緊急事態宣言が出された東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県からの客らを念頭に、静岡県御殿場市が13日までに、「一見さんお断り」と記したポスターを作り、市内の飲食店に配り始めた。住民からは「首都圏への差別では」と批判が出ているが、市の担当者は「差別の意図はなく、市民を守るためだ」と理解を求めている。
ポスターは店主と御殿場市の連名。市によると、JR御殿場駅周辺の飲食店196店に郵送で配布したほか、市のホームページからダウンロードして使用することも可能という。
“キャッチコピー”については「以前は『県外(お断り)』としたこともあったが、対象を特定するのは良くないのではという意見もあった」ことから、「一見さん」という表現を使うことに決定。客の感染が判明した場合、連絡先の分かっている常連客に比べて新規の客は感染経路をたどるのが難しい上に「(店側から)入店を断りにくい」として、店側から「自治体として、何か作ってほしい」との要望があったとした。
この対策に対し、市には「言葉にしてくれるのは助かる」と賛成の一方、「表現が適切でない」「首都圏の住民を(全て)感染者扱いしている」といった否定的な声など、12日までに50件以上の意見が寄せられた。多くが批判だという。
御殿場市では、昨年8月に市内の飲食店でクラスター(感染者集団)が発生。その際にも、同様のポスターを作製し、配布していた。ポスターの掲出による飲食店と客とのトラブルについて、市は「(トラブルの)有無も含めて、把握していない」と話している。
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新型コロナワクチンはどのくらい安全? 免疫学者が注視する“3つの副反応”の可能性
米製薬大手ファイザーは、ドイツのビオンテックと共同で開発した新型コロナウイルスワクチンについて先月、厚生労働省に承認を申請した。ワクチンを感染対策の「切り札」と位置付ける日本政府は、これを受け、最優先に審査を進め、2月下旬にも接種開始を念頭に準備を進めている。
10年はかかるとも言われるワクチン開発の世界において、1年で実用化にこぎつけるという驚くべき展開だが、大阪大学免疫学フロンティア研究センター招聘教授の宮坂昌之氏に訊くと、「予防効果には目を見張るものがありますが、安全性についてはデータが揃っているとは言いがたい」と話す。一体、どういうことなのか――。
効果が強いワクチンほど副反応も強い
ファイザーと、さらに続いて国内での第3相臨床試験が近く始まる米モデルナのワクチンに共通するのは、いずれもメッセンジャー(m)RNAを初めて実用化させた手法であることだ。宮坂教授が解説する。
「従来のワクチンは、生きてはいるが病原体の毒を弱めた『生ワクチン』や病原体を殺して使う『不活化ワクチン』が主流。これに対し、mRNAワクチンは、ウイルスの表面の棘(スパイク)の部分のタンパク質の設計図を体の中に入れることで、われわれの体がこれを読み、タンパク質を作り、さらに、このスパイクタンパク質に対する免疫反応を誘導する仕組みです」
いずれも海外で行われた臨床試験で前者が95%、後者が94%という高い有効性が明らかにされ、米食品医薬品局(FDA)も相次いで緊急使用許可を出した。
感染性を高めつつ変異したかたちで英国や南アフリカで確認された変異株に対しても効果が認められると報じられており、その有効性の高さから日本では接種開始を歓迎する声が大きい。だが、「強い効果のあるワクチンほど副反応も強くなる」と宮坂教授は言う。
特に注意が必要な副反応とは?
ワクチン接種によって引き起こされる局所の痛み、発熱、腫れは免疫反応の影響で起きることから、「副作用」ではなく、「副反応」と表現される。特に注意が必要なのは、取り返しのつかないような重い副反応だ。大別して3つある、と宮坂氏が続ける。
「第1は、接種して間もなく起きるアナフィラキシーショック。これは皮膚や粘膜のかゆみ、息苦しさから始まって、ひどくなると死に至ることがあります」
米国や日本のデータによれば、様々なワクチン接種によるアナフィラキシーショックの発症頻度は100万回に1回以下。今回のファイザーのワクチンでは、接種開始後、英国と米国でそれぞれアレルギー反応があった人が確認されている。
「第2に、2週間から4週間経過後に出てくるのが脳炎や神経麻痺といった症状。麻疹のワクチンでは100万回に10回程度、脳症が起きることがあります。一方、自然感染でも発症例があり、その頻度はワクチンの10倍。このため、ワクチンを打った方がリスクを下げられるのです」
宮坂氏によれば、インフルエンザワクチンに関しても100万回に0.15回と非常にまれながら、脳炎を発症することがある。
「以上のような事例を俯瞰して見ると、ワクチン接種によって重篤な副反応が出るリスクは、100万回に1回から10回の間です。ワクチンによる副反応のリスクはゼロにはなりませんが、車の死亡事故よりはずっと小さく、飛行機の事故と同じかちょっと小さいぐらいの水準ということになります」(宮坂氏)
「接種すると症状が悪化する」可能性も
そのような副反応の頻度を調べるのが、臨床試験だ。ファイザーが海外で行った新型コロナのワクチンの第3相の臨床試験では、2度目の接種後の4週間の観察期間を通じて、深刻な神経症状はなかったと発表された。ただ宮坂教授は、「これで副反応がないと結論づけられるかといえば、別問題です」と注意を促す。
「第3の副反応である『抗体依存性感染増強(ADE)』という現象は、接種した人が後にウイルスに感染した際、むしろ症状の悪化を促進してしまうという副反応です」(宮坂教授)
どういうことか。
「通常、免疫ができるのは、体の中にウイルスを殺したり、不活化したりする『中和抗体(善玉抗体)』ができるから。ただ、感染やワクチンによって発現する抗体の中には、エイズの抗体のように、感染後に体内で増えてもウイルスに対する働きを持たない『役なし抗体』や、感染性を強めてしまう『悪玉抗体』ができてしまうことがある」(同前)
この悪玉抗体が、ADEの原因となる。典型例はネココロナウイルスだった。かつて飼い主の求めに応じるかたちでワクチンが開発されたが、接種したネコには予防効果が見られない上に、ウイルスが感染した際には、かえって症状が重くなった。病原体を呑み込んで分解する体内の食細胞がウイルスに感染し、その状態で全身に広がっていた。細胞間の情報をやりとりするシグナルの一つである炎症性サイトカインが大量に放出されており、これが炎症を悪化させる原因の一つになっていたのだ。
今の段階ではリスクを判定できない
宮坂氏が懸念するのは、臨床試験での数の少なさだ。
「ADEは、03年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)のワクチン開発中にも観察されており、SARSウイルスと近縁である新型コロナのワクチンでも、起きる可能性は否定できません。ただファイザーの試験でさえ、接種後に感染した人はたった8人。この数少ない段階では、ADEがどれくらいの頻度で起きるのか、リスクを判定できない。販売後のデータをチェックしていくしかないのです」
ファイザーが日本人を対象に行った試験の規模は160人、武田薬品工業がモデルナのワクチンで行うのも200人規模。政府はこれをもって「条件付早期承認制度」の適用を念頭に置いている、と宮坂氏は見る。
「海外の人を対象にした臨床試験で有効性と安全性が確認されたから日本人も同じかといえば、イエスともノーとも言えません。過去には海外での好成績を理由に国内での第3相試験を省略して抗リウマチ薬を承認した結果、25人が間質性肺炎で亡くなったという痛い目に遭った経験もある」
欧米での接種が進む中、宮坂氏がいう「販売後のデータ」の蓄積も進む。海外での実績を注意深く観察していく必要がある。
◆ ◆ ◆
宮坂氏へのインタビューの全容は「文藝春秋」2月号および「 文藝春秋digital 」に掲載している。
(広野 真嗣/文藝春秋 2021年2月号)
帰国・入国時の自己隔離 違反者の氏名公表可能に 外国人は強制退去も
政府は13日夜、外国から帰国する日本人や病気治療など人道上の理由で入国する外国人が、日本入国後の14日間の自己隔離などの新型コロナウイルスへの感染防止策に従わなかった場合、氏名公表などのペナルティーを科すことができる新たな措置を決定した。英国から帰国した日本人男性が自己隔離期間中に多人数で会食し、感染を広げた事例を念頭に厳しい措置を取った。
日本人や外国人が日本に入国する際、全員に感染防止策を守ることや、違反した場合は氏名公表などのペナルティーがあると明記した誓約書の提出を求める。感染防止策として14日間は自宅や宿泊施設で自己隔離し、電車などの公共交通機関の使用自粛が必要。今後は違反が発覚すれば、日本人は氏名公表、外国人は氏名公表や在留資格取り消し、強制退去などの措置を受ける可能性がある。
13日に11カ国・地域のビジネス関係者らの短期滞在・長期滞在(ビジネス往来)の一時停止を決めたため、今後入国できる外国人は、病気治療や親族の葬儀など人道的な理由や在留資格を持つ場合の再入国に限られる。一方で、日本人の帰国は、滞在先の外国の感染状況に関わらず認められている。
政府の発表によると、昨年12月に英国から帰国した日本人男性は入国時の検査で感染が見つからず、14日間の自己隔離期間中に多人数で会食。その後、男性の感染が確認され、会食に同席した20代の男女2人も新型コロナウイルス変異株への感染が確認された。【田所柳子】
《横浜》認知症の父親を殴って死なせた“優しい息子”、後悔にじむ悲しき救命措置
「息子さんが実家に戻ってご両親と同居しているなんて知りませんでした。ほとんど近所付き合いのない一家でしたから……」
と、事件現場の民家近くに住む女性は話す。
痛ましい事件が明るみにでたのは正月3日の午前3時半ごろのこと。
横浜市保土ヶ谷区の民家から、
「父親の意識がない」
などと119番通報があった。
駆けつけた救急隊によって、この家に住む無職・佐藤三郎さん(73)は病院に搬送されたが、同日午前5時35分に死亡を確認。神奈川県警保土ヶ谷署は同日夕、三郎さんに暴行を加えたとする傷害の疑いで、同居する長男の無職・聖一容疑者(44)を逮捕した。
なぜ、父親に手をあげたのか。
地元を担当する記者の話。
「三郎さんは重度の認知症を患っていた。昨年初めごろ病状が悪化し、聖一容疑者が介護するために仕事を辞め、昨春ごろから実家に戻っていた。ところが昨年12月30日ごろ、自宅内で三郎さんが暴れだしたらしい」
聖一容疑者は三郎さんの顔面や腹部を複数回、殴りつけた疑いが持たれている。
「警察の取り調べに対し、聖一容疑者は“父親を押さえつけようとして手を出してしまった”などと供述している。三郎さんは顔面打撲のほか、肋骨(ろっこつ)を折るケガを負っていた。司法解剖などで暴行と死亡の因果関係が認められれば、傷害致死容疑に切り替わるだろう」(同記者)
暴行があったとされる12月30日前後、近隣宅には怒鳴り声も大きな物音も聞こえてこなかったという。
佐藤一家が引っ越してきたのは39年前。当時、大手自動車メーカーで働いていた三郎さんが20年近いローンを組んでマイホームを新築した。
聖一容疑者には妹がおり、一家4人の暮らしぶりは周囲には穏やかにみえた。
「物静かな一家です。ご両親は控えめな性格で、聖一くんと妹さんもおとなしい子。子どもたちはとっくに自立し、三郎さんが定年退職されてからは、ご夫婦で仲よく買い物に出かける姿も見かけました。お孫さんが遊びに来ることもあって幸せそうでした。でも、三郎さんが認知症になっていたとはまったく気づかなくって……」
と近所の主婦。
もともと無口だったという三郎さんは近所を徘徊(はいかい)することもなく、室内で暴れているとは想像できなかった。
聖一容疑者の母親はこの主婦に「息子とまた一緒に暮らすことになったの」とだけ話し、ほとんどの近隣宅に認知症のことを伏せていた。一家は静かに病気と闘っていた。
近所の男性は、母子の心中をこう推しはかる。
「認知症のことはご近所さんにも打ち明けにくかったのではないか。そんなに親しい付き合いをしてこなかったわけだし、ずっと家にこもっていれば周囲にはわからないから。ただ、言われてみれば、ここ最近は聖一くんの母親が買い物に行く姿ぐらいしか見たことがなかったかな」
聖一容疑者は地元の小・中学校などを経て県内の私立大学を卒業。近所では「優しい子」で通っている。10代のころは非行に走ることもなく、反抗期さえ窺(うかが)えなかった。
同級生は「そんなやついたかな、ってくらい目立たない生徒」と振り返る。
別の近所の男性は言う。
「優しい子だからこそ、仕事を辞めてまで介護生活に踏み切ったのだろう。認知症の介護は、やった者にしかわからない過酷さがある。だからといって手を出してはいけないんだけれども、優しい性格ゆえに、さまざまな忍耐を強いられる介護生活はつらかったのではないか」
三郎さんが暴行を受けてから亡くなるまでの数日間に年は明けた。3日未明、父親と同じ部屋で寝起きしていた聖一容疑者は異変に気づき、救急隊が来るまで必死に救命措置を続けていたようだ。自宅の玄関は今も正月飾りがかけられたまま、はずされるタイミングを失っていた。
◎取材・文/渡辺高嗣(フリージャーナリスト)
〈PROFILE〉法曹界の専門紙「法律新聞」記者を経て、夕刊紙「内外タイムス」報道部で事件、政治、行政、流行などを取材。2010年2月より「週刊女性」で社会分野担当記者として取材・執筆する
受け入れ先が見つからず、自宅療養中の80代男性が死亡
東京都は13日、新型コロナウイルスに感染した80歳代男性が自宅療養中に死亡したと発表した。都は70歳以上の感染者は原則入院としているが、男性は入院先が見つからなかった。
都によると、男性は先月31日に発熱などの症状が出て、今月7日に陽性が判明。自宅療養中の翌8日に症状が悪化したため都が入院調整をしたが、受け入れ先は見つからなかった。9~10日に症状が改善したため入院調整の対象からいったん外れたが、11日に容体が急変し、搬送先の病院で死亡した。担当者は「最初の入院調整が適切に行われていれば、こうした事態を避けられた可能性がある」としている。
また、都は、高血圧の持病がある50歳代女性が自宅療養中に死亡したと明らかにした。女性は入院調整は行われなかったという。都内では昨年末にも自宅療養中の男性が死亡している。
首相、ビジネス往来の停止表明 2月7日まで、継続から方針転換
菅義偉首相は13日の記者会見で、中国、韓国など11カ国・地域との間で例外的に認めているビジネス関係者の往来を一時停止すると表明した。新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の期限である2月7日までの措置。これまで継続する意向を示していたが方針転換した。これにより全世界からの外国人の新規入国を原則認めないことになる。
11カ国・地域は中韓のほか、タイ、ベトナム、カンボジア、シンガポール、ブルネイ、マレーシア、ミャンマー、ラオス、台湾。
首相は新型コロナ変異種確認を例示し「国民の皆さんの不安が高まっている現状を重く受け止めている」と理由を説明した。
政府の解除目安では「50日で元通り」 西浦教授、東京都基準で試算
数理モデルによる疫学分析を専門とする西浦博京都大教授(理論疫学)は13日、東京都の新型コロナウイルスの感染者が1日当たり500人を下回った時点で緊急事態宣言を解除すると、50日足らずで宣言前のレベルまで感染者数が戻るとの試算を公表した。政府は宣言解除の目安の一つに東京都の場合は「感染者数が1日当たり500人未満」との基準を挙げる。西浦教授は「緩い解除基準の場合は7月下旬までに今回も含め計3回のピークを経験することになるだろう。解除基準を決めるには長期的な見通しが必要」と指摘する。
西浦教授は感染者1人が平均何人に感染させるかを示す「実効再生産数」を使い、東京都の感染状況を基に考えた。今回の緊急事態宣言について、緩い効果があった場合と強い効果があった場合の感染者数の推移をそれぞれ予測。宣言を解除した後に、宣言直前の実効再生産数に戻り、感染者数が増加する条件で試算した。
緩い効果があった場合には2月24日に1日当たりの新規感染者数が500人未満になる。その時点で解除すると、4月中旬には再び1日の感染者数が宣言発令直前の約1000人に増加した。一方、強い効果があった場合に500人未満になっても解除せずに取り組みを続けると、2月25日に1日当たりの新規感染者数が100人を下回り、7月中旬まで宣言前のレベルには戻らなかった。【金秀蓮】
1都3県「以外」への緊急事態宣言、1週間で一転発令 「見通し甘かった」指摘に菅首相の釈明は…
菅義偉首相は2021年1月13日、新型コロナ特措法の対象地域拡大を決めたことを受けて記者会見した。
1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)への発令を受けて1月7日に開いた記者会見では、1都3県への発令について否定的な見方を示していた菅氏。1週間で判断が変更されたのは、なぜなのか。
「結果的に見通しが甘かったのではないか」
新たに対象に加わるのは栃木、大阪、京都、兵庫、愛知、岐阜、福岡の7府県。期間は、先行して1月8日から発令された1都3県と同じ2月7日まで。1月7日の記者会見では、仮に大阪への発令を検討する場合、同じ経済圏である京都と兵庫も一体的に判断するかについて記者から問われ、菅氏は1都3県以外の感染状況が厳しくなった場合については「様々な対策、措置というのは必要」とする一方で、緊急事態宣言の発令については
としていた。
このやり取りを念頭に、今回の記者会見では、
という指摘が出た。菅氏は
とした上で、今回対象に加えた7府県については、新規感染者数や病床の利用率が、最も感染状況が深刻な「ステージ4」に該当することや、大都市圏は人口が集中して全国に感染が広がるリスクがあることなどを踏まえて判断したと説明した。
尾身氏「東京と大阪、首都圏と関西、大ざっぱに言えば半月ぐらいの時間差があった」
今回の記者会見でも、新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が同席。引き続き菅氏が尾身氏にコメントを求める場面が目立った。
尾身氏は1週間前には否定的だった大阪が対象地域に加わった経緯について、東京では、12月中旬の時点で「ステージ4」の判断基準のひとつである「人口10万人当たりの全療養者数25人以上」を満たしていたことや、12月29日では東京都のモニタリング会議でも「逼迫している」という指摘があったこと、31日になって感染者数が急上昇したことを説明。
対する大阪は「東京とは違って、年末までには下降の傾向を示していた」し、10万人あたりの全療養者数が25人を超えたのは年が明けてからだったことから、「そういう意味では、東京と大阪、首都圏と関西、大ざっぱに言えば半月ぐらいの時間差があった」とした。 さらに、東京では大阪よりも早く入院調整に支障が出ていることが表面化したことを挙げた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
宣言要請しなかった福岡 知事、政府から背中押されて 「時間の余裕ない」と
政府が再発令した緊急事態宣言の対象地域が13日、11都府県に拡大された。これまで他の知事の要請を受けて宣言の発令を決め、対応を「後手」と批判されてきた政府だが、福岡県はその政府から地域拡大を押し切られる結果となった。
「コロナ対策と経済との両立」を訴える小川洋知事は最後まで宣言に消極的だった。飲食店の営業時間短縮要請も「強い規制は長続きしない」と否定。県民には会食は少人数、短時間にすることなどを求めるにとどめ、医療提供体制が維持されている間はギリギリまで「経済を回す」ことを優先した。「第1波」「第2波」では全国でも高い水準だった感染者が「第3波」では当初、他地域より低水準だったことも背景にある。
2020年12月23日から連日100人以上の感染が確認されるなど県内の感染状況は急転した。政府分科会が示した指標も、複数が宣言の検討が必要とする「ステージ4(感染爆発)」の基準を超えたが、小川知事は医療提供体制について「県内は踏みとどまっている」とし、医療現場からは踏み込んだ対応を求める声が尽きなかった。
西村康稔経済再生担当相との12日の協議でも、小川知事は今後の状況を見極めたいと訴えたが、西村氏からは「時間をかける余裕はない」と引導を渡される形となった。小川知事は13日の記者会見で「感染状況について国と県との認識が違っていた。ただ、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)するなら、次の手が必要だと考えていた」と振り返ったが、ある県議会関係者は「結果的にこうなるまで何の対応も打ち出せなかった批判は免れない」と指摘した。【吉住遊】
わずか23日間で10万人増…累計30万人超す、国内の新規感染5868人
国内の新型コロナウイルスの感染者は13日、山形県を除く46都道府県と空港検疫で計5868人が確認され、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗船者(712人)を含めた累計の感染者は30万4751人となった。
国内では昨年1月16日に初めて感染者が発表されてから約9か月半で10万人を突破し、その53日後にあたる昨年12月21日に20万人を超えた。今回、わずか23日間で10万人増えて30万人に達しており、拡大ペースが加速している。
東京都内では13日、新たに1433人の感染者が確認された。水曜日としては、先週6日の1591人よりも減少したが、それに次ぐ2番目の多さとなった。
死者は東京都と神奈川県、大阪府で各13人、兵庫県で11人などで、全国では過去最多の計97人に上った。重症者は全国で前日より19人増え、過去最多の900人となった。