2025年、石破首相に立ちはだかる3つの壁 36年前の悪夢とは…「ポスト石破」は誰?

衆議院選挙で与党過半数割れに追い込まれた石破政権。2025年の通常国会では、最重要課題の予算成立に向け野党の協力を得るメドは立ってない。“12年に一度”の東京都議選と参院選がともに行われる年に、石破首相に立ちはだかる3つの壁とポスト石破について解説する。(政治部 自民党担当 長谷栞里)
自民・公明が過半数の議席を得られず“少数与党”となり「国会の景色が一変した」永田町。衆議院予算委員会の委員長など、重要ポストが野党の手に渡る中、2025年は与党にとってさらに苦しい場面が続くことが予想される。
国会で審議される予算案や法案は基本的に衆議院・参議院で“過半数の賛成”で可決されて初めて成立する。つまり、現状の与党の衆議院の議席数では、野党にも賛成してもらわない限り、2025年度の本予算案が成立させられないのだ。
2024年、少数与党になって初めての臨時国会では「補正予算」を成立させるために、与党は野党の協力を取り付けるために奔走することになった。
衆院選で大きく議席を伸ばした国民民主党の“看板政策”である「103万円の壁見直し」を取り入れ、日本維新の会とは「教育無償化についての協議開始」で合意。野党2党の賛成を取り付けたことで、何とか補正予算の成立にこぎつけた。
だが、2025年の通常国会では野党から本予算案の賛成を取り付けるメドや道筋は立っていない。国民民主は103万円の壁を「178万円」にすることを求めて、自民・公明を引き続き揺さぶり続けている。また維新も党内が一枚岩ではなく、教育無償化の協議を通じて与党との距離が近づくことへの反発が出ている。
夏には参議院選挙を控える中、国民民主・維新とともに与党に接近し過ぎることは選挙にマイナスとなりかねず、予算賛成へのハードルは高いと言わざるを得ない。
仮に政府・与党が予算を成立させられないと新年度から政策が実行できなくなり、政府の機能が停止するおそれもある。そのため、政府・与党内からは「予算の成立と引き換えに、石破首相は退陣に追い込まれるのではないか」との見方も出ている。
石破首相が予算の壁を乗り越えることができたとしても、次に立ちはだかるのが「内閣不信任決議案」という壁だ。
衆議院で出席議員の過半数が賛成すれば可決される不信任案は、これまでのように「出しても与党側に否決される」国会会期末の“風物詩”ではなく、野党が一致結束さえすれば「出せば通る」不信任案となっている。
野党が内閣不信任案を出して可決された場合、石破内閣は10日以内に“総辞職”するか、“衆議院を解散”しなければならない。過去には、少数与党政権だった羽田内閣が野党に内閣不信任案を提出され、政権発足からわずか64日で総辞職に追い込まれた例もある。
不信任案が可決されるリスクを抱えた石破政権にとって通常国会は後半にかけて緊張感のある状態が続くことになる。
そして、通常国会の2つの壁を乗り越えられたとしても、石破首相には「選挙」という壁も待ち受けている。
2025年は夏に「東京都議会議員選挙」と「参議院選挙」が相次いで行われる予定なのだ。この2つの選挙が同じ年に開かれるのは、12年に一度のこと。選挙の時期が接近しているため、先行する都議選の結果がそのまま参院選の結果と連動することが多い。
過去を振り返ると直近の2013年は民主党からの“政権奪還”直後、2001年は政権発足直後の小泉純一郎フィーバーで、いずれも自民党が都議選・参院選ともに勝利をおさめている。
一方で、さらに12年前の1989年は都議選で、野党の社会党が議席を3倍に増やし、自民党は大敗。直後に行われた参院選でも惨敗し、自民党は結党以来初めて参議院での過半数割れへと追い込まれた。
当時の宇野宗佑首相は辞任、参院選に勝利した日本社会党の土井たか子委員長が「山が動いた」の名言を残したことでも有名だ。
そして歴史はめぐり、2つの選挙を控える2025年。都議選では、小池都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」が国民民主党との連携を模索しているほか、前回の都知事選に出馬した石丸伸二氏が新党を立ち上げて都議選に挑む見通しだ。
自民党にとっては厳しい展開が予想され、36年前の“悪夢の再来”を危惧する声も出始めている。
都議選が近づくにつれ、「石破総理という顔のままで2つの選挙に勝てるのか?」という声が自民党内から上がり、石破おろしに発展することも予想される。
では仮に石破首相が退陣に追い込まれた場合、「ポスト石破」となりうるのは一体誰なのか?
通常国会中に総理・総裁が交代する場合、政治空白を作ることはできないため、フルスペックの自民党総裁選をやっている時間的余裕はない。そのため、両院議員総会を開いて国会議員票を中心に一定数の地方票を加えて総裁選を実施することが想定される。つまり、ポスト石破は“緊急登板”という形になる可能性が高い。
そこで自民党内でまず最初に“即戦力”の候補者として名前が挙がるのが林芳正官房長官だ。林氏はこれまでも不祥事などがあった閣僚の後任として、何度も緊急登板した経験があり、数々の要職を歴任した安定感には定評がある。
ただ、林氏が所属していた旧岸田派の議員からは「再登板の可能性を残したい岸田前首相が林氏への『代替わり』を許さないのではないか」との声も出ている。党内の支持をどれだけ拡大できるかが課題と言える。
また、「ポスト石破」として、前回の総裁選で決選投票に進み、首相の座まで“あと一歩”に迫った高市早苗・前経済安全保障担当大臣を推す声もある。高市氏は党内の保守系グループ「保守団結の会」の会合に顔を出したり、これまでは苦手だった政治家との夜の会食の機会を増やしたりしていて、次の総裁選を見据えた動きとみられている。
ただ、前回の総裁選で高市氏を支持した議員で落選した人が多く、支持基盤に不安を抱えるほか、保守色が強いことから「選挙の顔」となるのか不安視する向きもある。
そのほか、ポスト石破には前回の総裁選に出馬した議員の名前も挙がる。
茂木敏充・前幹事長は、第一次トランプ政権下で日米貿易交渉を担当し、「タフ・ネゴシエーター」と呼ばれるなど、外交経験と即戦力なのが強みだ。
また、「刷新感」や「選挙の顔」となることを期待して小泉進次郎・元環境相や、小林鷹之・元経済安保相を推す声もある。小泉氏は政治改革をめぐる与野党協議を担当し、小林氏は総裁選での陣営メンバーを中心に勉強会をスタートさせている。
ただ、「即戦力」・「安定感」・「選挙の顔」という条件を全て満たすポスト石破は見当たらず、いずれの候補も「帯に短し、たすきに長し」で決定打を欠いている状況だ。
1月24日から始まる見通しの通常国会。石破政権は3つの壁を乗り越え、本予算案を無事に成立させた上で、内閣不信任案のリスクを乗り切り、都議選・参院選の「ダブル選挙」に勝利できるのか?
ポスト石破の候補者たちの動向も含め、石破政権の2025年は先行きが見えない不透明な展開になりそうだ。

所持金はわずか23円…カラオケ店で無銭飲食か 「財布がなくなった」4800円払わず63歳の男を逮捕

代金を支払う意思や能力がないのに、福岡市博多区のカラオケ店で部屋の料金や飲食代を払わなかったとして、1日午後、63歳の無職の男が逮捕されました。
詐欺の疑いで逮捕されたのは、自称の福岡市博多区に住む63歳の無職の男です。
男は1日午後7時35分ごろから約1時間にわたって、福岡市中央区天神のカラオケ店を利用し、部屋の料金(2400円)と飲食代(2400円)を支払わなかった疑いが持たれています。
警察によりますと男は当時、23円しか所持していませんでしたが、部屋から出てきた後、「財布がなくなっている」「知人に連絡したいが携帯もない」などと弁解してきたということです。
男は取り調べに対し黙秘しているということです。

江戸川区北小岩の2階建てアパートで火事 89歳の住人とみられる男性が死亡 火は約2時間で消し止められる

きょう未明、東京・江戸川区の2階建てアパートで火事があり、89歳の住人とみられる男性が死亡しました。
きょう午前3時半ごろ、江戸川区北小岩にある2階建てアパートから「火がついている」と119番通報がありました。
消防によりますと、アパート1階の1室から火が出て、消防車など18台が消火活動にあたり、火はおよそ2時間後に消し止められましたが、1部屋の10平方メートルが焼けたということです。
この火事で、火元となった部屋の89歳の住人とみられる男性が意識のない状態で救助され搬送されましたが、病院で死亡が確認されました。
警視庁は、詳しい出火原因を調べています。
現場は、京成電鉄・京成小岩駅から北東におよそ500メートルの住宅街です。

2025年東京都議選、議会第1党の自民党に苦戦の可能性も…「参院選の前哨戦」与野党が注力

与野党は、参院選の前哨戦として、6月下旬~7月上旬の投開票が想定される東京都議選(定数127)に注力する構えだ。自民党は都議会第1党の座の死守を目指すが、都議会の自民会派でも政治資金パーティー収入を巡る不記載問題が噴出しており、苦戦を予想する声もある。
都議会で自民は30議席で、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」(27議席)としのぎを削っている。2024年7月の都知事選で自民が小池氏支援に回ったことがどのように影響するかが注目される。
過去には、09年都議選で都議会第1党となった旧民主党が翌月の衆院選で政権交代を果たすなど、都議選が国政選挙のバロメーターになってきた経緯があり、立憲民主党などの野党も議席増を狙っている。

「追悼の鐘」に祈り込め 能登地震1年、輪島の寺で犠牲者悼む

能登半島地震から1年となった1日、石川県輪島市門前町総持寺祖院では近くの商店街と合同で犠牲者追悼会が営まれた。午後4時10分の地震発生時刻に合わせ、「追悼の鐘」が突かれ、亡くなった人を悼んだ。
法要では同院の高島弘成副監院が自作した追悼の言葉を読み上げ、集まった地元住民らは、手を合わせて犠牲者を追悼するとともに街の復興を祈った。
近くに住む星野恵介さん(46)は「仲が良かった1歳上の消防団の先輩が地震で亡くなってショックだった。お祭りが好きで、熱い人だった。『天国でも元気か』とか、『趣味の釣りはできているのか』と語りかけながら祈った」と話した。
会場には、震災直後から同町で炊き出しなどの支援活動をしてきたボランティアが制作した氷の彫刻も展示された。制作した長野県松本市のレストラン経営、浅田修吉さん(67)は「震災前から釣りが好きで来ていたので能登は第二のふるさと。もっと早い復興を願いたい。まだまだ支援は続けていく」と述べた。【砂押健太】

二重被災の石川・珠洲 ボランティアが年始も泥出し作業 能登地震

2024年の能登半島地震で大きな被害を受けた石川県珠洲市。同年9月の豪雨災害で二重被災した同市真浦町では新年の1日もボランティアらが建物内の泥を運び出す作業などを行った。
ボランティアら8人は午前9時前から、「ホテル海楽荘」の館内で、2メートル以上も堆積(たいせき)した土砂をスコップや一輪車を使って屋外へ運び出したり、重機を使ってトラックに載せたりした。海楽荘を経営する池田幸雄さん(当時70歳)が濁流にのまれて亡くなった。
ボランティアらは年末年始も休まず泥出し作業などを続ける。休暇を利用して24年12月19日から滞在している神奈川県茅ケ崎市の大工、鈴木勝広さん(59)は「想像していたほど復旧が進んでおらず驚いた。能登が早く復興して、若い人が喜んで帰ってくるような町になってほしい」と願った。【阿部弘賢】

「みんなで前へ」 輪島の仮設住宅に1000個の紙灯籠 能登地震

能登半島地震と2024年9月の豪雨で大きな被害を受けた石川県輪島市町野町の仮設住宅では1日、地震発生時刻に合わせて追悼行事が行われた。住民やボランティアらが黙とうし、静かに手を合わせた。
会場には、「みんなで前へ」などと住民らが手書きしたメッセージを添えた紙灯籠(とうろう)約1000個が用意され、「1・1 NOTO」の文字に並べられた。あいにくの強い雨の中、1995年の阪神淡路大震災を伝える神戸・三宮のガス灯「1・17希望の灯(あか)り」から分けられた明かりがともされた。
近くの家が全壊した前荘太郎さん(87)は「残った人がみな健康でいられるように祈った」。地震前、自宅の周りに計30~40軒あった住宅と店舗は今は数軒だけ。「支援のおかげで生活に不自由はないが、家を再建できる見通しが立たないことが心配だ」と話した。【阿部弘賢】

「涙雨だ」輪島朝市関係者ら、雨強まる発生時刻に黙 能登地震1年の節目に復活誓う

昨年元日に能登半島地震が発生して1年となった1日、激しい揺れや大規模火災で甚大な被害を受けた石川県輪島市の観光名所「輪島朝市」では多くの市民が訪れ、発生時刻の午後4時10分には、朝市の関係者ら約20人が現地で黙(もくとう)して犠牲者の冥福を祈った。
周辺では公費解体が進み、更地が広がる。発生時刻前に降り始めた雨が1年の節目に合わせて強まると、集まった人からは「涙雨だ」という声も上がった。
露天商らでつくる輪島市朝市組合の冨水長毅(とみず・ながたけ)組合長(56)は「能登全体が悲しんでいる」と受け止めた。昨年7月からは朝市の復活に向け、市内の商業施設で出張朝市を開催しており、冨水さんは黙しながら「この1年、復興に向けて頑張りたい」と犠牲者らに語りかけたという。
雨にもかかわらず、花を供えたり、手を合わせたりする市民らの姿もあった。同市マリンタウンの仮設住宅で暮らす松岡江美子さん(79)は1年前を思い出し「崩れた自宅の下敷きになり、近所の人に助け出してもらった」と声を震わせた。朝市に出店していた知人らが亡くなったといい、「家で黙するよりもここで手を合わせたかった」と静かに話した。
同市河井町の自営業、木下京子さん(63)は高校の同級生が犠牲になったといい、持参した花を手向けた。「(亡くなった同級生とは)スポーツジムが同じでよく顔を合わせた。(地震前に)共通の知人の話題でよく会話を交わしたことを思い出す」と寂しそうに語った。(吉田智香)

路上でベトナム人男性刺され重傷 殺人未遂容疑でベトナム国籍の男女2人逮捕 残る2人の行方追う 大阪・西成区

大阪市西成区の路上で先月、ベトナム人の男性が何者かに刺されて大けがをした事件で、警察は27歳のベトナム人の男女を逮捕しました。
殺人未遂の疑いで逮捕されたのは、いずれもベトナム国籍のフィン・タン・フォン容疑者(27)と、グエン・ティ・フェン・チャン容疑者(27)の男女2人です。
警察によりますと、フィン容疑者らは先月27日夜、大阪市西成区津守の路上で、知人のベトナム人男性(25)の背中などを刃物のようなもので複数回刺すなどし、殺害しようとした疑いが持たれています。
警察は2人の認否について明らかにしていません。
現場付近の防犯カメラにはフィン容疑者らとみられる男女4人が男性を追いかける様子が映っていて、警察は現場から逃走した他のベトナム人2人の行方を追っています。

石破首相「大連立も選択肢」

石破茂首相は1日放送のラジオ番組で少数与党の打開策に関し、「大連立をする選択肢はあるだろう」との認識を示した。政権の安定に大連立も想定しているのか問われて答えた。首相は「何のためにというのがない大連立は、一歩間違うと大政翼賛会になってしまう。そこは気を付けないといけない」とも語った。
番組は先月24日に収録された。衆院解散については「内閣と衆院の言っていることに齟齬(そご)が生じたら、国民主権の原理原則で国民に問うてみようということだ」と述べた。
[時事通信社]