東京・赤坂の個室サウナ店「サウナタイガー」で美容室経営、松田政也さん(36)と、妻でネイリストの陽子さん(37)が死亡した火災で、ドアノブが外れたサウナ室には、ドアをこじ開けようとした形跡があったことが26日、捜査関係者への取材で分かった。
警視庁捜査1課は、2人が室内にあったひしゃくの柄を使うなどし、閉じ込められたサウナ室から脱出を試みたとみて、業務上過失致死容疑も視野に詳しい状況を調べている。
捜査関係者によると、同課がサウナ室のドアを調べたところ、ドアと枠の隙間やドアノブが外れた穴に複数の傷を確認。室内には熱せられた石に水を掛けるためのひしゃくが備え付けられていたが、木製の取っ手部分が外された状態で見つかった。金属製の柄の一部を使ってこじ開けようとしたとみられる。
松田さんの手にはドアのガラスをたたいたとみられる皮下出血が確認されており、室内の非常ボタンや通気口も破損していた。同課は2人がさまざまな方法で脱出を試みたとみている。 [時事通信社]
銀行ATMを引きずり出したショベルカー、盗品だった…ATM内の現金は無事
栃木県大田原市で21日未明、栃木銀行大田原支店石上出張所の現金自動預け払い機(ATM)が壊されているのが見つかった事件で、使用された小型ショベルカーが盗品だったことが捜査関係者への取材でわかった。現場から逃走したものと類似する盗品のトラックが市内の公園で乗り捨てられていたことも判明。県警は逃げた人物の行方を追っている。
発表によると、21日午前2時25分頃、大田原市下石上の栃木銀行大田原支店石上出張所で、入り口のシャッターが壊され、ATMが引きずり出されているのを駆けつけた警備員が発見した。現場にはショベルカーが残されており、警備員は到着時、近くに止まっていたトラックの助手席に不審な人物が乗り込み、現場から走り去るのを目撃した。
捜査関係者によると、ショベルカーとトラックはいずれも県内企業の事務所から盗まれたものだった。県警はトラックでショベルカーを運搬したものとみて調べている。
大田原署は25日、この事件でATMに入っていた現金は盗まれていなかったと発表した。同署は窃盗未遂事件として捜査を進めている。
【むかわ町死体遺棄】大上被告 殺人・傷害の容疑では不起訴処分に…検察「証拠関係を踏まえ慎重に判断」
北海道むかわ町で男性の遺体を埋めた罪で公判中の50歳の男について、札幌地検は殺人容疑と傷害容疑に関して不起訴処分としました。
札幌市白石区の会社役員大上文彦被告50歳は、むかわ町の空き地に札幌市豊平区の西村隆行さん55歳の遺体を遺棄した罪で起訴され公判中です。
大上被告は西村さんへの殺人容疑と傷害容疑でも送検されていましたが、札幌地検はきのう25日付けでいずれも不起訴処分としました。
また、死体遺棄や証拠隠滅の疑いで送検されていた男女5人についても不起訴処分としました。
札幌地検は6人の処分理由について「証拠関係を踏まえ慎重に判断した結果」としています。
国民民主党も、公明党も最後は高市首相に味方した…取り残された立憲民主党から漏れる”苦悩の声”
日本社会を支配しているのは、理屈や規則よりもその場の「空気」だと言われる。政治もその例外ではない。
2025年、確かに日本政治の「空気」は大きく変化した。憲政史上初めての女性の首相が誕生したことが最も大きいが、その女性・高市早苗氏の独特の雰囲気が作り出す「場の空気」が、永田町から広がり日本全体を覆ってしまったようだ。
新語・流行語大賞に高市首相の「働いて5連発」が選ばれ、バッグやボールペンなど首相が愛用する物を買って応援したいという「サナ活」という言葉も生まれた。内閣支持率も、70%を超えるような極めて高い水準が続いている。
最近出会った九州地方の自民党の地方議員がこんな風に言っていたのが印象に残った。「総裁選では実は他の人を応援したのだけど、高市さんになって今は良かったと思っています。ちょっと危なっかしいところもあるが、何しろ明るくて行動的。自民党の不振が続いた嫌な雰囲気を変えてくれるように頑張ってほしいと期待しています」
ただ、「高市推し」の空気が広がる一方で、マスコミや野党議員が高市政権を批判すると「早苗の敵は日本の敵」「首相の足を引っ張るのは反日サヨクか中国の回し者」といった罵詈雑言の書き込みがSNSなどネット上にあふれることになる。
高市首相への批判には内容にかかわらず攻撃が殺到する変な空気まで広がっているのは心配だ。世の中が一つの空気に流されるだけだとロクなことが起きないのは歴史が証明済みだ。
政権発足後2カ月の内閣支持率を見ると、朝日新聞の調査では68%(前月比-1ポイント)、産経新聞、75.9%(同+0.7ポイント)、日経新聞、75%(同±0ポイント)、毎日新聞は67%(同+2ポイント)そして読売新聞では73%(+1ポイント)とほぼ横ばいながら、高水準を維持している。
しかも読売新聞によれば、10月(発足直後)71%→11月72%→12月73%と3回連続で70%を超える水準で推移している。発足後2カ月、70%以上の水準を維持したのは、小泉純一郎内閣(87%→85%)と細川護熙内閣(72%→74%)の例があるだけだ。小泉内閣も細川内閣もその後数カ月は高支持率を維持していた。
女性初の首相というインパクトに高市首相の明るく積極的な姿勢、そして何より、積極的な経済政策を実現してくれるのではないか、という期待感が大きい。自らの国会答弁で中国との関係が険しくなっているが、それでも世論調査では「高市首相の姿勢を評価する」「答弁を撤回する必要はない」という声が多い。
発端は高市首相の不用意な答弁だったが、それに怒った中国側の威圧的な態度への反感が広がり、むしろ高市首相の追い風にもなっている。
だが何と言っても支持率を押し上げているのは、経済対策への期待の大きさだ。
21兆円を超える大型の経済対策を打ち出し、18.3兆円の補正予算を成立させた。8.9兆円の物価高対策が盛り込まれ、お米券の配布など評判の悪い施策も混じっているものの、電気ガス代の補助や子ども一人当たり2万円の給付金などは評価が高い。財務省の抵抗を押し切って11兆円もの国債を発行してでも、政策を実現するのだという、その高市首相らしい強気の姿勢に期待感が集まっている。それが支持率を押し上げている。
しかし、マスコミのインタビューに高市首相自身が語っているように、こうした対策を実行することで国民に効果を実感してもらえるかどうかが、最初の高いハードルだ。国会では依然として参議院では少数のままだ。日本維新の会との連立も、議員定数の削減問題をめぐって両党の温度差が表面化し、ギクシャクし始めた。
補正予算への賛成を取りつけ、あと一歩のところまでこぎつけたと期待する国民民主党との連立も、近づいたかと思うとまた遠ざかる「逃げ水」のようなものだ。玉木雄一郎代表は前のめりだが、実は応援団の連合が慎重姿勢のために国民内部には自民との連立には否定的な議員も少なくない。
衆院では何とか過半数を獲得したが、参院はまだ過半数割れのままだ。政策実行には、国民も含めた安定的な多数が必要になる。それまでは、とても楽観できる状態ではない。つまり、高市政権は「まだ何もできていない」状態なのである。
期待値が高い分、着実に政策を実行していかないとたちまち期待は失望に代わり、いまは好意的な世間の空気も一変してしまう心配がある。誰よりも首相自身がそう感じているはずだ。
いまのところ、高市ブームのこの空気に、野党の政治家も飲み込まれている。
首班指名の前には野党統一の首相候補に国民の玉木代表を担ごうという動きがあった。立憲民主党の安住淳幹事長が仕掛けたものだ。玉木氏を首班候補に立憲、維新、国民の3党がまとまれば公明党が連立離脱した後の自民党の議席数を上回る。
実は、維新には自民党サイドから小泉進次郎氏が自民党総裁になった場合の連立相手として声がかかっていたのだが、「玉木か高市か」となった途端、維新は高市自民党にさっと乗った。世の中の空気は高市氏だといち早く読んだのだ。
まるで見事なアクロバット飛行のような動きに最も度肝をぬかれたのは、玉木氏だったようだ。
「自民とやるなら、最初から言ってよという感じだ」
恨み節というのか、本心なのか、維新と自民の連立合意の直後の玉木氏の感想である。この人は、本当に正直な少年のような感性を持っているのかもしれない。
梯子を外された格好の玉木氏だったが、今度は自民と協議を続けてきた年収の壁の178万円への引き上げでは、自民党が出してきた「年収665万円以下」という所得制限をあっさり受け入れ、手を打った。来年度予算とセットの税制改正に賛成したのだから、来年度の本予算にも賛成するのが自然だ。予算に賛成すれば部分連合が成立する。いよいよ連立まであと一歩である。
連立離脱したばかりの公明党も、子供への2万円の給付など公明党の要求が通ったことを理由に賛成に回った。
それぞれ政策の実現という大義名分はあるが、本音を言えば、これだけ支持率が高い高市内閣と対立してもプラスはない。そんな空気が各党に広がったのも事実だ。
公明の連立離脱→維新の連立入り→国民の部分連合。
まるで目まぐるしく入れ替わる回り舞台のうえで主演女優の高市首相だけが、軽やかに踊り続けているような政権の姿である。
野党を貫く立憲も何やらおかしな空気に揺れているようだ。
松下政経塾の同窓ということもあってか野田佳彦代表の高市首相への向き合い方が煮え切らない。内閣不信任案を出さないと早々と宣言したが、高市政権の評価が定まらないのがその理由だというのだ。党内には、そもそも戦う姿勢がないと突き放した声もある。
だがそれだけが理由ではないと中堅議員は明かした。
「高市首相をちょっと批判しただけで凄まじい抗議のメールが押し寄せてくる。どれも同じ内容、文面だから、組織的にやっているのだ。法的対抗手段も準備しているが、ネット上で誹謗中傷を拡散されると手の打ちようがない。しかもそれが大手メディアに取り上げられて、それに影響された人が、さらに激しい非難をしてくる。誹謗中傷、偽情報の嵐に巻き込まれ、すっかり委縮した若手議員もいる。この悪い空気の中では対決姿勢も出しにくいよね。しばらくは我慢するしかない」
高市政権をとりまく不穏な空気は、マスコミだけでなく、国会議員や官僚にもプレッシャーとなり、次第に物が言いにくい雰囲気になりつつある。
「高市だけが期待されていると勘違いしない方がいい。中国問題も敵失で追い風になっているだけだ。国内を見ると、いま高市を支えているのは自民党以外の政党ばかりじゃないか。野党が順番に助け船を出してくれているから、多少の失敗も致命傷になっていないだけだ。与党の維新の会もこの先当てにはできないし、やはり国民に連立に入ってもらわないと政権は安定しない」
ある自民党のベテラン議員は、そう指摘した。そして、相変わらず高市首相を支える体制ができていないと不満を漏らした。
「日中関係は膠着状態だが、4月には米トランプ大統領が訪中して習近平国家主席と会談する。それまでに日中関係を少しでも改善させておかないと、トランプのことだから何を言い出すか分からない。それなのに、首相官邸の高官が『核保有論』を言ったり、萩生田光一幹事長代行が台湾に行ったりして、わざわざ中国を刺激している。安全保障の問題は一つ間違えると政権の命取りになるのだが、その意識が欠落しているのではないか。ネットばかり気にして支持率が高いと思って甘く見ていると、足元をすくわれるぞ」
参院選の大敗後、「石破辞めるな」という野党からの声援を受けながらも、退陣に追い込まれた石破茂前首相だが、このところ意気軒昂にモノを言っている。
高市政権がコメの増産方針を転換したことについて「不愉快な話」だと不満を表明したり、中国との関係悪化も「日本の利益にはならない」と暗に高市答弁を批判したりしている。右派系の論客やSNS上では、「早くも後ろから鉄砲を撃った」「やっぱり空気が読めない党内野党」等々、石破叩きが盛り上がっている。
退陣前の世論調査では、退陣の必要なしという声が多かったのだが、辞めてしまうとこんなにも空気が変わるものなのか。石破氏もそう思っているに違いない。
しかし維新や国民との協力の下地を作ったのは、その石破氏だった。少数与党という厳しい状況のなでにかで年収の壁をめぐって国民との協議を重ね、維新に対しては、高校授業料無償化をテコに補正予算への賛成も取り付けている。
立憲民主との協議も進めて、今年度予算の年度内成立も実現した。野党側との熟議を通じて、政権を維持してきたのも石破前首相の手腕が大きい。ここで失敗していれば、おそらく参院選の結果も、その後の自民党総裁選もどんな展開になっていたか分からない。そうなれば高市首相の存在もなかったかもしれないのだ。
「高市カラーといっても、重要な来年度予算案の大枠は、石破内閣時代の夏の概算要求で、すでに122兆円超の過去最大の枠組みができていました。外国人規制や維新が求める議員定数の削減などは予算成立後になるから、来年の夏まで解散なんかできない。むしろ、腰を落ち着けて高市カラーの政策を実行していくことが重要だと思います」
予算編成に関わった政府関係者はそんな風に現状を解説してくれた。
実際、高市首相の周辺では、一時あった「支持率が高いうちの早期解散論」が鳴りを潜め、早くとも来年春、予算が成立した後に解散時期を探るべきだという声が強まっている。高市首相自身も周囲に「まだ実績が示せていない。経済対策の効果を実感してもらうまでは解散しない」と話しているという。
外にあっては扱いにくい中国との関係修復や気まぐれな米トランプ大統領との関係強化、国内では、物価高と人手不足で国民生活への影響が増す中での経済対策と、難題が山積している。若い世代の厚い人気に支えられた高支持率があると言っても、足元には空気だけでは超えられないような不安材料がいくつも横たわっている。
令和8年午(うま)の歳に、なお馬車馬のように働き続けることができるのか。高市首相にとってはこれからが本当の正念場になることだけは間違いない。
———-
———-
(ジャーナリスト、元NHK解説委員 城本 勝)
NTTビルの鉄塔に倒壊の恐れなし、周辺35世帯の避難指示解除…地震後2週間のホテル暮らしから安堵の帰宅
青森県東方沖を震源とする8日の地震で損傷した、「NTT青森八戸ビル」(八戸市)の鉄塔に倒壊の恐れがないと確認された。近くの35世帯に出されていた避難指示も解除され、住民らは24日、ホッとした表情を見せた。市中心部の渋滞につながっていた国道45号などの通行止めも解除され、熊谷雄一市長は「市民にとって日常が戻り、喜ばしい」との談話を出した。
避難指示の解除を受け、鉄塔のそばに住む公務員の男性(52)は24日午前、避難先のホテルで使っていた荷物の一部を、車で自宅に運び入れた。妻と長女、長男と4人で11日夜から約2週間、ホテル暮らしを強いられていた。
ホテルでは自炊できず、食事は購入した弁当などになり、不便だったという。ホテルに持ち込んだ衣服や日用品を整理する必要があり、帰宅は25日になる予定だ。「自宅の方が気楽だし、安心できる。徐々に普段の生活に戻れたら」と喜んだが、「これで終わりではない。鉄塔の補強はきちんと進めてほしい」と注文をつけた。
飼っている犬はペットホテルに避難したため、小学5年の長男(11)は「会えなくて寂しかったが、また一緒に過ごせる」とうれしそうだった。
ポルシェは「スピード感ない車」で危険性認識せず?…200キロ超で走行して夫婦死亡させた男「コロナ禍で道路がすいていた」
川崎市川崎区扇島の首都高湾岸線で2020年8月、時速200キロ超で走行して車に追突し、夫婦2人を死亡させたとして自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死など)に問われた東京都江戸川区、会社役員彦田嘉之被告(56)の裁判員裁判の第6回公判が25日、横浜地裁(足立勉裁判長)であった。
彦田被告は被告人質問で、高速度で運転した理由について「コロナ禍で道路がすいていた」と述べ、事故以前にも、公道を200キロを超えるほどの速度で5~6回運転したと説明した。足立裁判長から「どのくらい危険と考えていたのか」と問われると、「スピード感のない車なので、それほど強く危険性を認識していなかった」などと述べた。
検察側は冒頭陳述で、彦田被告がポルシェの性能を助手席の長男に見せて驚かせようと考え、速度を上げたと主張した。
放置自転車を不正に撤去、部下にも指示 大阪市職員に停職1年
大阪市は25日、規則で定めた期間(7日間)がきていない放置自転車2000台超を不正に撤去したなどとして、建設局の男性職員(59)を停職1年の懲戒処分にしたと発表した。職員の上司や、職員から指示を受けて同様の行為をした部下計20人も文書訓告や口頭注意とした。
市によると、駅周辺の自転車放置禁止区域外では、撤去の対象となる放置期間を7日と定めている。しかし、男性職員は2019年4月~23年3月、自転車計2373台を即時に撤去し、業務報告書に7日以上の放置を確認して撤去したと虚偽記載した。また、部下に同様の対応を指示した上、盗難自転車かどうかを警察に照会する際に必要な防犯登録シールを剥がし、所有者への返還を妨げたとしている。
職員は市の聞き取りに「(早く撤去してほしいという)市民からの要望があった。あるまじき行為で申し訳なく思っている」と話したという。
市は24年5月に事案を公表。10年4月~24年2月に撤去した自転車を調査した結果、約4万台が不正に撤去されたことが判明した。該当する自転車の所有者と確認されれば、1台当たり2000円の賠償金を支払う方針。市は「市民の財産への侵害であるとともに市政への信頼を揺るがす事態だと重く受け止める」などとしている。【鈴木拓也】
「アルコールのにおいがする」小学校の校長が校長室で“飲酒” 市教委が計9回指導・福島
福島市の小学校の校長が校長室で飲酒し停職処分となった問題で、市の教育委員会が再三にわたり指導していたと明らかにしました。
この問題は、福島市立平田小学校の校長が校長室で飲酒をするなどして、県教育委員会が停職12か月の懲戒処分としたものです。
この問題で市の教育委員会は2024年から、学校に出向き8回、また教育委員会に呼び出し1回、校長に指導していたと明らかにしました。
校長については「アルコールのにおいがする」という情報も複数寄せられ、飲酒の自粛を求める指導もあったということです。
マイナンバー促進、さらに3億円 省庁システム整備に4990億円
政府は26日、2026年度当初予算案を閣議決定した。デジタル関連は25年度当初比446億円増の5198億円。うち4990億円は、各省庁の情報システム整備・運用経費を一括で計上した。デジタル庁が実施する事業では、政府内の生成AI活用に向けた環境構築へ8千万円、マイナンバーの利活用促進に3億円を充てる。
体制強化に向け、人件費は26億円増の157億円を計上。常勤職員の定員を39人増やす。
同庁が整備、運用するシステムのサイバーセキュリティー対策にかかる経費として、1億3千万円を計上した。
マイナンバーを巡っては、カード取得者向けサイトの改善や、カード機能のスマートフォン搭載の普及拡大を図る。
過去最大122兆円、予算案決定=高市政権初、「積極財政」反映―社保・国債費が膨張・26年度
政府は26日の閣議で2026年度予算案を決定した。一般会計総額は122兆3092億円と、2年連続で過去最大を更新した。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の下、インフレ型経済に本格的に対応。社会保障費はこれまで最大だった前年度当初を上回った。「金利のある世界」の到来で国債費の増加も加速。初めて30兆円を超え、歳出全体を押し上げた。
高市政権による当初予算の編成は初めて。政府は予算案を年明けの通常国会に提出し、年度内の成立を目指す。参院では少数与党のため、所得税の課税最低ライン「年収の壁」の大幅引き上げで合意した国民民主党の賛成を得たい考えだ。
高市早苗首相は26日、記者団に対し「財政規律にも配慮し、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる予算案ができた」と説明。片山さつき財務相は閣議後記者会見で、インフレによる名目GDP(国内総生産)の拡大を踏まえると「経済規模にふさわしくない過大な数字ということはどこから見ても言えない」と強調した。
予算案は、歳出の3割超を占める社会保障関係費が39兆559億円と、25年度当初比で2.0%増加。物価高・賃上げ対応で、医療従事者の人件費などに充てる診療報酬の「本体」部分を3.09%と前回(0.88%)から大幅に引き上げたことが影響した。
「強い経済」の実現に向けた危機管理・成長投資では、特別会計で人工知能(AI)・半導体の支援に1兆2390億円を計上。26年から始める高校授業料と小学校給食の無償化には約7000億円を充てる。
25年度に国内総生産(GDP)比2%の目標を2年前倒しで達成した防衛関係費は、デジタル庁所管を含まないベースで8兆9843億円、自治体に配る「地方交付税交付金等」は20兆8778億円で、いずれも過去最大となる。
国債の償還や利払いに充てる国債費は31兆2758億円と、6年連続で過去最大を更新。高市政権の財政拡張路線への懸念から長期金利が急上昇しており、利払い費の算出に用いる想定金利は2.0%から3.0%に引き上げた。
歳入面では、物価高や企業業績の好調を背景に税収が過去最高の83兆7350億円を見込む。ただ、歳出の伸びには追い付かず、財源不足を補うための新規国債発行額は29兆5840億円と、25年度当初(28兆6471億円)を上回る。国債依存度は24.2%となり、財源の4分の1を借金で賄う構図が続く。 [時事通信社]