「鬼滅の刃」映画を盗撮、観客が110番…書類送検の男「後で見直そうと思った」

映画館で人気アニメ「

鬼滅
( きめつ ) の刃」の映画を盗撮したとして、千葉県警千葉中央署は26日、千葉市中央区の会社員の男(53)を著作権法と映画盗撮防止法違反容疑で千葉地検に書類送検した。私的使用目的で映画を盗撮する行為を取り締まる同法を適用するのは、2007年の施行以来、県内では初めて。
発表によると、男は昨年12月26日午後9時10分頃~同10時30分頃、22回にわたって携帯電話の録画機能で「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」のシーンを盗撮した疑い。盗撮に気づいた他の観客が110番した。男は調べに対し、「映画に引き込まれ、後で見直そうと思った」などと話しているという。

出口治明「日本のLGBTQ、障がい者対応が世界から3周も遅れてしまった理由」

※本稿は、出口治明『自分の頭で考える日本の論点』(幻冬舎新書)の一部を再編集したものです。
まずファクトチェックをしてみましょう。
日本は世界の先進国ということになっていますが、先進国中の先進国の集まりであるG7でLGBTQの扱いがどうなっているかというと、5つの国で合法的に結婚ができ、1つの国で正式な結婚でなくてもフランスのPACS(連帯市民協約)のようなパートナーシップ(シビルユニオン)が認められています。
それに対して日本では法的な結婚は認められておらず、パートナーシップも60ほどの自治体でかろうじて結べるだけの状況です(2020年10月末現在)。このような国はG7では日本のみです。
僕が創業したライフネット生命は、生保業界で初めてLGBTQパートナーの保険金受け取りを認めましたが、これは原点に立ち返って考えてみれば当然のことです。生命保険ができたのは約250年前、2人で生活していて片方が死んだら残された方は生活に困るというところから始まりました。その原理原則からすれば、2人が同性か異性かは関係ないはずですよね。
認めない理由として憲法を引き合いに出す人もいます。憲法24条の「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立」するという記述に照らせば、日本では同性婚は許されないというのです。
しかし、たとえば憲法学者の木村草太さんなどは、憲法24条と同性婚やLGBTQは十分両立し得ると主張されています。LGBTQの法律論に関心のある人は木村さんの本を読んでみてください。
LGBTQのような少数派を認めていけば、社会の秩序が崩れてしまう、どこまで尊重すればいいのかキリがない、という声もあります。
そうした問題を考えるときに留意しなければいけないのは、その問題は多数決で決めていいのかどうか、ということです。たとえば、消費税を15%に上げるかどうかは多数決で決めていい。しかし、基本的人権はどのような社会であっても多数決とは関係なく、保障されなければいけない問題です。
LGBTQは基本的人権の問題で、多数決の問題ではありません。
同様に夫婦別姓問題も、ほとんどの場合は女性が姓を変えているので女性に対する人権侵害だという理解が国連でもなされており、やはり多数決の問題ではありません。ですから、国連は3回にわたって、夫婦別姓を認めるよう日本に勧告を行っているのです。ちなみに法律婚で夫婦同姓を強制しているのはOECD加盟国の中では日本だけです。
社会問題について考えるときは、数の論理で判断できるのか、それとも数の論理とは関係のない人権に関わる問題なのかを、分けて考える必要があります。
LGBTQの人権を保障する政策を実現させていくと、かなりの社会的コストがかかるという指摘もあり得ます。性別を変更する手術を全面的に認め、戸籍の変更を認め、法律婚も認め、それに付随する相続に関する法律も変え、学校などでは更衣室やトイレも改装するなどしていくと、たしかにかなりの手間とコストが必要です。
ですが、そうした現実面の課題は時間をかけて1つずつ解決していくしかありません。たとえば、デンマークでは時間をかけて1つずつ課題を潰していきました。その結果、デンマークではほとんどのトイレが男女別にはなっていません。全部が同じような個室仕様です。基本的人権や個人の尊厳に関わる問題は、時間やコストがかかってもやっていくしかないのです。
コストや手間がかかることでも、慣れればそれが当たり前になるという実例はたくさんあります。たとえば、プライバシーを守るために、個人情報を書いたハガキに黒いシールを貼ることがそれです。これなども面倒といえば面倒だし、コストもかかることですが、プライバシーは大事だという意識が浸透した結果、当然のこととして受け入れられるようになってきました。
LGBTQもそれと同じです。子どもの権利も女性の権利も障がい者の権利も、多くの人権は、最初は「余計な手間とコストがかかる」と批判されながら、現実的な施策をひとつひとつ積み重ねることによって、権利として確立してきたという歴史があります。
タテ軸で見る、すなわち歴史的に見れば、日本はもともと性的マイノリティに対して寛容な社会でした。室町時代には、足利義満が世阿弥という美少年をいつも自分の側に置いていたため、貴族たちが「あまり人前で男の子をかわいがるのは見苦しい」と日記に残しているほどです。室町時代は、日本文化の象徴といわれる茶道や華道が始まった時代ですが、当時は同性愛に対して寛容でした。
平安時代にも『とりかへばや物語』のように、今日でいえばLGBTQにあたる人物が登場する物語があります。LGBTQに厳しい眼を向けるようになったのは、男女差別の激しい朱子学に範を得て天皇制をコアとする家父長制の国民国家をつくろうとした明治以降のことで、それ以前の日本ははるかにオープンな社会だったのです。
ではヨコ軸で見たらどうでしょうか。
日本は特別な国だから他国は参考にならないという人がときどきいますが、そもそも人間はホモ・サピエンスという同一種です。世界の先進国がこぞってやろうとしていることは基本的には間違いが少ないという仮定に立ったほうが、賢明な選択ができると思います。
したがって、LGBTQについては、ヨコ軸で考えても、社会的に認めていく方向が妥当だと判断できます。冒頭でも述べたように、G7の中で同性婚を法律で認めている国は5カ国、国の制度としてパートナーシップ(シビルユニオン)を認めている国が1カ国です。これに対して日本は2020年10月末現在でまだ60ほどの自治体がパートナーシップを認めているだけなので、エビデンスベースで考えれば2周、3周遅れもいいところです。
男と女が結婚して子どもを授かるのが生物として自然なありようだ、同性愛は動物としての本性に反しているという意見もあります。その意見は100%間違いではありませんが、かといって、そのこととLGBTQの権利を保障することとは矛盾しません。
動物には大きい配偶子を持つ性=メスと、小さい配偶子を持つ性=オスがいます(生殖細胞のうち、接合して新しい個体をつくるものを「配偶子」といいます)。人間も動物なのでオスとメス、両者の配偶子が合体して子孫をつくります。
ところで、人間以外の動物でも、子どもをつくらないものがいます。大きい配偶子のもの同士が一緒に生活したり、その逆だったりするケースがあり、少数派が存在するのです。
LGBTQや障がい者は、端的にいえば、すべての動物において一定の確率で生じる少数派であって、存在して当たり前なのです。ハンディのある個体やマジョリティとは性質の異なる個体が一定割合含まれているのが、多様性があるということであり、それが自然の本来の姿です。
したがって、人間においても、そのような少数派をインクルージョン(包摂)するほうが、社会のあり方としては、はるかに健全だといえます。
LGBTQからは逸れますが、インクルージョンは都市のあり方にも当てはまります。20世紀の都市論は、世界遺産になった上野の国立西洋美術館を設計したル・コルビュジエの思想が1つの基盤になっています。都市の中に大きな道を縦横に走らせ、ここは住宅地区、ここは商業地区、ここは工業地区とセパレート(分離)してゾーニングするという発想です。ブラジルの首都ブラジリアはこの思想に則って建設されています。
この考え方に真っ向から反対したのがジェイン・ジェイコブズというアメリカ人のジャーナリスト・都市研究家です。彼女は真っ直ぐな道など面白くも何ともない、道はくねくねと曲がっていて、どこへつながっているのかわからないほうが楽しい、町も商店やオフィス、住宅などがごちゃ混ぜのほうがいい、なぜならば人間は仕事もすれば、モノも買うし、生活もしているのだから、と主張しました。インクルージョンの発想です。
20世紀の都市論は、この2つの思想のあいだで争われました。どちらの町が楽しいかはいうまでもありません。どこかの国へ行き、とてもきれいで大きくて真っ直ぐな目抜き通りがあって、その裏になんだか怪しげな小道があるとしたら、皆さんはどちらの道を歩くでしょうか。
僕なら迷うことなく怪しげな道のほうへ行きます。大きくて真っ直ぐな道は車には便利でしょうが、人間にとっては決して魅力的ではありません。一目で遠くまで見通せてしまう道より、人の営みのにおいがする路地を歩きたいというのが、人間の素朴な心理ではないでしょうか。
こんなことからも、僕は、セパレートの思想よりもインクルージョンの思想のほうが、人間性に即していると思います。
セパレートの思想は産業革命によって均質な労働者を確保するために生まれました。学校がその典型です。そして、セパレートの思想は均質な労働者に加えて、国民皆兵にも合致したため、国民国家の中で急速に市民権を得ていきました。それ以前の人間社会はインクルージョンの社会でした。つまり、セパレートの思想のほうがずっと新しいのです。
インクルージョンの思想に基づけば、事業主に一定割合の障がい者を雇用するよう義務づけている障害者雇用促進法は意義あるものといえます(民間企業は2.2%、国や自治体は2.5%)。
ところが、2018年には、国や自治体が、障がい者の雇用率を水増しするという、実に情けない事実が次々と発覚しました。
2周も3周も周回遅れの日本で、LGBTQや障がい者など少数派の人たちが安心して暮らせる社会の実現は、急務です。少数派の人たちに優しい社会は、実は多数派の人たちにとっても暮らしやすい社会なのです。
ちなみに最近の僕は、LGBTQより広い概念であるSOGI(Sexual Orientation & Gender Identity 性的指向と性自認)という言葉を、なるべく使うようにしています。
———-
———-
(立命館アジア太平洋大学(APU)学長 出口 治明)

ゴミ箱をテーブルに…品川駅の新幹線待合室で「酒宴騒ぎ」 JR東海が注意喚起の張り紙

JR品川駅の新幹線待合所に掲示された張り紙がSNS上で話題になった。いったい、何が起こっているのか。J-CASTニュースは、この張り紙についてツイートしたユーザーと、張り出し主であるJR東海に取材した。
「なかなか混沌としていました」
ツイッターで注目されたのは、JR品川駅の在来線と新幹線の乗り換え改札付近にある待合スペースに掲示されていた張り紙だ。感染拡大防止の観点から、冒頭の注意書きを行っている。
張り紙についてツイートしたユーザーは取材に対し、緊急事態宣言発令にともなう食店への時短要請が始まった1月ごろから、同所で「宴会」をしているグループを見かけるようになったとする。
JR東海の広報担当者も26日、「最近待合室内で、特に夜間、複数人で長時間、飲酒をされるお客様が見受けられるようになりました」と回答した。
「新型コロナウイルス感染症対策の観点でも適切ではない」
JR東海の広報担当者は、張り紙を掲示した理由についてこう述べる。
JR東海が管轄する首都圏の東海道新幹線の駅では、品川駅のみでこのような張り紙を掲示したという。担当者は、飲食店への時短要請が各駅の集会の増減に影響したかは不明だが、今後も感染症対策へ協力してほしいと訴えた。

巡査長、バイクで信号無視…パトカーの追跡から逃げる

バイクで赤信号を無視し、停止を求めるパトカーから逃げたなどとして、兵庫県警が阪神地区の所轄署に勤務する30歳代の男性巡査長を道路交通法違反(信号無視など)容疑で現行犯逮捕していたことが分かった。県警は26日、巡査長を免職の分限処分と、減給10分の1(1か月)の懲戒処分にしたと発表した。
発表によると、巡査長は昨年10月30日、勤務を終えてバイクで帰宅中、交差点で赤信号を無視。パトカーに停止を求められたが、確保されるまで約500メートルを逃げたという。
その後、巡査長が勤務中に馬券を購入していたことが発覚。購入費を捻出するために、金融機関から数百万円の借金をしており、県警は「警察官の適格性が欠けている」として、免職処分を決めた。

教室から出て行った児童を追いかけ4、5回蹴る…懲戒処分の教諭「体罰の認識あまかった」

山形県教育委員会は26日、教職員3人の懲戒処分を発表した。
同県村山地区の公立小学校の50歳代男性教諭は、体罰をしたとして、減給10分の1(2か月)とした。男性教諭は、2019年6月~20年10月、無断で教室から出て行った児童を追いかけ、膝やすねの辺りを4、5回蹴ったり、反抗的な態度を示したとして、頬を平手で2回たたいたりした。児童にけがはなかった。児童と保護者には、すでに謝罪した。男性教諭は「体罰に関する認識があまかった」などと話しているという。
昨年7月に同県小国町の道の駅「白い森おぐに」でバッグを盗み、今年2月に窃盗容疑で逮捕された、村山地区の公立高校の40歳代男性事務員は、停職6か月相当とした。会計年度任用職員で、任期が今月末のため、実際の停職は5日間となる。
各校の校長は、文書訓告と厳重注意処分とした。
また、昨年6月、私用で乗用車を運転中、歩行者に衝突して重傷を負わせた、同県置賜地区の公立中学校の50歳代男性教諭を戒告とした。

市立小卒業証書の学校印、校長の前任校のもの…複数職員の確認でも気づかず授与

兵庫県加古川市教委は26日、市立小学校1校で今月23日に行われた卒業式の際、卒業生約90人に授与した卒業証書の学校印が誤っていたと発表した。同小は卒業証書を作り直し、児童らに謝罪して手渡すという。
市教委によると、同小では今年から卒業証書の様式を変更し、校長が前任校で使っていた様式の見本を担当職員に渡して作成を指示。職員は校名を変えるなどして作ったが、学校印は校長の前任校のままになっていた。学校印の文字はデザイン化されたもので複数の職員で確認したが気づかなかったという。
26日、保護者からの指摘でミスが発覚した。

常磐線事故、車を270m引きずる…乗客避難後に火柱上げ車と先頭車両が炎上

激しい炎が電車の先頭部分を包んだ。26日未明に茨城県土浦市木田余で起きたJR常磐線の衝突事故。目撃した近所の住民は「乗客がみな無事で良かった」と話していた。
県警土浦署によると、事故があったのは午前0時10分頃。乗客ら64人を乗せた10両編成の下り普通電車が、線路内にいた車に衝突した。車を約270メートル引きずって停車。車は炎上し、先頭車両も焼けた。
近くに住む男性(49)は自宅2階で就寝中、「ボコボコボコ」という鈍く大きな音で目を覚ました。事故現場に向かうと、焦げ臭いにおいが漂っていた。「土浦方面に移動してください」。車内アナウンスが聞こえ、車内の乗客は乗務員の誘導で最後尾に向かっていた。
先頭車両に誰もいなくなった後、「ボン」という破裂音が数回聞こえ、架線を超えるほどの高さの火柱が上がった。みるみるうちに、乗用車と先頭車両が炎に包まれたという。
JR東日本水戸支社によると、常磐線の特急は始発から運転を見合わせた。普通電車も土浦―羽鳥駅間で午後5時50分頃まで、運転を取りやめた。
26日午後には、運輸安全委員会の鉄道事故調査官2人が現地調査を始めた。加藤剛調査官は「枕木に傷があったので、(電車は)脱線した状態で走行したとみられる」と述べた。

コロナ第4波襲来に身構える菅政権 「お手上げ解除」で早期解散遠のいたか?

菅義偉首相は新型コロナウイルス緊急事態宣言の「お手上げ解除」に追い込まれた。政権の行方はさらに不透明感が増すばかり。当面はリバウンド対策に全力を挙げざるをえず、「4月解散」の可能性は遠のいたようにみえる。ただ、自民党総裁任期まであと半年、衆院任期満了まで7カ月を切ったのも現実だ。首相は感染状況を見極めながら、衆院解散の好機を探るが、コロナ対応と公明党にどう折り合いをつけるかが課題だ。(共同通信=内田恭司)
「内閣総辞職では済まない」
菅首相が大型連休(GW)の前後に衆院を解散する早期解散論が、永田町界隈から聞こえてくるようになったのは、2月後半に入ってからだ。コロナ感染者数が減り、内閣支持率が上昇に転じたことが背景だ。首相肝いりの「デジタル庁設置法案」を4月中に採決・成立させる日程が固まり、政府が生活困窮者への給付金支給の検討に入ったことも、この解散論の支えとなった。
さらに首相が4月上旬に訪米する日程が固まると、帰国直後に解散に踏み切るとの説が急浮上する。懸念材料は、7月の東京都議選を国政選挙並みに重視する公明党の意向だが、衆院選の投開票日は5月中になるので、都議選まで1カ月以上空く。これなら「公明党もぎりぎり容認できる」(自民党ベテラン議員)との見立てがささやかれた。
選挙に踏み切れば、自民党は現有278議席(議長含む)のうち20前後を失うが、自公両党で280議席以上を得るという政治評論家の予測も、まことしやかに流れた。
こんな政局論を吹き飛ばしたのも、やはりコロナだった。3月後半以降、感染のリバウンドが明らかになると、4月解散論に懐疑的な見方が広がった。
立憲民主党の枝野幸男代表は18日、「第4波が生じたら内閣総辞職では済まない」とけん制。首相は21日の自民党大会で「どんなに遅くとも秋までにはある。先頭に立って戦い抜く決意だ」と述べるにとどめた。GW明けを含め、「解散はまだ先」との見方が広がった。
3月21日が期限だった緊急事態の全面解除は、花見や入学、会社の異動などで人の動きが活発になる時期と重なり、多くの専門家がコロナ感染の第4波襲来を強く懸念している。
新型コロナのワクチン集団接種訓練で、アレルギー反応が出た人への対応手順を確認する参加者=2月28日、大阪市
6月には一般向け接種も
それでは、次のタイミングはいつなのか。取り沙汰されるのは7月4日投開票の都議選との同日選だ。コロナ対策の「切り札」となるワクチンの供給が鍵を握るが、河野太郎担当相は、6月末までに米ファイザー製ワクチン1億回分(5千万人分)を調達できるとの見通しを示した。実現できれば政権の成果としてアピールできる。
菅政権としては、第4波を阻止するため監視を強めながら、局所的に感染が拡大すれば、新規の強制措置など対策を総動員して抑え込む構えだ。英アストラゼネカ製や米モデルナ製のワクチン承認も見込み、一般向け接種を前倒しする検討にも入った。
埼玉県北本市の第一三共子会社工場で始まったアストラゼネカワクチンの製剤化作業=3月11日(第一三共提供)
アストラゼネカ製は国内製造が始まり、モデルナ製は6月までに4千万回分(2千万人分)が供給される計画だ。政権のもくろみ通りなら、6月中には高齢者3600万人全てにワクチンが届き、一般向け接種も進んでいることになる。同日選の最大の根拠だ。
4年前の都議選(127議席)は、小池百合子都知事率いる地域政党「都民ファーストの会」が55議席を得て圧勝し、自民党は23議席で惨敗した。だが、都民ファにかつての勢いはない。自民党は今回、知事与党だった公明党と選挙協力協定を結んだ。
記者会見する東京都の小池百合子知事=3月19日午後、都庁
都議会自民党幹部は「45~50議席は取れる」と皮算用しており、こうした見立ても同日選論を後押しする。首相としても、確執のある小池氏に一矢報いることができる。
菅首相が「選挙の顔」になれるのかとの疑念が自民党内でくすぶるが、4月25日投開票の国政3選挙で「一つでも勝てば問題ない」(党関係者)というのが多くの見方だ。不戦敗の衆院北海道2区補選はともかく、買収事件を受けた参院広島再選挙は逆風下となるが「もともと自民党が強いので、いい戦いができる」(同)と見ているようだ。
変異ウイルスに警戒
とはいえ、都議選同日選論に対し、公明党は「現実的でない」(石井啓一幹事長)と反対姿勢を崩さない。直後に迎える東京五輪開幕の準備を理由に挙げているが、同日選による選挙態勢の分散を嫌っているのは明らかだ。
政府がワクチンの迅速供給に努めるとはいえ、第4波への懸念も強く、竹下亘元総務会長は3月18日、コロナの感染抑制に「一定のめどがつかなければ、(首相は)動かないのではないか」との見方を示した。
実際、東京大の研究チームは、年度またぎの歓送迎会などで人の動きが活発になった場合、経済活動の制限を1カ月かけて緩和したとしても、東京の1日当たりの感染者数は、6月に1200人を超える可能性があると試算した。感染力が強いとされる変異ウイルスへの警戒も強まっており、接種が追いつかなくなる可能性は十分にある。
東京都の感染者数の予測
自民党の森山裕国対委員長は同じく18日、同日選について「首相が決断をすれば、公明党には理解してもらえるのではないか」と踏み込んだが、首相の脳裏にはコロナの感染抑止が最優先事項として刻まれているのは間違いない。
「菅降ろし」日程も
菅首相が7月同日選を見送ると、解散はいよいよ東京五輪後ということになる。この場合の焦点は、衆院選と自民党総裁選のどちらを先に行うか、だ。首相の立場なら、先に衆院選を実施し、勝利した余勢を駆って総裁選で無投票再選を果たしたいと考えるだろう。
永田町では「9月27日解散、10月24日投開票」の日程が早くも出回っているが、これは総裁任期後の日程であり、「菅降ろし」が前提とも受け取れる。3月21日の千葉県知事選で自民党の推薦候補が100万票の大差で完敗するなど、地方で自民党が退潮傾向にあることも、さまざまな臆測や不安を招く要因となっている。
記者会見を終えた菅首相=3月18日夜、首相官邸
コロナを抑え、都議選にも勝利すれば、首相は大手を振って五輪後に衆院解散する流れとなるのだろう。しかし、コロナ制圧に失敗し、3度目の緊急事態宣言発令という事態にでもなれば、都議選勝利どころか、安全・安心の五輪開催も一気に危うくなる。無残な形での内閣総辞職という最悪シナリオも、「ない」とは断言できないかもしれない。
【関連記事】
黄信号点灯の菅首相、「4月政局」に現実味!?支持率急落の中、再浮上の手はあるか…
https://this.kiji.is/724119969752825856?c=39546741839462401

「30年以内に震度6弱以上」太平洋側で確率上がる…東日本の余震など踏まえ計算

政府の地震調査委員会は26日、今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を地域ごとに示した全国地震動予測地図の2020年版を公表した。今回新たに東日本大震災などの余震の影響を計算に取り入れた結果、東北地方の太平洋側では確率が上がった。都道府県庁の所在地47地点のうち確率が最も高い区分(26%以上)に入ったのは4割超の21地点に上った。
同委員会は地図とともに、都庁周辺と道府県庁所在地の市役所周辺の具体的な確率も示した。
確率が高かったのは、水戸市(81%)、徳島、高知両市(各75%)、静岡市(70%)など。東日本大震災の震源域となった日本海溝沿いや、100~200年間隔で巨大地震を繰り返す南海トラフに近い太平洋側は地震リスクが高く、その影響が表れた。
余震のデータを踏まえた結果、鳥取県西部地震(2000年)や新潟県中越地震(04年)、東日本大震災(11年)、熊本地震(16年)の震源域周辺では、例えば仙台市が1・5ポイント増の7・6%、熊本市が3・3ポイント増の11%となるなど、前回より確率が引き上げられた。
前回の18年版から確率が5ポイント以上増えたのは、和歌山市(10ポイント増の68%)、さいたま市(5ポイント増の60%)の2地点。ボーリング調査で判明した地質データなどを反映させた結果で、地盤が軟弱な地域の揺れやすさが浮き彫りとなった。
地図作成の基となった各地の確率は、防災科学技術研究所のウェブサイト(https://www.j-shis.bosai.go.jp/map/)で確認できる。
◆全国地震動予測地図=様々なパターンの地震で揺れる確率と、地盤の揺れやすさを合わせて作成。1~2年ごとに改訂される。2020年版は昨年1月1日時点の予測値。「震度6弱」は立っていることが困難で、耐震性の低い木造家屋などが壊れる程度の揺れとされる。

「女性というにはあまりにもお年ですが」…森喜朗氏、河村建夫氏の女性秘書を「大変なおばちゃん」

森喜朗・元首相は26日、自民党の河村建夫・元官房長官の政治資金パーティーでのあいさつで、河村氏の女性秘書について「(河村事務所に)大変なおばちゃんがいる。女性というには、あまりにも、お年ですが」と述べた。
森氏は2月、女性

蔑視
( べっし ) と受け取れる発言で、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長を引責辞任したばかりだ。