二束三文の商品にあえて高い値を付けて代金後払いで販売し、販売価格の何割かを即座にキャッシュバックする形で、現金を融通する業者が増えている。規制の穴を突いた新たなヤミ金手口とも指摘され、こうした商法は「後払い現金化」と呼ばれる。新型コロナウイルス感染拡大による収入減を補うために業者を利用して、“借金苦”に陥った人もいるといい、多重債務者の支援団体では、法規制の対象に加えるべきだと訴えている。(杉侑里香)
昨年秋以降に相談増
「月ごとの収入があればブラック、クレカなしでもOK」「消費者金融やカードローンといった借入ではありません」
インターネットで「後払い現金化」を検索すると、金融業者ではないとうたいながらも、現金の融通を持ちかける文言がズラリと並ぶ。
多重債務者らを支援する「大阪クレサラ・貧困被害をなくす会」(大阪いちょうの会)によると昨年秋以降、こうした形で現金を融通する業者が急増。同会には利用者からの相談が20件以上寄せられているという。
たとえば、すぐに現金2万円を必要とする人がこれらの業者を利用した場合は、こんな流れとなる。
サイト上の手順に従って個人情報を入力し、欲しいわけでもない風景写真を4万円の後払いで購入する手続きを踏む。写真データが「商品」として手元に届くと、その日のうちに「キャッシュバック」として2万円が振り込まれる。給料日になり現金が入れば、「購入代金」の4万円を業者に支払う。
「購入代金」を支払えないと訴えたところ、業者に「個人情報をネット上にさらす」などと脅された人もいるという。
「商品」価値はほぼゼロ
このケースでは、「キャッシュバック」(2万円)された2倍の額を「商品」の「購入代金」(4万円)として業者に支払うことになる。これらが貸金業と認定されれば年利は利息制限法の上限(20%)をはるかに上回るため、警察の摘発対象となるのは明らかだ。
「商品」として利用されるのは風景写真のほか、ゴルフレッスンの解説文やギャンブル攻略法のデータなど。いずれも金銭的な価値はほとんどゼロで、同会の植田勝博弁護士は「実態は商品売買を隠れみのにした高利貸。ヤミ金融にも該当し、出資法などの各種法律に違反するのは明らかだ」と話す。
「給料ファクタリング」に代わり台頭
近年のヤミ金融の手口としては一昨年から昨年初めにかけて、将来の給料を担保に現金を融通する「給料ファクタリング」が横行した。社会問題化した結果、金融庁は貸金業に当たると判断し、警察当局が摘発を強化したため、昨年夏ごろには衰退。代わって台頭したのが「後払い現金化」だったとされる。同会によると「給料ファクタリング」から「後払い現金化」に転換した業者もあるという。
同会の前田勝範司法書士によると、多重債務者のほか、コロナの影響で収入減となった人が当座の資金繰りのため「後払い現金化」に手を出して苦しむ例もあるといい、「実態が違法なヤミ金だと気づかないまま利用する人も多い。業者の実態把握を進め、民事訴訟の提起や規制強化の必要性を訴えていく」と話している。
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大阪いちょうの会は、6日午前10時~午後5時に弁護士や司法書士による電話相談会「新型ヤミ金(後払い・ツケ払い現金化サービス等)被害110番」(06・6361・0546)を実施する。相談無料。
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「月20万円でカビだらけのシェアハウス住まい」起業を夢みる若者を狙う洗脳の実態
引っ越しの手伝いで訪れたシェアハウス。玄関脇の靴入れには外観からは想像できない量の靴が入れられ、収まりきらない靴が床に散らばっていた。傘入れにもおびただしい量の傘が差し込まれ、昼間にもかかわらず室内は薄暗かった。
これは私が悪徳商法集団「環境」を辞めたという会員に誘われ、引っ越しの手伝いをした際に見た実情だ。
「『環境』を脱退したためにシェアハウスから引っ越します。話は付けておきますので、手伝いに来てみませんか」
Bさんに誘われた私は、都内某所にある彼らの「シェアハウス」に向かった。私がそこで見たものは、「シェアハウス」というイメージとは全く異なる光景だった。
私が最初に驚いたのは、冒頭にも書いた玄関の状態である。物件は一軒家で、インターネット上に掲載されていた間取りと面積から考えられる居住人数は多くても10人程度だった。ところが、Bさんに人数を聞いた私は、返事に耳を疑った。
「今は50人弱ですね。あまりにも多いので正確な人数は把握できていません」
この家に50人もの人間を、どうやって住まわせているのか。引っ越しの手伝いをしながら建物内を見て回った私は、その異様な住環境に恐怖を覚えながら納得することになった。
荷物を運びながら見た部屋には、例外なく三段ベッドが複数押し込まれており、収納しきれないのか床には荷物が散乱していた。また、晴れた日の昼間にもかかわらずカーテンが締め切られ薄暗かった。これは外からその異常な空間を見られ、奇異に思われるのを防ぐためと考えられる。
私は内部の様子を窺いながらもBさんに従って手伝いを進めていたが、一通りの作業が終わったところである違和感に気づいた。
シェアハウスならば通常見られる交流スペースが見当たらないのだ。見た部屋の全てに三段ベッドが押し込まれ、食事をするスペースが見当たらなかった。脱会者によれば、私が見ていない部屋は雑魚寝状態の居室か、収納に利用されているという。
特に収納に関しては、各自の荷物のほか、「環境」で取り扱っている商品のダンボールが積まれているそうだ。毎月15万円もの買い込みを行っているため、1カ月では使い切れない商品がたまっていくのである。
シェアハウスに住んでいた脱会者のAさんから、使いきれずにあまった商品の写真を提供していただいた。これは「環境」のドリンク商品で、1本918円で販売されている。約150本ほどあり、これだけで約14万円分になる。このように、会員が大量に買い込んだ15万円分の商品の多くが、部屋のいたるところにたまっていくという。
こうした実態について、一般的に想像される「シェアハウス」とのギャップに驚く方が多いのではないだろうか。私の感覚では、シェアハウスというよりはタコ部屋という表現がふさわしかった。
ここに限らず、「環境」の物件では総じて通常では考えられない人数を住まわせている。私の取材では6畳ワンルームに3人、20畳1Kに5人、シェアハウスの15畳の部屋に5人という例があった。20畳1Kに5人のケースでは、3段ベッドと布団2組で生活しており、布団を敷くと足の踏み場がなかったという。
毎日のように勧誘を行っている住民が帰ってくるのは深夜23時過ぎで、ほぼ寝るだけの部屋である。Bさんによれば、入会後に「師匠」と呼ばれる幹部から住む場所を指定されるため、断ることはできないそうだ。
これは脱会者のBさんから提供していただいた、シェアハウス内の写真だ。「環境」からの脱会者へのいやがらせが多発しているため、画像には加工を施している。多数の会員が生活しているため、一人あたりの自由なスペースは3畳ほどしかないという。収納スペースなども存在せず、写真提供者は約3畳しかない自分のスペースのほとんどを、持ち込んだタンスと荷物に使っていたそうだ。
前述の物件の場合、家賃は4万5000円ほど。師匠から「自己投資の15万円を捻出するため、安く住める物件がある」と勧められる。確かに都内の家賃としては安いかもしれないが、その住環境はあまりにも過酷である。
そして、物件のオーナーも師匠であるため、15万円の自己投資と合わせて毎月20万円近くを上納することになる。通常考えられる賃貸条件とはかけ離れており、物件を所有しているのでなければこのような貸し方はできないだろう。
脱会者への取材を進める中では、上記の他にもさまざまな証言が得られた。
特に衛生面に関しては問題がある。シェアハウスに住んでいた脱会者によると、浴室はバスタブや床部分がカビで真っ黒になっていたという。深夜まで勧誘にいそしんだ住民は、カビだらけの浴室で短時間のシャワーを浴びていたようだ。あまりに不衛生だ。
また、彼らはコロナ禍にもかかわらず、依然として密な状態で生活しているため、クラスターとなる恐れが高い。しかも「環境」では現在も変わらず路上での声掛けや勧誘目的の食事を行い、不特定多数と顔を合わせているのだ。
冒頭の物件での手伝いが終わり、私が部屋の様子を思い返していると、道路の先から見たこともないロゴを付けたバンがやってきた。引っ越し業者だった。Bさんによると、これは「環境」関連の業者のようだ。普通の引っ越し業者に頼んでしまうと、物件の異様さに驚かれてしまうためだという。
業者と共に引っ越し先へ向かったBさんと別れた私は、念のため帰路の途中で電車を降り、街中を歩き回った後に普段とは違うルートで帰宅した。
ここまで読んでいただければわかると思うが、「環境」を既存のマルチ商法などとは大きく異なる。
彼らは長い時間をかけて、こんなセリフで会員を洗脳する。
「起業すれば夢がかなう、そのためには『絶対に起業が成功する』方法を知っている師匠に服従し、ハードな勧誘を行うとともに『自己投資』を行わなければならない。自分たちこそ外界にはない成功法則を知っている」
その過程では、生活を勧誘漬けにする。また「活動を否定するものはドリームキラー(夢を邪魔する者)」「ネットの批判は負け犬の遠ぼえ」といった思想で、批判を受け付けず、人間関係を断絶させる。
「意識の高い特別な仲間と生活でき、さらに家賃も安く済ませられる」と言ってシェアハウスに住まわせれば、起きてから寝るまで「環境」漬けの生活の出来上がりである。「この生活には意義がある」と強力に刷り込まなければ、前述のような住環境で生活させることはできないだろう。
刷り込みを行うという面では、まだ記載していない手法がある。「自己啓発セミナー」である。これは洗脳セミナーとも呼ばれ、数十~数百人を密室に隔離し、強烈な精神的ストレスを与えるワークを繰り返し行って、「人生で起こることの全ては自分が源である」「物事には積極的に全力で取り組むのが重要」といった価値観を植え付けるものだ。
この形態のセミナーは、強烈なストレスによる精神的なダメージが残ってしまうことや、参加者に強引な勧誘を行わせることから、さまざまな団体が過去に何度も社会問題を引き起こしている。
「環境」ではこうした危険なセミナーへの参加を奨励しており、その際のスタッフはほとんどが「環境」の先輩構成員である。本来の自己啓発セミナーは人生の目標を前向きに考え直すものだが、彼らの洗脳セミナーは、これまでの価値観を破壊し、そこに勧誘活動の成功という目標を植え付けるものだ。
毎月15万円の「自己投資」が払えなくなった場合、穴埋めの方法は「ダブルワーク」と「借金」の2つだ。
ダブルワークでは、本業とは別に深夜まで居酒屋で働いていたり、女性の場合は性風俗業で収入を穴埋めしているケースもあった。借金では、筆者が取材したある脱会者は、借金と共にクレジットカードの支払い延滞でブラックリスト入りしてしまい、今もカードを作れないという。
ダブルワークや借金でも穴埋めができなくなった会員は脱落していく。ただ、「環境」の会員には高収入でフリーランスのシステムエンジニアが多い。この場合、長く自己投資を続けられてしまうため、多くの時間と財産を奪われることになる。
私の取材では、起業を目的に「環境」の会員を続けているのに、起業に至らないまま10年以上も在籍している例が聞かれた。勧誘に成功していれば負担額は減るものの、自己投資を1年間で最大180万円、5年間で900万円、10年間で1800万円を失うことになる。
在籍期間はプライベートの時間をほとんど「環境」の勧誘に使ってしまうため、本来友人と過ごしたり、自己研鑽(けんさん)に励んだりする時間を組織に奪われることになる。
さらに、「環境」では勧誘の時間を捻出させるためにフリーランスや派遣への転職を勧めることが多く、その派遣会社が「環境」関連の会社というケースがある。ここまで来ると、生活の全てを「環境」にささげてしまっていることになる。
人間関係の切断や集団生活、疲労による思考力低下を狙った激しい勧誘への誘導といった手法は、カルト集団が利用してきたマインドコントロールの技術に酷似している。「環境」は、宗教団体や政治団体ほどは警戒されない「起業サークル」を自称するが、その実態はカルトであり、深みにはまり込んでしまった場合に抜け出すのは難しい。被害に遭わないよう、十分に気をつけてもらいたい。
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(ライター 雨宮 純)
長男への確認、明言避ける=菅首相、接待問題で―衆院予算委
衆院予算委員会は5日午前、菅義偉首相と全閣僚が出席し、2021年度予算案に関する基本的質疑を続行した。首相は、総務省幹部に対して国家公務員倫理法抵触が疑われる接待を重ねていたとされる長男に事実関係の詳細を確認したか問われ、「私が内容に立ち入るべきではない」として明言を避けた。立憲民主党の森山浩行氏への答弁。
この問題に関し、首相は長男と4日も電話で話したと明らかにした。ただ、事実関係の確認をしたかどうかという点については、勤務先の調査を受けた場合は事実に基づいて報告するよう改めて指示した、と説明するのにとどめた。
総務省は長男の勤務先「東北新社」が手掛ける衛星放送事業の許認可権を持つ。接待を受けたとされる同省の秋本芳徳情報流通行政局長は、会食時に衛星放送に関する話題が出たかどうか「記憶はない」と答弁した。
[時事通信社]
「一線越えた」改正特措法、歯止めなく「ゼロコロナ」まで営業制限も…弁護士が警鐘
新型コロナウイルス対策として進められていた新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)と感染症法の改正案が成立し、2月13日から施行される。 改正特措法では、緊急事態宣言を発令する前でも、実効的な対策を講じられるようにするため、「まん延防止等重点措置」が新設されたことが目を引く。 この措置の下で、都道府県知事は、事業者に対して、営業時間の変更などを命令できるようになる。違反すれば20万円以下の過料となる。また、命令に伴う立ち入り検査も可能となり、拒んだ場合は20万円以下の過料となる。 今回の改正法は1月29日の審議入りから、わずかな期間で成立したが、まん延防止等重点措置については、緊急事態宣言をしなくても権利を制限できる点を懸念する声もある。危機感をあらわにする楊井人文弁護士に聞いた。 ●まん延防止等重点措置は「ミニ緊急事態宣言」 2月3日、改正特措法などがスピード成立しました。 歴史的な日になるかもしれません。ついに一線を越えてしまいました。 どのような「一線」を越えてしまったのですか。 新設された「まん延防止等重点措置」は、国民の権利制限という面でみると、「緊急事態措置」と実質的な違いがほとんどがありません。その本質は「ミニ緊急事態宣言」です。 たとえば、緊急事態宣言下で出された営業時間の変更命令に違反した場合、「30万円以下の過料」となりますが、まん延防止等重点措置下で同じ違反した場合、「20万円以下の過料」となります。 立ち入り検査を拒否した場合にいたっては、緊急事態宣言下でもまん延防止等重点措置下でも、どちらも同じ「20万円以下の過料」です。 つまり、過料の上限額が違うだけで、従来の「要請」に従わなくても合法的に営業できる状態がなくなり、過料が課せられる可能性のある行為となる点では、緊急事態宣言もまん延防止等重点措置もまったく同じといえます。 そして、その「ミニ緊急事態宣言」の発動要件が極めてあいまいで、政府の主観的判断に委ねてしまっているといっても過言でない点が非常に問題です。 ●「まん延防止等重点措置の解除基準、なきに等しい」 まん延防止等重点措置の発動要件について、改正特措法はどのように定めていますか。 改正特措法は、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の発動要件について、次のように定めています。 【緊急事態宣言】 新型インフルエンザ等(…)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(…)が発生したと認めるとき(特措法32条)
新型コロナウイルス対策として進められていた新型インフルエンザ対策特別措置法(特措法)と感染症法の改正案が成立し、2月13日から施行される。
改正特措法では、緊急事態宣言を発令する前でも、実効的な対策を講じられるようにするため、「まん延防止等重点措置」が新設されたことが目を引く。
この措置の下で、都道府県知事は、事業者に対して、営業時間の変更などを命令できるようになる。違反すれば20万円以下の過料となる。また、命令に伴う立ち入り検査も可能となり、拒んだ場合は20万円以下の過料となる。
今回の改正法は1月29日の審議入りから、わずかな期間で成立したが、まん延防止等重点措置については、緊急事態宣言をしなくても権利を制限できる点を懸念する声もある。危機感をあらわにする楊井人文弁護士に聞いた。
2月3日、改正特措法などがスピード成立しました。
歴史的な日になるかもしれません。ついに一線を越えてしまいました。
どのような「一線」を越えてしまったのですか。
新設された「まん延防止等重点措置」は、国民の権利制限という面でみると、「緊急事態措置」と実質的な違いがほとんどがありません。その本質は「ミニ緊急事態宣言」です。
たとえば、緊急事態宣言下で出された営業時間の変更命令に違反した場合、「30万円以下の過料」となりますが、まん延防止等重点措置下で同じ違反した場合、「20万円以下の過料」となります。
立ち入り検査を拒否した場合にいたっては、緊急事態宣言下でもまん延防止等重点措置下でも、どちらも同じ「20万円以下の過料」です。
つまり、過料の上限額が違うだけで、従来の「要請」に従わなくても合法的に営業できる状態がなくなり、過料が課せられる可能性のある行為となる点では、緊急事態宣言もまん延防止等重点措置もまったく同じといえます。
そして、その「ミニ緊急事態宣言」の発動要件が極めてあいまいで、政府の主観的判断に委ねてしまっているといっても過言でない点が非常に問題です。
まん延防止等重点措置の発動要件について、改正特措法はどのように定めていますか。
改正特措法は、緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置の発動要件について、次のように定めています。
【緊急事態宣言】 新型インフルエンザ等(…)が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態(…)が発生したと認めるとき(特措法32条)
中瀬ゆかり氏 森会長の謝罪会見に「ご自身そんな悪いと思っていない感じ」
新潮社出版部部長の中瀬ゆかり氏が5日、フジテレビ「とくダネ!」(月~金曜前8・00)に出演。東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で女性蔑視ともとれる発言をしたことについて会見で発言を撤回、謝罪したことに言及した。
森氏は3日の評議員会で、JOCが女性理事を増やしていく方針を掲げていることに「女性がたくさん入る理事会は時間がかかる」などと発言。4日の会見で「五輪・パラリンピックの精神に反する不適切な表現だった」として発言を撤回し、陳謝。「そういう話はもう聞きたくない」「面白おかしくしたいから聞いているんだろう」と語気を強める場面も見られた。会長職の辞任は否定した。
中瀬氏は「根回しがうまいとかいろいろあるのかも知れません」としつつ、森氏は過去にも問題発言があったとし、「今回の謝罪会見も根本的に何が悪かったのかっていうのが、ご自身そんな悪いと思っていない感じもしました。むしろ国内外の批判で、これは謝罪しとかないとまずいということでやったっていう感じが最後の方は逆ギレにもつながってましたけど、ずっと通して見てたら腹が立つというのを超えてもの悲しさすら感じた」と言い、「言葉を紡げば紡ぐほどおかしなこと言ってしまう。“最近、女性と話していない”とかいろんな言葉からもれ出す、全然分かってらっしゃらないんだろうなっていうことが悲しくなってしました」と自らの見解を述べた。
鎌倉で遊泳客付近をクルーザー航行、50代医師を書類送検…映像がSNSに公開される
神奈川県鎌倉市の由比ヶ浜海岸で昨年8月、砂浜近くをクルーザーで航行したとして、湘南海上保安署は4日、操縦していた東京都の50歳代の男性医師を県迷惑行為防止条例違反(水浴場等における危険行為等の禁止)容疑で横浜地検に書類送検した。遊泳客の目前を通るクルーザーの映像はSNSで公開され、危険性を批判する声が相次いでいた。
発表などによると、男性医師は同年8月16日午後、全長約13メートル、重さ約19トンのクルーザーで波打ち際を航行し、遊泳客らに危険を感じさせた疑い。目撃者の通報を受けた同海保は、クルーザー内の立ち入り検査を実施し、男性医師を厳重注意して経緯を調べていた。
バッハ会長「森氏謝罪を理解」=政府は進退求めず―女性蔑視発言
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が女性蔑視とも受け取れる発言をして撤回、謝罪したことについて、橋本聖子五輪担当相は5日の閣議後の記者会見で、4日夜に国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長から「よく理解した」と電話で伝えられたことを明らかにした。橋本氏は森会長辞任を求めない考えも示した。ただ、他の閣僚からは大会への悪影響を懸念する声が相次いだ。
橋本氏によると、バッハ氏は「東京大会の成功に向けて努力してほしい」と協力を求め、橋本氏は「しっかりと準備していく」と応じた。
森会長が辞任を否定したことに関し、橋本氏は会見で「組織委員会が決めることだ。それを政府としてサポートしていく」と述べ、政府から進退を問わないと強調。4日に森会長に直接「あってはならない」と伝えたことをもって、政府としてこれ以上対応しない考えも示した。
加藤勝信官房長官も森会長の進退について「組織委員会において決めることだ」と述べるにとどめた。
一方、小此木八郎国家公安委員長は会見で「本人も反省していると思うが、それと世間、世界からの声は別。厳しいものがある」と指摘。坂本哲志地方創生担当相は「国民全体のモチベーションが下がることがあってはいけないと思い、心配している」と語った。
井上信治科学技術担当相は男女共同参画の重要性を強調し、「日本学術会議の会員も女性を増やしている。そういう取り組みは社会のあらゆる分野で必要だ」と述べた。
公明党の石井啓一幹事長は会見で「猛省してほしい」と述べ、森会長の続投に関しては「首相まで務めた方だから出処進退は自分で判断すると思う」と語った。
[時事通信社]
米軍の榴弾砲射撃訓練が原因か 北富士演習場の火災鎮火
陸上自衛隊北富士演習場(山梨県富士吉田市、山中湖村)で4日に発生した火災で、防衛省南関東防衛局は5日、同日午前7時20分に鎮火を確認したと発表した。延焼範囲は数十ヘクタールとしている。在沖縄米海兵隊の実弾射撃訓練が出火の原因とみられる。
南関東防衛局によると、4日午後4時40分ごろ、広範囲で下草が燃えていると陸自からあり、陸自が消火活動を行った。
北富士演習場では3日から在沖縄米海兵隊が155ミリ榴弾(りゅうだん)砲の実弾射撃訓練を実施。山中湖村の「着弾地A」と呼ばれる地点で出火しており、榴弾が引火した可能性が高いと見ている。
沖縄県の米軍基地キャンプ・ハンセンでは、通行止めにした県道104号を挟む形で実弾射撃訓練をしていたが、沖縄の基地負担軽減を目的に平成9年以降は北富士演習場などで分散実施している。
南関東防衛局によると、今回の訓練には約200人が参加。3~14日を訓練期間とし、うち10日間で射撃を行う予定。
コロナ感染でにおい感知組織が脱落 少量のウイルスでも 東京大など発表
新型コロナウイルスに感染すると、ウイルスの量が少なくても、においを感知する鼻の奥の組織「嗅上皮(きゅうじょうひ)」がはがれ落ちることを動物実験で確かめたと、東京大などの研究チームが米国化学会の専門誌で発表した。嗅覚障害の病態解明や治療法開発などにつながる成果として期待される。
インフルエンザなどのウイルスに感染し、嗅上皮に炎症が起こると、嗅上皮の表皮が一度はがれ落ちて薄くなり、一定期間経過すると正常な厚さに戻る。重症の場合は元に戻らないこともある。
チームは、ヒトと同じように新型コロナに感染するハムスター計40匹を使って実験。人為的に鼻から感染させると、ウイルスがごく少量でも感染3日後までに嗅上皮の表皮がはがれ落ちて薄くなり、嗅覚障害が起きるような状態になった。感染21日後には大部分は正常に戻ったが、元の厚さに戻らない部分もあったという。
嗅覚障害は、新型コロナの初期症状の一つ。別のチームの最近の研究で、発症から約2カ月がたち、PCR検査で陰性と確認された人の18~45%で、嗅覚障害が残ることが分かってきたという。
チームの山岨(やまそば)達也・東大教授(耳鼻咽喉(いんこう)科)は「新型コロナ感染症自体は軽症で済んだとしても、嗅覚障害については後遺症も起こりうる。軽く見ずに、一般的なウイルス性嗅覚障害で推奨されている漢方薬による治療や、においを嗅ぐ訓練などをすることが重要だ」と話す。【信田真由美】
河井案里氏、議員辞職に込められた「ある思惑」 4月に3選挙区で補選、全敗なら「菅おろし」も
2019年参院選における巨額買収事件で有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告(自民党を離党)が2月3日、議員辞職した。 案里被告は、2020年6月に同事件で逮捕・起訴された夫で元法相の河井克行被告(自民離党・公判中)とともに、その後の公判で無罪を主張してきた。2020年10月の保釈後も雲隠れしたまま議員活動もせず、「歳費泥棒」と批判されて与党内からも議員辞職を求める声が強まっていた。 ■4月25日の統一補選に込められた思惑 折しも、与党4議員による「銀座の夜遊び」が発覚して、議員辞職や離党に追い込まれたばかり。案里被告の議員辞職には、政権運営への打撃を恐れる菅義偉首相や自民党の二階俊博幹事長の意向も影響したとみられている。 案里被告の辞職により、4月25日の衆参統一補欠選挙の1つとして参院広島選挙区の補選が実施される。同統一補選では、「鶏卵」汚職に問われた吉川貴盛元農水相(自民離党)の議員辞職に伴う衆院北海道2区と、立憲民主党参院幹事長だった羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴う参院長野選挙区の実施が決まっていた。 これにより4月25日の補選は現時点では3選挙区となるが、自民党はすでに北海道2区の不戦敗を決めている。候補者を擁立している参院長野は「羽田氏の弔い選挙なので勝ち目はない」(地元県連)との見方が支配的だ。 これに対し、2人区の参院広島は残る現職が立憲民主党所属議員で、「改選をにらむと野党は強力な候補を出しにくく、自民党に勝機がある」(自民選対)とみられている。そのため、統一補選全敗を回避したい自民党の思惑が、案里被告辞職の背景にあるとみられている。 東京地裁は1月21日、案里被告に懲役1年4月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。これを受けて案里被告は3日午後、山東昭子参院議長宛てに辞職願を提出、同日夕刻の参院本会議で許可された。控訴断念で案里被告の刑も確定した。 案里被告は3日、「判決内容は納得できないが、政治家として情けなく、政治的責任を引き受けるべきだと考えた」とのコメントを発表した。案里被告は克行被告とともに、東京地検特捜部に逮捕される前日の2020年6月17日に離党。同年8月に始まった一審では無罪を主張して争ってきた。 ■「4月総選挙論」の可能性はほぼゼロに 判決によると、案里被告は2019年3~5月、河井克行被告と共謀し、広島県議4人に現金計160万円を配った。判決は、いずれの県議も案里被告を応援しており、政治資金の処理に必要となる領収書もないことから、現金の趣旨は買収だったと認定した。
2019年参院選における巨額買収事件で有罪判決を受けた参院議員の河井案里被告(自民党を離党)が2月3日、議員辞職した。
案里被告は、2020年6月に同事件で逮捕・起訴された夫で元法相の河井克行被告(自民離党・公判中)とともに、その後の公判で無罪を主張してきた。2020年10月の保釈後も雲隠れしたまま議員活動もせず、「歳費泥棒」と批判されて与党内からも議員辞職を求める声が強まっていた。
■4月25日の統一補選に込められた思惑
折しも、与党4議員による「銀座の夜遊び」が発覚して、議員辞職や離党に追い込まれたばかり。案里被告の議員辞職には、政権運営への打撃を恐れる菅義偉首相や自民党の二階俊博幹事長の意向も影響したとみられている。
案里被告の辞職により、4月25日の衆参統一補欠選挙の1つとして参院広島選挙区の補選が実施される。同統一補選では、「鶏卵」汚職に問われた吉川貴盛元農水相(自民離党)の議員辞職に伴う衆院北海道2区と、立憲民主党参院幹事長だった羽田雄一郎元国土交通相の死去に伴う参院長野選挙区の実施が決まっていた。
これにより4月25日の補選は現時点では3選挙区となるが、自民党はすでに北海道2区の不戦敗を決めている。候補者を擁立している参院長野は「羽田氏の弔い選挙なので勝ち目はない」(地元県連)との見方が支配的だ。
これに対し、2人区の参院広島は残る現職が立憲民主党所属議員で、「改選をにらむと野党は強力な候補を出しにくく、自民党に勝機がある」(自民選対)とみられている。そのため、統一補選全敗を回避したい自民党の思惑が、案里被告辞職の背景にあるとみられている。
東京地裁は1月21日、案里被告に懲役1年4月、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。これを受けて案里被告は3日午後、山東昭子参院議長宛てに辞職願を提出、同日夕刻の参院本会議で許可された。控訴断念で案里被告の刑も確定した。
案里被告は3日、「判決内容は納得できないが、政治家として情けなく、政治的責任を引き受けるべきだと考えた」とのコメントを発表した。案里被告は克行被告とともに、東京地検特捜部に逮捕される前日の2020年6月17日に離党。同年8月に始まった一審では無罪を主張して争ってきた。
■「4月総選挙論」の可能性はほぼゼロに
判決によると、案里被告は2019年3~5月、河井克行被告と共謀し、広島県議4人に現金計160万円を配った。判決は、いずれの県議も案里被告を応援しており、政治資金の処理に必要となる領収書もないことから、現金の趣旨は買収だったと認定した。