大津・保護司殺害 被告に無期懲役を求刑 大津地裁、判決は3月2日

2024年5月に大津市の民家で保護司の新庄博志さん(当時60歳)を殺害したとして、殺人と公務執行妨害罪、銃刀法違反に問われた大津市の飯塚紘平被告(36)に対し、検察側は24日、大津地裁(谷口真紀裁判長)で開かれた裁判員裁判で無期懲役を求刑した。
判決は3月2日に言い渡される。
検察側によると、被告は事件の5年前に起こしたコンビニ強盗で懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決を受け、新庄さんが担当保護司として月2~3回程度面談を重ねていた。事件当時も2人で面談中だった。
検察側は、被告には保護観察中の守るべきルールとして就職することが定められていたが、仕事が長続きしなかったと指摘。被告は、自分が仕事に就けないのは政府のせいで、保護観察制度に打撃を与えて政府に報復したいと考えるようになったと動機を説明していた。
弁護側は、犯行時の被告には行動制御能力が著しく欠けており、「責任能力がないか心神耗弱状態だった」と反論し、被告の刑事責任能力を争っている。
被告人質問で、被告は自身が「守護神様」と呼ぶ心の声に従って殺害に及んだとし、保護司との面談の場は国が管理する場で、面談中に事件が起きれば国が改善を迫られると思ったとした。
新庄さんへの恨みは一切なく、「(国へ)不満をぶつけるのに、たまたま利用した」と述べた。新庄さんや遺族に対しては「非常に申し訳ない」と謝罪する言葉も口にしていた。
起訴状によると、被告は24年5月24日夜、新庄さんの自宅で、新庄さんの胸や首をナイフとおので突き刺し、出血性ショックで死なせたとされる。【礒野健一、菊池真由、飯塚りりん】

高市首相の大誤算!「私の悲願」と豪語の消費税減税に世論「反対」多数の謎解き

世論調査の結果を見て、いまごろ高市首相は困惑しているのではないか。「消費税減税」を「私の悲願」とまで口にした高市首相は、近く「国民会議」を設け、どのような形の消費税減税にするか野党をまじえて協議する予定だ。
ところが、世論調査では、消費税減税に「反対」する声が多数となっているのだ。
■「財源」に不安
毎日新聞の調査(21、22日実施)によると、自民党が公約に掲げた食料品の「2年間消費税ゼロ」について、「確実に財源を確保できない場合は減税すべきではない」が47%とトップだった。
「高市内閣はどういう手段を用いても減税すべきだ」は29%しかなかった。「減税する必要はない」も12%あった。
時事通信の調査でも「減税すべきではない」が24.9%と最多だった。
物価高が3年もつづき、庶民の暮らしは日に日に苦しくなっている。「消費税減税」を歓迎する声が圧倒的な多数となってもおかしくないのに、なぜ「賛成」の声が広がらないのか。
経済評論家の斎藤満氏はこう言う。
「高市首相は、減税を打ち出せば国民が喜ぶと思ったのでしょう。でも、国民はバカじゃなかったということです。食料品の消費税をゼロにしたら、年間5兆円もの税収がなくなります。財源も示さずに減税したら、いずれ“穴埋め”を迫られるのではないかと国民が警戒するのは当然です。しかも“食料品だけ”“2年間だけ”と限定的なため、減税効果が薄いうえ、切り替えの事務負担も大きい。税金はマンションの管理費みたいなものです。安いに越したことはないが、管理が行き届かなければ、マンションの資産価値は落ちていく。税金も減れば、その分、行政サービスが低下する恐れがある。それより、安心して暮らせる社会をつくって欲しい、と考える国民もいるはずです」
高市首相は「国民会議」で協議をすすめ、6月までに中間とりまとめを行うつもりだ。しかし、国民の多くが消費税減税に否定的となれば、すんなりとまとまらないのではないか。
「この先、消費税減税の“是非”が国民的な関心となったら、減税のメリットだけでなく、副作用もクローズアップされる可能性があります。実際、すでに国債下落(金利上昇)や円安加速が懸念されています。消費税減税は“物価高対策”が最大の目的なのに、円安が進んだら輸入物価が上がり、インフレが加速するというアベコベの結果になりかねない。それでも高市首相は、消費税減税に踏み切るのかどうか。国民の多くが賛成なら実行するでしょうが、反対が多かったら二の足を踏むのではないか。しかし、断念したら自民党支持者から『話が違う』と批判が噴出するでしょう」(政界関係者)
消費税減税「反対」が多数とは、誤算に違いない。
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“ゾンビたばこ”東京に大量流入か 関係者が証言「春節終わった時期」航空機で…

プロ野球選手も逮捕されるなど摘発が相次いでいる、いわゆるゾンビたばこについて、番組が薬物の事情に詳しい人物を取材すると、このゾンビたばこが今、中国から東京に大量に持ち込まれる可能性があると明かしました。
【画像】ゾンビたばこ 事情に詳しい人物が語る「流通経路」とは…
ゾンビたばこ 危機感が高まる
「(ゾンビたばこが)日本にも入ってきている、ちょうど入ってきている時期ですね。春節終わって。まさにきょう、きょうから増えるって感じ」
番組の取材で衝撃的な内容を語ったのは、ゾンビたばこの事情に詳しい人物です。
先週、指定薬物の「エトミデート」いわゆる“ゾンビたばこ”を使用した罪で起訴されたプロ野球広島の選手・羽月隆太郎被告(25)、国内でもゾンビたばこに対する危機感が高まっています。
吸引するとゾンビのように徘徊(はいかい)し始める特徴があることから、その名がついたゾンビたばこ。
手足は痙攣(けいれん)し、中には立てなくなったり、道端に倒れてしまったりする人もいます。
東京大量流入か
ゾンビたばこを巡っては、沖縄で中学生を含む若者が逮捕される事件が相次いでいますが、実際は東京でもすでに広がっているというのです。
これについて、事情に詳しい人物が東京・歌舞伎町で取材に応じました。
「あっ、都内ですね」

「(Q.ってことは都内でやり取りがある?)はい」

「これがゾンビですね。直接取引ですね」
埼玉や千葉の地名も書かれていますが、このSNS上で取引をするわけではないといいます。
SNS上では、ゾンビタバコなど違法薬物を示すさまざまな隠語が並ぶほか、取引場所を示す23区が並んでいます。
「テレグラムですね」

「(Q.そっちに誘導するわけですね?)誘導して、ここで直接取引が始まりますね、テレグラムの中で。テレグラムは最低限ですね。テレグラムで消えるメッセージを使ってやり取りをする」
他のSNSの書き込みには、神奈川県の文字もありました。
すでに東京や周辺の県でも広がっている恐れがあるゾンビたばこ。
去年1年間に東京税関で輸入が差し止められた不正薬物は2.7トン。末端密売価格で530億円を超えます。押収量で見ると、ゾンビたばこなどの指定薬物が過去最多でした。
「これから(流通量が)増えたら危険だと思う。っていうのは、簡単に急にパッとできたら数秒で効く。15分とか30分は強烈に効くんで。そこで運転、バイク乗る、原付乗るって若い子たちが事故を起こす、これが一番怖い」
「春節終わった時期」
ゾンビたばこは、どこから国内に持ち込まれているのでしょうか?
「(Q.原産国はどこ?)中国です。メインは中国マフィア。黒社会といわれる彼らが、大体のメインと聞いている」
男性は、中国にいる関係者から春節が終わるこの時期「民間の航空機を利用して日本にハンドキャリーで大量に持ち込む」と聞いたといいます。
「(ゾンビたばこが)日本にも入ってきている。ちょうど入ってきている時期ですね。春節終わって。なんで今(日本国内の)在庫がだいぶ切れているので、これからすごいですね。3月は増えると思います。まさにきょう、きょうから増えるって感じ」
ゾンビたばこが急速に広がっている背景について、詳しい人物はこう話します。
「ダウナー(感情が落ちる)というものがはやる時はだいたい、不景気、世情がつらい、生きているのがつらいから現実逃避したい、目の前のことから逃げたいというのが、やっぱり多いと思う。だから今、そんだけ不景気なんじゃないかなと思う」
厚生労働省は、警察庁などと捜査情報を共有し、ゾンビたばこの摘発を進めていく方針です。
(2026年2月24日放送分より)

公選法違反の入江伸子容疑者を国民民主党都連が除籍処分 玉木代表「ちょっと信じられない運動員買収の疑い」と謝罪

国民民主党の玉木雄一郎代表は24日に国会内で会見を行い、衆院選東京7区に国民民主党から出馬して公職選挙法違反(買収)の疑いで逮捕された元東京都議の入江伸子容疑者について、党東京都連が入江容疑者を除籍処分としたことを明らかにした。
玉木氏は入江容疑者について「先週逮捕されました入江伸子の件について、都連として除籍を発表しました」と明言。「選挙の公正性を揺るがす、あってはならない事案であって、候補者から出たことは痛恨の極み」と頭を下げた。党としてきちんと公選法の教育をしていないのかとの質問には「都議会2期の経験があり新人ではないので、公選法をはじめとした法令への理解もあるということで公認した」と説明。先月22日に党本部主催のコンプライアンス研修や都連の説明なども行ってきたとし「極めて単純な、ちょっと信じられない運動員買収の疑いとなっている。あらためて研修を徹底したいが、個人個人の自覚も大事」と述べた。

横転して焼けた車内から1人の遺体見つかる 走行中に道路脇に転落か 秋田・三種町

24日朝、三種町で、横転して焼けた車の中から1人の遺体が見つかりました。
警察は車が走行中に道路脇に転落したとみて調べています。
北嶋大聖記者
「農地を通る直線の道路のすぐ脇、2メートルほど下で焼け焦げた車が横転しています」
現場は三種町鯉川の町道です。
警察と消防によりますと、午前7時半すぎ「車が田んぼに落ちて燃えている」と通りかかった人から消防に通報がありました。
火は通報から約40分後に消し止められ、車内から性別不明の1人の遺体が見つかりました。
現場は、道の駅ことおか から南東に約800メートルの場所です。
警察は、車が走行中に道路脇に転落したとみて遺体の身元などを調べています。

野党第一党で「ヤジの指示」あったのか 元民主議員は「あった」、前立憲議員は否定

元衆院議員で群馬県議の宮崎岳志氏が2026年2月23日、Xで「ヤジ係」をめぐる投稿を行い、ネットの注目を集めている。
「そもそもヤジ係など存在せず誰の指示も受けていません」
発端となったのは、中道改革連合の岡田悟氏をめぐるX投稿だった。岡田氏は衆院選に兵庫7区から出馬するも落選。22日の立憲民主党兵庫県連大会で、中道改革連合から離党した上で政治活動を引退すると表明していた。
政界引退に伴い、一般ユーザーが「岡田悟、本来1回生のホープである役割の所信表明演説のヤジ係を仰せつかったにも関わらずネットでありえないくらいボコボコにされて同情すべき部分もなくはない」などと投稿。
岡田氏はこの投稿を引用し、「そもそもヤジ係など存在せず誰の指示も受けていませんし、私のヤジは十数秒で周囲の同僚議員にも聞こえないほどの声量であり、高市総理の演説を妨害した事実はありません」と「ヤジ係」の存在を否定した。「事情を何も知らない匿名アカウントによる妄想の産物。同情も不要」と切り捨てている。
ヤジ係に「『フロント5』という名前までついてた」
宮崎氏は岡田氏の投稿について、自身のXで「私がいた頃の民主党・民進党にはヤジ係はあったし、『フロント5』という名前までついてたし、指示してたのは安住淳さんだったし、さらに安住さん本人がそのことをスポーツ新聞に売り込んで記事にさせてた」と主張。
「党首討論で安倍首相が『安住さん! ヤジを静かにさせてください!』と叫んだりもしてた」と明かした。
宮崎氏は06年11年に民主党公認で群馬1区から衆院選に出馬。09年に初当選した。その後は民進党・希望の党に所属したが、無所属を経て21年以降は日本維新の会に所属している。
続く投稿では、「フロント5は一種の『懲罰部隊』で、上に逆らいがちな跳ねっ返りをぶち込んで、最前線送りにするようなイメージで編成されたタンクデサントです」ともしている。
宮崎氏は、日本経済新聞が15年4月に公開した「『影の司令塔』安住国対 党再生へ『地道に』スパルタ」との記事を引用し、「最初からまったく隠してないんですが…(なお机は叩いてません)」とも投稿した。記事では、宮崎氏が言及していた「フロント5」と呼ばれる議員らについてがまとめられており、メンバーには宮﨑氏の名前も並んでいた。
「本当のヤジは、話を聞いていないとできないんですよ」
宮﨑氏は、自身に寄せられたリプライにも返信している。「もうこういうのが通用する時代じゃなくなった、ってことですね。より中身で勝負できるようになるのはいいことです」との声には、「ところがどっこい、ヤジの方が本質だったりして…」。と返答。
「今の有権者が求めているのはヤジの大きさではなく、議論の中身」との声には、「ヤジの本質は論理ですよ。ヤジがなければ、ただ原稿を読み上げるだけの朗読会になりますよ」。「的確なヤジが入るから、『下手なこと言えないな』という緊張感が生まれて、まともな発言をするよう気をつけるようになるんですよ」とヤジにも意義があったと訴えた。
なお、安住氏をめぐる「安住さん、当時から。人前で脚組んだりポケットに手を入れたままと 無礼で高圧的な人だったのですか?」との声には、「あれは強がりだから、可愛いと感じるべきところなんです」としている。
岡田氏は宮﨑氏の投稿を引用し、「民主党・民進党時代は全く知りませんが、私の任期中の立憲民主党ではヤジ係やヤジの指示など全く聞いたことがありません」と否定。
自身をめぐる批判の声にも、「『安住の指示』は民主党・民進党時代と当人が書いていますね」としている。

私がいた頃の民主党・民進党にはヤジ係はあったし、「フロント5」という名前までついてたし、指示してたのは安住淳さんだったし、さらに安住さん本人がそのことをスポーツ新聞に売り込んで記事にさせてた。 党首討論で安倍首相が「安住さん!ヤジを静かにさせてください!」と叫んだりもしてた。 https://t.co/aw0bZxEZ8i

【詳報】ルフィ事件の“指示役”が強盗に手を染めたワケ「自分たちの正体は…」と隠ぺい工作も明らかに【 #司法記者の傍聴メモ 】

全国で相次いだ指示役“ルフィ”らによる連続強盗事件。フィリピンにいた“指示役”としては初めての裁判が行われた。法廷に立ったのは藤田聖也被告(41)。通信アプリ「テレグラム」で“Kim”を名乗り、実行役に「殴ったり蹴ったりしないと報酬はあげません」などと積極的な暴行を加えるよう指示を出していたとされる。なぜ指示役としてリスクの高い強盗に関わるようになったのか。裁判で藤田被告が繰り返し語ったその理由とは。
(社会部司法クラブ記者・宇野佑一)
1月26日、東京地裁で行われた初公判。法廷に現れたのは、黒縁のメガネをかけ黒のスーツ姿の藤田被告。フィリピンから強制送還された時と比べて、顔は痩せ細り肌も白くなっていて、別人のようになっていた。
一連の強盗事件のうち、7件で実行役に犯行を指示したとして強盗致死などの罪のほか、特殊詐欺に関与した罪に問われた藤田被告。
起訴内容について、特殊詐欺の罪は認めた一方、強盗事件では「凶器を使って脅したり暴行をすることは指示していない」などと一部を否認。弁護側は、犯行を手助けした「ほう助犯」にとどまると主張した。
8回にわたり行われた今回の裁判員裁判。法廷に提出された証拠や藤田被告の説明から、強盗に関わるようになった経緯をたどる。
北海道函館市で生まれた藤田被告。高校を卒業した後、福祉の専門学校に進学し介護福祉士の資格を取得したが、地元の不動産会社に就職したという。
札幌市で働いていた27歳の頃「金を稼げる良い仕事はないか」と知人に相談したところ、飲食業や卸売業など「いろんな仕事をしている人」として、ある人物を紹介された。のちに特殊詐欺グループのトップとして“ボス”と呼ぶことになる渡辺優樹被告だった。2人は共同経営者として、不動産業や飲食店経営、コールセンターの運営など幅広い事業を展開したという。
だが、ほどなくして、2人は男性宅から現金が入った金庫を盗む窃盗事件を起こし、裁判で実刑判決を受けたという。事件は、渡辺被告が元交際相手の女性から頼まれ計画したものだったというが、藤田被告の方が重い刑となった。裁判で渡辺被告から、主犯は藤田被告だとして「罪をなすりつけられた」という。
33歳で服役を終えた藤田被告は、解体業や工事現場の作業員として働き始めた。だが、仕事で足のじん帯を切る大ケガをし入院することになった。退院後もリハビリで約1年間家にこもりきりで、ストレスがたまっていたという藤田被告。当時同居していた元妻から、気分転換で海外に行くことを勧められ、2019年7月にフィリピンに向かった。暖かい気候で英語が通じることに加え、「渡辺被告がいると聞いていたので、何かあったら頼れるかもしれない」と考え、渡航先をフィリピンに決めたという。
フィリピンでは、ホテルにこもりFX取引をしたり、近くのデパートに行ったりして過ごしていたが、偶然カジノで渡辺被告に再会。「かなり羽振りが良さそうで格が違う人間になった」と感じた。渡辺被告は、フィリピン人の間でも金持ちの日本人として有名だったという。過去の窃盗事件で罪をなすりつけられたことについて話をふると「まあいいじゃん。終わったことじゃん」と言われたという。
藤田被告が特殊詐欺に手を染めるきっかけは、生活費を稼いでいたFXで損失が出たことだった。渡辺被告に「何か仕事はないか」と相談したところ、ウソの電話を日本にかける“かけ子”をするよう勧められた。「電話が苦手」だったという藤田被告は2019年9月頃から、かけ子や受け子を集める「リクルーター」として、渡辺被告の特殊詐欺グループに加わることになった。“手伝うだけ。3か月で日本に戻ろう”この時はそう考えていた。
藤田被告が加わった、渡辺被告をトップとする特殊詐欺グループ。ここでは、小島智信被告が「渡辺被告の右腕」として現金回収役のリーダーを務めていた。
リクルーターの藤田被告は、SNSを使いかけ子や受け子約20人を集め、3000万円ほどの報酬を受け取ったという。だが、グループに加わってからわずか2か月後に、特殊詐欺の拠点としていたホテルがフィリピン当局に摘発され、かけ子ら36人が拘束された。
この時は身柄の拘束を免れた藤田被告。当初は3か月で帰国する予定だったが、渡辺被告から何度も「延長して欲しい」と頼まれたうえ、新型コロナウイルスの世界的な流行もあって帰国できず、2020年9月頃まで特殊詐欺に関わっていたという。しかし、グループを抜けた後もフィリピンに残っていたところ身柄を拘束された。その後、渡辺被告と小島被告も拘束され、グループは特殊詐欺による収入を絶たれることとなった。
フィリピン当局に拘束された3人は、首都マニラの郊外にあるビクタン収容所に入ることになった。ここには、別の特殊詐欺グループのトップだった今村磨人被告も収容されていた。のちに強盗事件を起こしたとされる4人は、収容所で出会うことになったのだ。
検察側によると、2022年3月頃から、テレグラムで“ルフィ”を名乗り、いち早く強盗の指示を始めていたのが今村被告だった。今村被告は、強盗の実行役を紹介してほしいと渡辺被告に協力を依頼。特殊詐欺による収入を絶たれ新たな資金獲得の手段が必要だった渡辺被告は誘いに乗ることにし、藤田被告と小島被告に実行役の確保を指示した。
当初は、実行役と連絡をとり今村被告に取り次ぐ役割だったという藤田被告。だが、今村被告と渡辺被告と3人で部屋にいる時、実行役への指示をするよう頼まれたという。
今村被告
「全体に指示が行き渡るように、犯行中に実行役と電話をつないでくれる人が欲しい」
渡辺被告
「それくらいならできるでしょ」
藤田被告
「電話つないで指示を伝えるだけならできます」
今村被告
「現場が混乱するから、自分が指示したことだけを伝えてくれればいい」
一連の強盗事件では、今村被告が外部の情報提供者から強盗に入る家の資産状況や家族構成などの情報を入手し、渡辺被告らと計画を立案。計画を基に、渡辺被告が小島被告と藤田被告に指示を出し、実行役を確保していた。犯行時には、主に今村被告と藤田被告が実行役と電話をつなぎ現場に指示を出していたという。
今村被告、渡辺被告、藤田被告の3人は、テレグラムのチャットグループで強盗に関する情報や計画についてやりとりしていた。グループ名は「キヨピース お前も仲間になれ」。
藤田被告が「今村被告と渡辺被告が漫画のONE PIECE(ワンピース)の話ですごい盛り上がっているのを聞いた」ことから、今村被告の名前「キヨト」と「ワンピース」を掛け合わせたこの名前でグループを立ち上げたという。ただ、藤田被告自身はワンピースを読んだことは「全くない」という。
藤田被告
「1人1人が主役なんで頑張ってください」
2022年10月以降、実行役に指示を出し、渡辺被告や今村被告らと共に次々と強盗事件を起こしていったとされる藤田被告。だが、金品を奪えなかったり、逮捕者が出たりして失敗すると、渡辺被告から「ちゃんと指示しないと実行役がお客さん状態になる。 もっと積極的に関わるように話さないとダメでしょ」と、指示の仕方について叱責されたという。
藤田被告は「殴ったり蹴ったりしないと報酬あげません」などと積極的な暴行を指示するようになり、犯行グループは徐々に手口を凶悪化させていった。12月下旬に広島市で起こした強盗事件では、モンキーレンチで頭を殴られた住人の男性が一時意識不明の重体になり、脳に障害が残る大ケガをした。
年が明けた翌月には、東京・狛江市の住宅で90歳の女性がバールで殴られ死亡した。一連の強盗事件で初めて死者が出たのだ。犯行時に藤田被告は、今村被告と渡辺被告と共にそれぞれ実行役と電話をつないでいたが「電波が悪くなっていたためバールで殴った音も聞こえず、現場で何が起こっていたのか誰も把握してなかった」と主張する。
死者が出たことで、日本では“ルフィ事件”と大きく報道されるようになった。渡辺被告らは捜査の手が及ばないように、自分たちの正体は同じフィリピンを拠点とする日本人らの犯罪グループ「JPドラゴン」だと実行役らにウソの情報を伝えていたという。
だが、狛江市の事件をきっかけに、フィリピンから実行役に指示が出ていた疑いがあるとして、ビクタン収容所にいた4人の存在が浮上。翌2月に日本に強制送還され、警視庁に逮捕されることになった。
裁判で「大ケガをさせたり、暴力をふるいに行くことが目的ではなかった」と主張した藤田被告。そもそも、なぜ渡辺被告の要求に応じ強盗に加担したのか。被告人質問で、その理由を説明した。
藤田被告
「100人以上を束ねる組織のボスだったので、北海道にいた頃の関係とは大きく変わり、怖くて逆らえなかった。ビクタン収容所に入って逃げられない環境になり、余計に絶対的な立場になった。収容所ではグループからはずされると生きていくのが大変で、やるしかないと思った」
自身は「4人の中で一番下の4番目の立場」だと述べ、積極的に暴行を加えるよう実行役に指示したことについても「渡辺被告や今村被告の前ではそう言わざるを得ず、『ここまで言ったんだから失敗しても責めないでくださいね』という意味であえて言った」と主張。渡辺被告らの指示に従わざるを得なかったと繰り返した。
一連の強盗事件について「本当に後悔と反省と無念しかない」と振り返った藤田被告。裁判の最後にこう訴えた。
藤田被告
「被害にあわれた方、遺族の方には本当に申し訳ないという気持ちでいっぱい。お金に困って闇バイトに手を出そうとしている人は、大切な人を思い出して、失うものの大きさを考えて、思いとどまってほしい」
2月16日、藤田被告に言い渡されたのは、検察側の求刑通り無期懲役の判決だった。
「ほう助犯にとどまる」とする弁護側の主張に対し、東京地裁は「強制されたのではなく、自らの意思で渡辺被告と行動を共にすることを選択し強盗事件に関与しており、自分たちの組織の利益のために 必要不可欠な役割を果たした」として共同正犯が成立すると認定。
そのうえで「被告人は海外から自らの手を汚さずに指示を出し、生身の人間に残忍な暴行を加えている現実感や抵抗感がないまま、金品獲得に執着して人命を軽視し、犯罪をエスカレートさせた」として、無期懲役が妥当だと結論づけた。
藤田被告は、判決の言い渡しを落ち着いた様子で淡々と聞いていた。
◇ ◇ ◇
【司法記者の傍聴メモ】法廷で語られる当事者の悲しみや怒り、そして後悔……。傍聴席で書き留めた取材ノートの言葉から裁判の背景にある社会の「いま」を見つめ、よりよい未来への「きっかけ」になる、事件の教訓を伝えます。

「普天間の返還条件確認すべき」 沖縄知事、米側「留保」発言巡り

沖縄県の玉城デニー知事は24日、米軍普天間飛行場の返還を巡り「もう一度日米間の合意項目を確認すべきだ」と述べた。県庁で記者団の取材に答えた。小泉進次郎防衛相は20日「日米間の認識に齟齬はない」と発言したが、玉城氏は合意事項を順守するよう米側に働きかけることを日本政府に求めた。
米国防総省は、普天間の代替となる同県名護市辺野古の施設には「長い滑走路」が整備されないとし、代わりの滑走路が用意されるまで「普天間施設は返還されない」と留保する考えを示した。玉城氏は「合意事項が決まっているのに、なぜ米側からこうした発言が出てくるのか」と疑問を呈した。那覇空港については「絶対に使わせない」と重ねて強調した。

1週間前の定期メンテナンスで異常確認されず スカイツリー閉じ込め

22日午後8時15分ごろ、東京都墨田区押上1の東京スカイツリーで、展望デッキ(地上350メートル)につながるエレベーターが緊急停止して乗客20人が閉じ込められる事故があり、約5時間半後の23日午前2時過ぎに全員が救助された。けが人はいなかった。
警視庁やスカイツリーの広報担当などによると、緊急停止したのは、展望デッキとつながる東芝エレベータ製シャトルエレベーター4基のうち2基。1基は無人で、地上30メートル付近を降下中だったもう1基には女児2人を含む男女20人が乗っていた。
消防などが救助にあたり、23日午前1時過ぎ、乗客がいるエレベーターと同じ高さに別のエレベーターを移動。2基の緊急用扉をステンレス製の板(長さ約120センチ、幅約40センチ)でつないで全員が乗り移り、地上5階の出入り口まで降下した。
定員40人のエレベーター内には非常用の水や簡易トイレ、ブランケットが常備されていたが、外部との連絡用の非常連絡装置は動かなかった。約1週間前の定期メンテナンスでは異常は確認されなかったという。
緊急停止の影響で、他のエレベーター2基も安全確認のために停止し、展望デッキに約1200人が一時取り残され、2時間半後までに全員がエレベーターで施設の外に出た。
今回のエレベーターでは2017年3月にも「閉じ込め事案」が発生。上昇中に地上約300メートル付近で停止し、27人の乗客が閉じ込められた。約20分後に運転が再開されたが、原因は不明のままだった。
スカイツリーを運営する東武タワースカイツリーは「長時間にわたり、閉じ込めの状況が続いてしまったことで、ご心労をおかけしてしまい、心よりおわび申しあげます」とのコメントを出した。
スカイツリーは総点検のため、23日に続き24日も終日臨時休業する。25日以降の営業についてはホームページ(HP)で知らせ、事前購入したチケットは払い戻しに応じるという。
終日臨時休業となった23日、スカイツリーのチケットを予約していたという都内の40代女性は「家族で展望デッキに行こうと思って来た。今朝、臨時休業だと知って楽しみにしていたので残念」と肩を落とした。
埼玉から訪れた田辺幸輝さん(73)は「怖いな、もし乗っていたら生きた心地がしなかっただろうなと思った。祝日だし観光客は残念だろう」と話した。【田中理知、洪香、安達恒太郎、安元久美子】

逆走事故、死亡男性を不起訴 東北道で、宇都宮地検

栃木県那須塩原市の東北自動車道で昨年4月、逆走して対向車と衝突し、岩手県北上市の男性会社員=当時(56)=を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)などの疑いで書類送検された宇都宮市の無職前原勇太容疑者=死亡、同(42)=について、宇都宮地検は24日までに容疑者死亡で不起訴処分とした。20日付。
事故は昨年4月26日午後10時ごろ発生。衝突の影響による渋滞にトラックが突っ込み、他の1人を含む計3人が死亡した。負傷者は11人。