熊本市は29日、県内で28日に発生した最大震度7の地震の影響で、特別史跡の熊本城で石垣計39カ所が崩落する被害があったと明らかにした。目視による巡回で、天守閣や本丸御殿の土壁の割れなども7カ所で確認した。他にも倒木があったという。
熊本城は2016年の地震でも被災し、復旧作業が続いていた。今回の被害には、前回地震で崩壊した石垣も含まれているといい、詳しい状況を調べている。城は28日から休園しており、再開のめどは立っていない。
元特捜検事「信用失墜」で懲戒免職 元容疑者の女性と性的関係
東京地検特捜部の捜査で取り調べた元容疑者の女性と性的な関係を持ったとして、法務・検察当局は29日、特捜部の主任だった西田将仁検事(48)を懲戒免職処分にした。関係者の事情聴取のため公費で押さえたホテルに女性を呼び寄せて宿泊するなどしており、重大な信用失墜行為に当たると判断した。
関係者によると、西田検事は2021年から約4年半、特捜部に所属。23年11月に発覚した自民党派閥裏金事件で現場の捜査を指揮する主任検事も務めた。既婚者だが、裏金事件とは別の事件で女性の取り調べを担当し、捜査の終了後から関係を持ったとされる。
検事は最高検などの調査に対し、女性と不適切な関係を持ったことを認めているという。女性が関与した事件は複数の関係者が立件されて有罪判決が確定した人もいるが、法務・検察当局は検事と女性は捜査の段階では深い関係になっていなかったとみている。
今年3月ごろに外部から情報提供を受けて最高検などが調査を開始。24年7月に政治家による公職選挙法違反容疑などの捜査で事件関係者を事情聴取するため、特捜部が公費で用意した東京都内のホテルに検事が女性を呼び寄せていたことが判明した。関係者の聴取が終わった後に一緒に宿泊していたという。
事件関係者とプライベートで交友関係を持つことは捜査の公平性に疑念を抱かせるため、一線を引くことが常識とされる。法務省は25年10月、取り調べを担当した参考人から事件終結後に複数回にわたり飲食を伴う接待を受けた千葉地検の30代の男性検事を停職10カ月の懲戒処分とし、検事は辞職している。
25年12月には、他人の前科情報を交際していた女性に漏らしたとして、国家公務員法(守秘義務)違反で略式命令を受けたさいたま地検の男性検事(35)が懲戒免職処分となった。既婚者だった検事は独身を装って女性と交際していた。職務上の行為による免職処分は、10年の大阪地検特捜部による証拠改ざん事件以来だった。【五十嵐隆浩、佐藤緑平、後藤佳怜】
地震回数初日108回 熊本地震 平成28年より低調も気象庁「本震」に異例の警戒
熊本県で最大震度7を観測した地震について、気象庁は29日、28日中に発生した震度1以上の地震回数が計108回だったことを明らかにした。平成28年の熊本地震より少ないが、1回目より規模の大きい地震が28時間後に発生したことから、気象庁は「過去に続発事例がある」と異例の注意を呼びかけている。
気象庁によると、28日午後4時から29日午前0時までの8時間に発生した震度1以上の地震は、最初の震度7が1回、震度5弱が3回、震度4以下が104回だった。
平成28年熊本地震では4月14日午後9時から15日午前0時までの3時間に震度7が1回、震度6が1回、震度5弱が2回など計120回で今回よりも多かった。翌15日は224回で、再び震度7の地震があった16日は1222回と急増した。
前回より地震回数は少ないが、気象庁の清本真司地震津波対策企画官は28日夜の記者会見で、今回の地震について「かなり活発になっている」との認識を示した。気象庁は今回、従来の地震にはない「続発事例がある」という留意事項を繰り返し訴えている。
28年の「前震」は地震の規模を示すマグニチュード(M)が6.5だったが、「本震」はM7.3だった。一般的にMが0.8増えると地震のエネルギーは約16倍増えるとされ、同じ震度7でも破壊力が違った。
建築物の耐震基準は繰り返しの強い揺れを想定していない。福和伸夫名古屋大名誉教授(建築耐震工学)は「強い揺れから命を守る設計にはなっているが、使い続けられる設計ではない。特に建築年数の古い工場などは注意が必要」と話した。
【速報】高市総理 イオンモール熊本の建物崩壊で3人死亡と明らかに
高市総理はさきほどイオンモール熊本で発生した建物の崩壊により3人が死亡し複数人が取り残されているとあきらかにしました。
高市総理 「イオンモール熊本で発生した建物崩壊では3名の方がお亡くなりになり、まだ複数の方々が建物内に取り残されています。日本製紙八代工場で発生した煙突の倒壊でも複数の行方不明の方がおられて、いずれの現場でも現在も懸命の救助、救出活動が行われています。(救命、救助中の)各実働部隊におかれては人員や資機材の増強を図りながら1人でも多くの方の救命救助に全力を尽くしていただくようお願いをいたします」
熊本の地震を受けて政府はきょう午後1時半から非常災害対策本部会議を開催し高市総理はイオンモール熊本の建物崩壊で3人が死亡したとあきらかにしました。
また被災者の支援について、高市総理は「避難所に対するプッシュ型支援に各省庁の力を結集して取り組んでいる」と述べた上で、被災者や被災自治体のニーズを的確に把握して、熱中症対策を含めて良好な避難所環境の確保に全力で当たるよう指示しました。
また、被災自治体が財政上安心して復旧に取り組むことができるよう普通交付税の繰上げ交付を迅速に実施するよう求めました。
交通やライフラインが寸断、被災者悲鳴「家は電気も水も使えない」「ガソリン・電気・食料はいつ手に入るのか」
強い揺れに襲われた熊本県では多数の家屋が損壊し、被災者は避難所や車中泊で不安な一夜を過ごした。29日午前も交通やライフラインの寸断が続くなど、生活に大きな影響が出ている。
熊本県によると、午前9時半現在、県内465か所で避難所が開設され、9872人が避難している。
震度7を記録した宇城市では、市役所近くの避難所に午前10時時点で約190組約420人が身を寄せた。シートや毛布を敷いた床の上に高齢者や家族連れらが座り、テレビのニュースを心配そうに見つめたり、携帯電話で連絡を取ったりしていた。
28日夜に家族で避難してきた同市のパート従業員の女性(46)は「避難所に来てからも揺れがあり、2歳の娘は怖がって夜中3時頃まで寝られなかった。風呂に入れないのも衛生面が心配で、早くライフラインが復旧してほしい。自宅に戻りたい」と疲れた様子を見せた。
震度7を観測した氷川町の会社員男性(38)は妻と子ども、義理の両親ら計9人で3台に分かれて車中泊。夜間の暑さはエアコンでしのいだが、ガソリンは残りわずかという。「近くの給油所は閉まっていた。ガソリン、電気、食料はいつ手に入るのか。子どももいるので心配」と語った。
熊本空港を発着する便では、日本航空が29日に羽田、伊丹空港とを結ぶ計11便の欠航を決めた。全日本空輸は同日午前の羽田行きと伊丹行きの計2便、ソラシドエアは羽田行きの1便が欠航した。
JR九州によると、九州新幹線は博多―熊本駅間で始発から運転を見合わせた。線路設備の点検のためで、再開の見通しは立っていない。熊本―鹿児島中央駅間は終日、運転を見合わせる。
新幹線の運行再開を待っていた千葉県船橋市の会社員男性(47)は、八代市の実家から帰ろうとしたところ熊本空港で足止めに。ホテルの宿泊予約が取れず、妻と小学生の息子と空港で配布された毛布にくるまって一夜を明かしたという。男性は「福岡から空路で帰ろうと思う。早く新幹線が動いてほしい」と話した。
九州電力は午前10時現在、熊本県内の約3万4690戸で停電が続いていると発表した。熊本県によると、水道は同7時半現在、八代市や宇城市などの約5万7000戸で断水している。
職場に泊まったという宇城市の介護職員の女性(66)は「家は電気も水も使えない。片付けをしたいが、いつ地震が起こるか分からない。避難所では気をつかうので、今日は車中泊をするかもしれない」とこぼした。
熊本で放射線量把握できず 地震による停電影響か
原子力規制委員会は29日、熊本県内6カ所に設置されている放射線監視装置(モニタリングポスト)の測定値が、28日午後11時過ぎから把握できない状態になっていると明らかにした。同県で最大震度7を観測した地震による停電でサーバーがダウンし、測定したデータが送信されなくなった可能性があるとしている。周辺の原発に異常はない。
規制委によると、監視装置は県が管理し、同県宇土市にサーバーが設置されている。28日午後11時過ぎを最後に測定値が国のシステムに送信されなくなった。復旧の見通しは立っておらず、規制委が原因を調べている。
24年の能登半島地震では、北陸電力志賀原発周辺の監視装置18カ所から一時データを得られなくなった。
熊本・八代市で北東方向に84センチの地殻変動…前の地震と同程度、国土地理院がGNSS解析
熊本県で震度7を観測した地震について、国土地理院は衛星測位システム(GNSS)を使って地殻変動を解析したところ、同県八代市で地盤が北東方向に約84センチずれるなど大規模な変動が観測されたと発表した。2016年の地震でも同程度のずれが生じており、地震の規模の大きさが改めて裏付けられた。
同院では大きな地震が発生した後、全国約1300か所ある電子基準点で地盤の動きを解析している。今回の地震では、震源に近い八代市「千丁(せんちょう)」の地殻変動が最も大きく、北東に約84センチずれ、約30センチ沈降した。熊本市の「城南」は北に約40センチずれ、約10センチ隆起。八代市の「泉」では南に約17センチ動き、上下の変動はわずかだった。
また、基準点を活用した震源断層モデルで解析したところ、断層は長さ約29キロ・メートル、幅約6キロ・メートルで約2メートル動いたと推定された。
気象庁は、今回の地震について陸域断層が水平方向にずれる「横ずれ型」としており、この分析は同院の解析と整合している。
一方、16年の地震では、南阿蘇村の地殻変動が最も大きく、南西に約97センチずれ、約23センチ隆起していた。同院の担当者は「同規模の地殻変動が発生したと言える。今回は暫定的な解析なので、今後も精査を続ける」と語った。
読売新聞では、地震の影響で損傷した南九州道の橋脚について、撮影した複数の写真から3Dを作成しました。クリックして自由に視点を変えることができます。
熊本地震「13人死亡、5人心肺停止、負傷者36人」 官房長官
木原稔官房長官は29日午後の記者会見で、熊本県で最大震度7を観測した地震で、同日午後3時時点で13人が亡くなり、5人が心肺停止状態だと明らかにした。重傷者は8人、軽傷者は15人で、けがの程度が不明な負傷者も13人いるという。
一方、熊本県は29日、28日にあった最大震度7の熊本地震で、県内では12人が死亡したと発表した。6人が心肺停止状態で、4人の安否が分かっていない。
爆発事故が起きたショッピングモール「イオンモール熊本」(同県嘉島町)では3人が死亡。煙突が倒壊するなどした日本製紙八代工場(同県八代市)では、5人の死亡が確認された。【高橋祐貴、黒澤敬太郎】
日本人、1億2000万人割れ=過去最大91万人減―外国人400万人超・総務省
総務省は29日、住民基本台帳に基づく今年1月1日現在の人口を発表した。日本人は前年比91万6744人(0.76%)減の1億1973万6483人で、17年連続の減少。減少幅は過去最大で、1億2000万人を割った。外国人は前年比35万3696人(9.62%)増の403万1159人と、外国人の集計を始めた2013年以降最多を更新し、400万人を超えた。
外国人人口は、コロナ禍後の23年から増え続けている。25年の国外からの転入者数は72万988人で過去最多を更新した。
日本人人口を都道府県別で見ると、東京は3年連続で増加した一方、46道府県は減少が続いた。東京は同1万2540人(0.09%)増の1329万3851人で、全体の11.10%を占める。減少率は秋田の1.95%が最大で、青森と高知がともに1.70%と続いた。
25年の日本人出生数は67万467人で過去最少を更新し、死者数は159万3475人だった。死者数が出生数を上回る「自然減」は92万3008人。都道府県別では、自然増の都道府県はゼロ。転入者数が転出者数を上回る「社会増」は7都府県で、最も多いのは東京の6万6661人だった。
日本人と外国人を合わせた総人口は、前年比56万3048人(0.45%)減の1億2376万7642人だった。うち東京、名古屋、関西の三大都市圏は6597万9272人。6年連続で減少したものの、全人口の5割超を占める。
都道府県別の総人口では、3都府県が増加。東京は同7万5019人(0.54%)増の1407万7553人だった。大阪が同3365人(0.04%)増の877万5326人と増加に転じ、千葉は631万3748人で同2169人(0.03%)増だった。 [時事通信社]
自衛隊4600人態勢に=現地へクーラー300台―熊本震度7
小泉進次郎防衛相は29日、熊本地震の対応に当たる自衛隊の態勢について、発生直後の約3600人から約4600人に増強したと明らかにした。防衛省で記者団に「人命救助を最優先に活動し、給水をはじめとする生活支援も全力で実施する」と強調した。
航空自衛隊は同日、被災者の熱中症対策として避難所などで使うクーラー約300台をC2輸送機で輸送。海上自衛隊も、艦艇4隻で飲料水などの物資を現地に運んだ。 [時事通信社]