公園がスケボー無法地帯に…条例で禁止、注意指導も効果なく

大阪市北区の中之島公園一帯で、条例で禁じられたスケートボードを楽しむ若者が後を絶たない。階段やスロープの上を激しく滑ってタイルが損傷し、通行人から「ぶつかりそうになった」との苦情も相次ぐ。看板や注意の呼びかけに効果がなかったため、市は昨年末、障害物となるブロックを設置。ただ、人身事故などにならない限り本格的に取り締まることも難しく、市は対策に悩んでいる。(水谷弘樹)

中之島は堂島川、土佐堀川に挟まれた東西約3キロの中州。バラ園やレンガ造りの市中央公会堂がある中之島公園は、市民が憩う癒やしスポットになっている。
昨年、その公園で「スケボーとぶつかりそうになった」「騒音がひどい」といった通報が約430件、大阪府警天満署に寄せられた。多くは滑りやすいタイル敷きのスペースが広がる公会堂周辺からの通報だった。
動画サイト「ユーチューブ」には、公園で若者がスケートボードで跳び上がり、階段やスロープにぶつかりながら滑るといった「技」を決める動画が多数投稿され、8万回以上再生されたものもある。ツイッターでは、「

上手
( うま ) いスケーターがいっぱいいて、教えてくれた」「都市のど真ん中で許容されているのが

素敵
( すてき ) 」との書き込みもみられる。
昨年になって急増した理由は分からないが、天満署員に「コロナ禍で大学がオンライン授業になり、ひまになったのでやって来た」と話す大学生もいたという。
こうした中、市によると、公会堂周辺を中心にタイルが黒ずんだり、端が欠けたりしたケースも出てきた。ボードをぶつけて破損したとみられる木製ベンチの交換も余儀なくされた。

市は、市公園条例で禁じる「他人に危害を及ぼすおそれのある行為」に当たるとして、昨春、スケートボード禁止を知らせる看板を設置し、職員による注意指導を始めた。だが、市内にある民間の屋内練習場の利用を促しても「景色を楽しみながら滑るのがいい」「SNSを見て関東からやってきた」などと意に介さない少年もいたという。
市は昨年12月、公会堂付近の階段やスロープに一辺10~20センチのブロック約50個と、プランター約20個を設置。市庁舎南側の階段や、バラ園、高速道路の高架下にも置いた。しかし、設置したばかりのブロックが一部はがされたため、天満署に被害届を出した。
今後も、状況が改善されなければブロックの追加や手すりの設置などを検討する。ただ、担当者は「むやみに障害物を設置すると、美観を損なってしまうほか、イベントなどで広場を利用する際の使い勝手も悪くなる」と悩む。

警察が、公園の敷地内をスケートボードで走ること自体を取り締まるのは難しいという。道路交通法は「交通のひんぱんな道路」での球技やローラースケートなどを「禁止行為」と定めるが、公園は対象外だ。
ただ、歩行者にけがをさせれば過失傷害容疑などに問われるほか、神奈川県警は昨年、スケートボード目的での立ち入りが禁止されている商業施設敷地内に侵入した少年らを軽犯罪法違反容疑で書類送検。兵庫県警も、神戸市内の広場でスケートボード中、コーンバーを壊した少年を器物損壊容疑で書類送検した。
日本スケートボード協会は「ルールを守っているスケーターが大多数だが、一部のモラル違反が目立ってしまっている」と指摘。ホームページなどでルールの順守を呼びかけている。

「納豆の水戸」購入額が全国5位にダウン、トップ3独占の地方は…

2020年の1世帯当たりの納豆購入額で、水戸市は全国5位となり、前年の2位から順位を落とした。5日発表された総務省家計調査でわかった。
全国の県庁所在地と政令指定都市の計52自治体を対象にした調査で、水戸市は1世帯あたり6061円。2位だった前年から586円減少した。1位は2年連続で福島市(1世帯あたり7251円)、2位は山形市(同6543円)、3位は盛岡市(同6460円)、4位は仙台市(同6228円)と続き、水戸市は16年以来の首位奪還はかなわなかった。
結果について、水戸商工会議所の大久保博之会頭は「大変残念。『納豆といえば水戸』という認知度は今も高く、引き続き消費拡大に取り組む」とのコメントを発表。水戸市の高橋靖市長も「残念だが、納豆の市場規模は年々拡大傾向だ。特産品が全国で愛されていることは喜ばしく、水戸の存在感を示していけるように広くPRしたい」と話した。

《コロナ医療崩壊の真犯人=開業医》批判を現役医師に直撃!「僕ら医者の“善意”を搾取するな」

コロナ病床不足でも「民間病院」活用が進まない“一目瞭然のデータ”公開《受け入れで24%が入院収益減》 から続く
「『開業医はコロナ患者も診ずに、私腹を肥やしている』とか、『開業医はカネ持ってるから、高級車を乗り回して、ヒマしてんだろ』みたいな批判があることは知っています。でも、本当に黒字で潤っているのは美容外科などをやっている一部の開業医だけ。多くの開業医はそもそもそんなに潤っているわけではありません。はっきり言って、赤字です。でも、みんなギリギリのところで通常診療をこなしながら、その一方でコロナ患者をなんとか救うための努力をしている。僕ら開業医が『悪者』のように言われることは、本当に我慢ならないですね」
こう明かすのは、都内でクリニックを経営する耳鼻科医のA氏だ。A氏の元には乳幼児から高齢者まで幅広い世代が通院している。
「誤解を恐れずにいえば、医師の7割はヒマになっています」
政府は2月2日に10都府県に及ぶ緊急事態宣言を3月7日まで1カ月延長することを決めた。新規の感染者数は減少傾向にあるものの、医療ひっ迫の状況が未だ改善されないことが延長の決め手となった。
医療ひっ迫解消のための“次なるポイント”と言われているのが、 日本の病床の7割を占める「民間病院」でコロナ患者の受け入れが、なぜ進まないかだ 。
1月6日、日本医師会の中川俊男会長は民間病院のコロナ患者受け入れが少ないことを記者会見で問われ、「コロナ患者を診る医療機関と通常の医療機関が役割分担をした結果だ。民間病院は面として地域医療を支えている」と答えた。しかし、その「役割分担」がうまくいっていないと嘆くのは、コロナ患者を実際に受け入れている中規模病院の勤務医だ。
「誤解を恐れずにいえば、今医師の7割はヒマになっています。コロナ患者を診る医療機関は圧倒的に忙殺されている一方、通常の医療機関は、コロナで患者が減って閑古鳥が鳴いている。しめつけられているのは、地域の中核病院で、全体のマネージメントをしながら、現場もみて、受け入れもして、コロナでの損失をカバーできなかったら、お前らの責任だと上から責められる現場の『勤務医』です。一方で槍玉に挙げられているのが、『開業医』です。医療崩壊の一因が開業医にある、という声もある。忙殺されている勤務医からは『ヒマの状態になっている開業医たちに、コロナ対応にあたってもらうべき』という怒りに近い声も上がっている。実際に都内では第一波のころに『発熱患者お断り』という張り紙がされていたり、患者が実際に発熱をして診てもらおうと電話をかけると『発熱のある方は診察していません』と応対するクリニックもありました」
「なぜ開業医がコロナの最前線に行かないのか」
コロナを診ている勤務医が激務に耐えている一方で、「ヒマをしている」のが開業医であるという指摘だ。こうした「開業医がコロナを診ないのが今の医療崩壊の一因だ」とする批判に対して、前出のA氏が反論する。
「『なぜ開業医がコロナの最前線に行かないのか』と糾弾するような声があることは知っています。しかし、我々も普段の診療を日常的にこなす一方で、医師会の求めに応じて、ホテル療養の患者さんのオンライン診察、保健所やPCR検査センターでの検査のお手伝いなどを、診療時間外で行っています。
昨年の春にPCR検査の数が不足していた時期に東京都医師会が中心になって、東京都では、23区プラス市町村に計40のPCR検査センターを開設しました。その運営には開業医が広くかかわっています。われわれ開業医がコロナ対策に全く協力していないというわけではないのです。むしろ、医師会を通しての『協力要請』はファックスで毎日のように届きます。早晩行われるワクチン接種も私たち開業医が行います。
ただ、コロナ禍で、本業であるクリニックに来る患者数は減少しており、同じ医学部出身の開業医たちに聞いてもほとんどみんな赤字のようです。私の知り合いの耳鼻科では、昨年の緊急事態宣言下でもクリニックを開業していたのですが、3月下旬の給料日の次の日から、事務スタッフが突然やめてしまった。『コロナが怖い』『もしクリニックで感染した場合、同居する高齢の母にうつすと申し訳ない』という理由だったそうです。
開業歴が長い先生たちは貯金を切り崩しながら、人員やバイトの医師をカットすることで固定費を減らし、規模縮小を図っています。開業したばかりの若い先生は貯蓄もないので、みんな防護衣を着て、周囲に何と言われようと危険を冒してコロナ患者を診ているのが現状です」
廊下やエレベーター、駐車場は共用だから「NG」
実際にコロナ患者を診ている開業医も多いとA氏は強調するが、一方でクリニックを経営する開業医が、コロナ患者を診ようとする場合は、「ハードルが高い」という。
「私の知り合いの開業医は、都心でテナントのクリニックを経営していました。そこで発熱外来を行おうとしたのですが、クリニックが入っている同じビルには、飲食店やアパレルなど、ほかの業種の店や会社も入っています。共用廊下やエレベーターなどは、それらのお店のお客さんや従業員も使う。そこにコロナの可能性がある患者が来るのは『まかりならん』とビルのオーナーから反対が出て、断念せざるを得なかったそうです。
また、別の私の知り合いの呼吸器系の開業医は、診療所の駐車場スペースを使って、コロナを疑われる患者を診ようとしたが、やはり近所から『コロナの疑いがある人が近所に集まるのは怖い』と文句を言われてしまって、周囲の理解を得ることができなかった。コロナ患者を診たい、命を救いたいという医者の善意による行動が、誹謗中傷のもとになってしまったのです」
「開業医は対策不十分のまま感染リスクにさらされている」
A氏はむしろ開業医こそ、コロナ診療の「最前線」に立っていると話す。
「コロナの厄介なところは、初期の軽症段階が一番感染力が強いこと。やや熱っぽい、もしかしたらコロナかもと思って発熱外来にやってきている患者さんが、一番感染力が強いのです。重症化した患者を救う医療従事者も大変ですが、われわれ開業医は、発熱外来やPCR検査のお手伝いなどでコロナが疑われる患者を最初に診ることになる。つまり最初にコロナ感染のリスクにさらされているのは、開業医でもあるのです。実際に開業医で感染した人もいますし、残念ながらその感染の結果亡くなった人もいます……。
どの科の開業医も、自分の職場では万全の感染症対策を施すようにしています。待合室でクラスターが発生したら、その風評被害は計り知れませんから。私のクリニックでは感染予防のために診察室や待合室の席をパーティションで仕切ったり、感染予防のためのマスクや手袋を揃えたり、換気扇を作る、空気清浄機を買う、エアロゾル対策のできる新規機器に入れ替えるなどしましたが、それだけで300万円近くかかりました。国から出る医療機関への持続支援金は上限が100万円です。もちろんそれがないよりかはマシですが、きちんとしたコロナ対策をしようとしたらとても足りません。
医者の善意だけに頼るだけでは限界がある
基本的には医者は誰でも患者を救いたいという思いが第一にあります。医師は大学入学時に医学部という一種の専門学校に入って医学部教育をされてきています。その医学部教育で『パンデミックなどで医療危機が起こった際には経済的な問題は別にして、患者さんを助けなきゃいけない』という利他的な意識を徹底的に植え付けられています。『コロナなんて関係ない』という開業医がいるというのは、ちょっと信じられない現実です。
でも、仮に自分がコロナの疑いのある患者を診ることで、逆に自分が感染して、感染を広げることになってしまったら……。それがかえって周りに迷惑をかけることになったり、物事を悪化させてしまうかもしれない。そんなジレンマはあります。日々、そうした葛藤と戦っているのが、多くの開業医の現実ではないでしょうか。本来だったら国がもっと音頭をとって抜本的に医療の仕組みを変えていかないとコロナには対応できない。『命を救いたい』という医者の善意だけに頼るだけでは限界があります」
そう言うとA氏は静かにため息をついた――。
菅首相は「しっかりと支援」と言っているが……
菅義偉首相は2月2日の記者会見で「重症者をはじめ、必要な方が適切な医療をきちんと受けることができるよう、医療体制の確保にも全力を挙げてまいります。現場の方々が財政面で躊躇することのないよう、また新型コロナ患者を受け入れる医療機関が損失を被ることのないよう、しっかりと支援してまいります」と述べたが、コロナをめぐる医療関係者たちの嘆きは深く切実である。
「文春オンライン」では、新型コロナウイルスに関する問題について、情報を募集しています。下記のメールアドレス、または「文春くん公式」ツイッターのDMまで情報をお寄せ下さい。
[email protected] https://twitter.com/bunshunho2386
(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

「娘にうつしたかもしれない」コロナ自宅療養の女性は“再会”の翌朝になぜ命を絶ったのか

自殺を止める者は最終的には自分しかいない。1月、新型コロナウイルスに感染して自宅で療養中だった30代の女性が「娘にうつしてしまったかもしれない」などと思い悩むメモを遺して命を絶ったことが明らかになった。折しも全国の自殺者数が昨年、飛躍的に増大したことを国が発表した日。死神の正体はコロナか、自粛か、メディアか、それとも――。
一家全員「陽性」、「再会」の翌朝の悲劇
年末も仲睦まじく過ごしていたであろう家族に異変を生じさせたのは正月を迎えて間もないころに届いた夫への「陽性」通知だった。1月初め、都内に住む夫は無症状だったこともあり、ホテルでの宿泊療養を選んだ。
療養中に容態が急変するニュースが相次ぐなか、妻や娘に不安は残っただろうが、選択肢はあまりない。夫が一人、ホテルへと発って間もなく、夫の濃厚接触者にあたる妻と娘に、同じく「陽性」の通知が届いた。2人は自宅での療養を選んだ。
家族全員が感染したとはいえ、3人はいずれも無症状だ。これまでの症例からすれば、2週間ほど辛抱すれば、また日常が、少なくとも「新しい」日常が、戻るはずだった。
実際、夫は1月14日に療養を終えて自宅に戻った。遅れて陽性となった妻や娘はまだ自宅療養中。同じマンションの部屋のなか、3人は顔をあわせることなく、壁を隔てて一夜を過ごした。部屋といってもそう広いわけではない。寝息に耳を澄ませながら、薄皮一枚隔てた再会に、ひとまず無事の生還に、夫は久しぶりの休息を味わったはずだ。
だが、翌15日朝、妻の部屋は奇妙に静まりかえっていた。人の気配が消えていた。長年同居すれば、それなりの気配は察して当然。不安にかられ、室内を確認すると、固くなった妻の体があった。自殺だった。部屋には、自分が娘に感染させた可能性を疑い、家族に謝罪する内容のメモが遺されていたという。
家族間感染防ぐのは「無理ゲー」
「自殺まで思い詰めなくてもよかった。新型コロナをうつしたとしても、生死に関わる事態になる確率は極めて低い」とコロナ治療に携わる医療関係者はいう。国内で感染者が確認され始めた昨年ならいざ知らず、基礎疾患がない若者であれば、新型コロナに感染しても無症状か軽症で済むことは分かってきている。
感染力の強い新型コロナウイルスを同居する家族内で防ぐには相当の困難が伴う。たとえマスクをしていたとしても、食事をすれば、つばなどによる飛沫感染のリスクがあるし、会話を交わせば微細な飛沫が空気中を漂うことで生じるエアロゾル感染のリスクがある。
「そもそも同居する家族への感染を防ぐことは極めて難しい。職場や会食の場などで感染すれば、同居家族への感染は結果として増えて行かざるをえず、その前段階で防ぐしかない」と、前出の医療関係者は話す。
たとえ、妻が娘にうつしたのが事実だったとしても、何ら責められることでもないし、何ら心配することでもない。家庭内感染を防ぐことは「無理ゲー」(※難易度が高すぎてクリアするのが無理なゲームのこと)なのだ。
11年ぶり自殺者増加、「感染」する自殺
それでも、この女性のように家族を遺して先に死ぬ例は後を絶たない。それは、新型コロナウイルスだけでなく、自殺も「感染」していく現象だからかもしれない。
2020年の自殺者数は2万919人だった(1月22日、警察庁と厚生労働省が発表)。10年連続で減少していた自殺者数は、リーマンショックのあった直後の2009年以来の増加に転じた。新型コロナの影響で当然、とする見方もあるだろうが、月ごとの推移をみると、そう簡単に決めつけられない状態がみえてくる。4月、5月は平年より減っているからだ。
4月、5月といえば、初めての緊急事態宣言が出され、ウイルスの特徴や防ぎ方もまだあやふやななか、昨年で最も国内が陰鬱な雰囲気に覆われた月といっていいだろう。そこで、なぜか自殺者は抑制されている。
変わって増えているのが7月以降。政府の自殺対策総合会議に提出された報告書は、新型コロナを直接の自殺理由とみていない。自殺を考える土壌を作った要素としては言及しているが、むしろ直接的な増加要因としてあげられたのは「後追い自殺」だった。
三浦春馬、竹内結子……ウェルテル効果
報道を受けての後追い自殺は、精神医学で「ウェルテル効果」とも呼ばれる。ゲーテの初期の小説「若きウェルテルの悩み」が出版された当時、主人公のウェルテルと同様の手法で自殺を図る人々が相次いだことを受けてのものだ。その後、自殺を報じた新聞記事とその後の自殺者数の研究なども進み、センセーショナルに自殺が報じられるほど、自殺者数が伸びるとする研究報告が相次いだ。
報告書によると、09~20年の自殺者数の変動をみると、明らかに11年5月中旬ごろと20年9月末~10月上旬ごろに突出して自殺者が増えている。
11年5月中旬は女優の上原美優、20年9月下旬は竹内結子の自殺が明らかになった時期と同じだ。20年7月も、上記の2つの時期ほどではないが、自殺者は増えている。誰が亡くなったか。俳優の三浦春馬だ。
竹内が自殺した9月27日を境に2週間ごとの男女別・年代別の自殺者数をみると、それまで30人程度だった40歳代の女性の自殺者数は80人あまりに急増。20歳代、30歳代の女性の自殺も30人前後から50人前後に増えており、明らかな変化がみられるのだ。
男性も40歳代で男性は同時期に70人前後から120人前後に急増しており、女性ほど極端ではないにせよ、「ウェルテル効果」が目に付く。
社会学者のデュルケームは自殺を個人的要因によって規定されるものとする考えと決別し、「それぞれの社会は、ある一定数の自殺を引き起こす傾向をそなえている」と唱えた。デュルケームによれば、自殺は「社会集団の統合」が弱いと増える。
ワクチン、五輪、経済など課題山積の新型コロナ対策。社会集団の統合に資する流れが続くことを祈りたい。

【悩みを抱えた時の相談窓口】 「いのちの電話」 ▽ナビダイヤル「0570-783-556」午前10時~午後10時 ▽フリーダイヤル「0120-783-556」毎日:午後4時~午後9時、毎月10日:午前8時~翌日午前8時 https://www.inochinodenwa.org
(末家 覚三/Webオリジナル(特集班))

「私、子どもを保育園に12時間以上預けている…」なぜ教育業界の“ブラック化”は止まらないのか

「残業代を付けてほしい…」ブラック化が叫ばれる“教育業界”に自ら進んだ若手教員の本音 から続く
労働環境のブラック化が問題視され、さまざまな働き方改革が進められている教育業界。しかし、抜本的な改善が果たされているとはいえないのが現状だ。実際に現場で働く教員たちは多忙を極める仕事、改善されない環境について、いったいどのように考えているのか。
ここでは教育ジャーナリストの朝比奈なを氏の著書『 教員という仕事 なぜ「ブラック化」したのか 』(朝日新聞出版)を引用。あまりの多忙さゆえに、非常勤講師として働く道を選んだ現役教員の大木さん(仮名)が考える“現状”と“課題”を紹介する。(全2回の2回目/ 前編 を読む)
◇◇◇
教員採用試験を受け続けて
大木さんが教員採用試験を受けた時期は高倍率の時代だ。大学4年の時、採用試験を受けたが合格はできず、翌年は人口急増地域にある公立中学校で常勤講師を務めた。「その市は昔から荒れた生徒が多いと噂だったので、覚悟して行きました」と彼女は当時の心境を語ったが、「でも、予想よりも大変じゃなかった。教員には若い人が少なく、全員が団結していました。仕事も多かったけど、全ては子どもたちのためと思えて納得していました」と続けてくれた。もちろん、長時間勤務で、実家に戻ると夜11時を過ぎる時も少なくなかったそうだ。
翌年は別の市で常勤講師を務める。この中学は部活動が盛んで、彼女は非常に強い女子バレー部の顧問としても奮闘した。
この年に採用試験に合格して正規の教員となり、その後10年間働いた。「この10年間は毎年仕事量がどんどん増え、忙しさが増していく年月、そして仕事での時間の使い方に悩む年月だった」と苦い表情で彼女は語った。
クラス担任の忙しさ
授業の持ち時間は多い時で週23時間だった。こう聞くと、週の授業コマ数は基本的には30時間なので空き時間があると思われるだろうが、その時間は打ち合わせや生徒対応に費やされる。放課後は学年や分掌の会議、部活動の指導が入り、それらが終わるのが午後6時半頃。それから保護者への電話連絡や事務仕事、教材研究にようやく取りかかる。勤務を数年積んだ後は、国語科主任や道徳主任、保健主任なども務めるようになった。小・中学校では、初任者がクラス担任となる、勤務数年で主任を務めることなどがまれではない。これは、同じ公立学校でも高校とは大いに異なる点だ。
さまざまな仕事をこなす中で、クラス担任の仕事が最も忙しい反面、最もやりがいがあると大木さんは思っている。「担任をしながら、一人の生徒の成長を感じることができる瞬間が教員として嬉しい時です」と彼女は言う。そして、「生徒の前では暇そうにしていました。その方が、生徒が声をかけて来やすいと思って」とも語った。生徒一人一人を大切にしたい、生徒が自分から彼女に近づいて来てくれるのを待ちたいという彼女の思いがわかる。
忙しいと教員主導の生徒対応をしがちで、実際にその方が指導にかける時間を短縮できるものだ。しかし、彼女は生徒にはじっくり時間をかけて向き合いたいという信念を持っている。それが、彼女の多忙さに拍車をかけてしまった要因の一つかもしれない。
退職という選択
日々忙しい毎日を過ごしていた大木さんだが、その中で同職の男性と結婚し、子どもにも恵まれた。産休・育休から仕事復帰した彼女は、家事・育児もあってますます多忙を極めるようになった。幼い子どもを持つ女性教員には勤務時間短縮の制度があるが、子どもの体調変化はそのような時短では乗り切れないほどしばしば起きるものだ。
ある時、彼女はふと思った。「私、自分の子どもを保育園に12時間以上預けている」と。それは子どもの小学校入学を控えた時期であった。一人一人の子どもと向き合うことが彼女の信念なのに自分の子どもには十分に向き合えていない、それに気づいたことが、退職の直接のきっかけになる。
その後は、非常勤講師として中学校の教壇に立っている。報酬面では正規と非正規では大きく差が出るので、配偶者や家族の理解がなければできることではない。今の働き方をどう思うか尋ねてみると、「楽です。会議はないし、事務仕事は減ったので」と即答された。
仕事の負担の「見える化」を望む
正規、非正規を両方経験している大木さんに、学校や教員に対して思うことを聞いてみた。 退職の原因になった長時間労働だが、「働き方改革」も進められている中、どのようにすれば改善されるかとの問いには、非常に慎重に考えた上で「難しいでしょうねえ」と返ってきた。彼女は、仕事量が圧倒的に多いことと同時に、「できる」と思われた教員に仕事がどんどん回される状況、いわば仕事の偏在も問題だと捉えている。
生徒と向き合うのが教員の仕事の基本とわかっていながら、現実の学校現場では時間的にも精神的にもそれができない。職員室では、そこにいる教員のほとんどがパソコンに向かっている。そうしなければいけないほどの書類作成や調査などの事務仕事が教員には課せられている。さらに、仕事のできる人は、その人に任せると周囲の人は安心できるので、仕事がどんどん集中してしまう。しかも、それが校務分掌、生徒指導等いくつもの分野で起こるので、その人にどれだけ仕事があるか、周囲の人には見えていない場合も多い。
「どの人がどれだけの仕事を抱えているか点数化して、ある一定以上の点数になったらそれ以降仕事を回さないとかできるといいですね」と彼女は提案してくれた。
できると思われる人、家族関係などで時間を取られることが少ない人、つまり独身、小さな子どもや介護する人がいない人に仕事が集中することは、他の教員からもしばしば聞く話だ。教員に限らずどのような職業でもあることだろうが、教員の場合にはそれが昇給や昇進など待遇や評価の面に必ずしも反映されないという点も問題になる。どの仕事が何点になるか、それを決めるのは大変だろうが、抱えている仕事の可視化のためには一考の余地があるだろう。その点数を教員評価に加味すれば校内での仕事割りもスムーズになるのではないだろうか。
部活動問題
高校時代に部活動で自分が成長したと感じている大木さんは、部活動を教員ではない外部講師に任せるという昨今の動きには疑問を持っている。仕事の精選は事務仕事に対して行うべきとの考えのようだ。
その集団から片足を抜いたとも言うべき彼女の目には教員はどのように映っているのだろうか。「勘違いしている優等生集団。世間と触れ合わないから」と彼女はシビアに答えてくれた。
現在、職場には20代の若手教員がいるが、彼らに声をかける際には非常に気を遣うという。「若い人たちはガラスのように壊れやすい感じがします。その上、自分から聞こうとはしない。何かに気づいた時、どのように声をかけるか、それを考えることもストレスになります」と、1つ上の世代の悩みを語る。
他の教員の心身の健康に気を配る余裕はない
教員集団の問題に管理職はどう対応しているのか、尋ねてみた。「管理職は事なかれ主義。それに、管理職も忙しいので、他の教員の心身の健康に気を配る余裕はない。だいたい、管理職試験を無理矢理受けさせられている人も多いし」というのが彼女の答えだった。
今、もっと勉強しておけばよかった、これから勉強したいことは何かとも聞いてみた。「教科に関する専門的知識。それと、発達障がいや特別支援教育について。これらが教員免許更新や年次の研修で学べるといいのですが」と語った。しかし、非常勤の道を選んだ彼女には、研修の機会はほとんどない。
取材の最後に、大木さんは筆者に是非伝えたいことがあると言った。「これまでのマスコミの報道が学校を悪くした面もあります。何か起こると教員を叩きすぎて、それに対する対応を教育委員会が出し、学校現場が一層忙しくなる悪循環があります。多くの教員は懸命に仕事に取り組んでいるのです」と、彼女は真剣に訴えた。
教員に対する世間の目
どこかで教員が事件や事故を起こすと、それに対してマスコミは一斉に取材して教員や学校をバッシングする。その教員個人の資質や品性の問題であっても一般論として報じられることも多い。そうなると、行政や教育委員会は対策を打ち出し、教育活動を適切かつ熱心に行っている教員もその対策への対応を必ずしなければならなくなる。具体的には新たな調査・アンケート、レポート作成、校内研修等々が課されることになり、それにより、一層多忙さに拍車がかかるのだ。教員に対する世間の目は、なぜか非常に厳しい。
10年以上の経験を積んだ中堅教員、特に女性教員が家族問題で退職する例は後をたたない。この世代の教員は私生活では結婚~出産の時期でもある。教員の出産休暇や育児休暇の制度は多くの民間企業と比較すれば、確かに恵まれたものとなってはいる。けれども、仕事の多忙さは長時間労働を避けられないものにしており、子育て真っ最中の教員は、それらの休暇を取ることで、自らの仕事への向き合い方に悩むことにもなる。その結果、大木さんのような生徒思いで責任感の強い教員を教壇から去らせる事態が生じている。
教員は全世代で独身が多い
その一方で、全世代で教員には独身も多い。長時間労働に疲れ、休日も部活動の指導や教材研究にあてるため異性との出会いが少ない。結婚どころが、交際すら何年もしていないという人が、得てして仕事熱心な教員に多いのだ。
文科省他が考える教員のライフプランには、その教員の私生活や幸福感の視点が全く入っておらず、あくまで学校運営の視点で考えられている。仕事にエネルギーのほとんどを注ぎ、私生活に大きな問題を抱えている教員が、これから社会人、家庭人となる子どもの教育にあたることが果たして良いのか、真剣に考えるべき問題である。
(朝比奈 なを)

「面白おかしくしたい」のは森喜朗会長の方だった? かつての失言で振り返る“3密”でのウケ狙い

もし政治家と酒を飲むなら誰が面白いか?
ずいぶん前に酒場で出た話題だ。
私は森喜朗がトップクラスではないか? と想像した(※政界は引退したが広い意味で政治家だと考える)。
ぶっちゃけトークと下世話発言で「もう、先生ったらそんなことまで言って、ガハハ」と距離感は一気に縮みそう。
「実際に会ってみたらいいおっちゃんだった」という人たらしの政治家であり、半径10m以内の人間を取り込む昭和自民党イズム。
密集、密接、密閉という濃密な空間でこそ力を発揮する。森喜朗とは3密おじさんなのである。
「失言」ではなく「普段の価値観」ゆえの問題
しかしそこに「差別」が加わるなら話は別だ。一緒に飲むなんて想像すらしたくない。差別はぶっちゃけトークでもなければ下世話発言でもない。今回の森喜朗の性差別を「失言」と報じる新聞が多いが、あれは普段の価値観が出ただけだ。正常運転だから問題なのだ。失言という表現はやめたほうがいい。
ここで素朴な疑問が浮かぶ。3密空間でこそ力を発揮しつつ、従わない者には差別まで口にし、それを会見で指摘されると公の場でも威圧する人間がよりによってなぜ世界に発信する五輪の組織委員会の頂点にいるのか。なぜ周囲は今もなお森喜朗を担ぎ続けるのか? 森喜朗を考えることは日本の政治と社会を考えることでもある。
「最近女性の話を聞かない」に会場はシーン
2月4日におこなった「謝罪」会見で印象的なくだりがあった。「基本的な認識として、女性は話が長いと思っているか」という質問に対して森喜朗は、
「最近女性の話を聞かないからあまり分からない」
と答えたのである。本人にとっては当意即妙のつもりだったのだろう。若干のドヤ顔だった。しかし会見場はシーン。
森喜朗は心の中で驚いたはずだ。「なぜウケないのか」と。
いつもの3密空間なら周囲から笑いとヨイショがおきていたはずだ。「またまた会長そんなことを~。最近女性の話を聞いてないなんて。今もおモテになるでしょうに」とかなんとか。山下泰裕JOC会長あたりが言っていそうだ。
しかしこれをオープンな場でやったらウケないのは当たり前。忖度なんてないからだ。
過去の失言の裏にあった「ウケ狙い」
たとえば森喜朗の過去に問題になった発言をあげてみる。
「大阪は痰ツボ。金儲けだけを考えて、公共心のない汚い町」
「日本の国、まさに天皇を中心としている神の国」
前者は自民党京都府連のパーティー、後者は神道政治連盟国会議員懇談会での発言だ。京都で大阪をディスる。いかにもその場の人が喜びそうなことを密閉、密集、密接した空間でウケ狙いに走る。
森喜朗は追及するTBSラジオの澤田大樹記者に対し「面白おかしくしたいから聞いているんだろ」と言い放ったが、なんのことはない。そもそも「面白おかしくしたい」のは森喜朗のこれまでの手口なのである。そこに今回は差別も落とし込んでいた。その点を的確に突かれたから逆ギレしたのだ。あの会見をよく見るとスベったあたりからイライラし始め、最後に逆ギレしていることがわかる。密室芸が表で通じない瞬間であった。
座持ちの良さで一気に日本のトップまで駆け上がった森喜朗。半径10m以内のスペシャリスト。
「森氏を頂点とした世界で生きていくしかない」
それにしてもなぜあそこまで偉くなってしまったのか。
「スポーツ界にいる人間は、森氏を頂点とした世界で生きていくしかない」(大分合同新聞2月6日)
これは共同通信が配信した関係者のコメントだ。えええ、日本のスポーツ界スゴすぎる。
大分合同新聞は『辞任求めず「沈黙」』という見出しをつけた。周囲が畏れて何も言えないのだ。
森喜朗は14年に組織委員会の会長に就任したがスポーツ界でどう成りあがったのか。キャリアを振り返ろう。
《早大時代にラグビー部に在籍したことがあり、「文教族」として知られた。日本体育協会(現・日本スポーツ協会)や日本ラグビー協会の会長を務め、東京大会の招致にも尽力してスポーツ界への影響力を高めた。》(朝日2月6日)
つまり「早大ラグビー部所属」が大きな売りになっていることがわかる。
早大ラグビー部は…4カ月で退部!
しかし。
森喜朗は早大ラグビー部をわずか4カ月で退部しているのだ。
もちろん部活やサークルを途中で辞めるのは問題ない。ところが森喜朗の場合は早大ラグビー部に入った経緯が特殊なのだ。
「私の履歴書 森喜朗回顧録」(日本経済新聞出版社)に次のくだりがある。
《父も学校に呼ばれ「あなたの息子さんは早稲田は無理ですよ」と言われて帰ってきた。父は反発した。「こうなったら仕方がない。意地でも喜朗を早稲田に入れてやる」と言い、早稲田大学ラグビー部監督・大西先生への紹介状を書いてくれた。》
父・森茂喜は町長であり早稲田のラグビー部出身である。一般学生とは違う「縁」を利用したのだ。こうしてまんまと早稲田に入ったが高いレベルについていけず体も壊してわずか4カ月でラグビー部を退部。
それなのに「遺書 東京五輪への覚悟」(幻冬舎)という本の第2章のタイトルは、
『すべてラグビーから学んだ』。
本の冒頭では五輪組織委の会長職に関して、
「途中で投げ出したらそれこそラグビーの敢闘精神に反する」
と言っている。
だからラグビーすぐ辞めてるじゃん!
これでは森喜朗ではなく「盛り喜朗」である。失礼を承知で言えばなりすましのテクニックに近い。座持ちの良さと密閉された空間での働きぶりでスイスイとトップに駆け上がる「盛り喜朗」。
首相に就いた経緯も思い出してほしい。
2000年4月に小渕恵三首相が突然倒れて復帰困難となり、自民幹部の話し合いで森喜朗が総理に選ばれた。「五人組の密室談合」と批判されたが半径10m以内で絶大な支持を受ける森喜朗の総決算であった。
「3密」での人気では国民の支持を得られない
しかし不人気すぎて1年で辞任。そりゃそうだろう、密室では人気でも国民からすれば森喜朗を選んだつもりはないからだ。なりすまし首相に支持が集まるわけがない。
そして凄いことにこのギャップは今も続いているのだ。いつのまにか森喜朗は五輪の日本トップとなっていた。
《野党を除けば政官財、どこの分野からも森氏の辞任を求める声が出ない。むしろ取材を続けていると組織委の会長職は「森氏に代わる人はいない」との声ばかりが聞こえてくる。一朝一夕には築けない人間関係が大きく影響している。》(『森会長続投「余人をもって代え難い」と言われる理由』日刊スポーツ2月7日)
遂には「IOCのトーマス・バッハ会長は森氏に絶大な信頼を寄せている」という。その理由もキナ臭い。
《政治と一線を画すのが五輪精神だが、ノーベル平和賞への意欲を持つとされるバッハ氏はむしろ政治との距離を縮めてきた。》
だからこそ森喜朗が求められるのだ。五輪開催に関してアスリートを優先した発言がとことん聞こえてこない理由も納得だ。
「コロナと森喜朗に打ち負けた証」
3密おじさんが五輪のトップというだけで怪しかったが、今回の件が起きても「性差別をする人間をありがたくトップにしたまま東京と日本は五輪に突き進む」という展開となった。世界は衝撃だろう。
「コロナと森喜朗に打ち負けた証」としての東京五輪・パラリンピックがやってくる。何があっても見て見ぬふり。とにかく開催できればそれでいい。こんな日本の現状が世界に発信され続けるのだ。
地獄である。
(プチ鹿島)

陸自官舎に2男児遺体=殺人容疑で母親逮捕―沖縄・宮古島

7日午後3時50分ごろ、沖縄県宮古島市の陸上自衛隊宮古島駐屯地に隣接する官舎に住む女性から、「子どもを殺した」という趣旨の110番があった。駆け付けた県警宮古島署員が、男児2人の遺体を室内で発見。通報した母親で介護職員の脇田亜希子容疑者(39)を殺人容疑で緊急逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は7日昼、同市上野野原の自宅で、いずれも保育園児の3歳と5歳の息子の首を圧迫して殺害した疑い。
県警によると第三者の関与はなく、部屋の住人は両親と子ども2人の計4人とみられる。父親は当時、留守だったという。県警は両親から事情を聴いている。
[時事通信社]

着床前診断、対象拡大で最終案 日本産科婦人科学会

重い遺伝性の病気が子どもに伝わらないように受精卵を選ぶ検査「着床前診断」を巡り、日本産科婦人科学会は7日、検査対象疾患を拡大する最終案を示した。関連学会などから意見を募って最終報告書をまとめ、内規を改定した後に運用を始める。健康な子どもを望む夫婦の願いをかなえられるとの考え方がある一方で「生命の選別につながる」との指摘もある。
これまで学会はデュシェンヌ型筋ジストロフィーなど重い病気に限定し、1例ずつ審査して認可してきた。学会は7日の審議会で、「現時点で有効な治療法がない」「高度かつ侵襲度の高い医療が必要」といった条件で対象を拡大するとの案を示した。

静岡県側「JR東海の解析に信頼置けない」 リニア有識者会議で「河川流量維持」

未着工のリニア中央新幹線南アルプストンネル静岡工区を巡り、国土交通省の第8回有識者会議(座長、福岡捷二・中央大研究開発機構教授)が7日、東京都千代田区で開かれた。工事期間中にトンネル湧水(ゆうすい)が県外流出しても河川流量は維持されるとしたJR東海の主張に対して、終了後の記者会見で難波喬司副知事は「JRの解析結果や説明に信頼が置けると思えない。下流の流量が維持される保証はない」と反発した。【山田英之】
JR東海は新資料の「工事期間中の県外流出湧水の影響評価案」を有識者会議で説明した。掘削によってトンネル内に湧き出た水が山梨県側に流出する総量について、JRモデルの解析方法を使った場は300万トン、静岡市モデルの解析方法を使った場合は500万トンと示した。また、流出する期間は約10カ月間と明らかにした。
一方、JR東海は「工事中の一定期間、トンネル湧水が山梨県側に流出した場合でも、導水路トンネルなどで湧水を河川に戻すことで、掘削中、掘削完了後も(静岡市北部の)椹島(さわらじま)地区の下流側の河川流量は維持される」と主張。会議の内容をまとめて文書で発表する座長談話も「椹島地区より下流側は、平均的に掘削前の河川流量を下回らないことが両モデルで示された」として、条件付きでJR東海の説明をほぼ認めた。
ただし、静岡市モデルは季節変動の影響を除いて平均降水量が毎日、続くことを前提に予測している。このため、委員の沖大幹・東大総長特別参与(水文学、水資源工学)は「非現実的なシミュレーション。年間の変動がある中で河川流量が減らないことだけを強調している」と指摘した。
湧水の県外流出量について、難波副知事は「あくまでも計算結果。本当にあれだけの量が出るのか分からない。JRは十分なボーリング調査をやっていない。計算結果に不確実性があると言いながら、『影響ない』と言い切っている」と批判した。

新たに1631人の感染確認 6日ぶり2000人を下回る 死者は52人増

新型コロナウイルスの感染者は7日、全国で新たに1631人が確認された。1日あたりの感染者が2000人を下回るのは6日ぶり。死者は52人増え、重症者(7日午前0時現在)は前日から20人減って795人となった。
東京都の新規感染者は429人で、10日連続で1000人を下回った。都の基準で集計した重症者は前日から3人減って111人。減少傾向の地域がある一方、石川県の新規感染者は過去最多の30人だった。
緊急事態宣言が出されている11都府県で唯一延長されない栃木県は、7日が宣言最終日だった。
沖縄県は過去の感染者数の発表に重複などがあったとして計7人を取り下げた。【まとめ・山田奈緒】