病院で塩素ガス発生、患者や職員ら100人以上避難…透析装置消毒用の塩素系洗浄剤に酢酸混入か

26日午前11時頃、北九州市小倉北区の「健和会大手町病院」から「ガスが発生した」と119番があった。病院は外来診療と救急受け入れを一時停止し、患者や職員ら計100人以上が避難したが、けが人や体調不良者はいなかった。福岡県警小倉北署などによると、職員が誤って塩素系洗浄剤のボトルに酢酸を入れ、有毒の塩素ガスが発生したとみられる。
同署などによると、職員が透析装置を消毒するために塩素系洗浄剤を補充しようとした際に酢酸を入れ、混ざった可能性があるという。消防が病院内でガス濃度を測定したところ、人体に影響のある数値は確認されず、同日午後3時に診療を再開した。病院の吉野興一郎院長は「申し訳ありませんでした。薬品の取り扱いを見直し、再発防止に努めさせていただきます」などとのコメントを出した。

75歳以上のATM利用、上限30万円に…特殊詐欺対策で警察庁検討

特殊詐欺被害の急増を受け、警察庁が、75歳以上によるATM(現金自動預け払い機)の1日あたりの利用限度額について、引き出し、振り込みとも30万円に制限する方向で検討していることがわかった。犯罪収益移転防止法の関連規則の改正に向け、全国銀行協会などと調整を進めている。
ATMの利用限度額は現在、各金融機関の自主的な取り組みとして、「引き出しは1日50万円」「振り込み・振り替えは1日100万円」などと決められている。制度で一律に制限すれば初めてとなる。
特殊詐欺事件では、犯罪組織が高齢者らを電話でATMに誘導し、指定口座に振り込ませる手口が長年続いている。被害は年々深刻化しており、昨年の特殊詐欺被害は前年比1・6倍の約721億円(暫定値)に上り、過去最悪となった。
特に高齢者が狙われており、昨年は被害者2万951人(法人を除く)のうち、約45%に当たる9415人が「75歳以上」だった。
政府は特殊詐欺被害の急増を受け、昨年6月の犯罪対策閣僚会議で、高齢者のATMの利用制限や、金融機関による口座のモニタリング強化を推進する方針を明らかにしていた。
ただ、支店の統廃合を進める金融機関側からは、窓口業務の負担増を懸念する声もある。利用者にとっては、利便性の低下につながりかねない。このため、警察庁は、年金支給額などを考慮して制限額を1日30万円とした。出入金が多い個人事業主らについては、例外的に制限の対象外とすることも検討している。
今後、同法施行規則などに、利用制限の内容を盛り込み、意見募集を経て改正したい考えだ。警察幹部は「利用者の利便性に配慮し、金融機関側の負担も抑えられるよう、引き続き協議していく」としている。
一方、大阪府議会では24日、過去3年間にATMで振り込んだことがない70歳以上は、振り込み限度額を1日10万円以下にすることを義務化する条例改正案が可決・成立した。府内で高齢者が携帯電話で通話しながらATMを操作することも禁じ、事業者に必要な措置を義務付ける。通話禁止の義務化は全国で初めて。

「反リニア」の川勝知事のほうがマシだった…「推進派」知事がトップに立っても開通が「遠い未来のまま」なワケ

川勝平太前知事が突然退場し、昨年6月に「リニア推進派」の鈴木康友知事が就任して半年以上が過ぎた。
記者会見などでリニア問題について問われると、「解決に向けてスピード感を持って進める」などと毎回同じ決まり文句を唱える鈴木知事だが、ここにきて、鈴木知事が静岡県のリニア問題をまったく理解できていないことがはっきりとしてしまった。リニア知識の底が浅いことをごまかそうと必死である。
「反リニア」に徹した川勝前知事はJR東海に言い掛かりをつけるためにもリニア問題を正確に理解しようとしていた。
一方、鈴木知事は事務方から表面的な情報を受け取るのみにとどまっている。自ら積極的にリニア問題に関わるという姿勢はまったく見られない。
だから、鈴木知事は記者たちの質問にもトンチンカンな回答しかできていないのだ。
3月11日に開かれた静岡県リニア専門部会の結果を受けた翌々日13日の記者会見で、それがはっきりとしてしまった。
11日の専門部会は、静岡県のリニア問題の責任者を務め、3月末で退任する森貴志副知事が今後の混乱のタネとなる発言を行って終わってしまったのだ。
森副知事の発言は、JR東海だけでなく、会議を傍聴していた大井川利水関係協議会のメンバーらを驚かせた。
それなのに、「森発言」について事務方は知事にまったく説明しなかったようだ。
3月末に任期途中で辞めさせられる森副知事は最後の最後になって、苦しまぎれの「最後っ屁」を放ち、知事への不満を爆発させる格好となった。
鈴木知事は11日の専門部会の状況をまったく把握していなかった。
森副知事の「置き土産」を任されるリニア担当者らは今後の対応が決まっていないこともあり、説明しにくかったのかもしれない。
まず、3月11日の県地質構造・水資源専門部会で、いったい何があったのかを説明する。
当日のテーマは、「田代ダム取水抑制案」のリスク管理などだった。
山梨県側からの先進坑が静岡県境を越え、静岡県側の先進坑につながる工事期間中の約10カ月間に最大500万トンの湧水が山梨県側に流出すると見込まれる。この流出に対して、静岡県は大井川の水資源への影響を懸念して、JR東海に「全量戻し」を求めてきた。
「静岡・山梨県境での工事期間中の全量戻し」について、JR東海は東京電力リニューアブルパワー(RP)の協力を得て、県外流出量と同量を大井川の東電・田代ダムで取水抑制を行ってもらい、大井川の流量を確保すると提案した。
この日は、田代ダム取水抑制案の実際の運用サイクルやオペレーションの詳細や突発湧水など不測の事態への対応などについて、県がJR東海に説明を求めた。
2時間以上にも及ぶ県専門部会委員とJR東海との対話の終わりが見えたころだった。森副知事が発言を求め、「リスク管理を踏まえたモニタリングのうち、監視体制は重要である。監視体制の仕組みをどうするのか考えてほしい」などとJR東海に提案した。
これに対して、JR東海担当者は「JR東海は監視される立場である。静岡県といろいろ相談して考えたい」とさらりと述べた。
つまり、JR東海側は「監視体制の仕組みをつくるのは静岡県である」と言いたかったのだ。
まさしくその通りである。「監視される側がその仕組みをつくる」という森副知事の提案がおかしいことぐらい誰でもわかるだろう。もし、監視体制がそれほど重要であるならば、その仕組みをつくるのが静岡県になるのは当然である。
結局、森副知事の発言は藪蛇となってしまった。
これまでの専門部会は、JR東海の提案や説明に対して、県の選んだ学識者が科学的・工学的な立場で意見を述べて、改善を求めてきた。見方を変えれば、JR東海にさまざまな難癖をつけて、結論を先延ばしにしてきたのだ。
これまで県のほうから何らかの案を出すことなどあり得なかったのだ。
県は重箱の隅をつつくような意見をJR東海に送りつけてきただけに、もし監視体制の仕組みを県が提案するならば、ボロが出てしまわないよう、慎重にならざるを得ないだろう。
監視体制の仕組みとともに、森副知事は「監視体制の評価を行うのは県中央新幹線環境保全連絡会議であり、そこに諮るようにしてほしい」とも提案した。
県の生活環境、地質構造・水資源、生物多様性の3部会を統合するのが同連絡会議であり、個々の専門部会と違い、総勢30人近くの大所帯でもある。少人数の専門部会でなく、そこで「監視体制を評価しろ」というのだ。
メンバーは学識者だけでなく、リニアの早期着工を求める井川地区の代表4人、大井川利水関係協議会代表4人も加わるため、さまざまな意見が出るのは必至だ。
さらに、森副知事は「監視体制」について大井川利水関係協議会の了解を得ることも提案したのだ。
監視体制の仕組みをどうするのかはJR東海と県事務局とで行うだろうが、森副知事の提案の通りに、大井川利水関係協議会の了解を得ることと県中央新幹線環境保全連絡会議で評価することだけはその場で決まった。
大井川利水関係協議会は、JR東海の保全措置の基本合意に関わる利害関係者であるが、実際的な作業となる「監視体制」についてはまったくの門外漢である。そこに持ち込まれても困惑するだけだろう。
いずれにしても、森副知事の提案は唐突であり、今後、事務方での調整が多く、煩雑でもあり混乱のタネになるのは間違いない。
筆者は県事務局に進捗状況を問い合わせたが、いまのところ、まったく作業は行われていないようであり、大井川利水関係協議会の開催もまったく決まっていないという。
この専門部会を受けた13日の記者会見で、鈴木知事は「JR東海との対話を要する28項目のうち、8項目が対話終了となり、引き続きスピード感を持って、残りの対話を進めていきたい」などと相変わらず、表面的な議事内容を述べた。
これに対して、記者から「スピード感を持って進めていくという上で、何か方針、方策等があるのか」とただした。
鈴木知事は「方針というのは特にない。JR東海にしっかりと対応してもらい、物理的に掛かる時間をいかに短くするのかに尽きる」などとひとごとのような発言をしただけである。
それで、「物理的な時間を縮めることで、年内の対話完了も見込めるのか」と突っ込まれた。
これは、静岡工区(8.9キロ)の着工に向けて、鈴木知事が1月6日の新年会見で、「(年内の対話完了は)物理的に難しい」と“爆弾発言”したことへの疑問である。
記者は「現時点でも、年内の対話完了が見込めないのは変わっていないのか」と追及したのだ。
何と、その追及に鈴木知事は「よくわからない」と1月6日の発言を否定してしまったのだ。
その上で、「期限を言うと、それが独り歩きしてしまうので、できるだけ時間を短くするよう努力していきたい」などと、「年内の対話完了」という表現を避けて、曖昧にごまかすのに精いっぱいだった。
具体的な内容に乏しく、事務方からの説明も通り一遍で表面的な議事内容のみだったことがわかる。
これで今回の森副知事の提案が知らされていないことも明らかとなった。
事業者のJR東海の対応のみを求めて、対話を進めていると頭から思い込んでいたからだ。
しかし、なぜ、森副知事は、混乱のタネを残すような提案をしたのか?
3月17日の2月県議会最終日で新副知事による新体制が決まった。
森副知事のリニアに関する役割は3月11日の専門部会で終わったのである。提案した「監視体制」うんぬんは新体制に受け継がれることになるから、森副知事は何を言おうが、まったく関係なくなるのだ。
森副知事は2022年7月、難波喬司・前副知事(現・静岡市長)のあとを受けて、川勝知事の強い要請で副知事職を引き受けた。
当時のリニア問題では、川勝知事が「水一滴も県外流出は許可できない」「静岡県の水一滴を引っ張る山梨県内の調査ボーリングをやめろ」などと主張して、山梨県と軋轢を生んでいた。
森副知事は同年10月に、「山梨県内のトンネル掘削で、静岡県内の地下水を引っ張る懸念があるから、静岡県境へ向けた山梨県内のリニア工事をどの場所で止めるのかを決定する必要がある」などとした文書をJR東海に送りつけた。
「山梨県内の調査ボーリングをやめろ」のきっかけとなった文書である。
2023年5月になると、森副知事は「静岡県が合意するまでは、リスク管理の観点から県境側へ約300メートルまでの区間を調査ボーリングによる削孔をしないことを要請する」とした意見書をJR東海に送った。
この意見書に、山梨県の長崎幸太郎知事は怒りを募らせ、「山梨県の工事で出る水はすべて100%山梨県内の水だ」と断言した上で、「山梨県の問題は山梨県が責任を持って行う」などと山梨県内の調査ボーリングを進めることを宣言した。
つまり、川勝知事が反リニアに火をつけ、森副知事がさらに大きく燃え上がらせるという役割分担を果たしていたのだ。
JR東海との対話は今年中に完了せず、来年の2026年以降にずれ込む見通しを示したのも事務方トップの森副知事だったのだろう。
今回、辞任に当たって森副知事はさらなる混乱を意図して、モニタリングの監視体制を「置き土産」にしたのだろう。
全国的に注目を集める静岡県のリニア問題について、県政トップがあまりよく理解していないのでは情けない限りである。
JR東海は現在、大井川流域の10市町で地元住民を対象に「大井川の水を守るための取り組みに関する説明会」を開いている。
鈴木知事にはそこでJR東海の説明を聞いてみてほしい。県専門部会といかに意見が違っているのかわかるだろう。どちらが正しいのかは、自分自身で判断するしかない。
事務方に頼りきりになるのではなく、時に自ら自発的に行動する。それがリニア問題を理解するということである。
同時に大井川流域の住民たちが何を求めているのかちゃんと耳を傾けるべきである。それをしなければ、静岡県のリニア問題の解決はないだろう。
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(ジャーナリスト 小林 一哉)

沖縄・宜野湾市の中学生が給食に下剤を混入 食べた生徒は体調不良を訴え下校 2人の間にトラブルか

沖縄県宜野湾市内の中学校で3月初旬に生徒が同じクラスに在籍する別の生徒の給食に下剤を混入し、食べさせたことが24日、宜野湾市教育委員会への取材で分かった。
下剤入りの給食を食べた生徒は体調不良を訴えて保健室で休み、下校した。命に別条はなかったという。一時的に学校を休んだが、その後は登校している。生徒同士に何らかのトラブルがあった可能性がある。
学校側と対応に当たっている市教委指導課は理由や下剤の種類、混入方法などについて「詳細な事実確認を確認中」と説明。「重大事案として捉えている。警察と連携しながら調べている」と話した。
また市教委は3月中旬、クラスの保護者を対象に説明会を開いたという。

「多くは廃業、生活保護を受けている元ヤクザも…」ヤクザをやめた人はどうやって生活している? ピークからはすでに10分の1以下に…《暴力団員が初の1万人割れ》

〈 《独自スクープ》6代目山口組と抗争中の神戸山口組が約120人まで激減! それでも抗争が終わらない“納得の理由”とは「井上組長が白旗を上げないのは…」 〉から続く
全国の暴力団構成員が昨年末の時点で約9900人となり、警察庁が統計を取り始めた1958年以降で初めて1万人を割り込むことがわかった。
警察庁は毎年末時点で把握した全国の暴力団の組織編制や構成員数などの統計データを翌年の春に公開している。今回の「1万人割れ」情報は、警察当局から独自取材によって事前に入手したものだ。
1992年に施行された暴力団対策法によって繁華街での用心棒代の徴収などが禁じられ、2011年までに全国で整備された暴力団排除条例によって法人や個人による暴力団への利益の提供も規制された。「シノギ」と呼ばれる資金源を失った暴力団は着実に人数を減らしてきたが、ついに1万人という大台を割ったことになる。
最も暴力団員が多かったのは東京オリンピックの1年前
警察庁が全国の警察本部からデータを収集して暴力団勢力の実態を調査するようになった1958年、暴力団の構成員は約5万3700人だった。統計史上、最も構成員が多かった1963年には、約10万2600人と記録されている。
1963年は翌年に国内で初めて開催される東京オリンピックを控え、世界各国から競技の観戦や国内観光で多くの外国人訪問客が見込まれていた。
そのような状況でヤクザが10万人も存在することに「警察は何をしているのだ」という批判の声が大きくなり、全国の警察は摘発の強化に乗り出した。その効果はすぐに出て、1965年には9万1000人とピークから1万人が減少。以降も減少傾向が続き、1985年には5万8800人となったが、1986年には約6万5200人と増加に転じた。
背景には国内が好景気に沸いたバブル経済があった。
バブル経済は1989年にピークに達し、年末に日経平均株価は当時最高値の3万8915円を記録した。
表経済の活況は、闇社会と呼ばれる暴力団にも波及した。バブル期には不動産開発のために地権者らに立ち退きを求める「地上げ」ビジネスが暴力団業界に持ち込まれ、億単位のカネが動いた。「経済ヤクザ」と呼ばれる暴力団幹部は地上げで得た巨額資金を株式市場で運用し、さらに資金を膨らませた。
当時を知る指定暴力団の古参幹部は、その空前の好景気を懐かしそうに振り返る。
「地上げの仕事は毎月のように入ってきた。数千万円の案件が次々にあり、縄張りの繁華街のクラブやパチンコ店からも今では考えられないような額が集まった。財布は1万円札でパンパンに膨れていたが、『宵越しのカネは持たない』という空気が強く、毎日のように夜の街に繰り出していた」
しかしバブルが崩壊し、1992年に暴力団対策法が施行されると、ヤクザたちの様々な活動が規制されるようになり、暴力団業界も急速に縮小へ向かった。それでも1994年以降はしばらく4万人台で推移していたが、2011年までに全国で整備された暴力団排除条例によって、2021年以降は1万人台まで減っていた。
「昔は『いい女を連れて、格好良い車に乗って』という時代も…」
暴排条例が施行された時期にちょうど刑務所にいたある指定暴力団幹部は、出所時の衝撃をこう語る。
「ムショに入る前と出てからでは、環境がまったく変わっていて驚いた。かつてシノギで交流があったカタギの旦那衆から『新しい条例で禁じられているので、これからはお付き合いできません』と申し入れがあり、受け入れざるを得なかった。シノギはほかにもあるからヤクザは続けるが、難しい時代になったものだ」
一方で30代の若手の元組員の中には、暴力団を抜ける人間も増えている。かつて指定暴力団に所属していた男性は「現在は建設関係の仕事に就いている」と打ち明ける。
「昔は『いい女を連れて、格好良い車に乗って』という時代もあったと聞くが、自分がヤクザになった頃はすでに風向きはよくなかった。10代のころに建設関係の仕事をしていたので、今も元に戻っただけで違和感はない。辞める時は特に引き止めも受けず、円満に抜けられてよかった」
かつては脱退にあたって、手の指を切断するいわゆる「指詰め」が行われることもあったが、「指詰め」を無理強いした組織の幹部が強要や傷害容疑で摘発されるケースがあり、近年はこのような習慣はほぼ行われていないという。
「多くが廃業、生活保護を受けている元ヤクザも…」
首都圏に拠点を構えるキャリアが長い指定暴力団の幹部が近年の状況について説明する。
「暴対法ができた92年は、活動は規制されたがそれでも何とか乗り切れた。しかし暴排条例の時は、繁華街の飲食店からカネを徴収するシノギに頼っていた者の多くが廃業した。もともと飲食店や雀荘のオーナーだった連中はまともな仕事に就くやつもいたが、何も仕事がなくて生活保護を受けている元ヤクザがいるのも事実だ」
元暴力団組員の社会復帰をめぐっては今年2月、警察当局と暴力団の双方が注目していた訴訟の判決が水戸地裁で言い渡された。茨城県内に住む元組員の男性が就職先の給与の振込口座の開設をみずほ銀行に申し込んだところ拒否され、損害賠償を求めて提訴していたのだ。しかし判決は請求棄却となり、銀行側の勝訴となった。
みずほ銀行などの金融機関は、暴力団組織から離脱した元組員であっても組織との関係が継続している可能性への懸念から、離脱後5年間は取引をしないことで反社会的勢力の排除に取り組んでいる。
この訴訟のケースでは元組員は2017年に組織を離脱し、2023年に口座開設を申し込んでいるために5年が経過していたが拒否されたことになる。
それでも水戸地裁は判決で、みずほ銀行が口座の開設を拒否したことは正当と認め、理由として元組員の就職先が警察の支援協賛企業ではないなどの理由を上げた。つまりヤクザ組織から抜け出しても、警察の目の届くところで就職しない限りは口座を開くことも難しいのが現状だ。
前出の指定暴力団の古参幹部も、この裁判に注目していたが判決には落胆したという。
「この裁判で元ヤクザが負けたのは納得できない。5年も経過しているから組織とは無関係のはずで、せっかくヤクザを辞めて就職しようと思っても、給与の振込口座がなければ就職後の生活が成り立たない。またヤクザに戻ってしまうかもしれない」
暴力団に加入する若者が近年急減していることについても諦め顔だ。
「自分の組織も昔は100人以上いたが、いまや数十人だ。若い者が入ってこず、うちも30代はいても20代は1人もいない。今の若い不良は半グレのようなグループでつるんで特殊詐欺をしたり、闇バイトを募集したりしているのだろう。ヤクザになって親分と子分などの面倒な関係に巻き込まれるより、気の合う仲間と一緒の方が楽しいに決まっている。ヤクザの世界も一般社会と同じで少子高齢化だ」
ついに1万人を切り、高齢化も止まらない暴力団の世界。このまま衰退の道を進むのだろうか。
(尾島 正洋)

《独自スクープ》6代目山口組と抗争中の神戸山口組が約120人まで激減! それでも抗争が終わらない“納得の理由”とは「井上組長が白旗を上げないのは…」

国内最大の暴力団「6代目山口組」が2015年8月に分裂し、離脱した「神戸山口組」との対立抗争は今夏で10年となる。
警察庁は毎年末時点で把握した全国の暴力団の組織編制や構成員などの統計データを取りまとめ翌年春に公表しているが、事前に入手した2024年末時点の最新データでは、6代目山口組が約3300人に対して神戸山口組は約120人にまで減少。最新勢力図は27対1と大きな差が開いていることが判明した。
抗争が始まった2015年時点では、6代目山口組の構成員数は約6000人、神戸山口組は約2800人。勢力差はほぼ2対1だった。
敵対する相手の殺害や、移籍をめぐるトラブルなども含め数十人の死傷者が出ているが、すでに大勢は決しているとみられている。それでも、抗争が再燃する可能性もあり警察当局は警戒を続けている。
「トップを狙った対立抗争事件ではないか」
今年1月19日夕、神戸市の住宅で火災が発生した。「爆発音がして、炎とともに白煙が上がっている」と周囲は一時騒然としたが、消防による活動で敷地内の車や物置などが焼けただけで大きな被害は免れた。しかし現場が神戸山口組組長・井上邦雄の自宅だったことから、そのニュースは一瞬で界隈を駆け巡った。
「トップを狙った対立抗争事件ではないか」と、暴力団犯罪を専門に捜査するマル暴刑事と暴力団社会の双方が色めき立ったのだ。
多くの関係者の懸念はその通りとなった。火災の原因は失火などではなく、敷地内に侵入した男が火炎瓶を投げつけたことによる放火。男は駆けつけた警察官にも拳銃を向けたため、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。身元は6代目山口組系の元組員だった。
井上の自宅では、2022年6月にも6代目山口組系組員が拳銃で17発を玄関に向けて銃撃する事件も起きている。
近年は対立抗争事件は減少傾向にあるとはいえ、6代目山口組と神戸山口組の抗争では拳銃による幹部の殺害や、米軍が公式採用している自動小銃「M16」を乱射する凶悪事件も発生している。
その他にも、対立する事務所への発砲、大型ダンプで事務所に突入、火炎瓶の投げつけ、繁華街での乱闘などが連日のように発生した。双方とも全国に傘下組織があるため、事件は関西地方だけでなく東京都内、東海地方、東北などにも広がった。
抗争に備えてか、暴力団業界ではアンダーグラウンドでの拳銃の取引が活発化するとともに、価格が高騰する現象が警察当局によって確認されたほどだった。
2800人いた神戸山口組から主要な組織が次々に脱退
分裂前の2014年末時点では、6代目山口組の構成員は約1万300人だった。その巨大組織が分裂した理由を、警察当局の捜査幹部はこう語っている。
「分裂の最大の原因はカネだ。毎月の100万円単位での上納金やその他の金銭の徴収が厳しかったため神戸(山口組)側が不満を募らせていた。6代目山口組組長の司忍がナンバー2の若頭に据えた高山清司の強権的な組織運営も、分裂の理由にあげられる」
こうした背景があったため、神戸山口組は離脱当初は「カネのかからない組織運営」を標榜し、多くの加入者を集めた。しかし、その後は神戸山口組でも上納金の徴収が激しくなり、離脱する組織が急増、そのうえ6代目山口組が引き起こす事件が続発し神戸山口組の縮小が始まる。
2017年には神戸山口組の中核組織だった山健組内から一部グループが構成員約400人を率いて離脱、現在は絆会として独立して活動している。2020年には、同様に中核組織だった池田組も脱退。こうした再分裂劇で当初2800人を擁していた神戸山口組は2018年には約1700人。2021年には約510人へと大幅に減少、最新データとなる2024年末時点では約120人となった。
前出の警察当局の捜査幹部が背景事情について解説する。
「ヤクザのケンカはやられたら即座にやり返すもの。しかし、6代目(山口組)が攻勢をかけてきても、神戸(山口組組長)の井上は『返し(報復)はするな』と厳命したらしい。理由は分からない。この点も不満のひとつではないか」
勢力の縮小は神戸山口組側だけでなく、6代目山口組でも起きている。2011年までに全国で整備された暴力団排除条例による資金源への規制の強化、反社会的勢力を排除する社会情勢などから構成員は減少している。
分裂時の2015年は約6000人だったが、2017年には約4700人、2020年には約3800人。最新データでは約3300人へと減少したが、いまだに国内最大組織であることに変わりはない。
暴力団社会全体が縮小するなか、6代目山口組が3000人以上の構成員を維持できている背景には、神戸山口組から移籍する組織の存在があげられる。中でも業界を騒然とさせたのは、神戸山口組の中核組織だった山健組の移籍である。
神戸山口組は山健組や宅見組、池田組、侠友会、正木組の5組織が中核となり計13組織が6代目山口組を離脱して結成された。神戸山口組組長の井上も、元は山健組の組長である。
しかし井上から組長の座を譲られた中田浩司は、2021年に6代目山口組へ移籍。移籍の理由については不明のままだが、「カネの問題、返しの禁止などが理由と考えられる」(捜査幹部)という。警察当局の未公表のデータによると、移籍時の山健組の構成員は約600人という巨大勢力だった。神戸山口組にとっては取り返しのつかない移籍劇だった。
神戸山口組からは山健組だけでなく、宅見組、池田組、侠友会、正木組といった結成時の中核組織がすべて離脱か解散し、四分五裂の状態だ。
「神戸山口組の井上組長がそれでも白旗を上げないのは…」
分裂劇を注視し続けてきた首都圏に拠点を構える指定暴力団幹部は、抗争の行方をこう語る。
「分裂による対立はすでに決着しているようなもの。神戸山口組の井上組長がそれでも白旗を上げないのは、組のために懲役に行っている者たちを待つ意味もあるのだろう。亡くなった者もいる中で、自分だけ組長の座から降りられる訳がない。同様に6代目山口組の司組長も、高齢などを理由に後進に譲れば神戸の独立を認めることになる。だから、相手が降参するまで辞めないだろう」
対立抗争が最も激化したのは2019年の秋。同年10月、当時は神戸山口組の中核組織だった山健組の組員2人が神戸市内の同事務所近くで同時に射殺された。逮捕されたのは6代目山口組系の幹部だった。同年11月には神戸山口組最高幹部が尼崎市内で米軍が公式採用されている自動小銃「M16」で数十発の銃弾を浴びて殺害された。この事件でも逮捕されたのは6代目山口組系の元組員だった。
続発する凶悪事件に対処するため、警察当局は6代目山口組と神戸山口組の双方を暴力団対策法に基づいて、「特定抗争指定暴力団」に指定した。設定された警戒区域で、5人以上で集合すると、中止命令などの行政手続きを経ずに、即座に逮捕となる。本部事務所などは使用することができずに活動は厳しく制限される。
多くの事務所がある神戸市、大阪市、名古屋市などが警戒区域に設定され、毎年の恒例行事や定例の会合などは静岡県などで開催されている。
「対立状態が続けば特定抗争指定は解除せず継続する」
勢力差が広がる状況でも、警察は特定抗争指定を解く気配はない。前出とは別の警察当局の捜査幹部は、その理由をこう語る。
「対立状態が続けば特定抗争指定は解除せず継続する。それによって両組織の活動は規制されるので、押さえ込みの効果はある」(敬称略)
〈 「多くは廃業、生活保護を受けている元ヤクザも…」ヤクザをやめた人はどうやって生活している? ピークからはすでに10分の1以下に…《暴力団員が初の1万人割れ》 〉へ続く
(尾島 正洋)

東京都内の手厚い子育て支援、4区で修学旅行無償化へ…給食や制服・学用品が無料になる区も

4月に向けて、東京都内の自治体では新年度予算が続々と成立している。どの自治体も一様に力を入れるのが、子育て支援だ。共働き世帯の増加を受け、子どもの居場所作りを進める新規事業が増えたほか、物価高で増大する家計負担の軽減を狙った制服や修学旅行などの無償化も打ち出している。

杉並区は、2027年度までに区内の全40小学校で、放課後や土曜日に学校を開放して子どもを受け入れる。朝の授業開始前の開放も試験的に2校程度で開始。区民集会所や図書館にも自習場所などを設置し、体育館などでは子ども優先の利用時間枠を設けるという。
区は、これらの事業で、小学生になった子どもの預け先が見つからず親が仕事をセーブせざるを得ない「小1の壁」の解消にもつなげたい考えだ。岸本聡子区長は「居場所がない子どもが生じないよう、多様な居場所を用意していく」と説明した。
民間と連携するのは文京区だ。区内企業のオフィスの一角を借り、中高生が自習やゲームなどを行える場所「アクアベース」を5月7日にオープンする。毎週水、金、土曜の午後に開かれ、最大30人が利用可能という。担当者は「勉強や息抜きなど様々な用途に使ってほしい」と話す。
西東京市は学童クラブの過密化解消に力を入れ、小学校1校で、定員を拡充した学童クラブを整備する考え。放課後や夏休みなどに、学校の教室を学童クラブとして一時利用できる「タイムシェア」も新たに4校で始め、計7校で実施する予定だ。

新年度予算で盛り込まれた「無償化」策で目立ったのが、修学旅行の費用だ。
昨年9月に23区で初めて表明した葛飾区に続き、品川区や荒川区などが新年度予算で実施予定。足立区では24日、中学の修学旅行無償化を盛り込んだ補正予算が成立した。
さらに、品川区は23区で初めて、26年度から区立中学の制服無償化に踏み切る。区立学校ではすでに学校給食や学用品が無償化されており、義務教育にかかる主要な費用は区が全て負担することになる。森沢恭子区長は「物価高騰などで厳しい状況の中、子育ての負担軽減につなげたい」と語った。
葛飾区や荒川区は、区立小中学校で使うドリル教材を無償化する方針。荒川区によると、修学旅行の無償化などと合わせて、小学校では6年間で平均約16万円、中学校では3年間で平均約25万円の保護者負担が軽減される見込みで、滝口学区長は「経済的な課題で学校行事などの活動が制限されないようにしたい」と強調した。
一方、港区は4月から、月2000円かかっていた学童クラブのおやつ代を無償化する。このほか、足立区は、一定年収以下の世帯を対象に、高校生1人当たり5万円の支援金を支給する。部活動の合宿や用具代、運転免許証の取得費などへの利用を想定しているという。区の担当者は「家庭の事情で夢や目標を諦めることがないように応援したい」と話している。

2人は元夫婦という情報も東京・西東京市のスナックで刺し傷のある男女が倒れているのを発見 女性は死亡、男性は意識もうろう状態で搬送 警視庁

きょう未明、東京・西東京市のスナックで刺し傷のある男女が倒れているのが見つかり、女性はその場で死亡が確認されました。男性も病院に搬送されていて、警視庁は事件のいきさつを調べています。
午前2時半ごろ、西東京市東町のビルの地下1階で「スナックから水が流れてくる」と近くの店の人から110番通報がありました。
警視庁によりますと、警察官が駆けつけ、スナックの店舗内に入ったところ、血を流した状態の30代くらいの女性と40代くらいの男性が倒れているのが見つかりました。
女性は顔や首などに複数の刺し傷があり、その場で死亡が確認され、男性にも首などに刺し傷があり、意識がもうろうとした状態で病院に搬送されました。
警察官が駆けつけた際、スナックは施錠されていて、現場には血のついた果物ナイフが1本、落ちていたということです。
2人は元夫婦という情報もあり、警視庁は2人の間に何らかのトラブルがあったとみて、男性の回復を待ち、話を聴く方針です。

「現金の落とし物」1億303万円、約7割は落とし主の手元に…山梨県警

昨年1年間に山梨県警が受理した拾得物の届け出は前年より8・3%多い6万532件で、改正遺失物法施行後の2008年以降で最も多くなった。カード類などが多く届けられたほか、現金の総額は1億円を超えた。大型のカメなど変わった落とし物もあったといい、県警は「落としたら早めに届け出を」と呼びかけている。(木村誠)
県警会計課によると、拾得物の件数はコロナ禍の20年に3万8088件まで減少。その後、行動制限の緩和などで4年連続で増え続け、昨年はコロナ禍前の19年と比べても1万件近く増加した。
内訳は「物品」が前年から5745点増の9万5848点。「現金」は約526万円増の約1億303万円に上った。物品では最も多かったのが運転免許証やクレジットカードなどの「証明書類・カード類」の2万7796点(29・0%)。次いで、定期券などの「有価証券類」が1万67点(10・5%)、ハンカチなど「生活用品類」が8556点(8・9%)と続いた。
珍しいものでは昨年7月、富士山麓の青木ヶ原樹海で、体長40センチのリクガメが拾われた。落とし主が現れず、ペットショップに引き渡されたという。
一方、拾得物が落とし主の手元に戻った返還率は、現金が66・3%(約7437万円)、物品は50・0%(4万7243点)だった。駅構内のトイレで現金200万円が入った手提げカバンが見つかり、持ち主に返されたこともあったという。
落とし主が届け出る遺失届の受理件数は横ばいが続いており、昨年は前年より2・6%少ない1万5162件だった。
県警では、ウェブサイト上で落とし物を検索できるシステムを導入しており、落とした日や場所、落とし物の種類などから詳しく調べることができる。遺失届もオンラインで提出可能だ。
同課の担当者は「拾得物が持ち主に返還される割合は半数以上。落とし物をしてもあきらめず、警察に届け出てほしい」としている。

キャリア官僚の給与、「大企業並み」に引き上げを提言…優秀な人材確保しやすく

人事院の有識者会議「人事行政諮問会議」(座長・森田朗東大名誉教授)は24日、国家公務員の人材確保に向けた最終提言をまとめた。キャリア官僚らの給与を「従業員1000人以上」の大企業並みに引き上げる改善策を盛り込んだ。民間企業に見劣りしない水準とし、優秀な人材を確保しやすくする狙いがある。
人事院は毎年、民間の給与と均衡させる形で国家公務員の給与改定を勧告しており、現状は「50人以上」の企業を比較対象としている。提言では、政策立案などに関わるキャリア官僚らは「業務の困難性や特殊性において、少なくとも1000人以上の企業と比較すべきだ」と明記した。国家公務員全体も「100人以上」の企業と比較すべきだとし、いずれも2025年度中の見直しを促した。
人事制度を巡っては、現状の評価制度の効果を検証することや、能力を発揮できなかった場合に元の役職に戻す「条件付き昇任期間」を延長し、抜てき人事を行いやすくする改革を3年以内に実施するよう求めた。短時間勤務の拡大や裁量労働制の導入、フルリモート勤務を含めたテレワーク促進などの勤務環境改善も3年以内に進めるべきだと指摘した。
諮問会議は23年、若者の国家公務員離れを受けて27年ぶりに設置された。