「自ら主体的に犯行に及んでいて悪質」14億円超をだまし取った“地面師”事件 指示役の男に懲役10年の判決

いわゆる「地面師」グループが不動産会社の男性らから14億円あまりをだまし取ったとされる事件で、大阪地裁は指示役の男に懲役10年の判決を言い渡しました。
福田裕被告(53)は実行役の男らともに不動産会社の代表になりすまし、大阪・ミナミにあるビル3棟と土地を売却するとウソをつき、別の不動産会社から、あわせて14億円あまりをだまし取った罪に問われていました。
福田被告は起訴内容を認める一方、検察は「設定を立案するなど主導的な役割を果たしていた」などとして懲役12年を求刑していました。
25日の判決で、大阪地裁は「計画的で手の込んだ手口で、グループ内の上位の人物に金が流れていたとはいえ、自ら主体的に犯行に及んでいて悪質だ」などとして、懲役10年を言い渡しました。

地震関連死、60歳以上98% 能登、インフラ途絶で負荷

石川県は25日、2024年元日の能登半島地震で今月4日までに災害関連死と認定された同県分の449人の年代や死因を公表した。約98%が60歳以上だった。電気・水道の途絶や社会福祉施設の被災などが死亡につながったという。地震から3カ月がたった24年4月からの9カ月間に死亡した人は計35.6%に上り、一定期間がたった後もリスクが高いことが判明した。
県のデータを基に金沢大が分析した。死因は「心血管疾患」が136人(30.3%)で最も多かった。2番目は「呼吸器疾患」の126人(28.1%)。449人中、少なくとも430人に既往歴があった。
認定理由では「地震のショックや、余震への恐怖による肉体的・精神的負担」(88.0%)が最多。「電気、水道の途絶」(51.9%)、「社会福祉施設の介護機能の低下」(46.5%)が続いた。1人に複数の原因があるケースが多い。
年代別では80代が180人と最多で、90代の169人が2番目に多かった。死亡した時期は24年の1月と2~3月、4~12月の3期間がいずれも3割を超えた。

首相、年明け解散は見送りの公算 通常国会、1月23日召集

高市早苗首相が年明け早期の衆院解散・総選挙を見送る公算が大きくなった。政府は25日、来年の通常国会を1月23日召集とする方針を自民党幹部に伝達した。首相は25日の政府与党政策懇談会で2026年度当初予算案と関連法案の「速やかな成立を目指す」と強調した。早期解散すれば、成立した25年度補正予算に続き切れ目なく強い経済を実現するための予算の成立が4月以降にずれ込まざるを得ない。自民幹部は「解散は早くても予算成立後が選択肢の一つになる」と語った。
自民内では内閣支持率が高い水準を維持しており、来年1月の早い時期に通常国会を召集して解散に打って出るのではないかとの見方もくすぶっていた。
首相は政府与党政策懇談会で、26日に閣議決定する一般会計の歳出(支出)総額122兆3千億円程度の26年度予算案に関し「財政規律にも配慮し、強い経済と財政の持続可能性を両立する予算案だ」と指摘。「重要な政策について予算を増額している」とも語った。
通常国会の会期は150日間で、延長がなければ6月21日までとなる。

三重・伊賀市長「撤回求める」 県の外国人職員採用取りやめ検討に

三重県職員採用の国籍要件復活の検討に対し、伊賀市の稲森稔尚市長は25日、「撤回を強く求める」とするコメントを出した。県の動きを「長年にわたり官民一体となって積み上げてきた『多文化共生の地域づくり』の歩みを覆すもの」「行政による差別的なレッテル貼り」と批判し、「社会に新たな分断と不信感をもたらす」と指摘。その上で「多様性を地域社会の活力に変えようとする時代の要請をも放棄するもの」とした。
市は2026年4月採用に向けた試験で、若干名の事務職を採用する「多文化共生推進枠」を新たに設け、日本国籍でなく永住者または特別永住者の在留資格がある18歳以上~40歳未満の人を募集した。市によると、14人が応募し12人が1次試験を受験。11月の最終3次試験を終え2人が合格している。【大西康裕】

維新・藤田共同代表 次期衆院選での自民との選挙区調整「不可能に近い」

日本維新の会の藤田共同代表は、次の衆議院選挙での自民党との選挙区調整などについて「不可能に近い」との認識を示しました。
日本維新の会 藤田文武共同代表 「今のところ(自民党と)上手く選挙区を調整したり連携するっていうのはほとんど難しいだろう。不可能に近いんじゃないか」
藤田氏はきのう都内で行われた講演で、次の衆院選での自民党との選挙協力について「すでに多くの選挙区で候補者が重複している」などと指摘し、「選挙区調整をすることは不可能に近い」との認識を示しました。
その上で「いまは連立合意文書に盛り込まれた政策の実現に邁進したい」と強調しました。
一方、自民党の鈴木幹事長は、きのうの会見で衆議院の解散・総選挙の時期について「選挙よりも政策を前に進めることが先で、選挙はいまいまの話ではない」との見通しを示しました。
また、維新との選挙区調整についても「具体的な調整は行っていない」と明かしています。

【瞬間】会計ごまかし肉盗む 窃盗相次ぎ無人販売所閉店に 1.5万円相当手に取り600円払う 札幌

カバンいっぱいに商品を詰める人物。
慣れた手つきで冷凍庫から次々といれていきます。
12月22日、無人販売所に設置された防犯カメラが窃盗の瞬間をとらえました。
(向山記者)「犯行に及んだ人物は1万5000円相当の肉をかばんにいれ、600円だけ会計して立ち去りました」
窃盗の被害にあったのは、札幌市中央区の肉の無人販売所です。
在庫の数と支払われた金額が合わず、不審に思ったオーナーが防犯カメラを確認し、被害に気が付きました。
(オーナー)「まず怒り。無人店舗にして人件費を削減することで安く提供していたのに」
この人物は12月2日午前1時半ごろにも店を訪れ、1万5000円相当の冷凍の肉をカバンにいれて、600円だけ払い店を立ち去りました。
わずか3分の犯行です。
店は相次ぐ窃盗をうけ、22日に閉店しました。
(オーナー)「これ以上万引きを防止するには何百万もかけて新しいシステムを入れないといけないが、原材料も上がっているので回収することは不可能だと思って、このまま閉めて終わらせた方がいいなと」
店は被害届を提出し、警察は窃盗事件として捜査しています。

名古屋中心部の地下を通る…リニア中央新幹線のトンネル掘削工事 2026年1月中旬から本格的にスタートへ

JR東海は名古屋市中心部を通るリニア中央新幹線のトンネル掘削工事について、2026年1月中旬から本格的に始めると明らかにしました。 名古屋駅の手前から春日井市までおよそ7.6キロの名城工区では、地下水への影響などの調査が想定以上に時間がかかり、当初予定されていた2026年3月の工事の完了時期が、3年半ほど遅れる見通しとなっています。 JR東海は本格的な工事を始めるためのシールドマシンの準備などが整ったとして、名城工区でのトンネル掘削工事を2026年1月中旬にも始めると明らかにしました。 会社側は既に沿線住民への説明会を終えていて、名古屋市内を唯一通すリニアのトンネル工事が年明けから本格化することとなります。

温暖化進めば台風の雨量3倍に 九州大が試算、間接影響も検証

地球温暖化が進むと、台風によって日本に降る雨量が約3.1倍に増加するというシミュレーション結果を九州大がまとめ、論文が国際学術誌にオンライン掲載された。11月23日付。過去の台風について、台風本体の雨量(コア降水)に加え、従来注目されることが少なかった、台風が間接的に影響した雨量(遠隔降水)も検証。より正確な予測につながったとしている。
2010~19年の7~9月に、北太平洋西部で発生した台風のうち38個をモデルに、地球の平均気温が産業革命以前と比べ約2.5~約3℃上昇したケースを想定した。日本の1日当たりの降水量は22.52ミリから70.04ミリになった。

駅で録音・撮影の危険行為が多発 メロディー中止のJR東が啓発

JR東日本が、駅ホームでの録音や撮影に伴う危険な行為が多発しているとして注意を呼びかけている。長いマイクを使った音声録音や、線路に身を乗り出しての列車撮影などをやめるよう今月から主要駅でポスター掲示を始めたほか、啓発のインターネット動画を作成し1月中旬から公開する予定。
ホームから列車を撮影する際に脚立を使用したり点字ブロック上に止まったりすると、通行の妨げになり、けがをする可能性もある。発車メロディーなどを録音する目的で、柄の長い集音マイクをスピーカーに近づければ、高圧電流が流れる架線に接触して感電する恐れが生じる。
JR東は10月、集音マイクを持ち込む人が相次いで危険だとして東北新幹線の東京、上野、大宮の各駅で流していたアイドルグループ「SixTONES(ストーンズ)」の楽曲による発車メロディーを使用中止した。
同社は「危険行為は他の利用客の迷惑になるだけでなく、列車運行に大きな影響を及ぼす。録音・撮影時には配慮をお願いしたい」としている。

《参政党の急伸は“反エリート・反グローバル”のスローガンか》現役世代の不安を取りこぼす既存政党の問題点とは

2025年参院選は右派ポピュリズム勢力の伸長を印象付けた。
参政党は米トランプ大統領のような「日本人ファースト」を掲げ、一躍14議席を獲得した。しかも自民、立憲がともに支持者の中心が60代以上になるのに対して、参政党の支持層は50代以下にある。
維新やみんなの党と参政党の決定的な違い
2010年代にも現役世代の支持を獲得して、自民、旧民主の間に割って入るような「第三極」はいた。大阪から全国展開を目指した橋下徹が率いた維新、あるいは改革派として注目を集めた「みんなの党」が代表格だろう。決定的な違いは参政党にはマスメディアを賑わすスター、そして看板政策が不在であることだ。
維新にはタレント弁護士、大阪市長、府知事として名を売った橋下徹、みんなの党には大臣経験もある渡辺喜美という大看板がいた。いずれも行政経験を積み重ねており、結成した新党には行政改革が掲げられた。彼らは旧来的な左右のイデオロギーを強調するより、経験による実務的な解決能力をアピールしていた。
参政党は彼らとはまったく違う道のりを歩んでいる。地道にその数を増やしていった党員が活動の軸になっており、代表の神谷宗幣にしても、目立つ経歴は地方議員を経て自民党候補として衆院選に挑んだ(結果は落選)ことくらいだ。参院選直前までテレビ討論会への出演を熱望していたくらい露出は少なく、インターネット上のアピールに限られていた。
肝心なのは参政党の政策が荒唐無稽でしかないことだ。エリートが推し進めたグローバル化によって起きた諸問題へのカウンターとして「日本人ファースト」を叫び、「日本人=普通の人々」のために消費税の段階的廃止、既成政党批判を繰り返した。外国人をターゲットにした主張、歴史認識はいかにも右派的イデオロギーを前面に押し出す。だが、威勢はいいが、大胆すぎる減税と社会保険料の減免をしながら、どうやって子育て世帯に月10万円を給付するのか? 支持者以外も納得するような答えは存在しない。
注目された「日本人ファースト」にしても、参院選後に神谷は「移民上限は人口の10%まで」と発言している(後に5%以下に訂正)。2024年末の在留外国人が約3%であることを鑑みると、まだ受け入れ幅があるということになる。
実務経験も乏しく、政策も具体性がないとなれば政党として伸びる条件を欠いているようにも思える。だが、彼らは第三極としての立ち位置を得た。
グローバリズムを明確な「敵」と設定
それはポピュリズムが説得力を持つ地盤が日本においても整ったことを意味している、というのが彼らを取材してきた私の仮説だ。ポピュリズムとは、単に大衆に心地よい政策を訴える「大衆迎合主義」ではない。オランダの政治学者カス・ミュデの定義を提示しておこう。
《社会が究極的に『汚れなき人民』対『腐敗したエリート』という敵対する二つの同質的な陣営に分かれると考え、政治とは人民の一般意志の表現であるべきだと論じる、中心の薄弱なイデオロギー》(『ポピュリズム デモクラシーの友と敵』白水社、2018年)
ポイントはエリート層が推し進める政策、たとえばグローバリズムを明確な「敵」と設定して、「中心の薄弱」な主張と結びつくところにある。ポピュリズム政党に体系的かつ理論的な主張はない。よく言えば柔軟ではあるが、悪く言えば節操のない主張で体制を揺さぶる。
これは右派だけでなく左派――日本なられいわ新選組――とも結びつく。参政党とれいわには外国人を含む人権問題では大きな差があるが、エリートが重要な地位を占める既成政党や体制への不信を訴えること、大胆な財政出動といった共通点も多くある。反グローバリズムを唱えるポピュリズム政党は右派、左派ともに国境を超えて、むしろグローバルに広がっている。神谷はドイツ最大野党で極右と位置付けられる「ドイツのための選択肢(AfD)」の共同代表と会談し、さらに凶弾に倒れたアメリカの若き保守活動家チャーリー・カークを招いたイベントを開催するなどネットワーク作りにも熱心に取り組む。
体系的な主張は存在しない?
既存政党が既得権を持つエリートと位置付けることができれば、あとはその場でウケる言葉が高い効果を発揮していく。なぜなら、彼らの唱える言葉はあくまで「反エリート」のスローガン以上の意味を持たないからだ。有権者への説明や理詰めの説得などは一切気にせずに「日本人への気持ち」を込めて訴えることだけに集中すればいい。
大手メディアがこぞって参政党は排外主義的だと批判したが、言葉は空を切った。体系の無さや主張の矛盾はポピュリズム政党のダメージにはならないからだ。主張に理詰めで論争を仕掛けても、神谷は「問題提起のつもりだった」とあっさり言えてしまう。政治的な立場が異なる私のインタビューでも好戦的な論破ではなく、意見の違いを素直に認める柔軟さは印象に残った。取材でもよく聞いたのは、支持層の「日本の政治家が日本人を第一に考え、大切にするのは当たり前」といった声だ。それに応えているという姿勢のほうが批判よりもずっと真摯に響いてしまっているのが現実である。
日本に限った話ではないが、最大の課題は既存政党が単なる古いものに成り下がってしまい、議席減少を重ねている点にある。ポピュリズム研究の到達点は、彼らに「正しい解」を示す力はないが、「正しい問い」は発していると認めることだ。解は既存政党が示さなければ、政治システムそのものが揺らぐ。左右のポピュリズムが「普通の人々」を取り込んで台頭した参院選の結果は、現役世代の漠然とした不安に自民党をはじめとする既存政党が答えを出せていないという問題を浮き彫りにした。ポピュリズム政党に支持者を奪われたくなければ、自らが変わり、説得的な解を示すことに尽きる。この波はまだまだ続く。
◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『 文藝春秋オピニオン 2026年の論点100 』に掲載されています。
(石戸 諭/ノンフィクション出版)