4日午前8時50分ごろ、北海道月形町知来乙の篠津山霊園で「墓石が倒されている」と通報があった。岩見沢署によると、墓石58基が土台から倒されたり、石碑が折られたりしていた。器物損壊事件として調べている。
同署によると、霊園は町が管理しており、管理人が3日午後5時ごろに退勤した時には異常はなかった。町によると、倒された墓石は、明治から大正時代にかけて服役した囚人らを供養するために建てられていた。
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日豪首相、安倍氏慰霊碑に献花=奈良ゆかりの公園で
【キャンベラ時事】オーストラリア訪問中の高市早苗首相は4日、アルバニージー豪首相と共に、キャンベラの「奈良平和公園」に建てられた故安倍晋三元首相の慰霊碑に献花した。この後、高市氏は記者団に、安倍氏が提唱した「自由で開かれたインド太平洋」について、「進化の具体的取り組みを進め、地域全体を強く豊かにしたい」と決意を語った。
キャンベラは姉妹都市の奈良市と交流があり、安倍氏が2022年に同市内で街頭演説中に凶弾に倒れたことを受け、慰霊碑が設置された。「オーストラリアの良き友人 功績を称える」と記された慰霊碑に、高市氏は白菊と赤いバラの花輪をささげ、両手を合わせて追悼。アルバニージー氏は黄色い花輪を供えて黙とうした。
1973年に奈良市を訪れたホイットラム豪首相(当時)が推進し、76年に署名された日豪友好協力基本条約は、豪州で「NARA条約」とも呼ばれる。その50周年の節目に、奈良県出身の高市氏が同公園にクロマツを植え、さらなる友好発展を誓った。 [時事通信社]
【高市総理】「大きな成果であった」日豪首脳会談終え取材応じる 中東情勢が緊迫化する中でオーストラリアとの連携強化を発表【コメント全文】
高市総理は5月4日、オーストラリア・アルバニージー首相との会談で経済安全保障に関する協力を推進するための指針となる共同宣言を発表しました。
その後、高市総理が記者団の取材に応じました。中東情勢の緊迫化が地域に大きな影響を及ぼすなか、オーストラリアとの連携強化について「大きな成果であったと考えております」などと話しました。
コメントの全文を公開します。
訪問の成果踏まえ「インド太平洋地域全体をともに強く豊かに」
Q:今回の訪問について。出発前には中東情勢を踏まえ、ベトナム・オーストラリア両国とエネルギーなどのサプライチェーンの強靱化への協力を確認したい意向を示していましたが、この目的は達成されたか?また、成果もあわせてお願いします。 さらにベトナムでは、自由で開かれたインド太平洋=FOIPの進化に関する外交スピーチを行いました。安倍元総理による提唱から10年となるタイミングで、このFOIPを進化させる必要性、また今回のスピーチで示した内容を今後の外交方針にどう生かしていくのか、あわせてお願いします。
高市総理: 今回のベトナム・オーストラリア訪問では、各首脳との個人的な信頼関係を深めることができたのに加えまして、日本とベトナム、オーストラリアとの間で互いの強靭性、自律性を高めて、地域全体でともに強く、豊かになるという、共通目標に向けた具体的な協力の推進について両国と一致することができました。
中でも、経済安全保障分野につきまして、それぞれ協力文書を発出しました。
LNGを始めとしたエネルギー安定供給や、レアアース・重要鉱物を含むサプライチェーン強靱化など、我が国にとっても待ったなしの課題への対応で、協力強化を確認できたということは、現下の中東情勢の中にあって、大きな成果であったと考えております。
特にベトナムとの間では、先月私が発表した「パワー・アジア」の初案件としまして、ベトナムの原油の追加調達支援を進めることになりました。日本企業がベトナムで生産する医療物資は、日本に輸出されております。地域のサプライチェーンの重要拠点であります、ベトナムの経済活動に必要なエネルギーの調達を支援するということは、日本・ベトナム、双方の国民生活の安定を支えるものであり、これは大変重要でございます。
また両国首脳との間で地域情勢、また安全保障協力についても充実した議論を行うことができました。
東アジア情勢をはじめとした、インド太平洋地域の戦略課題についての連携。中でも、安全保障協力の一層の進化について両国首脳との間で一致しました。特に、先駆的な安全保障協力を進める、同志国連携のフロントランナーでありますオーストラリアとの間では、いわば準同盟国ともいえるレベルの関係にあるパートナーとして、更なる協力強化を力強く確認しました。
さらに、安倍総理による提唱から10年を迎える自由で開かれたインド太平洋=FOIPでございますが、この進化につきましても、外交政策スピーチを行いました。スピーチを通じて、この間の時代の変化に対応して、地域の国々の自律性、強靭性を高めていって、具体的な協力を通じて、地域全体としてともに、強く豊かになることが必要という考えを発信いたしました。こうした考えについては、今回会談した両首脳にもご賛同をいただきました。
今回のベトナムおよびオーストラリア訪問の成果も踏まえまして、地域の国々と手を携えながら、進化したFOIPのもとでの具体的な取り組みを進めて、インド太平洋地域全体をともに強く豊かにしてまいりたいと考えております。
日本は専守防衛 防衛力をパートナー国と共有するのは地域の平和にとって重要
Q:日豪で共同開発する、海上自衛隊の「もがみ型護衛艦」の能力向上型について今日(4日)の会談ではどのようなやり取りがあったのか。また、共同開発が両国の安全保障の強化にどのような意義があるとお考えでしょうか?
また、もがみ型は三菱重工設計で、日本の国内の防衛産業の底上げにも繋がります。防衛装備移転三原則の運用の見直しも踏まえて、高市政権として防衛産業の成長にどのように取り組むか教えてください。
高市総理: 安全保障分野は強力な日豪関係の基盤でございます。我が国のもがみ型護衛艦の能力向上型をベースとした汎用フリゲートが豪州の海軍で導入されるということは、基本条約署名50周年を象徴する画期的な協力でございます。日豪双方ともこれを歓迎するということとともに、本件を着実に進めていくことに合意をいたしました。
本件は、日豪相互運用性の大幅な向上や、サプライチェーン協力の強化、そしてインド太平洋地域の艦艇建造、維持整備基盤の向上といった日豪双方にとって幅広い意義を有します。インド太平洋地域の平和と安定に貢献するものだと考えております。
それから今、安全保障環境が厳しさを増している中で、パートナー国に対して防衛装備移転を行うということは、パートナー国の防衛力を向上させる。ひいては紛争発生の未然防止に貢献することになりますから、日本の安全保障の確保に繋がります。
また、防衛装備移転による各国への販路や、サプライチェーン協力の拡大は、防衛産業をはじめとする様々な産業の発展、ひいては日本経済の成長にも繋がります。こうした考えのもとで先般、防衛装備移転制度の改正を行いました。
ここで皆様に強調しておきたいことは、5類型の見直しについて様々なご意見もございます。しかしながら、今まででしたら救難、輸送、そして警戒、監視、掃海、この5類型ということでございましたけれども、日本はそもそも専守防衛でございます。例えば、日本は空母を持っているわけでもございません。また、爆撃機を持っているわけでもございません。他国を侵略する、他国領域内に入っていって攻撃をする、そのような装備品を持っているわけではありません。あくまでも専守防衛の考え方に基づいて、防衛装備品を整備してきております。
ですから、このような防衛力をやはりこのパートナー国と共有していくというのは本当に地域の平和にとって重要なことだと考えております。そしてこの装備品の生産、維持、整備を担う力強い防衛産業の構築というのは、これまで以上に重要な課題であるとともに、防衛産業に対してはデュアルユースの分野や、防衛装備移転を中心に防衛と経済の好循環創出への期待があると認識をしております。
例えば、過去に日米でFー2戦闘機を開発しました。それは皆様もご承知だと思いますけれども、骨折したときのチタンボルトであったり、ETCであったり、それから車に積む車載用の衝突防止装置であったり、様々、私達の暮らしを安全にする、また豊かにする、安心にする、そういった分野にも適用されています。ですから私はこれを踏まえて、防衛装備移転、そしてまた防衛産業および関連する産業の強化に取り組んでいきたい、そのように考えております。
補正予算の編成がすぐさま必要な状況ではない考え 中東情勢踏まえ適切に判断
Q:内政でお伺いします。中東情勢を踏まえて、既に国民生活に広く影響が出ているとして、早期の補正予算の編成を求める声も出ています。総理としては、今後どういう状況になればこの補正予算の編成が必要になるとお考えでしょうか? あわせて、いわゆる再審法についても伺います。自民党内の反発によって国会の法案提出が遅れている状況です。総理として、あくまでも今国会での提出成立を目指すのか、そのあたりも含めて今後の対応方針について、お願いできますでしょうか?
高市総理: 補正予算につきましては必要があれば、先日成立しました令和8年度予算の予備費も活用できますので、政府としては、今日(4日)の時点で補正予算の編成がすぐさま必要な状況とは考えておりません。 中東情勢が経済に与える影響を注視しながら、国民の皆様の命と暮らし、それから経済活動に支障が及ばないように適切に判断をしてまいります。そのために全力を尽くしてまいります。
それからの再審法でございますけれども、これは繰り返しになりますが政府としては、今の与党内審査における議論もしっかり踏まえながら、できる限り速やかに法案を提出するように準備を進めていくという考え方でございます。
警察官がひき逃げ被害か、群馬 伊香保、交通取り締まり中
4日午後1時45分ごろ、群馬県渋川市伊香保町伊香保の県道で「男性警察官がひき逃げされたようだ」と通行人の男性から119番があった。路上に渋川署地域課の男性巡査部長(46)が倒れており、病院に搬送された。けがの程度は不明だが、搬送時に意識はあったという。渋川署はひき逃げ事件とみて捜査している。
現場は片側1車線の直線道路で、伊香保温泉の温泉街から北に約1キロ離れた地域。巡査部長は1人で交通違反の取り締まり中だった。
【速報】「親父が鎌で斬りかかられた」知人男性を殺害しようとした疑い 男(76)を逮捕「昔から恨みがあった」【岡山】
知人男性を殺害しようとしたとして、男が逮捕されました。
殺人未遂容疑で逮捕されたのは、岡山県総社市山田の無職の男(76)です。
「鎌で斬りかかられた」男性の長男が通報
警察によりますと、きょう(4日)午後2時20分ごろ、総社市の自営業の男性(78)の長男から「親父が鎌で斬りかかられた」といった内容の110番通報があり、警察が男性の自宅近くの荒れ地に駆け付けたところ、右頬から血を流している男性と男を発見したということです。
警察が2人から事情を聴くなどして男の容疑を特定し、男を現行犯逮捕しました。男性は右頬と右手の甲に切り傷などを負いましたが、命に別状はないということです。
調べに対し、男は「昔から恨みがあった、嫌いだった」などと話しているということで、警察は動機などについて調べています。
太陽系の果ての小天体に大気 常識覆す発見 冥王星以外で初、恒星の光の「にじみ」から
海王星より外側で太陽を回る小天体に極めて薄い大気があることを、国立天文台などの研究チームが発見した。こうした小天体は太陽系外縁天体と呼ばれ、太陽系形成時に惑星に取り込まれなかった、氷を多く含む天体とみられる。太陽系外縁部は、日本の探査機「はやぶさ2」が試料を持ち帰った小惑星リュウグウの母天体が生まれた場所とされる。大気を持つ外縁天体は準惑星の冥王星しか知られておらず、常識を覆した。4日付の英専門誌で発表した。
大気が見つかったのは「2002XV93」という小天体。冥王星に近い軌道で太陽を回り、観測時は太陽から約57億キロ離れていた。直径は約500キロで、月の約7分の1。表面温度はマイナス226度と推定される。
研究チームは令和6年1月、小天体がはるか遠くの恒星の前を日食のように横切る瞬間を国内4カ所で観測した。大気がなければ、背景の恒星の光は小天体に隠れると急に暗くなり、通過後に急に戻るとみられていた。
ところが長野県からの観測では、恒星の光が小天体の縁付近で約1・5秒、じわりと弱まった。福島県からの観測でも、光がゆるやかに弱まったような変化が見られた。成分は未解明だが、小天体を包む極めて薄い大気が、背景の光をわずかに曲げたと考えられた。
推定された大気圧は、地球の500万~1000万分の1ほどにすぎない。人が感じる圧力ではなく、ほぼ真空に近い。それでも、遠くの星の光をにじむように変化させるだけの大気が周囲に広がっていることになる。
この小天体の大気は、従来の常識を覆す謎だ。重力は地球の100分の1程度とみられ、大気を保つには弱すぎる。なぜ大気があるのか。チームは、気体が小天体内部からしみ出したり、別の氷天体と衝突したりした結果、一時的に生じた可能性を指摘している。
今回の発見で、太陽系外縁の小天体が従来考えられていたより多様な姿を持つことが示された。国立天文台の有松亘(こう)講師(太陽系天文学)は「こんな小さな天体に大気があるとは、最初のうち信じられなかった。今後はこの謎めいた大気の成り立ちや成分の解明に挑んでいきたい」と話した。
損壊容疑で逮捕の飼育員、旭山動物園のブログや動画に何度も登場…「夢だった飼育員になれて幸せ」と
関係者「想像できず衝撃的だ」
旭山動物園(北海道旭川市)の焼却炉で妻の遺体を燃やしたとして、死体損壊容疑で逮捕された園職員の鈴木達也容疑者(33)は、飼育員として園のブログや動画に何度も登場し、動物の生態などを説明していた。鈴木容疑者の働きぶりを知る人たちの間には驚きが広がっている。
市によると、鈴木容疑者は2015年に職員として採用され、18年からは飼育員として勤務していた。18年発行の園の広報誌に掲載された自己紹介では、「幼い頃からの夢であった飼育員になれてとっても幸せです」とつづっていた。これまでにカバやキリン、爬虫(はちゅう)類などを担当し、勤務態度に問題はなかったという。
園のブログもたびたび執筆し、動物や仕事への思いを明かしていた。鈴木容疑者は21年10月のブログの中で、飼育員は担当する動物にとって「最も信頼される存在でなくてはならない」と記し、仕事に取り組む上での信念を語っている。
鈴木容疑者を知る園関係者によると、「動物に正面から向き合う責任感の強いタイプ」だったという。ある関係者は「口数が多くはないが、動物のことになるとしっかりとした意見を持っていた。こんなことになるとは想像できず、衝撃的だ」と語る。
鈴木容疑者が妻・由衣さん(33)の遺体を燃やすなどした疑いがある焼却炉は普段、死んだ動物の焼却用として使われている。道警は、鈴木容疑者が職場の施設を使った経緯についても調べている。
響く物音、突然切れた電話 「気づいていれば…苦しい」幼なじみ明かす後悔 大阪母娘殺害
大阪府和泉市の集合住宅で住人の母娘が刺殺された事件で、娘への殺人容疑で逮捕された元交際相手で無職、杉平輝幸(てるゆき)容疑者(51)=堺市堺区=が、娘から少なくとも120万円以上の金を借りていた可能性があることが2日、娘の知人への取材で分かった。府警が詳しい経緯を調べている。
事件直前まで死亡した長女で社会福祉士の村上裕加(ゆか)さん(41)と電話をしていたという幼なじみの40代男性が産経新聞の取材に応じた。裕加さんとは30年来の付き合いで、よく電話で近況を語る仲だった。「あの時気づいて助けに行っていれば」。複雑な胸の内を明かした。
「ドタン」。裕加さんと通話していた事件当日の4月8日未明。突然、電話口から大きな物音が響き、電話が切れた。心配になり、何度もメッセージを送ったが、返信は一向にこない。府警によると、司法解剖の結果、裕加さんは同日午前4時ごろに死亡したとみられる。
男性はニュースで事件を知った。「襲われたことに気がついて病院に連れていけば何か変わっていたかもしれない」と悔しさをにじませる。人の立場になって物事を考えられる優しい女性だったという裕加さん。「怒り、悲しい、苦しいという複雑な気持ちが混ざっている」と言葉を詰まらせながら語った。
《乳首切り落とし事件》同棲相手への猟奇的傷害で佐藤紗希被告に懲役6年求刑…弁護側は無罪を主張「立ち直りに向けて歩み始めている」
同居する交際相手男性(以下、Aさん)の乳首や指を切断したなどとして計3件の傷害事件に問われている佐藤紗希被告(23、2025年4月の逮捕当時)の第6回公判が大阪地裁で開かれた。
この日は、判決前最後となる双方の主張が展開され、検察官は傷害罪として特に重い部類であるとして懲役6年を求刑した。一方、弁護側は傷害行為は認めるものの、これまでのAさんとの関係性から同意があった行為であるとして無罪を主張し結審した。
これまで裁判を踏まえながら双方の具体的な主張を明らかにする。ライターの普通氏がレポートする。【前後編の前編】
※本記事には一部ショッキングな犯行態様が含まれます。
保釈後、影響力を発揮しはじめる被告人
3月に行われた前回公判を終えて身柄が保釈された被告人。SNSの発信なども再開しており、傍聴席には被告目当てと思われる傍聴人も散見された。
前回公判までは、パジャマのような服装で入廷することが多かった被告。この日は、白のYシャツに黒のスラックス、厚底の靴を履き、大きなメガネを着用していた。
変化していたのは、いで立ちだけではない。弁護人から新たに提出された証拠で、事件後から週4日ほど昼間にアルバイトを始めていることが明かされた。そのほかにも、自身が所持するブランド品などを売却。養父が立て替えたAさんへの弁償金を全て払い終え、再犯防止に向けた通院治療も始めているという。
医者からは改めて、被告の特性についての診断をされ、治療を継続する必要性や、愛情の感じ方についての歪みを指摘されたという。これまでの裁判でも指摘された点を実践していることから、弁護人は最終弁論で「立ち直りに向けて歩み始めている」と表現した。
そして、向き合うべき事件の法的評価について、検察官、弁護人の順で最終意見が述べられていく。
検察官は「被告が作り上げたAさんを孤立させる状況」を主張
争点は被告人が行った各種行為が、Aさんの同意があったか、または同意がなくても被告人が誤信する事情があるかどうか。 検察官は事件にいたる前までの両者の関係から改めていく。
被告人とAさんは2020年にSNSで知り合い交際に発展。付き合ったり別れたりを繰り返すなかで、被告の暴行の程度は徐々にエスカレートしていった。
身体的な被害以外にも、Aさんとその親それぞれが互いに不信感を募らせるようなメッセージを送ることもあったという。そして、友人から切り離すような行為をすることでAさんを少しずつ孤立させ、被告のもとを離れられないような環境を作っていった。
高市政権発足から半年 番記者が見た高市総理の“正念場”と“与野党への変化” 長期政権へ向けた周囲の動きと思惑とは【edge23】
発足から半年を迎えた高市政権。依然として高い支持率を維持する一方で、イラン情勢にかかる外交の重要局面、予算委員会で見せた体力面の不安、そして参議院という構造的なハードルなど、課題が次々に積み重なった半年でもあった。 政権発足前から高市氏を取材し続けてきたTBS政治部の大室裕哉記者と、この半年間における高市総理の“正念場”を振り返りながら、高市総理と周辺が見据える“その先”に迫る。
集中砲火の予算委に重圧の日米首脳会談―高市総理がくぐり抜けた難局
大室記者が「体力的な正念場」として挙げたのは2025年秋、臨時国会における予算委員会での審議だ。当時は衆参ともに少数与党で、予算委員長は立憲民主党の枝野幸男氏が務めていた。委員長の差配もあり、質問が高市総理に集中した。
高市総理は、大臣時代から各省庁が作った答弁書に自ら赤ペンで修正を入れるスタイルを貫いており、予算委員会が続く時期は徹夜もざらだという。日々、体力的に限界に近い状態で答弁に立っていたことが推察される。
3月12日の衆院予算委員会でも、終了後に席から立ち上がれない高市総理の姿をカメラが捉えていた。隣に座る片山さつき財務大臣と、医師免許を持つ松本尚デジタル大臣がすぐに駆け寄る様子も映っている。
この時は「風邪の疑い」だとして、委員会後に官邸で予定されていた中東の駐日大使を呼んだ食事会「イフタール」を欠席することに。持病のリウマチについて総理周辺は「気温や気圧次第で調子が変わるものの、普段は元気」と話しているが、夫の介護もしながら予算委員会に寝不足状態で臨んだことで疲れがピークに達していたと推察される。
「精神的な正念場」として大室記者が挙げるのが、3月にワシントンで行われた日米首脳会談だ。
元々この会談は、米中首脳会談を前に中国を含めた地域情勢の認識すり合わせや、新しい関税が日本に不利にならないように確認すること、さらに対米投資第2弾が主な議題だった。
しかし2月28日、アメリカとイスラエルがイランを攻撃したことで状況は一変。中東情勢が会談の最重要テーマに急浮上し、イラン攻撃後に世界で初めてトランプ大統領と首脳会談を行う立場に立たされた。同行団の一人は「日本を出発したときは宇宙戦艦ヤマトに乗った気分だった」と振り返るほどのプレッシャーだったという。
世界からも注目される首脳会談だったが、結果的に「アメリカが世界で孤立しそうな状況で寄り添った唯一の首脳」、「選挙で歴史的大勝を収めた強い首脳」の2つの要素が会談を成功に導いたと政権幹部は話す。首脳会談の同席者は「トランプ大統領は高市総理が選挙で大勝したことへのリスペクトを合計5回言っていた」、「内政の安定が外交の力になることを実感した」と話していたと、大室記者は振り返る。
半年で見えた“変化” 野党に配慮から一転…一方で党内には融和姿勢
就任から半年が経ち、大室記者がまず変化として指摘するのは「野党への向き合い方」だ。
高市総理は2025年秋、「年収の壁引き上げ」「給付付き税額控除」「首都機能のバックアップ体制構築」「ガソリン暫定税率廃止」など野党を意識した複数の政策を公約として掲げ、自民党総裁選に出馬した。衆参で少数与党という当時の状況から、総裁選でも「野党との連携」は大きなテーマの1つだった。
総理指名選挙後の挨拶回りでは、国民民主党の玉木代表のもとを訪れ「かわいい弟」と口にするなど、距離の近さがうかがえる場面もあった。
しかし2月の衆院選で自民党が過去最多の316議席を獲得し、単独で3分の2以上の議席を獲得したことで、状況は大きく変化した。
自民党が予算委員長ポストを奪還し、職権で日程を立てて審議を進め、強引ながらも衆院を通過させた。この予算の年度内成立をめぐる過程で国民民主党が要求をつり上げたこともあり、ある政権幹部は「国民民主党は信用できない」と話すようになったという。かつては連立の本命であったはずの国民民主党と官邸の間の溝は「かなり深くなっている」と大室記者は指摘している。
一方、高市総理の自民党内への向き合い方にも変化が見え始めた。会食嫌いを公言し、総理就任後も夜の会合をほとんど開いてこなかった高市総理が、4月21日に衆院予算委員会の理事らを総理公邸に招き、慰労会を開催した。
坂本哲志委員長と齋藤健筆頭理事への感謝の言葉から始まり、出席者の経歴などを事前に頭に入れ、一人一人に声をかけていたという。
これまで高市総理との関わりが薄かった出席者の一人は、「印象が変わった。女帝のイメージだったけど、気を遣う柔らかい方だと感じた。ああいう形でフランクに話せれば、高市さんの人間味も垣間見えると思った」と振り返った。
慰労会の2日後には、新人議員が集まる懇親会「鹿鳴会」にサプライズで登場し、激励や写真撮影を行ったり、5月以降には参議院予算委員会のメンバーや国会対策委員会の慰労会も予定されているなど、意識的に党内への働きかけを増やそうとする動きが読み取れる、と大室記者は話す。
長期政権のカギ握る「参院」と、動き始めた“議連構想”
長期政権を目指す上で、先述した体調のほかに、構造的な問題として立ちはだかるのが“参院の壁”だ。衆院では3分の2を超える議席を持つ一方、参院では依然として少数与党の状態が続く。当初予算も衆議院は3月13日に可決されたが、参議院では予算委員長ポストを野党が握っていることもあり、年度内成立が叶わず暫定予算を編成。無所属議員や日本保守党の賛成を得て4月7日にようやく成立した。
今後も重要法案の審議が控える中、参院での法案成立には野党の賛成を積み上げる必要があり、難しい国会運営が続くことになる。
こうした中、長期政権に向けた足元固めの動きも始まっているという。
安倍晋三元総理が長期政権を築いた背景には、保守系議員を中心とした議員連盟「創生『日本』」の存在があった。いま高市総理の周辺でも、議員連盟を立ち上げようとする動きが進んでいると大室記者は明かす。
この議員連盟を作る目的は、官邸と党の連携を強化し、高市政権が掲げる政策を推進しようというものだといい、高市総理に近い議員だけで固めるのではなく、自民党全議員に案内される予定だという。
そこで大室記者が注目するのは、この議員連盟の発起人に誰が名を連ねるか、ということだ。初会合は5月にも開かれる予定だとされているが、発起人には自民党幹部や大臣クラスのビッグネームが名を連ねると見られている。
一方で、そこに名前が載っていないことも意味を持つという。「純粋な勉強会ももちろんあるが、永田町では勉強会をただの勉強会と受け取る人はいない」と大室記者が話すように、この議連誕生が党内の政局に繋がる可能性もあるとみられる。
この議員連盟の誕生が、今後も続く高市政権の強固な基盤となるのか、新たな政局を生むきっかけとなるか、その行方が注目される。