夫氏が警告する“戦略的思考の欠如”
立命館大学教授で、前日本国駐中国特命全権大使の垂秀夫氏が、現在の日本における外交の問題点や、石破政権の「対中外交」への評価について語った。
◆◆◆
垂氏が考える「日本外交に足りないもの」
いま日本外交に欠けているものは何か――。
この問いは、外務省に40年近く身を置き、中国問題に携わり続け、最終的には北京で日本大使として任に就いた私が、外交官人生の終盤に至って最も強く意識するテーマとなった。
答えを端的に言えば「戦略的思考」である。
戦略とは、善悪の価値判断でも、目先の政策の巧拙でもない。まして、各部局の意見を寄せ集め、「折衝」の末に落としどころを探す作業でもない。戦略とは本来、「国家として何を目指し、どの順序で、どの手段を使い、どう実現するか」という未来の設計図である。
また、戦略とは、個々の外交官の勘や場当たりの「職人芸」を超え、国家として繰り返し運用できる“習慣”でなければならない。危機が起きた瞬間だけ声高に唱えるのではなく、平時から目標と手段を結び、政策の順序を整え、資源配分を決めておく――その地味な作業の積み重ねが、危機の瞬間に国を救う。
この基本が、日本外交から徐々に薄れてきたのではないか。
私がそう案じる理由は、理念的な抽象論ではない。外交の現場で、私はこの「戦略の欠如」の光景を何度も、そして痛切なかたちで見てきたからである。
戦略なき外交の実例――石破政権の対中外交
象徴的な例として、石破茂政権の対中外交を、あえて「起承転結」で整理してみたい。
【起】2024年10月の政権発足時、石破政権は対中関係の「改善意欲」を繰り返し示し、首相自身も訪中に前向きな姿勢をにじませた。12月の外相・岩屋毅氏の訪中は、そのシグナルを補強した。中国側もこれを前向きに受け止め、李強首相を含む要人との会談を設定するなど、「両国関係を動かせるのではないか」という期待が生まれた。ここまでは、対話の糸口をつかむ上で決して悪くない。石破首相は対中関係改善のシグナルを送ったと日中双方が受け止めた。
【承】翌2025年1月、米トランプ政権が再び始動すると、北京の空気は一段と硬くなった。米中の角突き合いが先鋭化する局面で、米国側の同盟網が固まることを中国は恐れる。そこで対外的には、日本を含む周辺国や欧州、豪州、韓国などに対して「微笑外交」を強め、「対話」「協力」を前面に出す。日本側から見れば、石破政権発足時の対中アピールと中国側の融和姿勢が噛み合い、一見すると“相思相愛”の気配すら漂っていた。
【転】2月、石破首相は訪米し、トランプ大統領との会談後に日米首脳共同声明が発出された。声明は、中国による東シナ海・南シナ海・台湾海峡での力または威圧による一方的な現状変更への反対、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認した。内容自体は近年の共同声明の延長線上にある。しかし中国側の受け止めは別である。北京は「日本が主導して作った共同声明だ」「結局、石破政権もこれまでの政権と変わりはない」と位置づけ、対日観の軸足を再び“警戒”へ戻す。
【結】そして3月、日中韓外相会談出席のため王毅外相が訪日し、日中外相会談が行われた。中国側はこの機会に、台湾問題を含む「四つの政治文書」の履行を改めて求め、とりわけ歴史問題を繰り返し取り上げた。以後、「抗日戦争勝利80周年」に託(かこつ)けて、中国国内で世論を抗日的に誘導する動きが強まり夏から秋にかけ厳しい抗日映画の封切りなどを含む一連の抗日キャンペーンが展開されることになった。その際、中国側には当初対中アピールを投げかけた石破政権への配慮は微塵も感じられなかった。
こうして見ると、政権発足時の「改善」アピールとは逆方向に、対中関係が揺り戻されている。重要なのは、石破政権の個々の対応が正しかったか、間違いだったか、といった近視眼的な基準で判断しないことである。中国との対話を志向し、日米同盟を堅持し、必要な局面では言うべきことを言う――それ自体は当然であり、間違っているわけではない。
問題は、政権中枢に一貫した対中戦略が存在していないために、行き当たりばったりの“その場しのぎ外交”になってしまい、「起」と「結」のベクトルが噛み合わなくなっている点にある。結果として、「一体何を求めようとしていたのか」と問われても仕方のない対中政策であったと言わざるを得ない。
そしてこれは石破政権に限らない。現在の高市早苗政権も発足とともに、「戦略不在」という同様の問題を抱えている。
※本記事の全文(約8000字)は、文藝春秋2月号および、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」に掲載されています(垂秀夫「 米中露『三国志』時代の日本外交 」)。全文では、以下の内容をお読みいただけます。
・現場で突きつけられた「日本には戦略がない」現実
・中国に学ぶべき「時間を操る思考法」
・官邸に「戦略の中枢」を
(垂 秀夫/文藝春秋 2026年2月号)
「我々を見捨てる気か!」女王の横暴解散に自民党崩壊寸前…なぜか官邸に引き込もる高市総理の本音と「抱えている重大な火種」
絶対に勝つための奇襲作戦のはずだった高市早苗総理の解散戦略は自民党幹部にも知らされてなかった。一方で公明党は立憲民主党と合流し中道改革連合を結成。高市総理がどこまでこの合流を予測できていたのかは不明だが、選挙は厳しさを増した。「高市総理の本音は自民党単独での過半数奪還」といわれるがはたして。ジャーナリストの長島重治氏が解説する。
【画像】高市総理の衆院解散表明会見、その演出でモチーフとされた意外な政治家
深紅のカーテンの裏側「1・19」の衝撃
2026年1月19日。東京・永田町の総理官邸。 記者会見室の壇上、深紅のカーテンを背に立った高市早苗総理は、鋭い眼光を記者団に向けていた。その口から発せられたのは、「宣戦布告」だった。
「なぜ今なのか。高市早苗が首相でよいのかどうか。いま、主権者たる国民の皆さまに決めていただく。それしかない。そのように考えた」
通常国会の冒頭、予算案の審議すら始まっていない段階での「冒頭解散」。来年度予算の成立を事実上棚上げし、国民生活への影響を度外視してまで彼女が突き進む理由は何か。
「総理として進退をかける」
そう言い切った彼女の勝敗ラインは「与党で過半数」。一見すれば当然のラインに見えるが、その実態は「極めて危険な綱渡り」に他ならない。現在の衆院定数465に対し、過半数は233。自民党は196議席、連立を組む日本維新の会が34議席。維新を離党し自民会派に入った無所属議員3名を合わせて、ようやく233議席という薄氷の安定だ。
維新の機能不全「高市総理の本音は、自民党単独での過半数奪還」
つまり、高市総理が掲げる「過半数」とは現状維持を指すが、彼女の真の狙いはそこにはない。側近の一人は、周囲の喧騒をよそに冷徹に言い放った。
「高市総理の本音は、自民党単独での過半数奪還、つまり37議席以上の積み増しだ。閣外から『連立離脱』をちらつかせる維新を押さえつけるため、真の『高市カラー』を打ち出すための聖戦だ」
今回の解散劇の伏線には、連立相手である維新との埋めがたい溝があった。 高市総理と維新の吉村洋文代表。二人の関係は決して険悪ではない。しかし、統治機構としての「自維連立」は機能不全に陥っていた。
「維新は、吉村さんが東京に来ないと何も決められない」
高市総理は最近、周囲にそうこぼしていたという。大阪府知事として地方に拠点を置く吉村氏と、東京の官邸。この物理的な距離が、意思決定のボトルネックとなっていた。
広告塔の沈黙「公邸引きこもり」の謎
何か重要な政策を決めようにも、維新側が「大阪の意向」を確認するたびに時間が止まる。その苛立ちが、高市総理を「単独過半数」という過酷な博打へと突き動かした。
自民党執行部は、この女王の決断に戦々恐々としている。 単独過半数奪還に向け、全国289の小選挙区のうち285以上で擁立を強行。だが、かつての自民党を支えた「最強の集票マシン」は、もうそこにはない。
26年間にわたり二人三脚で歩んできた公明党との決別。これが、各地の小選挙区で地滑り的な惨敗を招くリスクを、総理はどこまで見越しているのだろうか。
解散から数日、自民党本部の選挙対策委員会には不穏な空気が流れていた。 「支持率70%の総理をフル回転させる」という基本戦略が、いきなり出鼻をくじかれたからだ。
1月23日に解散し、事実上の選挙戦がスタートした最初の週末。全国の重点区から「総理に応援に来てほしい」と悲鳴のような要請が殺到した。ところが、24日、25日の両日、高市総理は党首討論会を除き、総理公邸に閉じこもったまま姿を現さなかったのだ。
かつての小泉純一郎氏や安倍晋三氏は、解散の翌日には全国を飛び回り、一日に何カ所もの街頭に立ち、聴衆を熱狂させた。1カ所でも多く演説するために、時にはチャーター機を飛ばすことさえあったという。対照的に、高市総理の静寂。
「総理は我々を見捨てたのか」
「脳梗塞を患った夫、山本拓氏の介護か。それとも政策の猛勉強か」
憶測が飛び交う中、現場の候補者からは「総理は我々を見捨てたのか」という恨み節すら漏れ聞こえる。
自民党が作成した今回の政権公約(マニフェスト)を見れば、その異様さが際立つ。「なるべく文字を減らし、総理の写真を多用した」というその冊子は、公約集というより「高市早苗写真集」だ。
政策の詳細は霞み、総理個人の人気に全乗りする戦略。しかし、肝心の「写真の主」が街頭に現れないのでは、看板倒れと言わざるを得ない。
高市自民の「右傾化」を逆手に取り、音を立てて動き出したのが、立憲民主党と公明党による禁断の合体、新党「中道改革連合」である。
野田佳彦氏と斉藤鉄夫氏の共同代表制。世論調査では「期待が持てない」が52%を占め、若手議員からも「名前が古くさい」と揶揄される始末だ。だが、この新党の本質は「看板」ではなく「数字」にある。
「中道改革連合」という名の刺客。そして辺野古、減税、「悪夢の再来」
「一つの選挙区あたり、1万から2万といわれる公明・創価学会の票。これが自民から剥がれ、我々に流れる。これだけで接戦区の景色は一変する」 合流した立憲出身の若手は、冷徹に計算式を弾く。
大阪16区で中道から出馬する森山浩行氏は、手応えをこう語る。
「私の区では維新、自民、参政党が三つ巴で保守票を奪い合う。反高市の受け皿は私一人。これまでは一強多弱に泣かされてきたが、今回は保守分裂の恩恵をこちらが受ける番だ」
これこそが、高市総理が直面している「公明離反」の真の恐怖である。これまで「下駄」として自民候補を支えてきた組織票が、今度は「刺客」として牙を向く。
しかし、野党連合にも致命的な弱点がある。それは、かつての民主党政権を崩壊に導いた「外交・安全保障」のトラウマだ。
沖縄・普天間飛行場の辺野古移設問題。「政権を取ったら現実的に対応する」と一旦は容認姿勢を見せた安住淳幹事長だったが、地元沖縄県連の猛反発を受け、翌日には「まだ決まっていない」と前言を撤回。24日の党首討論でも、野田代表は高市総理の追及に対し「沖縄に寄り添う」という曖昧な言葉に逃げた。
「中道が政権を取れば、また基地問題で迷走する。これで『悪夢の民主党政権の再来だ』と堂々と言える」 (自民党関係者)
自民党の候補予定者は、この野党の足並みの乱れに一縷の望みを託す。
高市総理自身が抱えている火種。唐突に打ち出した「消費減税」
一方で、高市総理自身も火種を抱えている。唐突に打ち出した「消費減税」だ。 これにマーケットは敏感に反応した。円安が加速し、長期金利が上昇。物価高に苦しむ国民にとって、減税の恩恵よりも金利上昇のデメリットが上回るリスクが顕在化しつつある。
「スパイ防止法」や「防衛費拡大」といった保守層向けの政策は威勢が良いが、足元の経済運営に狂いが生じれば、支持率は一気に瓦解するだろう。
「『進退をかける』と宣言した以上、高市総理はもっと熱量を持って選挙戦に臨まないと痛い目に遭うだろう」
自民党のベテラン議員は、冷ややかな視線で官邸を見つめている。今回の衆院選は、単なる政権選択選挙ではない。 それは、四半世紀続いた「自公体制」という戦後政治のパッケージが崩壊した後の、新しい日本の姿を問う選挙だ。
「公明抜きの自民党の本当の力がわかる選挙だ」
右を向けば維新、参政党。左を向けば公明票を吸い込んだ中道連合。 四面楚歌の中で、高市総理は「自民党単独過半数」というかつての黄金時代の夢を追う。
「公明票抜きの自民党と、自民候補の本当の力がわかる選挙だ」
ある若手候補が漏らしたこの言葉こそ、今回の選挙の残酷な本質を突いている。 高すぎる支持率という「虚像」を剥ぎ取られたとき、高市早苗という政治家が手にするのは、悲願の長期政権か、それとも半年足らずで終わる「短命政権」の烙印か。
真冬の日本列島、その答えが出る日は、もうすぐそこに迫っている。
文/長島重治
《衆院選公示日》なぜ3カ月待てなかったのか…高市首相のポストを読んで思い出した、蕎麦屋の出前
本日は衆院選の公示日。選挙戦が始まる。それにしても、なぜ今なのだろう。
高市首相のポストを読んで思い出した、蕎麦屋の出前
「衆院きょう解散 予算影響 『なぜ今』争点に」(産経新聞1月23日)という見出しもあった。選挙によって経済対策が後回しになるのではないか、という指摘は少なくない。
高市首相はこうした声を意識したのか、Xに長文のポストを投稿した。
・「今回の解散総選挙によって物価高対策が遅れるのではないか」との御指摘をいただいておりますが、そうしたことはありません。
このポストを要約するとこうだ。解散があってもすでに決めた予算と政策に基づき、減税や光熱費・ガソリン支援などは止まらず進んでいる、という趣旨である。
これを読んで思い出したのが、蕎麦屋の出前だ。高市首相の説明は蕎麦屋でよく聞く「今、出ました」によく似ている。店は出たと言う。しかし、客(国民)の家にはまだ実感が届いていない。「実施」と「実感」は同義ではない、という点だ。
しかも今回は出前が届く前に店の宣伝を始めた。配達より先に「この蕎麦屋に任せていいか」という“信任投票”を求めてきたのである。かなり強気だが、まずは配達に専念したほうがよかったのでは。あの蕎麦はいま、どこにあるのか。
振り返ると、去年から取り沙汰されていた解散の時期は予算成立後、たとえば4月解散説だった。あと3カ月弱である。なぜ、この時間を待てなかったのか。もしかすると、この3カ月にヒントがあるのか。
普段なら今ごろ何があるのか。「国会」があった。通常なら国会が始まっている時期である。ということは、国会で取り上げられたくない、話題にされたくない何かがあるのではないか。
相当に都合の悪いものがあったのだろうか
高市首相の立場になって考えてみよう。台湾有事をめぐる答弁をきっかけに、中国との対立はレアアース輸出規制など経済戦の様相を帯びている。国内では物価高対策が続く。しかし、それだけではなさそうだ。
週刊文春最新号 には、次のような解説が載っていた。
「国会が始まれば追及必至の問題が次々噴出。林芳正総務相の選挙買収疑惑、高市氏への宗教法人からの不透明な多額献金に加え、『週刊文春』などが報じた統一教会『TM特別報告』の存在が不安視されていた。野党は材料を集め、手ぐすね引いて待っていました」(政治部デスク)
これらを回避するために、高市氏が「経済対策最優先」という前言を翻して切ったカードが、通常国会冒頭での解散だった、という見方である。相当に都合の悪いものがあったのだろうか。
ちなみに、高市氏への宗教法人からの不透明な多額献金問題については、週刊現代が熱心に追いかけ、文春も報じている。「高市総理に3000万 謎の宗教法人から出た『真っ黒』決算報告書」(週刊現代2月2日号)などだ。
では、こちらも気になる『TM特別報告』とは何か。
この『TM特別報告』は、旧統一教会幹部が韓鶴子総裁に提出した内部文書とされ、政治家との関係が詳細に記されている。安倍晋三元首相については「少なくとも5回会った」との記述があり、言及は約500回に及ぶ。
報告書には、2019年7月、自民党本部で安倍首相(当時)と萩生田光一幹事長代行に教団幹部が面会し、参院選比例代表で北村経夫候補(元産経新聞政治部長)の支援について話題になった、との記述もある。
教団側は「誇張の可能性」を否定していないが、日時など辻褄が合う部分も少なくない。だからこそ検証が必要ではないか。
毎日新聞は文書を入手し検証に踏み込み(1月23日付朝刊)、琉球新報も独自に検証している。ならば、他もどんどん続くべきだろう。
嘘なら大々的に反論すればよいが…
とりわけ注目されるのが、報告書に名前がある平井卓也議員の地元紙・四国新聞である。周知の通り、同紙は平井一族がオーナーを務める新聞だ。
サンデー毎日は「教団に近い『5人の大臣』」(菅政権時)の一人として平井氏の名を挙げている(「『TM特別報告』が浮き彫りにする自民党と統一教会の恐るべき蜜月」)。
教団と近いとされる元大臣の名前が内部文書に記され、その地元紙が“身内”の問題をどう扱うのか。これは政治報道である以前に、メディア自身の姿勢が問われる局面だ。
嘘なら大々的に反論すればよい。もし事実なら、それを伝えるのが新聞の役割ではないか。完全スルーで沈黙という選択肢は、少なくとも誇りある地元紙の態度とは言いにくい。さて、四国新聞はどうするのだろうか。注目である。
そしてこれは過去の政権だけの話ではない。高市首相も決して他人事ではないからだ。現政権においても、教団と関係が深いとされる議員が要職に就いている。
『安倍銃撃事件の当日、“高市首相・最側近”佐藤啓副長官は統一教会集会に招かれていた!《自民調査に「支援なし」と虚偽回答》』(「週刊文春」編集部2026年1月14日)
選挙期間に入れば、『TM特別報告』をめぐる話題は、新聞やテレビから姿を消す可能性が高い。だが、それこそが、解散によって国民の視線をそらしたかったとも言われてしまうのではないか。そんな疑念すら抱かせる――「そんなことより解散」である。
(プチ鹿島)
被告の手錠・腰縄の運用見直し 傍聴人から見えない形へ 最高裁通知
刑事裁判の法廷での被告の手錠・腰縄の着脱について、最高裁が26日、運用を見直す通知を全国の裁判所に出したことが関係者への取材で判明した。これまでは手錠と腰縄を付けて入廷するのが原則だったが、入廷時についたての裏で拘束を解き、傍聴人から手錠・腰縄姿の被告を見られないようにする。被告の人権に配慮した措置となる。
手錠・腰縄の装着には被告の逃走を防ぐ目的があり、裁判官の指示があるまで法廷内では手錠・腰縄を付けているのが一般的な運用だ。
一方で、拘束された姿を傍聴人に見られることは、「『罪人』のように見え、推定無罪の原則に反する」との批判があった。最高裁は2025年から被告の護送を担う法務省、警察庁と見直しの必要性について協議していた。
新たな手順は、①裁判官が入廷し、被告の入廷前に裁判所書記官が出入り口付近についたてを設置②被告はついたての裏で待機し、護送の職員は出入り口を施錠する③裁判官の指示で職員はついたての裏で手錠・腰縄を解き、被告は職員とともに法廷内の自席に移動する――を想定する。
退廷時も同様に、ついたてを設置し、傍聴人から手錠や腰縄が見えないようにする。
最高裁は26日付の通知に、運用イメージとして一連の流れを明記した。法廷の構造や設備など各裁判所の事情に応じて、関係機関と打ち合わせをして具体的な運用を検討するよう求めている。準備が整った裁判所から新たな運用が始まる。
ただし、被告に逃亡や自傷などの恐れがある場合は、従来通り法廷内での手錠・腰縄の装着を認める。
09年に始まった裁判員裁判制度では、裁判員の入廷前に被告の手錠・腰縄を解く運用が定着している。裁判員に「被告が犯人」と予断を与えることを防ぐためで、今回の被告の人権への配慮とは目的が異なる。
日本弁護士連合会は24年、逃走の現実的な恐れがあるような場合を除き、刑事裁判の入退廷時には、被告に手錠・腰縄を使用しないことを求める会長声明を出している。【三上健太郎】
スカウトグループ「ナチュラル」会長、みかじめ料支払い容疑で逮捕…公開手配中に奄美大島で確保
暴力団にみかじめ料を支払ったとして、警視庁は26日、公開手配していた国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」会長・小畑寛昭容疑者(40)(住所不定)を鹿児島県の奄美大島で確保し、東京都暴力団排除条例違反容疑で逮捕した。
発表によると、小畑容疑者は2023年7月、ナチュラルが東京・渋谷駅前の繁華街で女性のスカウト行為をすることを容認する対価として、山口組系暴力団幹部の男に現金60万円を支払った疑い。「今は何も話しません」と供述している。
同庁が昨年1月、逮捕状を取得し、同年11月に全国に指名手配。今月21日に公開捜査に切り替えていた。
ナチュラルはスカウトした女性を全国の風俗店に紹介し、22年の1年間だけで店側から約44億円の紹介料を得たとされる。現在も1500人以上のスカウトが活動しているという。