【独自】教員の懲戒免職・解雇理由、官報に記載へ…再応募時にわいせつ処分歴などチェック

わいせつ教員問題の対策を強化するため、文部科学省は教員が懲戒免職・解雇された理由について、「子供へのわいせつ行為」など五つに分類し、官報に判別できるようにして記載する新制度を4月1日から始める。教育委員会などが教員を採用する際、応募者が過去にわいせつ行為で処分されていないかを把握できるようにするのが狙いだ。
懲戒免職されるなどして教員免許が失効した場合、教員免許法に基づき、官報に氏名や免許状の種類などが掲載される。免許が失効しても3年たてば再取得できるため、再度、教員に応募することが可能になる。
そのため、文科省では、官報に掲載された情報を基に免職歴を調べることができるツールを、教委や私立学校を運営する学校法人に配布している。
これまでは、応募者の免職歴が確認できた場合、処分した教委にその内容を尋ねるなどしてきた。ただ、「個人情報」などを理由に教えてもらえないケースもあり、処分理由を本人に尋ねても、虚偽の申告をされたらそれ以上追及するすべはなかった。
そこで、文科省は同法施行規則(省令)を改正し、処分理由について、〈1〉18歳未満や勤務する学校の幼児・児童生徒に対するわいせつ行為・セクハラ〈2〉それ以外のわいせつ行為・セクハラ〈3〉交通法規違反や交通事故〈4〉職務に関連した違法行為など〈5〉その他――の5類型に分けたうえで、これを識別できる形にして掲載することにした。
過去には、わいせつ行為で処分されても、それを隠す目的で改名して教員に採用された例もある。そのため、各教委に対しては、改名歴のある教員については官報掲載時に旧氏名の併記も求める。
文科省では2月末から、過去40年分の免職歴を調べることができるようにツールを大幅に拡充した。ただし、今回の処分理由の付記については、4月1日以降に懲戒免職・解雇された教員から適用される。
省令改正に先だって行われたパブリック・コメント(意見公募)では、「権利の侵害に当たる」との意見も寄せられたが、文科省は「懲戒免職は行政処分であり、犯罪歴を明記するわけではない」としている。萩生田文部科学相は「適切な採用選考が行われることが期待される。実効性のある対応を引き続き講じていきたい」と話している。

【独自】55万円「シャネル」にJCBギフトカード111枚差し出す、「おかしい」と直感した店員

ジェーシービー(JCB)が発行する商品券「JCBギフトカード」の偽造券が昨年、東京や愛知、大阪などで計2700枚以上見つかっていたことが捜査関係者への取材でわかった。精巧なため、偽造券と判明せずに金券ショップなどを通じて一部が市場に流通している可能性もある。昨年3月にデザイン変更された「新券」の偽造券も含まれ、警察当局は暴力団などの資金源になっているとみて警戒を強めている。(糸井裕哉、伊藤大輔)
組員が「首謀」

「おかしい……」。昨年1月20日、大阪市中央区の輸入ブランド品店。16歳少年を接客した30歳代の女性店員はそう直感した。
少年が購入しようとしたのは、約55万円もする「シャネル」のバッグ。店員に差し出したのは額面5000円のJCBギフトカード111枚だった。店員は「10万円分以上の商品券を出された場合は照会する」という店のルールに従い、JCBに連絡。券の特徴を伝えたところ偽造券と判明し、少年と見張り役の男の2人が偽造有価証券行使容疑などで逮捕された。
その後、愛知県警と大阪府警の捜査で首謀者として浮上したのは、指定暴力団山口組系の「野内組」(岐阜市)組員の男(32)だった。関係者の供述などから男の関与を裏付け、今年2月に逮捕。男は3月17日、偽造有価証券行使罪などで名古屋地裁に起訴された。
中国から密輸か

捜査関係者によると、JCBギフトカードの偽造券は昨年、東京、愛知、大阪のほか、野内組の拠点の岐阜県などで計2700枚超が押収された。このうち917枚を押収した愛知県警の幹部は「かなり精巧で、店頭でとっさに見抜くのは難しい。客が大量に持っていた場合、JCBに照会してほしい」と話す。
大半は前年の2019年に全国の小売店や金券ショップで5000枚以上見つかったものと同一の偽造券で、券番号が「6」で始まり、切り離す部分のミシン目が粗いなどの共通点がある。同年に北海道警に逮捕された20歳代の男は調べに「中国から1万枚近い偽造券が持ち込まれたと聞いた」と供述したという。
暴力団関係者らのほか、中国人も各地で摘発されている。捜査当局は、海外の犯罪組織が密造した偽造券が大量に日本に持ち込まれた上、暴力団と中国人グループの2ルートでばらまかれているとみている。

取り調べ動画投稿で実刑判決 71歳男に高知地裁

名誉毀損容疑で逮捕され、高知地検の取り調べを受けた際の様子を録音・録画したデータを動画投稿サイト「ユーチューブ」に投稿したとして、刑事訴訟法違反(開示証拠の目的外使用)の罪に問われた高知市の無職小松満裕被告(71)に、高知地裁(堀内綾乃裁判官)は29日、懲役2月(求刑懲役6月)の判決を言い渡した。
判決理由で堀内裁判官は、被告が動画の削除を弁護士から促されても、従わなかったと指摘。「完全な回復が困難となるインターネットへの掲載は悪質。法益侵害は継続しており、刑事責任は重い」とした。被告は判決を言い渡された後、法廷で「控訴します」と断言した。

大阪知事「まん延防止等重点措置」適用を国に要請へ 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染が急拡大しているとして、大阪府の吉村洋文知事は29日午後、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請する方針を明らかにした。吉村知事は府庁で記者団に対し、「第4波に入っていると思う」と語った。週内に対策本部会議を開き正式決定する。
国が同措置の適用を決めると、自治体は飲食店に時短命令などを出すことができる。
大阪府では28日の新規感染者が東京(313人)を上回る323人となり、3日連続で300人以上になった。【石川将来】

蓮舫氏、政府のコロナ対策に苦言「オリパラの前にやるべきことを求めます」

立憲民主党の蓮舫参院議員(53)が29日、自身のツイッターを更新。下げ止まりに見える新型コロナ感染者数について、政府の対策に苦言を呈した。
この日、東京都が28日に新たに確認した感染者が313人となり、前の週の日曜日よりも57人増加。都の担当者が「増加が止まらなくなり始めている」と危機感を強めてるという記事を貼り付けた蓮舫氏。
「徹底した検査、早期発見と早期治療・隔離。自粛と迅速な補償。特に感染力の強い変異株を抑え込むことが最大の目標。検査で見つけてクラスターを抑え込むことと、ワクチン」と列挙すると、「予算委員会で菅総理に何度も何度も要請しましたが『大丈夫だと思います』との答弁。オリパラの前にやるべきことを求めます」と厳しく続けていた。

ゴーン被告の妻「知らなかった」 逃亡計画巡り、テレビで

【サンパウロ共同】元日産自動車会長カルロス・ゴーン被告の妻キャロル容疑者は28日、CNNブラジルとのビデオ通話インタビューで、ゴーン被告の逃亡計画を「知らなかった」と述べた。キャロル容疑者に対しては、偽証容疑によって日本で逮捕状が出ている。
ゴーン被告のレバノン逃亡を支援したとして、東京地検特捜部は22日、犯人隠避の罪で米国籍の親子を起訴。関係者によると、2人は逃亡を手助けしたことを認め、キャロル容疑者の依頼だったと説明している。
またゴーン被告も28日のCNNブラジルとのビデオ通話インタビューで、日本での逮捕は「ショック」で「冗談かと思った」と話した。

母親に対する放火殺人容疑で26歳長女を逮捕 長野・安曇野

長野県安曇野市で今月、母親に暴行を加えた上で家に放火し、殺害したとして、県警は29日、長女で住所不定の無職、張康恵容疑者(26)を現住建造物等放火と殺人の疑いで逮捕した。遺体や室内の状況から殺人容疑で捜査していた。
逮捕容疑は今月5日、安曇野市豊科の住宅で、母親の張明亜さん(当時56歳)に暴行して家に放火し、焼死させたとしている。県警は認否を明らかにしていない。県警は29日未明、長野市内にいた康恵容疑者を見つけ、任意同行を求め、事情を聴いていた。【皆川真仁】

名古屋、高齢者接種券の発送開始 約6000人に

名古屋市は29日、4月14日から予定する高齢者向け新型コロナウイルスワクチン接種のクーポン券発送を始めた。発送先は、同市中区居住で、2021年度末までに80歳以上となる約6100人。30日にも対象となる各戸に配達される。
4月中はワクチン供給量が少ないため、地域や年齢層を限定して接種する。名古屋市の全16区のうち、大きな繁華街を抱える中区は累計感染者が最も多い。この日は市担当者が、クーポン券の入った封筒が詰められた段ボールやケース約20箱を、市内の郵便局の窓口に運び込んだ。
4月1日から予約を受け付け、同14日から中区役所を会場に集団接種を始める。

五輪開催中に大地震が起きたら?競技会場倒壊の可能性は低いが…

3月20日に発生した宮城県沖を震源とする最大震度5強の揺れは、首都圏にまで及んだ。2月13日の福島県沖地震(最大震度6強)以降、各地で大きな揺れが頻発しており、人々の不安は高まっている。
政府の地震調査研究推進本部の分析(2020年)によれば、今後30年以内にM7程度の首都直下型地震が起こる確率は約70%。政府の中央防災会議によれば、都心南部でM7.3クラスの直下地震が起きた場合、首都圏の死者数は最大で2万3000人にのぼるとされる。
そこで懸念されるのが、7月23日からの開催を目指している東京五輪への影響だ。東京女子大学名誉教授(災害リスク学)の広瀬弘忠氏が語る。
「新型コロナウイルスの影響で海外からの一般客の受け入れは断念したと発表されましたが、それでも各国の選手や大会関係者約数万人の来日が想定されています。
また国内の観客が有力視されている『50%上限』と仮定しても、大規模会場には数万人が集まります。五輪期間中に首都直下型地震が発生すれば想定を超える被害が出る可能性は高い」
加えて今回は、新型コロナの感染収束が見通せない中での開催となる。関西福祉大学教授(渡航医学)の勝田吉彰医師がいう。
「4月から始まる高齢者へのワクチン接種は7月末頃までかかると見られており、五輪開催時期にはまだ流行が続いていると考えられます。新型コロナのような強い感染症が蔓延している時期に大地震が発生した事例は過去にないため、もし起きれば混乱は避けられないでしょう」
首都直下型地震とコロナウイルスのパンデミック。五輪開催中の東京を2つが同時に直撃したら、どんな事態が待っているのか。
「自転車」「馬術」は急に止まれない
大会期間中は首都圏を中心に9都道府県42会場で各競技が開催される。
東京都の五輪招致活動の推進担当課長を務め、五輪会場でもある東京体育館の建設に関わった経験を持つ国士館大学客員教授の鈴木知幸氏によれば、競技会場自体が地震で倒壊する可能性は低いという。
「五輪で使用される公共施設は、M7クラスの大地震を想定した耐震化が採用条件になっている。新国立競技場はもちろん、東京体育館や日本武道館も建物が大きく破損するような事態は起きないと思います」
だが、競技によっては選手やスタッフが危険にさらされるかもしれない。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏が解説する。
「多くの競技は地震発生とともに試合を中断するでしょうが、急に止まることのできない自転車競技の選手は非常に危険です。特に室内を周回するトラックレースは最高時速70kmで狭いコースの中を駆け抜けるため、走行中に地震が起きれば転倒し、死傷事故につながる可能性がある。同様に、馬術競技も急な揺れで馬が暴れ出してケガをするリスクがあります」
サーフィン、ヨットは「津波」の危険
東日本大震災で甚大な被害をもたらした「津波」の心配もある。
「東京湾北部が震源の場合、4mの防潮堤を乗り越えるほどの津波が襲うと予測している専門家もいます。そうなれば有明アリーナなど複数の競技場が集中するベイエリアの会場に到達する可能性もある。津波は通常、湾の最奥部で一番高くなるため、東京湾の奥にある幕張メッセも警戒が必要です」(同前)
震源地が内陸ではなく、陸地から離れた沖合で起きる「海溝型地震」だった場合はより深刻だ。
「サーフィンが行なわれる千葉県の釣ヶ崎海岸や、セーリング会場の神奈川県の江の島ヨットハーバーでは、選手が津波に巻き込まれる危険が考えられます」(鈴木氏)
江の島がある相模湾が震源だった場合、神奈川県は発生から90秒後には選手やスタッフのいる海岸付近、8分後には観客席にも津波が押し寄せるとシミュレーションしている。
※週刊ポスト2021年4月9日号

報酬アップは地方議員なり手不足解消の特効薬にあらず

中国山地に抱かれた人口6500人足らずの鳥取県智頭(ちづ)町で、議会でいったん可決した議員報酬引き上げが2年延期に追い込まれた。議員のなり手不足解消がねらいだったが、住民が「説明不足」などと反発し白紙撤回を求める署名活動に発展したためだ。引き上げに関して議会は、第三者で構成する審議会に諮問し、議論は「議会だより」で町民に周知しており、大河原昭洋議長は「引き上げの手続きに不備はなかった」とする。議会と反対住民の“ボタン”はどこで掛け違ったのか。
有権者の2割が反対署名
「月額報酬22万9千円を5万1千円引き上げ、28万円とする」。そんな条例改正案が議長を除く「9対2」で可決されたのは昨年9月議会。施行は改選後の令和3年7月30日とした。
発端は、無投票となった平成29年の前回町議選(定数12)だった。住民の政治への関心が高いとされた同町で無投票は異常事態。議会衰退を懸念した町議会は、翌年の12月議会で「議会改革に関する調査特別委員会」を設立し、議会活性化の検討を始めた。その中で議員報酬や定数の問題が俎上に載り、令和元年に鳥取大准教授や町民らで構成する「特別職の報酬等に関する審議会」に諮問。その結果、「報酬は増額、定数は現状維持」の答申が示された。
これを踏まえて同特別委は2年3月議会で、若い人や働き盛りの人が立候補しやすい環境づくりとして議員報酬の増額を議会に報告し、9月に可決したのだった。こうした経緯は「議会だより」を通じて随時町民に広報されていた。
ところが、可決後の昨年10月に開催した議会報告会で、白紙撤回を含めて報酬引き上げに反対する厳しい意見が住民から噴出。住民団体「智頭の住民活動を考える会」が結成され、条例の改廃を請求する署名活動を展開し、有権者の2割にあたる1167人の署名が集まった。
請求代表者として今年3月議会で意見陳述した同会の宮本行雄代表は「議決に至るまで住民説明がなく、引き上げ額の根拠が不明。報酬引き上げに値する議会や議会活動とは思えない。町の財政面でも懸念がある」などと引き上げの問題点を列挙した。
報酬28万円は町職員並み
議員のなり手不足は全国的な課題だ。全国町村議会議長会が学識経験者らに依頼してまとめた「町村議会議員の議員報酬等のあり方最終報告」(平成31年3月)によると、平成2年の町村議員調査で議員の仕事について「奉仕的な性格が強い」の回答が72・6%を占めたのに対し、23年調査では「ボランティアと同じでよいとは思わない」が80・8%に達し、名誉職的な考え方からの意識変化が如実に表れた。背景には、議員定数の減少による業務増や地方分権の進展による業務の高度化・専門化で、議員活動に費やす時間が増加したことがある。
こうした変化とは別に、総務省の31年調査によると、鳥取県内町村議員の平均報酬は22万1473円で、県議の77万9千円、市議の43万4371円と比べると格段に低く、専業で生活するには厳しいのが実態。政務活動費の支給もなく議員活動費用は基本的に報酬で賄っている。引き上げ後の報酬28万円は町職員(一般行政職)の平均給料月額に準じ審議会が答申した額だ。
一方、最終報告によると、平成23~29年の6年間で全体の1割を上回る全国95議会が報酬を増額していたが、報酬検討過程で懇談会や報告会などの住民参加を実施した議会の引き上げ実施率が高いことが特徴としてあげられた。最終報告は、議員報酬改定について「住民からの批判が多いテーマへの説明責任という意味があり、住民と考えることが望ましい」と指摘する。
智頭町議会では、特別委が引き上げの結論を出したあとの昨年5月、町民向けの議会報告会を開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で開けず、町民へ直接、説明する機会がなかった。このため、議会だよりだけの報告となってしまった。それに加え、もともと「議会活動がみえない」と不満を抱いていた町民が反発したのが今回の事態の背景にあるようだ。
2年延期したが再度の検討も
同町議会は、住民団体の指摘も踏まえて、議会の報告会の開催を来年度以降、現在の6地区から町内全87集落へ変更し「議会の見える化」を図る。さらに、議員活動の詳細な記録を全議員が行って引き上げの根拠とする方針を打ち出した。
今月22日に閉会した3月議会では結局、署名を受けた議員報酬の引き上げ撤回議案を否決し、議員発議の報酬引き上げ条例実施の2年延期を可決した。大河原議長は「2年延期の間に、住民と意見交換し理解を得る活動を展開する。2年後に無条件に引き上げるのではなく、その時点で再度考える。町財政の状況を見てアップを見送ることだってある」と話した。
一連の騒動は結果的に、議会と住民の間の距離を縮め、議会が本来果たすべき役割を作動させる引き金となった形だ。