今月20日投票の参院選をめぐって新聞各紙は、自民・公明の与党が非改選と合わせて参院過半数を維持するのは微妙な情勢だと報じている。
給付金か消費減税かというバラマキ合戦のなかで、石破政権への逆風は強まる一方、減税と外国人規制の強化を掲げる参政党が台風の目になりつつある。果たして参院選でどんな民意が示されるのか、そしてその後の政局の行方は――。
筆者は、自民党の選挙対策事務部長を長く務め、野党にも幅広い人脈をもつことから、「永田町の選挙の神様」とも呼ばれる久米晃氏に公示日直前にインタビューを行った。
その時点では「自公過半数微妙」という報道が出る前だったが、「神様」は開口一番、自公で過半数が確保できると言うのは楽観的な見方だ、と言い切った。
――与党が非改選議席と合わせて過半数を維持するには、自公で最低50議席が必要です。焦点の32の一人区で自民党は16議席前後になると見ていますが、どうでしょうか。
いや、一人区で半分行ったら、自公で50超えますよ。僕は、自民党の過去最低記録を更新すると思います。比例は12議席程度だと以前から言っています。
――比例と1人区と合わせて28。複数区13のうち、10は取るでしょうから全部で38。公明が12なら合わせて50。その攻防だと見ているのですが……。
それは、すごく楽観的な見方ですよ。たとえば、町村議会議員30人を囲む会で、「去年は1票入れてくれと言えなかった。今年も同じだ」という声が相次いでいます。これまで支えてくれていたコアな支持層が、いまや怒っている。
――過半数確保が楽観的ということですか……。
かつての自民党が参院で過半数を割ったことがなかったのは、1人区で負けたことがなかったからなんです。ところがね、平成元年(1989年)の選挙で、いきなり3勝23敗だった。
それから、1人区の勝敗が全ての参議院選挙の全体の勝敗を決するようになった。それはもうほとんど参議院の候補者の努力とか関係なく風や勢いで議席の当落が決まるようになっちゃったんですよ。
だから、候補者が一生懸命、個人演説会を開いたり、動員をかけたりしてもダメなんです。自民党に対する信頼を取り戻さなければ、参議院は勝てないんですよ。
――確かに、これまでも1人区は風に左右されるケースがありました。
その可能性が今出てきているということですよ。風というのは民意だから。
――自公の給付金も、野党が掲げる消費税減税も、バラマキだと評判が悪い。とりわけ2万円の給付金についてはどの世論調査でも反対の声が上回っています。これは民意に反しているということですかね。
自民党の支持者はただ「政策に不満」なのではなく、“自民党の今の姿に納得がいかない”という根本的な感情を抱えていると思います。
石破さんはかつて、「争点を明確にした上で解散する」「正攻法で臨む」と言っていた。
それが、予算委員会も開かずに、いきなり衆議院を解散してしまった。「え? 石破さんらしくないよね」ってみんな思ったはずです。この時点で、有権者の間に「信念を貫かない人なのかもしれない」という疑念が広がった。これが最初の、しかも大きすぎる失敗です。
例えば2万円の給付金。反対と言う人でも2万円つきかえすくらい怒っている人はいないでしょう。2万円そのものは嬉しい。ただ、ありがたくない。感謝の気持ちもない。もらって当然。かつ参議院選挙のためと国民に見透かされているんだと思います。
「言ってることとやってることが違う」「信じていた人に裏切られた感覚」。これが、有権者の期待と信頼を一気に冷めさせた。
私が聞いている限りでは、石破さん自身は給付金に積極的ではありませんでした。石破さんは6月11日の党首討論で否定的なことを言ったのに、2日後には物価対策として給付金を実施する方針を発表しました。なんで急に変わったのか。選挙のためでしょうと誰かが言うと、それを真に受けてしまう状況になっていたのです。
結局、石破政権が何も結果を出せていないから国民に信用されない。僕はよく「投票は投資ですよ」と言っています。それに期待。結果を出して、それに対して信用を得て、期待されると票につながる。信用がないのに期待感が生まれるわけがありません。だから内閣支持率が上がらない。自民党の支持者が自民党に入れない。
この傾向は6月に行われた都議選でも明らかです。自民党支持層の5割程度しか自民党候補に投票していません。
自民党の支持者が自民党に入れない時が一番の負けパターンです。
自民党は今、身内からの信頼を失っている状況です。それが地方での票離れとなって可視化されている。これは「タレント候補を立てればいい」といった姑息な策ではどうにもならない。信念と結果の両方が見えなければ、有権者は二度と振り向かない。そういうところまで来ています。参院選の結果は、それをはっきり示すでしょう。
――昨年の衆院選でも同様の傾向がありました。いや、その前から補選や地方選でも自民党が勝てない状態が続いていました。
それは、別に無党派層に負けたわけではありません。自民党の支持者が自民党に入れないから負けているんです。選挙に負けると必ず無党派対策をどうすると大騒ぎするけど、そもそも無党派対策なんて意味はないんですよ。
――意味がない?
身内から信用されてないのに、なんで無党派層が自民党に来るの。かつての小泉郵政選挙の時(2005年9月)は、自民党支持者の80%以上が自民党の候補者に入れています。その時でも無党派層の投票先は、自民党が49%で野党が51%でした。
あの選挙は「小泉(純一郎元首相)さんが無党派の支持を吸収したから勝った」と言われているけど、違います。自民党の支持者に無党派層がくっついてきただけ。自民党の支持者を固めきれない限り、無党派の票が来るわけないんです。
――石破首相も「経験したことがない逆風だ」と言っていますが、どうしてここまで厳しい批判を受けるようになってたのでしょうか。
政治が、いろいろな課題に結果を出さない、答えを出さない。御用聞きみたいなことばっかりやって、大方針を示せない。これが一番の要因だと思います。
日本はいま、大地震の心配があり、周辺で戦争の危機だってある。そうした問題や課題にどう対処するかの大方針が一つも出てきません。だから、国民の政治に対する不満が、頂点に達していると思います。
6月の都議選にも、こうした国民の思いが表れました。都議選は小池都政に対する審判でもないし、何一つとして争点がありませんでした。普通ならば投票率が下がるところ、今回は5ポイント程度上がりました(投票率47.59%、前回比+5.2ポイント)。
投票率が上がった理由ははっきりしないというけど、僕は、政治に対して、1票入れてやりたい、つまり現政権に対する「不満の証」として1票入れないと気持ちが収まらないという、多くの人の気持ちが表れたのだと思います。
だとすると、今度の参院選も争点がはっきりしていないから、焦点は自民・公明の与党が過半数を割るかどうか、という話になってくる。そうすると、国民は「だったら、過半数を割らせるか」という方向に動く可能性は高いです。
いま自民党執行部は、盛んに危機感を煽っているでしょう。その戦術は、僕は絶対に逆効果だと思っています。「だったらやってしまえ」「やっつけてやれ」となるから。
僕は前から言っているんだけど、もう昭和の終わりから平成のはじめに、例えば少子化・高齢化対策、食料自給率の問題が顕在化してきた。昨年から値段が高騰しているコメの問題でもそう。いまになっても1つも結論が出てない。
――政策が大事だと言うわりには、具体的な結果を自民党も、野党も出していませんね。
結論も結果もない。だから30年、40年経っても自分たちの生活が良くならない。政治家が、この国の経済が上向くような方針を一つも示してくれない。それに対する国民の不満が与野党の双方に対して蓄積してるんですよ。
とりあえず今現在は自民党が与党だから、自民党・石破政権に対する不平不満が集中してるわけです。それが新党への期待につながっている。少し勢いが落ちたと言っても日本維新の会やれいわ新選組への期待はそんなところにあるんだと思います。
――新たに躍進してきたのが参政党です。今度の参院選でも注目されますね。
私も注目しています。私の知り合いなんかもみんな参政党だって言っているんですよ。自民党の支持者がかなり参政党に流れています。
――保守的な人もいれば、政治に興味がない人もいる。そんな人たちが「参政党は面白いね」と応援している人が結構いると見ています。SNSの影響もあって、減税や日本人ファーストという分かりやすい主張が多い。そういう意味で、政治のアイドル化、「推し活」のようになっているように見えます。
そうですね。ただ参政党も保守党にも、一過性のものに終わる可能性が十分あります。国民民主や維新という比較的新しい党も同様ですが、「政党」を作ろうという気概を僕は感じません。
僕は維新の人にずっと言っている。政党本部を東京に移せと。色々な機関決定するシステムを作れ、候補者を発掘しなさい、と。それを機関としてやらなきゃダメですよって。でも、なかなか動いてくれませんね。国民民主も玉木(雄一郎代表)さんの個性に乗っかっているだけ。参政党も神谷(宗幣代表)さんの個性に乗っかっている。これは政党じゃなくて、私党。本当の政党とはいえません。
――代表の個人商店のようだということですね。
私党が本当に政党になれる、なっていけるかどうか。それは党首の努力以外に方法はありません。もともと神谷さんは自民党の候補者だった人です(2012年の衆院選に自民党から出馬、落選)。だから自民党的な匂い、体質を引きずっている。逆に自民党を理解しているから、一点突破じゃないけど、普通に分かりやすい言葉で支持を集めている。決めきれない自民党に不満を持つ自民支持層にも刺さるのではないかと思っています。
しかし、過去の選挙を振り返ると、一過性で終わる新党はいっぱいあった。私党に留まり、消えていった。参政党を本当の政党にするには、神谷さん自身が、側近や参謀を置いて組織政党をつくる努力をしないといけません。
――今の自民党にとって、参政党は脅威ですか。
そりゃ脅威ですよ。「自民党に票を入れたくない」という40%以上の人たちがいて、その人たちの有力な受け皿になっているんだから。実際、都議選で参政党は40万票を取っている。選挙のやり方は下手でも、“票は取れている”。あれは無党派ではなく、かつての自民党支持層が流れている票なんですよ。「今の自民党にはもう入れたくない」という感情の“出口”になってしまっている。これが一番怖い。
自民党支持者が参政党に流れることも、党執行部は当然危機感を持っています。世論調査のクロス集計を見れば分かりますから。しかし、執行部に有効な対策・対応策があるのかというと、なかなかないのが現状です。
――久米さんが今、自民党の選対事務部長だったらどんな手を打ちますか。
ありません。選挙にウルトラCはないんです。
政治は、これまでの実績、実績から生まれる信用、そして将来に対する期待・展望がすべてです。実績がなければ信用は生まれず、期待も展望もできません。石破政権に目に見える実績がない以上、目先の問題を、ああだ、こうだと、枝葉末節のことを言っていても、国民の信用は得られません。
どこの会社でも、普段は自堕落で毎回遅刻してくるような社員が、急に「今度は頑張りますから」と言っても、「嘘つけ」と言われて終わりでしょう。政治も同じなんですよ。
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(ジャーナリスト、元NHK解説委員 城本 勝)
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
恋愛感情を利用し、金銭を奪うのではなく頂く。そんな手口で世間を騒がせたのが、頂き女子りりちゃんだった。彼女に最も信用され、23回もの接見を重ねたノンフィクションライターの宇都宮直子氏が、りりちゃんの半生を追った新刊の発売に合わせ、彼女の近況をレポートする。
* * * 《左うで ぐちゃぐちゃになっちゃった 私 自分のことキライです がんばります サーモン食べたい》
6月19日、「頂き女子りりちゃん」こと渡邊真衣受刑者(27才、以下りりちゃん)から、私の元へ届いた簡素な白い便箋には、サイズの揃った几帳面な文字で、いまも自傷行為がやめられない彼女の近況が記されていた。
現在、りりちゃんは岐阜県・笠松刑務所に服役中だ。
獄中からの手紙は《明日シャワーだからうれしいな》というたわいもない日常の報告から始まり、最後のページには女の子のイラストとともに《私 人間やめたい☆》という大きな文字が躍っていた──。
りりちゃんは、2023年8月23日、定宿としていた東京・新宿のカプセルホテルにいたところを愛知県警により逮捕された。
それ以前に詐欺容疑で逮捕された女子大生が取り調べの中で、りりちゃんの作成した「恋愛詐欺を指南するマニュアル」を参考にしていたと証言したことから、詐欺幇助の罪で捕まったのだ。
その後、彼女は「恋愛感情を利用して複数の男性から約1億5000万円以上を騙し取った」として詐欺罪で再逮捕された。
彼女が作成した「マニュアル」は、「おぢ」と呼ぶ年配の男性からいかに大金をせしめるかという手順がまとめられたもの。
その内容は日常の会話から、大金を「頂いた」後のおぢたちをケアするLINEのやりとりまで詳細に記されており、さながら“詐欺の教科書”だった。
1万~3万円で販売されていた「マニュアル」は延べ1000人以上に売れ、2000万円以上を売り上げたという。
私がりりちゃんの存在を知ったのは、2021年頃のことだ。私は2019年に起きた「歌舞伎町・ホスト刺殺未遂事件」の取材をきっかけに、「ホス狂い」女性たちの取材をしていた。「ホス狂い」とは、読んで字のごとく「ホストに狂う」女性のこと。
SNSでは「ホス狂い」を自称する女性たちが多く見受けられたが、中でもひときわ目立っていたのが、りりちゃんだったのだ。
「『破滅』とデコレーションしたボトルを頂上に据えたシャンパンタワーにダイブして救急車で運ばれた」「どこそこの店では一晩で1000万円使ったようだ」など、歌舞伎町ではそんなりりちゃんの武勇伝が流れていたが、ある日、彼女のSNSに《誰も知らない、わたしだけの物語》というフレーズがぽつんと綴られた。
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い
11月、東南アジアの内陸国・ラオスへ、単独でのご訪問を控えている愛子さま。しかし、晴れ舞台となるはずのラオスにいま、重大な人権問題が持ち上がっている。
《昨今、SNS上でラオスにおける日本人による児童買春を示唆するような内容の投稿が見受けられます》《違法行為は厳に慎むようにしてください》
6月17日、在ラオス日本大使館は、「ラオスにおける児童買春に関する注意喚起」と題して、前述の内容を含む6項目を提示。厳しい言葉で警告を発した。近年ラオスでは、一部の日本人男性による児童買春が横行しているのだ。
重大な問題の渦中にある、愛子さまの初舞台の地。今回のご訪問先は宮内庁をはじめ、関係者らの熟慮の末に決定された。
「王室文化が浸透しており、日本の皇室とも長年の縁があるヨーロッパ諸国が、愛子さまの初訪問先になるのではとみる向きもありました。しかし、ヨーロッパでの王位継承は長子優先。性別は関係ない。女性天皇の議論への影響なども勘案すると、いまは避けた方が無難だという判断だったのでしょう。
その点ラオスは今年、外交関係樹立70周年の節目である上に、比較的距離も近い親日国です。さらに、愛子さまが勤務される日本赤十字社が30年以上にわたって支援を続けてきた国でもある。かねてボランティアや国際協力に関心を抱いてこられた愛子さまの精神につながる地でもあるのです」(皇室ジャーナリスト)
万博で語られた「世界平和」の夢
国際親善への志を、雅子さまから受け継がれている愛子さま。記念すべき初の海外公務だけに、ラオスへの思いはひとしおだろう。
「愛子さまは東宮御所に海外からの来客があった際は挨拶に出てこられるなど、幼少の頃から国際感覚を磨いてこられました。さらに近年は、午餐や晩餐会で通訳なしで歓談されるなど、これまで培ってこられたものを公の場で発揮されています。愛子さまの所属部署は夏休み期間中に繁忙期を迎えますが、最も忙しい時期を間近に控えながらも、すでにラオスの資料に目を通されているそうです。
雅子さまは、かねて途上国と先進国の格差問題である『南北問題』に強い関心を抱いてこられたそうですが、天皇ご一家はご家庭の中で、そうした問題について議論を交わされる機会も多いといいます。ラオスの現状を目の当たりにされた愛子さまは、懊悩を深めておられると同時に、“少女たちを守りたい”という気持ちを抱いておられることでしょう」(宮内庁関係者)
そもそも、海外留学が既定路線と考えられていた愛子さま。蓋を開けてみれば、選んだのは仕事と公務に邁進される道だった。
「留学するという選択肢も、もちろんありました。しかし愛子さまが就職の道を選ばれたのは、一日でも早く、社会のために尽くしたいというお気持ちの表れです。さらに日本赤十字社は、国内だけでなく、途上国の人々の支援も大きな役割のひとつ。国際社会に貢献したいという愛子さまの思いに通ずるものがあったのでしょう」(前出・皇室ジャーナリスト)
今年5月、大阪・関西万博を視察された際、自分の「夢」をタッチパネルに記入するコーナーに「世界平和」と書き込まれた愛子さま。その後、「夢が叶いますように」とそっとつぶやかれた。そんなプリンセスは平和への思いを胸に、すでに最貧国の少女たちにも寄り添われている。
※女性セブン2025年7月24日号
ヒグマ、人の食べ物に執着か ごみ箱あさり、物置破壊
新聞配達中の男性がヒグマに襲われて死亡する事故が起きた北海道福島町で、ヒグマがごみ箱をあさったとの通報が相次いでいる。現場の痕跡を調査している北海道立総合研究機構は「人間の食べ物の味を覚え、執着している可能性がある」と分析。道警松前署は15日、パトロール中の警察官が14日深夜に町内のスーパー敷地内の物置が破壊されているのを発見したと発表した。中の生ごみが荒らされ、クマによる被害とみて調べる。
署によると、物置は金属製で、3棟並んでいるうちの1棟の扉が内側に押し込まれるように壊され、周囲に生ごみが散乱していた。別の1棟も14日朝に同様に荒らされているのが見つかった。15日未明には、体長約1.5メートルのクマが付近の町道を横切る姿が目撃された。道警や猟友会は警戒と男性を襲撃した個体の捜索を続ける。
道総研は14日、襲撃現場と遺体発見場所に加え、町内でヒグマが現れた痕跡のある場所を調査。確認できた足跡などから、少なくとも2頭のヒグマが出没していたと明らかにした。
雅子さま、“異例”スケジュールのモンゴル訪問「出発の16日前に…」果たした18年越しの思い
「雨も降って、国民の皆さまも喜んで、感激しています」
大相撲の元横綱、日馬富士がこう語ったのは天皇・皇后両陛下によるモンゴルの公式訪問について。首都・ウランバートルで行われた両陛下の歓迎式典が終わると、突然の雨が降り出した。乾燥した気候のモンゴルでは“徳の高い人”が訪れると雨が降るという言い伝えがあって─。
終戦から80年の今年訪問先の選定に苦戦
「7月6日から13日まで、両陛下は国際親善のため、モンゴルをご訪問。主にウランバートルに滞在されて、フレルスフ大統領夫妻との晩さん会や、国民的な祭り『ナーダム』の開会式にも出席されました」(皇室担当記者、以下同)
今年は戦後80年という節目の年であることから、モンゴル抑留で亡くなった方々の慰霊碑にも足を運ばれた。
「第2次世界大戦の終結後、旧ソ連軍の捕虜となっていた日本人のうち1万人あまりがモンゴルへと送られました。そのうち約2000人が強制労働などのなかで、日本に帰ることなく亡くなったのです。両陛下は慰霊碑に向かい、1分間の黙祷を捧げたほか、抑留者の遺族らに、ねぎらいの声をかけられました」
訪問中、モンゴル出身のスーパースターたちと面会されたことも話題に。
「7月8日に行われた歓迎式典には、大相撲の元横綱である朝青龍と白鵬と日馬富士がそろって出席して、両陛下と笑顔で言葉を交わしました。両陛下の長女である愛子さまは幼少期、大の相撲好きとして知られていました。レジェンド力士3人が勢ぞろいした光景を、愛子さまも日本で見届けられたのでは」
両国で注目を浴びた両陛下のモンゴル公式訪問。しかし、訪問の可否についてはギリギリまで協議が重ねられていた。
「両陛下がモンゴルへ赴かれることは今年1月に内定し、報道もされています。しかし、正式に閣議決定がされたのは6月20日で、出発のわずか16日前。決定が異例といえるほど遅延した背景には、モンゴルの政情不安が関係していたそうです。
モンゴルでは首相の息子の贅沢な暮らしぶりが問題視され、今年5月から首相の辞任や資産の公開を求める市民デモが続いていました。6月3日に首相は辞任。異例の事態が続いていたのです」(全国紙政治部記者)
国際親善を目的とする、両陛下の外国訪問は、2023年のインドネシア、2024年のイギリスに続いて3回目。コロナ禍を除くと、即位後は年1回のペースで外国へ足を運ばれている。毎年恒例となっている外国訪問だが、今年は行き先の選定が難航したという。
「戦後80年という節目の年に“象徴”である両陛下が訪問される国には“意味”が生じます。先の大戦で大きな禍根を残した韓国や中国といった国へ行き、日本人の慰霊碑に頭を下げられた場合、さまざまな非難を受けるかもしれませんし、両国の友好に揺らぎが生じかねません。
だからといって、外国に忖度をして戦没者への慰霊を割愛するというわけにもいきません。招待があった国の中から、戦没者への追悼をしても波風の立たない国を選ぶのはかなり難しかったそう」(宮内庁関係者)
2007年は訪問を断念
今回、モンゴル訪問が実現した理由について、象徴天皇制に詳しい名古屋大学大学院人文学研究科の河西秀哉准教授は、次のように解説する。
「ひとつは近年、日本とモンゴルの結びつきが強まっているという点が大きいでしょう。モンゴルは1992年まで社会主義国だったこともあり、国家間の付き合いがほとんどありませんでした。
しかし、最近はモンゴル人力士が日本で活躍したり、モンゴルで日本のさまざまな制度や技術が取り入れられるなど、双方に強いつながりがあります。加えて、日本とモンゴルは先の大戦で直接戦争をしたかは微妙なライン。戦後80年という節目に訪問しても、あまり角が立ちません」
国の方針も関係していると、河西准教授は続ける。
「中国への対抗という一面も考えられます。これは両陛下が、というより国が意識していることです。中国が東アジアでの影響力を強める中、日本が中国の近隣諸国と友好を築き、中国の周囲と関係を固めることで、東アジアの主導権を握りたいと考えているのでしょう。11月に愛子さまが東南アジアのラオスを訪問されることも、そうした国の考えの一端ではないでしょうか」
さまざまな思惑や背景が渦巻く中で実現したモンゴル公式訪問。特に雅子さまは特別な思いを抱かれていたという。
「モンゴルへは2007年に、当時皇太子だった陛下が訪問されています。このとき、雅子さまも招待を受けていましたが、体調が優れず同行を断念されたのです。体調不良とはいえ、国からの招待に応えられなかったことを責任感の強い雅子さまは気になさっていたと拝察いたします。ですから今回、18年ぶりに訪問が決まり、雅子さまは気合に満ちておられたのでは」(前出・皇室担当記者、以下同)
現地での雅子さまのお振る舞いには、その覚悟がにじんでいたという。
「両陛下がモンゴル抑留者の慰霊碑を訪れた際、現地では雨が降っていました。しかし、両陛下が黙祷を終えた直後、雨が上がったのです。すると雅子さまは“雨がやんだようだけれども、もう一度、慰霊碑に一礼をしますか”と陛下に尋ねられました。
そして両陛下は慰霊碑まで引き返し、再び一礼を捧げられて……。これには、抑留者の遺族からも感激の声が寄せられました。国母としての責務をまっとうしようというお覚悟の表れではないでしょうか」
18年越しの雪辱を果たした雅子さま。帰国された今、達成感と安堵のお気持ちで満たされているのでは─。
「神聖な女子トイレに入ってみたかった」女性客が不審な男に気づき、店舗関係者が取り押さえる…建造物侵入容疑で自称55歳の男を逮捕 北海道室蘭市の商業施設
14日夜、北海道室蘭市の商業施設で、正当な理由なく女子トイレに侵入したとして自称55歳の男が逮捕されました。
建造物侵入の疑いで逮捕されたのは、住所や職業、年齢が自称の東京都目黒区に住む55歳の会社員の男です。
男は、14日午後8時すぎ、室蘭市中島町の商業施設で、正当な理由がないのに女子トイレに侵入した疑いが持たれています。
警察によりますと、当時、女子トイレに不審な男がいると女性客が店員に伝え、店舗関係者が見に行くと、男を発見し、その場で取り押さえたということです。
その後、店舗関係者が「女子トイレに侵入した40代~50代の男を捕まえている」と警察に通報。男は駆けつけた警察官に引き渡されました。
取り調べに対し、自称55歳の会社員の男は「神聖な女子トイレに入ってみたかった」と話し、容疑を認めているということです。
男は身分を証明する所持品を持っておらず、犯行当時、酒に酔っていたということです。
警察が動機などについて調べています。
ヒグマ襲撃の北海道・福島町、ほかの住宅地にもたびたび出没…ハンター5人態勢で捜索開始
北海道福島町三岳地区の住宅地で新聞配達員の男性がヒグマに襲われ死亡してから14日で2日となった。クマはまだ見つかっていない。一方で、今月に入り、町内のほかの住宅地でもクマがたびたび出没していることが捜査関係者への取材で分かった。外見から別の個体とみられ、町は複数のクマが徘徊(はいかい)している可能性があるとして、警察や消防と連携して全域で警戒を強めている。
三岳地区から約3キロ南の同町月崎地区の住宅地では9日と11日の朝夕、クマがごみ集積所を荒らす様子などを住民が目撃。町は防災無線で住民に注意喚起した。三岳地区のクマとは大きさや体毛の色などが異なり、捜査関係者は「別の個体ではないか」とみる。松前署は現在、24時間態勢で月崎、三岳両地区を重点的にパトロールしている。
また三岳地区の約6キロ南にある同町館崎地区の住宅地でも13日早朝に住民女性が体長約2メートルのクマを目撃し、松前署に通報した。
町はクマが潜む恐れのある山林近くの町道を一部通行止めにした。町内の小中学校や高校には屋外での課外活動の中止を求め、児童生徒は保護者の車などで登下校している。また14日からは松前町の支援を受け、ハンター5人態勢で山林の捜索を始めた。
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
東京・新宿のタワーマンションの敷地内で2024年5月、元ガールズバー・キャバクラ店経営者の女性・Aさん(当時25歳)が刃物で刺され、殺害された事件。殺人などの罪に問われ起訴されていた配送業の和久井学被告(52)の裁判員裁判の判決が7月14日、東京地裁であった。検察側の求刑17年に対し、「被害者の言動が原因の一端となったと言えるが、殺人を正当化する理由にならない」として、懲役15年を言い渡した。
弁護側はこれまでの公判で、和久井被告がAさんから「結婚詐欺」的な被害にあっていたこと、お店の売上のためにお金を無心されていたことなどを理由として挙げ、懲役11年が妥当だと主張していた。判決では、Aさん側の“落ち度”は一部で認められた一方で、被告が殺人に至った経緯については「法的手段で解決すべきだった」などとしており、怒りに任せた犯行が重く捉えられたと考えられる。
7月9日に開かれた第4回公判での検察官からの被告人質問では、和久井被告のAさんに対する異常なほどの“執着”が浮き彫りになっていた傍聴したライターの普通氏がレポートする。【前後編の前編】
犯行の機会を探っていた数ヶ月間
検察官は、事件当日について質問を重ねた。和久井被告はこれまでの公判で、「当日、マンションに向かった当初は殺害の意思を持っていたわけではなく、お金を返して欲しいだけだった」と主張していたが、検察官は「ナイフで脅して金銭を受け取ろうとする行為も、強盗または脅迫と評価されうる」と指摘。被告人は、「何かしらの犯罪にあたる認識はあったが、それでも金銭を取り返したい思いが強かった」と答えた。
Aさんがライブ配信を再開していたことを、和久井被告は事件の数か月前から知っていたという。それから事件当日の夜まで、殺害に使った果物ナイフは常に車に積んでいて、来る日に備え機会をうかがっていたという。
事件当日、Aさんのライブ配信が始まったのは車内で知った。Aさんが発した「コンビニ」という言葉を聞き、そのまま現地へ向かった。「配信中の背景映像から、以前のマンションから引っ越していないことは分かっていた」という。
「ぶん殴ってでも返金させる」
Aさんを待つ車内では、金銭返還までの流れを何度も考えていた。会話はできないと想定し、最初からナイフを見せて静かにさせて、Aさんの部屋に乗り込むか、車の中に連れ込んでネットバンキングを操作させるか、などと計画していたという。
知床の海に叫ぶ「一緒に帰ろう」…息子が最期に見たであろう景色、父は「目に焼き付けた」
北海道知床半島沖で2022年4月に起きた観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故を巡り、乗客家族による初の洋上慰霊が13日、沈没地点の「カシュニの滝」付近で行われた。「会いに来たよ」「一緒に帰ろう」。予期せぬ別れを強いられた家族をしのび、泣き叫ぶ声が知床の海に響いた。
観光船「KAZU I」沈没後、初の洋上慰霊
乗客14人の家族40人は午前5時23分、洋上慰霊を企画した桜井憲二さん(62)(羅臼町)らのボランティアスタッフ26人と斜里町ウトロ漁港を出発。同6時51分に半島先端部の文吉湾から上陸し、桜井さんらがこれまでに遺骨や遺留品を発見した場所を約3時間かけて訪ね歩いた。
船に戻った後は知床岬の手前で折り返し、「カシュニの滝」の沖合へ。それぞれの思いをつづった紙や花束を海に流したり、空を仰ぎながら家族の名前を大声で呼んだりした後、全員で黙とうをささげた。
小柳宝大(みちお)さん(当時34歳)の父親(66)(福岡県久留米市)は、カズワン船内で見つかった宝大さんのリュックサックを携え、宝大さんが残した長靴を履いて参加した。海を見ながら「宝大」と口にした瞬間に涙が止まらなくなったが、「宝大の魂だけでも連れて帰れる気がした」という。
30歳代の息子を亡くした千葉県の男性は「息子も同じ景色を見たんだろうなと思い、船上からの景色を目に焼き付けた」。一方、息子(同7歳)と元妻(同42歳)が行方不明のままの帯広市の男性(53)は、沈没地点で船が止まった瞬間に「思ったより陸に近い」と驚いたという。「それなのに海は凍るほど冷たく、泳ぐこともできずに……」。2人が感じたであろう恐怖と絶望に思いを巡らせ、涙が止まらなくなった。
大阪府の会社員だった弟(同46歳)とその妻を失った福岡県の女性(58)は、洋上慰霊を一つのきっかけと考え、初めて取材に応じることを決めた。
この日は病気を抱える両親も同行し、弟夫妻が好きだったヒマワリの花束を手向けた。両親は「息子に会えるから」との一心で苦しいリハビリに耐えたといい、女性は「弟も『よう来たね』と喜んでくれたと思う」と声を震わせた。
今回の洋上慰霊は、桜井さんらが全国に寄付を呼びかけ、1400万円以上を集めたことで実現した。正午前にウトロ漁港へ戻った後は、乗客家族が涙ながらに感謝を伝え、スタッフ全員に花を手渡す場面も。桜井さんはスタッフを代表し、目に涙をたたえながら「戻らぬ家族の分も、これからの人生を歩んでください」とあいさつした。
「躍進は時代の必然か」“カルトや頭悪い”と言われるが…“参政党”の「日本人ファースト」が支持を集めるワケ
第27回参議院選挙の投開票が7月20日に行われます。自民、公明の与党の苦戦が伝えられる一方で、参政党の躍進が注目されています。 ◆躍進する“日本人ファースト”政党 7月5、6日に共同通信が行った比例投票先についての世論調査では、参政党が自民党に次ぐ2位という結果となり、衝撃が走りました。既存の政党に対する不満の受け皿となっていることが浮き彫りになった形です。 では、参政党にはどのような点に有権者が期待しているのでしょうか。 彼らの政策を一言でまとめると、「日本人ファースト」です。党の公式ページには「3つの重点政策」として次のように掲げられています。 1つ目は、子供の教育。お金と機会の面で平等を目指しつつ、その先に「自虐史観を捨て、日本に誇りが持てる教育を!」という大きなゴールを設定しています。 2つ目は、「食と健康・環境保全」を訴えています。ここでは、反ワクチン、反再生エネルギーをはっきりと打ち出しており、他の政党と比較しても明確に断言している点が印象的です。 そして最後は、「国のまもり」です。外国人による土地の買収や移民の流入を防ぐことで、日本人だけで日本を運営していくべきだと強く訴える政策です。 こうした「保守」的な政策に加え、神谷宗幣代表が街頭演説で述べた「高齢の女性は子供が産めない」などの、“社会的に言及がはばかられる事柄”にも忖度しないという姿勢が、一部で熱狂的な支持を集めているのです。 ◆参政党、賛否両論の渦中へ しかしながら、こうした過激な主張や、国民主権をも否定するかのような思想を隠さない政治姿勢に対しては、多くの人々から懸念の声が上がっています。SNS上では、「参政党はカルトだ」や「頭が悪い」といった党自体への否定的なコメントに加えて、「参政党の支持者は頭がおかしい」といった支持者個人に向けた批判的な意見も散見されます。 このままの勢いで影響力を持つ存在となるかどうかは、選挙で問われることになりそうです。 参政党の支持・不支持を巡る声は、大きく2つの立場に分かれると考えられます。一方は、「日本の国家はまず日本人のために存在するべきだ」と考え、参政党を支持する人たち。もう一方は、荒唐無稽な政策や憲法案に基づき、「こんなものを支持する人たちはどうかしている」と否定、嫌悪する人たちです。 ◆参政党、その危うき保守の影 筆者の立場は後者の否定、嫌悪する人たちです。政策面において、いくつかの疑問があります。たとえば、子どもの教育について「自虐史観を捨て、日本に誇りが持てる教育を!」と掲げていますが、教師からの指導によって抱く「誇り」に一体どれほどの意味があるのでしょうか。