「トケマッチ」元代表、ドバイに出国の3か月前にパスポート発行申請…英会話教室にも入会・海外逃亡を計画か

高級腕時計シェアリングサービス「トケマッチ」を巡る詐欺事件で、警視庁に逮捕された運営会社「ネオリバース」(大阪市)元代表の福原敬済(たかずみ)容疑者(44)が、潜伏していたアラブ首長国連邦(UAE)に出国する約3か月前にパスポートの発行を申請し、英会話を習い始めていたことが捜査関係者への取材でわかった。同庁は、この時期から海外逃亡を計画していたとみている。
福原容疑者と元社員の中山大志容疑者(44)は2023年8~12月、同社ホームページに「腕時計を預託すれば、毎月定額の預託料が得られる」などとうその内容を掲載し、東京都内の30歳代男性から「ロレックス」の腕時計15本(時価計約1800万円相当)をだまし取った疑いで26日に逮捕された。
捜査関係者によると、同社は23年11月、腕時計を査定に出した人にギフト券を贈るキャンペーンを始め、預託者の募集を強化していた。一方、福原容疑者は会社関係者に「12月で事業をやめる」と伝えていたほか、11月上旬にはパスポートの発行を申請し、英会話教室に入会していたという。
同社は翌24年1月、預かった腕時計を集中的に換金し、福原容疑者は同月31日に出国した。同庁は、海外逃亡を見据えて腕時計を集め、処分したとみている。
一方、同社が解散を発表した24年1月時点で5億円以上の赤字を出していたことも判明した。同社は20年7月の設立で、23年8月には預託数が1500本を超えたと公表したが、貸し出しの実績は乏しく、同庁が事業の実態を調べている。
同庁は27日、福原、中山両容疑者を詐欺容疑で東京地検に送検した。

「インド人がうじゃうじゃ」デマや誤情報で“国際スクール”説明会が混乱、なりすましの反対陳情も…専門家「放置された移民政策の疑問に火」外国人との共生どう進める

2025年のキーワードの一つ、「外国人」をめぐる特集です。
北海道内で暮らす外国人は、11月末の時点で7万4000人と過去最多を更新し、介護や製造業などで活躍しています。
一方、参院選では「日本人ファースト」を訴えた参政党への支持が高まったほか、札幌などで「移民政策反対」を主張するデモも行われました。
SNS上では「不法移民だ」といったデマが拡散し、外国人への反発が強まった1年でした。
その背景の1つと考えられているのが「エコーチェンバー」と呼ばれる現象です。
SNS上では「札幌に外国人専用の学校ができる」といったデマや、「移民が流入して治安が悪化する」といった根拠不明の情報が投稿されています。
SNSのシステムでは、似た考えが優先的に表示されるため、箱の中でほかの意見が入りにくい“閉じた空間”で響き合うようになります。
増幅された過激な考え方や誤った情報は札幌での、あるインターナショナルスクールをめぐる議論にも深刻な影響を与えています。
札幌の国際スクール計画、地域では歓迎の声があがっていたはずが…
説明会の参加者(音声データ) 「市民に何かあった時に守ることができない。そんな状態でどうしてインターナショナルスクールをここに建ててもらうのか、その判断がどうしても理解できません」「そうだ!そのとおり」(拍手)」
ことし9月、札幌市南区で開かれたインターナショナルスクール開校に向けた説明会の音声です。HBCが独自に入手しました。
学校法人や札幌市の担当者に対し、激しい口調で計画の撤回を迫る様子が記録されています。
説明会の参加者(音声データ) 「皆さん断固反対してください!」 「反対って言ってるよ!皆さん反対ですよね?俺も!」(拍手) 「こんなもんいらねーんだよ。ここ日本だよ」
一部の反対の声に、住民は困惑を隠せません。
説明会に参加した地域住民 「(反対は)正直迷惑というか。本当便利なバスがいよいよ廃線になる。このまま衰退して過疎地になるよりは(学校計画は)一つの希望星」
インターナショナルスクールが計画されているのは、常盤小学校の跡地です。
児童数の減少に伴い、2021年に閉校。
跡地を有効に活用できないか、市や町内会が話し合いを重ねてきました。
活用計画を公募し、専門家も交えて審査した結果、全国でインターナショナルスクールを運営する「グローバル・インディアン・エデュケーション」社が優先交渉権者に決まりました。
学校の再生に、地域からは歓迎の声が挙がっていました。
荒れる説明会“地域で見ない”参加者が「反対」
地域住民 「活用してグラウンド辺りもきれいになれば見栄えもいい」
ところが…。
髙橋智也 記者 「旧常盤小学校のとなり、こちらの会館で9月に説明会が開かれましたが、思わぬ形で紛糾し、計画は暗礁に乗り上げました」
これは説明会の様子。
聴衆の前で一人の人物が「日本を崩壊させる移民政策、断固反対」と書かれたプラカードを掲げています。
説明会に参加した地域住民 「学校側の人がしゃべり出したら、横で『反対』ってやって、この人誰?みたいな方が後ろでざーっと座っていて、この人が何か言うと、後ろの一団が『そうだそうだ』とか『反対』とか『札幌市逃げるな』とか」
歓迎の声には罵声、説明会は途中で打ち切りに
SNS上では説明会の前に、参加を呼びかける投稿が拡散されていました。
説明会の参加者(音声データ) 「これだけ反対する人がいる中で中止という選択肢はないのか」
学校の運営法人 「こんなに反対されると思ってない」
町内会が警察まで呼ぶ物々しい雰囲気の中、ある住民が、学校の計画は正当な手続きを踏んだものだったと声をあげました。
説明会の参加者(音声データ) 「私は歓迎します。その立場できょうの説明会を聞きに来ています」
ところが、返って来たのは、罵声でした。
説明会の参加者(音声データ) 「賛成反対はあると思いますが、よく説明会を聞いて…」 「あんたらはいいな、金の利権のためだからな」
「汚い言葉でお話しないで」 「汚い言葉言ってないですよ」 「どこが汚い言葉なんだよ」 「大きい声なだけだよ」
学校法人の担当者は体調を崩し、説明会は途中で打ち切りとなってしまいました。
「合法的に移民流入させる」根拠不明の情報やデマの投稿がSNSに
SNS上では、根拠不明な情報やデマの投稿も。
Xより 「合法的に移民を流入させるものと思われ、非常に危険であると推測される」 「インド人がうじゃうじゃ住むようになれば、地域住民、特に女性は夜道を1人で歩くなど絶対にできなくなります」
インターナショナルスクールに通う児童の多くは日本人
インターナショナルスクールでは、本当にインド人の子どもばかりが勉強しているのか。
法人が運営する学校を取材しました。
(SPワンワールドインターナショナルスクール) 今年8月、茨城県に開校したこの学校は、札幌の旧常盤小学校のような使わなくなった校舎を活用しました。
およそ50人が学んでいるということで教室をのぞくと、ほとんどが日本人…
インターナショナルスクール 運営法人の担当者 「子どもたちはやはり日本人が多いんですが、特にここは日本人が多くて全体の8割くらいですね、残り2割がばらばらという感じです」
法人の名前には「インディアン」という言葉が入っていますが、本部はシンガポールにあり、東京や大阪など国内だけで3校・6キャンパスを運営しています。
インド人が多く住む東京都江戸川区にもキャンパスがあり、そこでも日本人が6割、インド人が3割、残りは中国やアメリカなどおよそ20か国の児童生徒が通うと言います。
計画する学校法人には脅迫まがいの電話やメール
髙橋智也記者 「インドタウンができるみたいな投稿が拡散された事実もありました」
インターナショナルスクール 運営法人の担当者 「インドの移民を増やすのは、仮にやろうとしても非常に難しい。そういったことありきで入った開校した経緯はない」
治安の悪化をめぐる懸念については。
インターナショナルスクール 運営法人の担当者 「犯罪が増えるのは我々が経験した中で、心配する必要がない。地域との摩擦があったとしても一緒に取り組んでいく」
札幌校の開校に向けて寄せられた「反対の声」は計画に影響を与えています。先月、結ぶはずだった常盤小跡地の売買契約は延期に。
説明会以降、学校法人には脅迫まがいの電話やメールが何十件も相次いでいると言います。
インターナショナルスクール 運営法人の担当者 「ちょっと申し上げるのも遠慮するような、インド人への差別的な文章や言葉が非常に多く来た。非常に怖かった」
「なかなか難しい、対話というのが…」
札幌市議会には“なりすまし”の反対陳情
デマによる混乱は、札幌市議会にまで及んでいます。
市議会に提出された、90件に上る開校反対の陳情書。
市が陳情の提出者に受理通知を郵送したところ…2人から「身に覚えがない」と連絡がありました。
“なりすまし”の陳情があったのです。
移民政策の専門家は、外国人に対する反発が強まっている背景について、安倍政権時代、「特定技能」の形で、労働力として外国人を受け入れる、事実上の移民政策に舵を切ったにもかかわらず、政策変更の説明や外国人との共生の施策が、不十分だったと指摘します。
「放置された根本的な疑問に火をつけられた」
移民政策に詳しい東大大学院 高谷幸准教授 「人口が減少して、労働者も足りなくなって移民を受け入れる必要があるときに、『この人たちは移民じゃないんです。私達はそういう移民政策は取らない』でも特定技能の形で受け入れを拡大してきた。(外国人受け入れの)不満を静めてきたが根本的な疑問は解決されないまま、放置されてきたのが、むしろそこに火をつけられた」
デマや誤情報によって増幅される、外国人への差別や偏見。
高谷准教授は、国や自治体が根拠に基づく情報を発信し、受け取る側も内容を吟味することが大切だと指摘しています。

「お前も犬も彼氏も身内もこの世から消す」とメール 40代知人女性への脅迫容疑 24歳工員の男を逮捕 新潟・魚沼市

新潟県魚沼市に住む40代女性へ「殺す」などと脅迫したとして、24歳の工員の男が逮捕されました。
脅迫の疑いで逮捕されたのは、愛知県豊田市に住む24歳の工員の男です。 警察によりますと男は27日午後8時30分ころ、魚沼市に住む40代女性のスマートフォンに「お前ら全員殺す」「お前も犬も彼氏も身内も全てこの世から消す」と書いたメールを送った疑いが持たれています。 女性からの110番通報で発覚し、男は新潟県内に滞在していたところを逮捕されました。 警察の調べに対し男は「メールを送ったことは間違いありません」と容疑を認めているということです。

【速報】関越道で67台絡む事故 28日午後1時に通行止めすべて解除へ NEXCO東日本新潟支社発表

26日夜に関越自動車道で発生した事故の影響で通行止めとなっていた湯沢IC(新潟県)~月夜野IC(群馬県)の通行止めは、28日午後1時までに上下線のすべてが解除される予定だということがNEXCO東日本新潟支社の発表でわかりました。
警察などによりますと、26日午後7時半ごろ、スリップした中型トラックに大型トラックが追突。さらに後続の車が次々と突っ込み、乗用車やトラックなど67台が絡む事故になったということです。この事故の影響で、26日午後8時時過ぎから関越道の湯沢IC(新潟県)~月夜野IC(群馬県)で上下線ともに通行止めとなっていました。
湯沢IC~水上ICの上下線と、月夜野IC~水上ICの上り線については28日午前0時45分に通行止めが解除されました。NEXCO東日本新潟支社によると、残りの月夜野IC~水上ICの下り線についてもは28日午後1時に通行止めが解除される予定だということです。これにより、関越道の通行止めはすべて解除されることになります。

ほくそ笑む高市首相…吉村維新vs玉木国民の「求愛合戦」は2026年ますます激化

来年も、高市首相との距離をめぐり、「与党」日本維新の会と「ゆ党」国民民主党のいがみ合いを見せられ続けることになりそうだ。
来年度の税制改正は、土壇場で自民と国民民主が「年収の壁」178万円への引き上げで合意。高市首相と並んで座って合意書に署名する国民民主・玉木雄一郎代表のニヤついた表情が印象に残ったが、高市首相と玉木代表の接近を苦々しく見つめていた維新が、さっそくチクチクやりだした。
国民民主は来年度予算案を「年度内の早期に成立させる」ことでも自民と合意しているので、「完全に与党」(立憲民主党・野田佳彦代表)と見られて同然。今後は「いつ連立政権入りするのか」が焦点になっている。これについて維新・藤田文武共同代表は25日の記者会見で、国民民主を牽制。「連立拡大は否定するものではなくウエルカム」としながらも、自維の連立合意書の堅持を条件としたのだ。
維新・吉村洋文代表は25日のテレビ出演で高市首相をベタ褒め。「高市首相との信頼関係は強いし、『成立しないから離脱』は違う」と明言し、議員定数削減法案が来年の通常国会で成立しなくても「連立離脱しない」との認識を示した。さらに高市首相について「いろいろな意見がある自民をまとめてくれた。絆は深まった」と関係をアピールしてみせた。
そういえば、玉木代表も高市首相と年収の壁で合意した際、「政策を実現したパートナーとは信頼感も深まる」と言っていた。吉村代表はこの玉木発言を意識したのか。
その玉木代表は連立入りについて、23日の講演で「模索している最中だ」と否定しなかった。26日は政府が決定した来年度予算案について「非常にバランスが取れている」と手放しで評価していた。
■存在感を維持するのに必死
「実質的な『自維国連立政権』みたいなものでしょう。国民民主は予算案成立への協力を約束した。政権との距離は『閣外協力』の維新とほとんど変わりませんよ」(政界関係者)
定数削減法案が成立しなくとも与党にしがみつく維新と、来年度予算案の中身を見る前から成立への協力を明言した国民民主。結局、どちらも自民にスリ寄ることで存在感を維持するのに必死なのだ。
「維新も国民民主も、自民党内の一派閥のような存在と言ったら言い過ぎですか。結局、自民にとっては、どの党でもいいから『数』が欲しいだけです。現状、衆院の過半数がギリギリで、1人休んだら法案が通らないので、国民民主にも連立に入ってもらえれば政権は安定する。維新と国民民主が張り合っている状況は、高市首相にとって都合がいい」(自民党ベテラン議員)
吉村代表と玉木代表の「求愛合戦」がますます激化しそうで、高市首相はほくそ笑んでいる。
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与党にしがみつくのに必死の維新だが、大炎上中の「国保逃れ」は追及の動きが加速している。関連記事【もっと読む】狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実で詳しく報じている。

多摩動物公園でオオカミ1頭が脱走…来園者は安全な場所に避難、職員らが園内捜索

28日午前、東京都日野市の多摩動物公園で、飼育されているタイリクオオカミ1頭が逃げ出した。同園は午前11時現在、来園者を屋内などの安全な場所に避難させ、新規の入園を停止している。けが人の情報は入ってないという。
同園によると、開園した午前9時半以降にオオカミの脱走が発覚した。警視庁にも通報し、職員らが園内を捜索するとともに、逃げた経緯や原因を調べている。園内ではタイリクオオカミ2頭が飼育されている。

【速報】「スキー場のエスカレーターに子どもが挟まれた」5歳の男の子が意識不明 北海道小樽市

北海道小樽市の朝里川温泉スキー場で2025年12月28日、5歳の男の子がエスカレーターに挟まれる事故があり、男の子は意識不明の重体です。
12月28日午前10時前、小樽市朝里川温泉1丁目の朝里川温泉スキー場で「スキー場のエスカレーターに子どもが挟まれた」と消防に通報がありました。
男の子は通報から約40分後に救助されましたが、意識不明の重体です。
警察は当時の状況を詳しく調べています。

無免許でひき逃げか、30代女性死亡 容疑で18歳逮捕 横浜

女性をひき逃げして死亡させたとして、神奈川県警鶴見署は27日、横浜市鶴見区の内装業の少年(18)を自動車運転処罰法違反(無免許過失運転致死)と道交法違反(ひき逃げ)の両容疑で逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は25日午前5時40分ごろ、横浜市鶴見区梶山2の市道で乗用車を運転中、横断歩道を渡っていた30代の女性をはねて逃走したとしている。女性は病院に搬送されたが、死亡が確認された。
署によると、防犯カメラや目撃情報から容疑者の関与が浮上した。現場は片側2車線で、信号のある直線道路。【清水夏妃】

【速報】関越道42時間ぶり全線再開 67台多重事故の通行止め解除(28日午後1時)

26日に発生した関越道の多重事故で新潟・群馬県境で続いていた通行止めは、先ほど28日午後1時に全て解除されました。
復旧作業は昨夜も夜通し行われ、28日午前には車両の撤去がほぼ終わりました。 28日未明には湯沢ICから月夜野ICまでの上りが午後1時には残る月夜野ICからの下り線の通行止めが解除され、関越道は42時間ぶりに全区間で通行できるようになりました。
この事故は26日夜、群馬県の関越道・下り線で67台が絡み2人が死亡、26人が重軽傷を負ったもので、通行止めにより帰省客やスキー客に影響が続いていました。 なお、通行止め解除後も復旧作業により車線規制などが続く可能性があるということです。

女性従業員6人を完全に支配・服従させて性暴力 ペットショップ経営・本多道雄被告(67) 1審の「過去に類を見ないほどの特異な悪質性」懲役30年判決を支持し控訴棄却【判決詳報】

従業員の女性6人に対する強制性交等致傷・準強制性交・強制わいせつ・準強制わいせつの罪と従業員の男性たちに対する暴行・暴力行為等処罰法違反の罪に問われ1審の福岡地裁で懲役30年の判決を受けたペットショップ経営・本多道雄被告(67)の控訴審。
福岡高裁は「過去に類を見ないほどの特異な悪質性を備えているとの1審判決の評価は相当」「有期懲役刑の上限である懲役30年を下回るような量刑は相当でないと判断した1審判決に誤りはない」として1審の懲役30年判決を支持し、控訴を棄却した。
※全2回掲載その②
福岡高裁「死を感じさせるほどの恐怖感」「長期にわたり、完全に支配・服従」認定
判決で福岡高裁(平塚浩司裁判長)は従業員の女性Cさんに対する強制性交等傷害の罪について

「本多被告は、従業員の女性Cさんに対し、首を絞めるなどの強度の暴行を加え、従業員の女性Cさんに死を感じさせるほどの恐怖感を与えていることに照らしても、態様や結果を軽くみることはできない」

従業員の女性Dさん、従業員の女性Eさん、従業員の女性Fさんに対する準強制性交等・準強制わいせつの罪について

「本多被告が、従業員の女性Dさん、従業員の女性Eさん、従業員の女性Fさんに対し、強い脅迫を繰り返して、長期にわたり、完全に支配し、服従させた上、その状態に応じて各犯行に及んだとする1審判決の評価に誤りはない」

などと認定した。
福岡高裁「過去に類を見ないほどの特異な悪質性を備えているとの1審判決の評価は相当」
福岡高裁は本多被告の各犯行について、従業員の女性Aさんに対する一部のわいせつ行為を除き、いずれも相当であり、論理則、経験則等に照らしても1審判決に不合理な点はないと結論づけた。
Aさんに対する犯行については、一部のわいせつ行為を除いても「その他の本多道雄被告の言動は認定することができ、強制わいせつ罪の成立が認められる」として、原判決の結論に影響を与えないと判断した。
そのうえで

「各犯行前の本多道雄被告と被害者らとの関係性や、各犯行に至る経緯等に照らせば、本多道雄被告が多数の従業員らを恐怖によって支配して服従させ、常習的に性的行為や脅迫行為を繰り返す中で各犯行が行われ、過去に類を見ないほどの特異な悪質性を備えているとの1審判決の評価は相当である」

と判示した。
懲役30年の1審判決に「誤りはない」 控訴を棄却
弁護側は「この事件による罪のうち法定刑に無期懲役刑が含まれるのは1件だけであること等を踏まえると、本多被告を懲役30年に処したことは余りにも重すぎる」という主張をしていた。
これに対し、福岡高裁は「1審判決も、弁護側が指摘する事情を明示的に考慮に容れている。その上で、同種事案の量刑傾向の中でも、最も重い部類に位置付けられる事案といえるとし、有期懲役刑の上限である懲役30年を下回るような量刑は相当でないと判断した1審判決に誤りはない」と認定。
1審の懲役30年判決を支持し、本多道雄被告の控訴を棄却した。
この判決は全2回に分けて掲載しています。

②女性従業員6人を完全に支配・服従させて性暴力 ペットショップ経営・本多道雄被告(67) 1審の「過去に類を見ないほどの特異な悪質性」懲役30年判決を支持し控訴棄却【判決詳報】