男女格差120位、日本が変わるヒントは? 「ジェンダーと政治」研究の三浦まり上智大教授に聞く

スイスのシンクタンク「世界経済フォーラム」が公表した今年の男女格差報告(ジェンダー・ギャップ指数)で、日本は156カ国中120位だった。政治と経済分野の遅れが目立ち、世界最低水準で低迷している。森喜朗元首相の女性蔑視発言をきっかけに世界に知れ渡った「男性優位」の日本を、平等な社会に近づけるにはどうすればいいのか。「ジェンダーと政治」を研究する上智大の三浦まり教授(政治学)にヒントを聞いた。(共同通信=清鮎子)
▽停滞
前回の153カ国中121位から、今回は総合評価で順位を一つ上げたが、経済、健康、教育、政治の4分野全てで順位を下げた。順位は相対的に変動するものなので一喜一憂しても仕方がなく、停滞していることが示されたことが重要だ。
政治分野は「国会議員(日本は衆院)の割合」「閣僚の割合」「過去50年に女性が首脳に就いた年数」で評価される。日本は議員割合が9・9%、閣僚は10%、首相はゼロ。100点満点換算ではわずか6・1点、順位は147位と低調だ。
男女格差報告の主な順位
▽突破口は閣僚
政治の停滞は社会に深刻な影響を与え、刷新は急務だ。特に閣僚は政権トップに任命権があり、改善しやすいところだ。現在、上川陽子法相と丸川珠代五輪担当相の2人しかいない女性閣僚をもっと増やせば、社会を変えようという強いメッセージになる。最低3人、できれば30%程度の6人まで引き上げたい。30%以上の国は2021年1月現在63カ国ある。日本もその水準に追いつけば、政治分野のランキングも改善できる。何よりも、政治の風景が一気に変わるだろう。
今回、米国が前回の53位から30位へ大幅に順位を上げたのは注目される。バイデン政権の誕生で閣僚の女性割合が46.2%だったことが大きい。各分野で活躍している女性を起用し、社会、経済への影響を図るという意思が表れている。 ただ、日本は議院内閣制であり、民間からの登用が限られる。このため、女性議員の母数を増やすことが必要になる。有権者は本気で変えようとする政党を選び、変化を迫らなければならない。
アジアに目を向けると、今回のランキングには含まれていないが、蔡英文総統という女性リーダーを擁する台湾が一番のモデルだろう。国政選挙、地方選挙でさまざまなクオータ制(割当制)を導入して、女性国会議員の割合は4割を超える。地方議会、首長でも女性が多い。
韓国は家父長制が強く、女性議員の割合も低かったが、クオータ制を導入してから、女性議員割合で日本を追い抜いた。既に女性大統領も生まれているほか、文在寅政権の閣僚の27・3%は女性が占める。韓国のジェンダー・ギャップ指数が改善したのは、女性閣僚を増やしたことが大きい。議席は獲得しなかったものの、女性党が結成されたぐらい女性運動の基盤が厚く形成されている。つまり、台湾、韓国とも女性運動の力でクオータ導入を実現し、女性党首を誕生させ、スピード感をもって変革を進めた。日本はどんどん抜かれていく可能性がある。
男女格差報告書
▽教育に懸念
日本は、中長期的には教育が懸念材料だ。難関大学で学生の女性割合が2、3割にとどまることを考えれば、教育機会に男女格差があることは明らかだ。医学部入試における女性差別もあった。大学進学率の地方格差もあり、どの地域、どの家庭に生まれたかで、将来にわたって大きな差が出てしまう。他の先進国では、大学進学率はむしろ女性の方が高くなっている。
教育機会の男女格差を是正するには、法的基盤も必要だ。米国ではタイトル・ナインという教育法があり、スポーツにおける男女差やキャンパスの性暴力に対して、大学の責務を規定している。日本でもこれを参考に立法化が急務だ。
新型コロナウイルス感染拡大もあって、今後、デジタル化が進むが、それを格差解消のチャンスにしなければならない。デジタル技術の習得に女性が取り残されないように、特に地方の若い女性たちが取り残されないようにするのが鍵となる。20年、30年後のリーダーとなる女性を育てるため、教育への投資が必要だ。
そして、教育機会の格差を可視化することも真っ先に取り組む必要がある。日本はジェンダー統計でも出遅れている。どこに男女格差があるのかを明らかにしなくては、有効な手立てを打つことができない。
日本がジェンダー格差解消に本気で取り組まなかった過去30年の間に失ったものは大きい。この間に日本は世界の中で相対的に貧しくなり、経済格差も広がった。女性の貧困も深刻だ。多様な需要を想定する必要があるサービス中心の社会に転換したのに、意思決定の場が男性中心のまま維持されたために、変化に早く気付いた欧米企業との差がついた。
もっとも、機関投資家がジェンダー平等を意識するようになっているため、今後は企業において女性活躍が加速化するだろう。市民社会もまた、森発言への抗議に見られたように人権意識の高まりがある。こうした社会の変化に政治が追いつかなくてはならない。 政治を目覚めさせるのは、有権者の役割だ。社会の閉塞感を解消していくためにも、今こそあらゆる領域でジェンダー平等に集中的に取り組むべきだ。
× × ×
みうら・まり 上智大法学部教授。ジェンダー平等な政治を目指す団体「パリテ・アカデミー」の共同代表も務める。
男女格差報告 世界経済フォーラムが2006年からほぼ毎年発表している報告書で、4分野での男女格差を数値化し、順位を付ける。日本の評価は100点満点で換算すると、経済は60・4点、教育は98・3点、健康は97・3点、政治は6・1点だった。総合順位の首位は12年連続でアイスランド。フィンランド、ノルウェーと北欧諸国が続き、4位にはニュージーランドと、女性が指導者を務める国が上位を占めた。アジアではフィリピンが17位、韓国は102位、中国は107位で、いずれも日本より上位となった。

兵庫・宝塚市の市営住宅で火災 高齢男性が死亡

9日午後8時ごろ、兵庫県宝塚市泉町の8階建て市営住宅で、「6階の1室から火が出ている」と住民から119番があった。6階の1室約50平方メートルを全焼し、この部屋に住む、内海強さん(88)が搬送先の病院で死亡が確認された。
兵庫県警宝塚署によると、火は約2時間後に消し止められたが、7階と8階のベランダの一部も焼けたという。詳しい出火原因などを調べている。
現場はJR福知山線中山寺駅から南西約1キロにある住宅街。

小室圭さん「国民感情にゼロ回答」で眞子さまとのご結婚は前進するのか

8日に突如公表された秋篠宮家の長女、眞子さまとの婚約が内定している小室圭さんによる文書。小室さんの母、佳代さんと元婚約者の間で発生した金銭トラブルの経緯について説明したものだった。

今回、小室さんが公表した文書は、<これまで世の中に出回ってきた金銭トラブルと言われている事柄に関する誤った情報をできる範囲で訂正する>という目的を達成できたのか。

「一連の騒動についての説明は、留学している大学院が修了予定の5月以降といわれていましたが、思ったより早かったというのと、小室さんが帰国して会見を開き、自らの肉声で説明するのではなく、前回同様、文書での説明だったのが想定外でした」(皇室ジャーナリスト)

宮内庁の西村泰彦長官は、この文書について「非常に丁寧に説明されている印象だ」と答え、一連のトラブルの経緯についても「理解できた」と話した。これにより、昨年11月に秋篠宮さまが誕生日会見で示された「見える形」で説明がされたことで、延期が続いていた結婚が一歩前進した向きもある。

「28枚にもわたる詳細ではあるものの、非常にわかりづらい文書でした。一連の騒動における自らの正当性や、小室さん親子が受けたといういわれなき誹謗中傷について訴えてはいるものの、この件でお心を砕かれている天皇陛下や秋篠宮さまへのご配慮、お2人が最も気にされてきた国民感情に応えるものでは決してなかったというのが一般の評価ではないでしょうか」(前出・皇室ジャーナリスト)

納得し喜んでもらえる状況になったか

「<理解してくださる方が1人でもいらっしゃいましたら幸いです>という小室さんの言葉は、天皇陛下や秋篠宮さまが示された<多くの人が納得し喜んでもらえる状況>とは正反対のものと受け取られます。この文書は、秋篠宮さまが事前にお目通しされていないものと思われます」(前出・皇室ジャーナリスト)

小室さんが文書を公表した翌日、眞子さまも<文書を読まれていろいろな経緯があったことを理解してくださる方がいらっしゃればありがたい>と、小室さんと歩調を合わせるようにコメントをされた。

<令和2年(2020年)11月13日に公表された、眞子様が書いてくださった文書にもありますように、私と眞子様の気持ち、そして結婚に対する思いに変わりはありません>

延期になっていた結婚にいよいよ動き出す、という固い決意が感じとられる小室さんの文書だが、国民感情の悪化という火に油を注ぐ形になったと言えなくないだろう。

あとは、正式な結婚発表を待つのみか。

『さよなら朝日』広告掲載を断念した柏書房は、なぜツイッターで朝日新聞に怒ったのか?

現役の朝日新聞記者・石川智也さんが書いた『さよなら朝日』の広告掲載をめぐり、版元の柏書房(東京都文京区)が、朝日新聞への広告掲載を断念したと語ったツイートが波紋を呼んでいる。 同社は3月31日、本の広告を朝日新聞に掲載しようとしたところ、通常の3.3倍という高い出稿料を提示され、取り下げざるを得なかったことをツイッターで投稿していた。 極めて異例ともいえる投稿だが、その真意はどこにあったのか。柏書房取締役の菊池明郎さんは、「提示された料金は、事実上の掲載拒否。(ツイートは)『金銭的ないじめ』に対する、こちらの覚悟を形にしたもの」だという。 朝日新聞側も書籍のタイトルに了承した上で出版契約をかわしていたにもかかわらず、今回の事態となったことについて、担当編集者の天野潤平さんは「まったく筋が通っていない。非常に不可解」と話す。 いったい、どのような経緯でこのようなことになったのだろうか。そして、どんな思いであのツイートをしたのだろうか。菊池さんと天野さんに話を聞いた。(編集部・若柳拓志) ●「さよなら朝日」が出版されるまでの経緯 そもそも、『さよなら朝日』はなぜ柏書房から出版されたのか。 天野さんによれば、2020年7月に刊行した書籍に関する取材で石川さんと知り合い、それをきっかけに『論座』(朝日新聞社の言論サイト)で石川さんが執筆してきた記事や論考を読み、まとめて書籍化することを提案したという。 リベラリズムの立場からリベラル勢力の弱点を検証するという方向性のもと、その内容にふさわしい記事を二人でピックアップし、加筆内容を話し合った。 『さよなら朝日』というタイトルには、SNS上の「#さよなら朝日新聞」というハッシュタグで飛び交う反朝日的な言論を逆手にとる意味や、黄昏(Sunset)と朝日(Sunrise)を掛け合わたうえでの反語表現としての「さよなら」など、様々な含意を込めた。昨年話題になった東海テレビのドキュメンタリー『さよならテレビ』へのオマージュの意味もあるという。 複数の案を出し、二人で話し合ったが、天野さんは「朝日新聞の記者が内部に軸足を置きつつ、朝日を含めたリベラルの言論を自己批評するというこの本の狙いを最も表したタイトル。ジャーナリスティックでクリティカルでもあり、多くの人に手にとってもらえるだろう」と、今回のタイトルを第一候補として提案。柏書房内部でもこのタイトルを推す声が多く、石川さんも最終的に同意した。
現役の朝日新聞記者・石川智也さんが書いた『さよなら朝日』の広告掲載をめぐり、版元の柏書房(東京都文京区)が、朝日新聞への広告掲載を断念したと語ったツイートが波紋を呼んでいる。
同社は3月31日、本の広告を朝日新聞に掲載しようとしたところ、通常の3.3倍という高い出稿料を提示され、取り下げざるを得なかったことをツイッターで投稿していた。
極めて異例ともいえる投稿だが、その真意はどこにあったのか。柏書房取締役の菊池明郎さんは、「提示された料金は、事実上の掲載拒否。(ツイートは)『金銭的ないじめ』に対する、こちらの覚悟を形にしたもの」だという。
朝日新聞側も書籍のタイトルに了承した上で出版契約をかわしていたにもかかわらず、今回の事態となったことについて、担当編集者の天野潤平さんは「まったく筋が通っていない。非常に不可解」と話す。
いったい、どのような経緯でこのようなことになったのだろうか。そして、どんな思いであのツイートをしたのだろうか。菊池さんと天野さんに話を聞いた。(編集部・若柳拓志)
そもそも、『さよなら朝日』はなぜ柏書房から出版されたのか。
天野さんによれば、2020年7月に刊行した書籍に関する取材で石川さんと知り合い、それをきっかけに『論座』(朝日新聞社の言論サイト)で石川さんが執筆してきた記事や論考を読み、まとめて書籍化することを提案したという。
リベラリズムの立場からリベラル勢力の弱点を検証するという方向性のもと、その内容にふさわしい記事を二人でピックアップし、加筆内容を話し合った。
『さよなら朝日』というタイトルには、SNS上の「#さよなら朝日新聞」というハッシュタグで飛び交う反朝日的な言論を逆手にとる意味や、黄昏(Sunset)と朝日(Sunrise)を掛け合わたうえでの反語表現としての「さよなら」など、様々な含意を込めた。昨年話題になった東海テレビのドキュメンタリー『さよならテレビ』へのオマージュの意味もあるという。
複数の案を出し、二人で話し合ったが、天野さんは「朝日新聞の記者が内部に軸足を置きつつ、朝日を含めたリベラルの言論を自己批評するというこの本の狙いを最も表したタイトル。ジャーナリスティックでクリティカルでもあり、多くの人に手にとってもらえるだろう」と、今回のタイトルを第一候補として提案。柏書房内部でもこのタイトルを推す声が多く、石川さんも最終的に同意した。

【独自】子育て・副業・ボランティア…希望者に「週休3日」、自民提案

正社員らに週休3日で働くことを認める「選択的週休3日制」の導入に向けた自民党提言の原案が9日、判明した。既存の週休2日制を維持しつつ、政府に対して「希望者に選択的週休3日制を提供できる仕組みを広範に導入する」よう求めることが柱だ。政府は導入に前向きな姿勢を示しており、提言をきっかけに議論が加速しそうだ。
党の1億総活躍推進本部(本部長・猪口邦子元少子化相)が月内に提言をまとめ、菅首相に提出する。
原案では、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリモートワークが普及し、「柔軟な就労形態への対応力が日本に内在することがわかった」と指摘した。週休3日に増やすことは「子育て、介護や治療と仕事の両立」「大学院進学などのキャリア形成や副業、ボランティア活動による自己実現」など、多様な働き方の推進につながるとした。
また、都市部で働く人が制度を活用することにより、「週に1~2日、地方で兼業するケースが想定される」とし、地方創生につながることも盛り込んだ。
一方、制度の推進には「経済団体の協力が不可欠」とした上で、コロナ禍では「国民の暮らし、雇用を守ることが第一だ」と明記。感染収束後に先行導入した企業例を積極的に周知することを提案した。国家公務員や地方公務員については「民間企業の取り組み状況を踏まえ、中長期的な視点に立って検討していく」との表現にとどめた。
加藤官房長官は5日の記者会見で、「育児、介護、闘病など、生活と仕事の両立を図る観点からも、多様な働き方を推進することは重要だ」と述べ、導入を検討する考えを示している。政府は「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)に反映させることも視野に入れており、導入する中小企業への支援策などが課題となる見通しだ。

▽希望者に提供できる仕組みを広範に導入
▽子育てや介護との両立など多様な働き方を推進
▽地方での兼業を推進し、地方創生にもつながる
▽国家・地方公務員は民間企業の取り組みを踏まえ、中長期的な視点で検討

「底引き網漁船が転覆」通報、夫婦の男女2人死亡確認

10日午前0時50分頃、岡山県笠岡市沖で操業中の漁船から第6管区海上保安本部に「漁船が転覆している」と通報があった。
水島海上保安部などが巡視艇を派遣し、同1時35分頃、同市の白石島から北に約500メートルの海で同市北木島町、漁師奥野恵三さん(60)の底引き網漁船「優生丸」(4・99トン)が転覆しているのを発見。その後、海に投げ出された奥野さんと、船内に残された妻の真美さん(58)が見つかり、いずれも死亡が確認された。
2人は9日夜からエビなどの漁に出ていたという。周辺は北東5メートルの風で波の高さ約30センチと比較的穏やかだったとみられ、今後、転覆原因を調べる。

男性校長、男性教諭に「かわいいな」とメッセージ

大阪市教育委員会は9日、生徒に約30分間正座させるなどの体罰をしたとして、市立中の男性教諭(38)を停職2か月とするなど小学校長や教諭計7人を停職や減給の懲戒処分にしたと発表した。処分はいずれも3月31日付。
発表によると、男性教諭は昨年11月、授業中に悪ふざけをしていた男子生徒の胸ぐらをつかんで廊下に移動させたほか、教室内で約30分間正座させた。
別の市立中で女子バレーボール部の顧問だった男性教諭(30)も停職2か月。昨年7~8月頃、部員4人に「どつきまわすぞ」などと言い、ボールを投げ当てるなどした。
また、女性職員の携帯番号を履歴書から入手したり、飲食店で太ももや肩などを触ったりした市立小の男性校長(63)を停職2か月の処分。別の市立小の男性校長(60)は、男性教諭に無料通信アプリ「LINE」で「かわいいな」などのメッセージを送信したり、この教諭のロッカーを無断で複数回開けたりし、減給10分の1(6か月)とした。校長2人は3月末で退職した。

勤務中に女性署員とスノボ、公用車で「温泉」「遊覧船」も…前署長を停職に

前北秋田署長の小松辰弥警視(57)が勤務中に女性署員とスノーボードをした問題で、秋田県警は9日、小松警視を停職3か月の懲戒処分としたと発表した。処分は同日付。監察課の調査の結果、ほかにも公用車で温泉に行くなど不適切行為が明らかになった。
発表によると、小松警視は昨年8月、署員4人と管内の山間部で警察無線の感度調査をして、帰りに署員2人と温泉で入浴。同10月には、休日に署員4人と北秋田市の景勝地「小又峡」で無線の感度を調査し、遊覧船に乗って写真を撮るなど私的な観光も行った。いずれも移動には公用車を使用した。同行の署員は「署長に言われてやむを得なかった」と処分しなかった。
今年2月に公用車で北秋田市の森吉山阿仁スキー場に行って私物のスノーボードで滑り降りた。「事故現場の確認のためだった」と釈明していたが、同課は「現場確認にスノーボードで下る必要がない」と不適切行為と認定した。
昨年~今年に同署管外の大仙市、秋田市、三種町へ出た際は、警務部長に届け出ておらず、正規の手続きを踏まなかったとして処分対象とした。
小松警視は警部への降格を希望し、4月9日付で降任。また、当時同署で小松警視を補佐する立場の警視と警部の計2人については同日付で本部長注意とした。
佐藤雅宏・首席監察官は「県民の信頼回復のため、より一層の警察活動の推進を図る」と謝罪した。

“動物の死骸を投げ入れ”“ダンプで店舗に突っ込む” 「ヤクザ」が資金稼ぎのために行ってきた“汚れ仕事”の実態

株価や地価などの資産価格が急激に上昇し、異常ともいえるほどの好景気を迎えたバブル期。多くの企業や地主が莫大な利益を得ていた背後で暗躍したのが「ヤクザ」たちだ。手段を選ばない方法で、彼らはさまざまな“汚れ仕事”を請け負っていた。果たして、その具体的な方法はどんなものだったのだろう。
ここでは、別冊宝島編集部が執筆した『 日本のヤクザ 100の生き様 』(宝島社)を引用。ヤクザの資金作りの実情について紹介する。(全2回の1回目/ 後編 を読む)
◆◆◆
弘道会とセントレア、宅見組と関空
空港、原発、大型橋梁――これらの開発事業では従来、広域暴力団が大きな利権を握ってきたとされる。広大な用地買収や埋め立てに伴う漁業権の整理、複数県にまたがる工事の利益配分から完成後の騒音対策まで、あらゆる関連事業に食い込んで巨額のカネを吸い上げてきたのだ。某組織の企業舎弟が語る。
「六代目山口組と神戸山口組の最高幹部たちを見れば、いずれもデカいシノギを手にして成長したことがわかる。弘道会がセントレア(中部国際空港)に食い込み、宅見組が関空(関西国際空港)の事業を仕切ったのは有名な話だ。ほかには福井の正木組が日本海側の原発、淡路島の友会が明石海峡大橋や大鳴門橋の建設にからんで力をつけた」
ヤクザが高額の上納金を納めながら大組織での出世を目指してきたのは、組織のトップに近づくほど地元政財界の「信用」がつき、大型の開発事業に食い込んで大きな利益を得られるようになるからだった。
一方、都会派のヤクザのなかにはまた別の生き方をする者たちもいた。資産インフレが続いていた高度経済成長期には、どれだけ早く動き、有望な不動産を確保するかが商売の要でもあった。
「典型的だったのが、パチンコ屋。いまは郊外型が主流だが、昔は駅前の一等地を、相場より高いカネを使ってでも押さえなければならない。当然、同業者と競合するからヤクザの腕力もいるわけだ」(西日本の金融業者)
どんなビジネスにも「汚れ仕事」の需要はあるものだが、それが最も露骨なかたちで表れたのが、バブル景気における「地上げ」だった。1980年代における地価高騰は、銀行の貸し出し競争と、それをウラで支えた地上げビジネスの共同作品だったといっても過言ではない。
不動産バブルで潤った銀行とヤクザ
日本の金融界は戦後長らく、旧大蔵省が主導する護送船団体制下で横並びの状態にあった。それが、80年代の金利自由化で生存競争に突入。これが不動産バブルと重なり、銀行は土地の担保さえあれば湯水のように融資を吐き出した。
この頃、ヤクザのフロント企業が主に手がけたのが「地上げ」である。銀行やデベロッパーは背後にヤクザがいることを知りつつ、あえてフロント企業を使っていた。なぜか。最大の理由は「スピード」である。正規の手続きをショートカットして、力ずくで仕事をまとめる技術だ。
毎日のように土地の値段が上がり続けていたバブル景気においては、この「能力」はとりわけ重宝されていた。開発予定地からの立ち退きを拒否する地権者や住人がいても、ヤクザは彼らの権利など意に介さない。獰猛そうな大型犬を連れた刺青の男が周囲を威嚇しながら徘徊し、糞尿や動物の死骸を住居に投げ入れ、ひどい場合にはダンプで店舗に突っ込むなどして、無理やり要求を飲ませるのだ。そのようにして地上げを素早くまとめられるということは、依頼者である企業がその分だけ土地を安く仕入れられることになり、最終的に開発を終えて売却したときに得られる利益の最大化につながる。
たとえば現在の価値が100億円で、1年後には確実に200億円に値上がりする(と思われる)土地があったとする。開発会社は2カ月間でその土地の80%までを自力で買い進めたが、よりによってど真ん中に立つアパートの住人たちが、頑なに立ち退きを拒んでいる。このままでは到底、1年で開発を終えることはできない。
そんなとき、「30億円くれれば、1カ月で確実に追い出してみせます」という地上げ屋が現れたらどうするか。相手の正体が暴力団だとわかっていても、「よろしくお願いします」といってカネを差し出す開発会社が、バブル期には実に多かったのだ。
だが、そんな夢のような時代はいつまでも続かなかった。
日本経済の変遷と山口組の分裂
90年代初頭のバブル崩壊後、ヤクザの存在は日本経済の新たな厄介事として浮上する。焦げついた融資の担保物件の多くが「暴力団がらみ」となっていたために、金融機関が不良債権処理を思うように進められなかったのだ。
ほんの少し前まで、銀行とヤクザは利益を分け合う関係だったわけだが、それもバブル崩壊を機に一変していた。両社がウラで手を結ぶことができたのは、経済の急成長にともなって、互いの取り分が自然と増えていたからに過ぎなかったのだ。
そして92年3月、暴対法が施行され、ヤクザに対する包囲網は徐々に狭まっていく。
一方、大規模公共事業にからんで大金を儲けていた面々にも、やがて冬の時代が訪れる。2001年に始まった小泉構造改革で公共事業が劇的に減り、当局の監視も厳しくなって、ヤクザが数十億から百億円もの大金を一気に手にするチャンスはほぼなくなってしまったのだ。
小泉構造改革から恩恵を受けた弘道会
ところが、そんななかでも独り潤う組織があった。中部地方を地盤とする弘道会だけは、小泉構造改革から相当な恩恵を受ける結果となったのだ。
小泉政権は、派遣労働の規制緩和や円安誘導を同時に行い、輸出型産業の成長を強力にあと押しした。その筆頭格が中部地方の自動車産業である。バブル崩壊後の長期不況から日本が立ち直れたのは、中部地方を中心とする輸出産業が牽引力になったからだといえる。それを陰で支えたのが、派遣や請負など企業にとって雇用負担の少ない労働力だ。
だが、こうした人員を大量に集めるには、たんに殺風景な工業地帯に住居を用意するだけではだめだ。彼らの従事するメーカーでの部品の組み立て作業は苦痛なほど単調で、週末にはストレス発散が欠かせない。多くが独身男性である彼らは、金曜日の夜ともなると名古屋に繰り出し、弘道会が仕切る歓楽街に吸い込まれたわけだ。
司忍・六代目山口組組長が誕生したのは、弘道会のシノギと「いざなみ景気」が絶頂を迎えていた、2005年7月のことである。
その後、当局の締めつけがさらに強まり、弘道会もまた資金源を失っていく。しかし六代目の出身母体であり、ナンバー2の若頭の地位をも押さえていた弘道会には、まだやれることが残っていた。ほかの組織から収奪しつつ、最後のオアシスである東京の利権を独占するのである。
弘道会がそれを目指した結果、組織内の矛盾が増大し、分裂に至ったのは見ての通りである。
山口組の分裂もまた、終わることのない日本経済の変遷と無関係ではなかったということだ。
【続きを読む】 拳銃を突きつけて穴を掘るように指示 「あまりにも…」と刑事が絶句したヤクザ史上最も残酷な“殺戮”とは
拳銃を突きつけて穴を掘るように指示 「あまりにも…」と刑事が絶句したヤクザ史上最も残酷な“殺戮”とは へ続く
(別冊宝島編集部)

国内のコロナ感染、計50万人超 変異株拡大、第4波本格化の様相

国内の新型コロナ感染者が9日、累計50万人を超えた。2月上旬に40万人に達してから約2カ月で10万人増える速いペースが続く。「まん延防止等重点措置」の適用対象地域を含む関西では、感染力が強いとされる変異株が広がり、東京でも感染者が増加傾向を示す。9日は全国で3日連続3千人超となる3454人の感染者が確認され、「第4波」が本格化する様相が強まっている。
国内の感染者は昨年1月に初めて確認された。共同通信の集計で10万人を超えたのは10月29日。春の第1波と夏の第2波を経て、第3波に差し掛かった時期だ。その後、感染が拡大して12月下旬に20万人を突破した。