2歳娘を虐待 外傷性ショックで死亡させた疑い 26歳夫婦を逮捕 死亡時の体重は標準の半分 和歌山・紀の川市

2歳の娘に暴力を振るったうえ、治療を受けさせずに死亡させたとして、和歌山県紀の川市の夫婦が逮捕されました。
保護責任者遺棄致死の疑いで逮捕された和歌山県紀の川市の平晴流容疑者(たいら・はる 26)と妻の菜々美容疑者(26)の2人は、去年秋ごろから7月上旬にかけて、和歌山市内にあった自宅で長女の流菜ちゃん(るな 当時2歳)に暴力を振るったうえ、医師の治療を受けさせることなどをせず、7月10日に全身打撲による外傷性ショックで死亡させた疑いが持たれています。
2人は警察の調べに対し、「間違いありません」と容疑を認め、顔など全身を殴打したと話しているということです。
また、十分な食事を与えなかったことも認めていて、死亡時の流菜ちゃんの体重は約6.1キロと、2歳児の標準の半分ほどしかありませんでした。

「1台が横転している」乗用車と軽乗用車が衝突 男性2人けが…病院搬送 北海道稚内市

稚内市で2025年9月26日、乗用車と軽乗用車が衝突する事故があり、男性2人がけがをして病院に搬送されました。
稚内市若葉台2丁目で26日午前11時35分ごろ、「車両と車両の交通事故で1台が横転している」と消防に通報がありました。
消防によりますと、乗用車と軽乗用車が衝突し、軽乗用車が横転したということです。
この事故で、軽乗用車に乗っていた50代と60代の男性2人がけがをして病院に搬送されました。
いずれも意識はあり、会話ができる状態だということです。
警察が事故の原因を調べています。

セキュリティー対策弱い「デジタル地域通貨」、1億円分不正取得か…流出クレカ情報を悪用

他人名義のクレジットカード情報などを使って不正に取得した「デジタル地域通貨」でゲーム機などを購入したとして、大阪府警がベトナム国籍の指示役の男(33)ら21人を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益隠匿)などの容疑で逮捕、送検していたことが捜査関係者への取材でわかった。自治体によるデジタル地域通貨の導入が進む中、府警はセキュリティー対策の弱さを狙われた可能性があるとみている。
ベトナム国籍21人を摘発

21人はいずれもベトナム国籍の男女。知人やSNSなどを通じて知り合ったといい、一部は有罪判決が確定している。
捜査関係者によると、指示役の男らは昨年7月、不正に取得した大阪府豊中市のデジタル地域通貨「マチカネポイント」約10万円分を使い、同市内の家電量販店でゲーム機3点を購入するなどした疑い。
指示役の男らはフィッシング詐欺で流出した他人名義のクレジットカード情報などを悪用し、ポイントを不正取得。ゲーム機などを売却し、得た金の一部をベトナムにいる人物に送っていたという。府警はスマートフォンの解析結果などから、送金相手はさらに上位の人物だったとみている。
2023年11月、豊中市から不正利用の相談があり、府警が捜査したところ、23~24年に1億円分のマチカネポイントが不正取得されていたことが判明。21人との関連を調べ、不正に得たポイントでゲーム機など計約350万円分を購入していたことを裏付けた。
マチカネポイントはスマホの専用アプリにクレジットカード情報を入力してポイントを購入すると、5%分が上乗せされる仕組み。1ポイントは1円に相当し、同市内の加盟店でQRコードを読み取って使用する。ポイントの取得は現在、終了している。
同市によると、ポイントを購入する際、カード利用者の本人確認が不十分だったとして、事件後は2段階認証を必須にした。同市は「当時の対策は万全ではなかった。フィッシング詐欺などについての注意喚起もしていく」としている。
自治体の発行、5年で8倍

デジタル地域通貨を導入する自治体は増えている。
専修大の泉留維教授(地域通貨論)によると、デジタル地域通貨は、コロナ禍でキャッシュレス決済の流れが広がり、自治体が相次いで導入。活用している自治体などの数は昨年末時点で少なくとも289に上り、5年前の約8倍となった。
ただ、不正利用も相次いでいる。群馬県警は8月、不正に入手したクレジットカード情報で前橋市のデジタル地域通貨約11万円分を購入したとして、ベトナム人を電子計算機使用詐欺容疑などで逮捕した。埼玉県熊谷市では昨年3月、フィッシング詐欺で流出したとみられるカード情報を悪用してデジタル地域通貨を購入したケースが確認され、一時サービスを停止した。
泉教授は「デジタル地域通貨はポイント還元率の高さで利用拡大を図っていることが多い。そのため、セキュリティー対策の予算が後回しになっているのではないか」と指摘する。
◆デジタル地域通貨=スマホの専用アプリなどを使って決済する地域限定の電子通貨。自治体や商店街、金融機関などが発行し、地域経済やコミュニティーの活性化などを目的に幅広く活用されている。

24年衆院選「1票の格差」は合憲 最大2.06倍 最高裁判決

「1票の格差」が最大2・06倍だった2024年10月の衆院選は投票価値の平等を定めた憲法に反するとして、二つの弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(尾島明裁判長)は26日、「合憲」との判断を示し、弁護士グループ側の上告を棄却した。衆院選小選挙区の合憲判断は17、21年選挙に続いて3回連続。国会の格差是正への取り組みを肯定的に評価した。
1票の格差訴訟は近年、重要な憲法判断として全裁判官15人が参加する大法廷で審理されてきた。今回は、全国16件の高裁・高裁支部判決がすべて合憲としたことなどから、24年ぶりに大法廷に回付せずに合憲の結論を導いた。
最高裁は、最大格差が2倍を超えた09、12、14年選挙について3回連続で「違憲状態」と判断し、国会に是正を求めた。国は16年、人口比を選挙区の定数に反映しやすくする「アダムズ方式」を採用し、5年ごとの国勢調査のたびに格差が2倍未満となるよう選挙区割りを見直す新制度の導入を決めた。
17年選挙(最大格差1・98倍)、21年選挙(2・08倍)はアダムズ方式による議席配分が間に合わなかったものの、最高裁は安定的な格差是正策の導入が示されているとしていずれも合憲とした。
今回の24年選挙は、アダムズ方式が初めて反映され、都市部の選挙区を10増やし、地方を中心に10減らす「10増10減」で実施された。20年の国勢調査に基づいた区割りで当初の最大格差は2倍を僅かに下回る数字だったが、その後の人口移動で2・06倍に拡大した。【三上健太郎】

【速報】「狩猟用ナイフ」で中学生2人殺傷 殺人と殺人未遂の罪で近くに住む男を起訴 2度にわたる計8か月の鑑定留置で刑事責任を問えると判断か 福岡地検小倉支部

去年12月、北九州市で中学生2人が殺傷された事件で、近くに住む44歳の男が26日、起訴されました。男の当時の精神状態を調べる鑑定留置は8か月にも及びました。
殺人と殺人未遂、銃刀法違反の罪で起訴されたのは、北九州市小倉南区の無職、平原政徳被告(44)です。
平原被告は去年12月14日午後8時半ごろ、北九州市小倉南区のファストフード店で、レジに並んでいた当時、中学3年生だった中島咲彩さんの腹を、刃渡り11.4センチの狩猟用ナイフで刺して殺害した罪に問われています。
また、一緒にいた中学3年生の男子生徒の腰を殺意を持って同じナイフで刺し、全治1か月の大ケガをさせた罪にも問われています。
重傷を負った男子生徒は「知らない人に刺された」と話し、“通り魔”による犯行も視野に捜査が進められていました。事件から5日後、現場からおよそ1キロの場所に住む平原被告が、男子生徒に対する殺人未遂の疑いで逮捕されました。
捜査関係者によりますと、逃走に使われたとみられる平原被告の車の中からは血がついたナイフが見つかり、刺された2人のDNAが検出されたということです。
平原被告は逮捕当時、警察の取り調べに対し「事件前、被害者2人と目が合った」「女の子が襲いかかってきたので仕方なく反撃した」と話し、殺意を否定していたことが捜査関係者への取材で分かっています。事件直前に別の場所で2人とすれ違ったとみられ、警察は、目が合ったと感じたことをきっかけに、一方的に2人に狙いをつけ、店に先回りして待ち伏せした可能性もあるとみています。
検察は、刑事責任能力=事件の責任を問えるか判断するため、ことし1月から3か月間、事件当時の精神状態を調べる鑑定留置を行いました。
その後、別の専門家による2度目の鑑定留置が行われ、さらに延長が繰り返された結果、平原容疑者の鑑定留置期間は16日まで、8か月にも及びました。
その結果、刑事責任を問えると判断したものとみられます。

小泉進次郎氏、「称賛投稿の要請」SNSでは言及せず…動画を投稿 「説明がないのはおかしい」「信頼出来ない」

自民党総裁選に立候補した小泉進次郎農相が2025年9月26日(25日深夜)、候補者5人による公開討論会の様子などをXで紹介した。自身の陣営が小泉氏を称賛するコメントを動画配信サイトに書き込むよう依頼していた件には言及しなかった。SNS上では、「世論誘導してた時点で信頼出来ない」などと批判する声が相次いでいる。
小泉氏は記者会見で「再発防止を徹底」とコメント
9月24日付の週刊文春電子版によれば、小泉氏を支援する牧島かれん衆院議員の事務所が他の支援者に対し、「ニコニコ動画」で好意的なコメントを書くよう要請するメールを送った。コメントの例として、「総裁まちがいなし」「あの石破さんを説得できたのスゴい」などを示す一方、「ビジネスエセ保守に負けるな」という例文もあったという。
この報道後、小泉氏陣営の小林史明衆院議員が事実関係をおおむね認めたと、25日夜に複数メディアが報じた。こうしたなか、小泉氏が26日(25日深夜)、日本記者クラブが主催する公開討論会の動画などをXに投稿したが、文春の報道の件への言及はなかった。インスタグラムでも同様の投稿をしている。
この投稿に対し、SNS上では批判の声が相次いだ。「総裁選辞退してください」「世論誘導してた時点で信頼出来ない」「何も説明がないのはおかしいですよ」「ステマ、自演、やらせは偽情報にあたらないのでしょうか」などの声が寄せられている。
小泉氏は26日の記者会見で、今回の件について「私を支援してくれている議員の事務所において、他の支援議員からの問い合わせもあって、当該事務所の独自の判断として、コメントの参考例を示したメールを送付したものだと報告を受けています」と説明。
その後、小泉氏は「参考例の中に一部行き過ぎた表現があったことは適当ではなく、二度とこういうことがないように話をさせていただきました。再発防止を徹底して、引き続き緊張感を持って総裁選に臨みたいと思います」と語っている。

南海トラフ地震、30年以内の確率「60~90%以上」に改訂…別途算出の「20~50%」も併記

政府の地震調査委員会は26日、南海トラフを震源とするマグニチュード(M)8~9級の巨大地震について、発生確率の算出法を見直し、「80%程度」としていた今後30年以内の発生確率(1月1日現在)を「60~90%程度以上」に改訂した。算出に用いてきた過去の巨大地震に関する古文書の記録に誤差があることを踏まえた見直しという。
南海トラフ地震のような海溝型地震は、ひずみが蓄積したプレートが跳ね上がって起きる。南海トラフ地震は、約100~150年間隔で繰り返し発生。次の地震までの間隔は大きな地震が起きた後ほど長く、小さな地震の後は短くなると考えられている。
調査委は、唯一現存する高知県・室津港に関する江戸時代の古文書の記録を踏まえ、過去の地震発生時に海底が持ち上げられた高さ(隆起量)で地震規模を推定し、確率を算出してきた。
しかし、最新の研究で、同港は定期的に掘削工事を行っていた可能性があるなど記録に疑義があることが判明した。さらにプレートのひずみは一定の間隔で蓄積せず、ばらつきがあるため、数値に幅を持たせる形で確率を改訂した。
一方、調査委は今回、地震の発生間隔の予測に隆起量を用いない確率も別途算出し、「20~50%」になったと発表した。この算出法は、南海トラフ地震以外の海溝型地震に使ってきた。一つの地震に二つの確率を示すのは異例だが、調査委は「科学的に優劣がつけがたい」として併記した。
ただ、調査委は、防災対策を進める観点から「より高い『60~90%程度以上』を強調することが望ましい」としている。平田直(なおし)委員長(東京大名誉教授)は「確率は年々上昇し、いつ発生しても不思議ではない状態に変わりはない」と話す。
南海トラフ地震を巡っては、政府の中央防災会議が7月、最新の被害想定に基づく「防災対策推進基本計画」を改めたが、今回の確率見直しによって変更する予定はないという。
◆南海トラフ=海側のフィリピン海プレートが陸側のユーラシアプレートの下に沈み込む境界にある溝。静岡県の駿河湾から宮崎県沖の日向灘まで約700キロ・メートルにわたって延びている。

“部下の既婚男性とラブホテル面会”群馬県の前橋市長が市議会に非公開で説明 報道陣に「今後のことも考えていきたい」

部下の既婚男性と複数回ラブホテルで面会していた群馬県の前橋市長がきょう、市議会に対し説明を行いました。そして先ほど報道陣を前に、「今後のことも考えていきたい」と話し、足早にその場を後にしました。
前橋市 小川晶市長 「一昨日、記者会見でお話をした内容と同じ内容になりますけれど、議会の皆さんにもいろいろとご意見をいただき、今後のことについても考えていきたいと思っている。(Q.自身の問題で市政が停滞していることは?)・・・・・・」
おとといの臨時会見で、部下の既婚男性と複数回ラブホテルで面会していたことを明らかにしていた小川市長。きょう午後3時すぎ、市議会に対し、非公開で説明を行いました。
これに先立ち開かれた本会議では、市議から市長の説明責任について発言があり、その後、小川市長は騒動について謝罪しました。
共産党 小林久子市議 「社会的道義的にも、市民や市職員関係者の方々の信頼を大きく裏切るもの。しっかりと説明責任を果たすとともに、市行政のトップとしての自らの出処進退を早急に明らかにすることを求める」
前橋市 小川晶市長 「私に関する一連の報道によりまして、市民の皆様に多大なるご迷惑をおかけしておりますこと深くお詫びを申し上げます」
今回の騒動を受け、市役所にはこれまで1400件を超える苦情などが寄せられていて、職員が夜遅くまで対応に追われているということです。

230人を書類送検=パチンコ運営会社の公選法違反事件―警視庁

7月の参院選で、特定候補に投票する見返りに報酬を約束したとして、パチンコ店運営会社「デルパラ」(東京都港区)社長ら幹部が逮捕された事件で、警視庁など1都7県警の合同捜査本部は26日までに、グループ会社を含めた各店舗の店長や店員ら計230人を公選法違反容疑で書類送検した。認否は明らかにしていない。
同庁によると、一連の事件の摘発人数は計236人に上り、平成以降の国政選挙では過去最大規模とみられる。
店長ら27人の送検容疑は7月上旬~中旬、デルパラの社長で韓国籍の李昌範容疑者(50)らと共謀し、それぞれの店舗の店員らに対し、業界団体「全日本遊技事業協同組合連合会」理事長で、比例区の自民党公認候補だった阿部恭久氏(66)への投票の見返りに、現金3000円または4000円の支払いを約束した疑い。店員ら203人は約束に応じた疑い。
実際には報酬は支払われなかったとみられる。 [時事通信社]

なぜ「前橋ラブホ市長」は不倫を認めないのか…ピカピカの経歴に社会学者が見た「謝ったら死ぬ病」の一端

前橋市の小川晶市長が、大炎上している。発端は、同市職員の既婚男性と2人で、何度もラブホテルを訪れていたとの、ウェブニュースサイト「NEWSポストセブン」の報道だった。
小川市長は、24日に記者会見を開き「誤解を招く軽率な行動で、深く反省している」と謝罪したものの、「男女の関係はありません」とも述べ、進退については「第三者と相談して考える」と今後に含みをもたせた。
報道内容そのものもさることながら、この小川市長の対応が、火に油を注いでいる。
会見は、次のように始まった。
まず「ネット記事」という言い方に引っかからないだろうか。ただの「記事」ではない。「ネット」をつけるだけで、いかにも、うさんくさく眉唾もの、とのイメージが出ないだろうか。
小川市長が、どこまで狙っていたかは定かではない。それよりも、「記事」と言うのではなく、「NEWSポストセブン」と媒体名をつけておきながら、さらに「ネット記事」と強調したかのように見える。ここに、彼女の今回の「謝罪」への態度が象徴されている。
新聞やテレビなどの「オールドメディア」が、きちんとした取材に基づいて、裏打ちをとり、責任を持って報道した「記事」ではなく、単なる「ネット記事」に過ぎない。そんな見下した姿勢が、意図の有無はどうあれ、ここに見えるのではないか。
肝心の「謝罪」は、さらにお粗末にならざるを得ない。「ご迷惑をおかけいたしましたこと」についてであって、たとえば、「NEWSポストセブン」が指摘した点については謝っていない。心理学者の榎本博明氏のことばを借りれば「謝らない謝罪」にほかならない(※)。
参考文献
※:榎本博明『絶対「謝らない人」』(詩想社新書)
「NEWSポストセブンは、小川市長と男性職員がラブホテルで密会していた9月10日は、「群馬県に猛烈な大雨が降り注ぎ、気象庁が『記録的短時間大雨情報』を発表した」日だったところを問題視している(「《前橋・42際女性市長が“連日ラブホ”》昼も夜も土曜日もお盆も…お気に入りは“ロードサイドラブホ” お相手は部下の既婚・市幹部 公用車を使って合流、男性の車に乗り換えて…」NEWSポストセブン、2024年9月24日16時58分配信)。
この点について小川氏は、「NEWSポストセブン」に対して、「常に連絡を取れる体制をとっていました」と答えており、会見でも「ホテルの中でも打ち合わせというか、いつでも何かあれば駆けつけられるような状況でありましたので、問題はないというふうに考えてしまいました」との釈明にとどめ、「謝罪」はしていない。
既婚男性とラブホテルに入ったにもかかわらず、会見では、「仕事の相談」をしていたと説明し、「通常であれば誤解をされてしまうような場所であったというのは、今は本当に申し訳なく思っております」との主張を崩さなかった。
ラブホテルに男女が入る。どこにどうやって「誤解」する余地があるのか、私には、まったくわからない。少なくとも小川市長(だけ)は、「誤解をされてしまう」と考えている。しかも、「されてしまう」との受け身であり、あたかも、誤解するほうが悪いというか、下衆の勘繰りをしていると言わんばかりではないか。
なぜ、ここまで謝らないのか。そこにこそ、今回の大炎上を解く鍵がある。
ネットスラングに「謝ったら死ぬ病」という揶揄がある。本来なら謝るべきところで、非を認めずに強弁する態度を示しており、ネット上で広く使われてきた。ここでは「ネットスラング」ではなく、小川市長を見習って「ネット記事」と呼ぶべきだろう。新しいことばではあるものの、新聞やテレビには、あまり見られなかったからである。
しかし今年、産経新聞の植木裕香子記者が、「蔓延する『謝ったら死ぬ病』 悪いのは私ではなく上司、SNSで無様な姿みせられない…」(産経新聞、2025年3月11日17時配信)と題して、かなり詳しく報じているから、これも「ネット記事」とはいえ、広く認められる現象と言えよう。
この「ネット記事」では、「自らの優位性や立場を守ろうとする『防衛心』も強い」と「謝ったら死ぬ病」に陥りやすい傾向を分析している。これは、小川市長に当てはまるのだろうか。
性格診断は、本人と話をしていない以上、にわかにはわかるはずがないが、彼女の経歴からは、その「謝ったら死ぬ病」の一端が見えてくるのではないか。
出身は千葉県だが、司法修習が前橋市だったことなどから、2007年の弁護士登録から4年後の2011年、群馬県議会議員選挙に前橋市区から民主党(当時)の公認で出馬し、当選している。その後、県議4期目の途中で辞職し、昨年2月の市長選挙で初当選を果たしている。
保守王国とされる前橋市で、1892年に市制が施行されてから初めての女性市長である。
もちろん、裏金問題をはじめとする自民党=保守勢力への逆風、そして、政党の推薦を受けない「市民党」を掲げたから、といった勝因を挙げられよう。重要なのは、どんな経緯で小川氏が選挙に勝ったにせよ、その経歴の上では、挫折がないように見えるところである。
実際には、小川氏は何かに躓いたり、失敗したりしているのかもしれない。けれども、弁護士登録から県議を経て市長に上り詰める、そのプロセスは、傍目には順風満帆に見える。
その見え方ゆえに、彼女は今回、「謝ったら死ぬ病」から抜け出せないのではないか。ひとたび謝った途端に、蟻の一穴から崩れると思っているかのように、打たれ弱い。この弱さにこそ、炎上の理由があるのではないか。
小川市長が「謝罪」をしない本当の訳がどこにあるのか、私は知らない。他方で、彼女がかたくなに謝ろうとしないのとは対照的に、ここ数年、政治家の不祥事対応は変わってきている。
典型的なのが、国民民主党の玉木雄一郎代表のケースである。昨年の総選挙の直後、玉木氏は、「Smart Flash」で、香川県高松市の観光大使(当時)の女性と不倫をしている疑いあると報じられた(〈【独占スクープ】玉木雄一郎氏「高松観光大使」元グラドルと隠密不倫デート&地元ホテルで逢瀬…取材には「家族との話し合いが終わっていない」〉2024年11月11日6時配信」)。
私は偶然、このニュースが報じられる直前、玉木氏の事務所関係者と接触していた。事案の詳細も対応方針も私には明かされなかったものの、玉木氏本人をはじめ関係者は、「疑い」を認める方向である様子は察せられた。
実際、この「ネット記事」が配信されるや否や、臨時の記者会見で玉木氏は不倫関係を認め、続く、国民民主党の両院議員総会でも「個人的な問題で多くの皆さんにご迷惑をかけた。心からお詫びを申し上げたい。許してもらえないかもしれないが、謝り続けていきたい」と陳謝した(「国民 玉木代表 女性との不倫関係認め陳謝 代表は続投」NHKニュース、2024年11月11日14時16分配信)。
玉木氏については、いまもなお不倫をもとにした批判があるとはいえ、代表の役職停止3カ月を経て復帰し、国民民主党は今年の参議院選挙でも支持を大きく広げた。玉木氏が、有権者から不倫を「許してもらえないかもしれない」かどうか。断言はできない。
けれども、議席数を見る限りでは、玉木氏のとった、すぐに認めて謝る方針が功を奏したと言えるのではないか。
おそらく10年前、いや、5年前であっても、総選挙で議席数を大幅に増やした直後に報じられた男女関係のスキャンダルについて、すぐに認めて謝る政治家は、ほとんどいなかったのではないか。政治家の不祥事対応が、ここ数年、かなり変わってきているあらわれといえるのではないか。
不祥事という点では、自民党のいわゆる「裏金議員」にも当てはまる。昨年の衆議院選挙や、今年の参議院選挙で落選した人も多い一方で、西村康稔氏や世耕弘成氏のように、無所属になりながらも小選挙区で当選を果たす議員もいる。
西村氏や世耕氏が、玉木氏のように認めて謝る方針を、どこまで採用していたのかは、評価がわかれるところだろう。それでも、選挙で勝ち上がる、それも、自民党の組織としての後ろ盾なしに勝ったのだから、有権者からの審判を受けている。彼らの選挙区では、その姿勢が、「謝ったら死ぬ病」でも「謝らない謝罪」でもないと受け止められた証拠ではないか。
最近の政治家による不祥事対応といえば、静岡県伊東市の田久保眞紀市長が真っ先に思い浮かぶ。彼女について私は、「謝らない謝罪」の使い手であり、「不気味で解釈し尽くせない存在」だと述べた(〈なぜ伊東市長の学歴詐称問題は終わらないのか…東洋大関係者が見た「田久保劇場」というドロ沼の正体〉プレジデントオンライン、2025年8月27日7時配信)。
前橋市の小川市長と、伊東市の田久保市長は、発端になった「疑惑」が同じ種類のものではない。だが、謝らない姿勢は共通している。まさにその姿勢こそが、不祥事そのものよりもさらに、社会の怒りに火を灯し、そしてさらに燃え上がらせているのではないか。
彼女たちの姿勢というか執念は、政治家=謝らない・謝ってはいけない、という、古い図式に取りつかれているせいではないか。
玉木氏を見れば明らかなように、いまは、もうそんな時代ではない。何よりもまず謝る。その態度を私たちは求めている。謝れば、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ、のことわざのように、復活する道が開けるに違いない。
それでも彼女たちは、謝らないのだろう。その頑迷さこそ、彼女たちを支えている何かであり、私たちがほとんど理解できない何かだからである。
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(神戸学院大学現代社会学部 准教授 鈴木 洋仁)