公明党は来年春の統一地方選で中道改革連合への合流を見送り、立憲民主党とは競合しない選挙区での限定的な連携にとどめる。公明、立民の地方組織で慎重論が根強いことが背景にある。参院議員の合流についても、公明は前向きな姿勢を示すが、立民内には慎重論が根強く、先行きは不透明だ。(服部菜摘、原新)
地方組織 根強い慎重論
「中道の固まりを国政、地方で大きくしていく方針に変わりはない」
公明の竹谷代表は14日の臨時党大会後の記者会見でこう強調した。
公明は約2850人の地方議員を抱え、生活に密着した課題を解決することで党勢を維持してきた。立民の地方議員(約1200人)の2・3倍に上り、地方に張り巡らせたネットワークが「党の最大の強み」(竹谷氏)となっている。
地方議会では、公明と立民が与野党に分かれ、対立してきた経緯があり、選挙区でも競合するケースが少なくない。竹谷氏は、統一選で自民党との協力は「基本的に行わない」と表明したものの、自民や保守系団体などと関係を維持している地域もある。関西地方の公明地方議員は「合流しても得られるメリットが少ない」と語る。
立民の地方議員も合流に否定的だ。2月の衆院選では、衆院議員が公明と中道改革を結成して臨んだが、惨敗を喫した。立民執行部が衆院選後に地方議員らとの意見交換を重ねたところ、「結党の原点に立ち返り、再生の営みを進めるべきだ」との声が相次いだ。
一方、公明は、参院議員の中道改革への合流には前向きな姿勢を見せる。竹谷氏は党大会でのあいさつで「参院公明は中道(改革)への合流を前提に、立民と基本政策の一致や参院選の選挙戦略で合意できるように丁寧に交渉を進めている」と明らかにした。竹谷氏が参院議員の合流に踏み込んだ発言をしたのは初めてだ。
ただ、立民内では、参院議員の合流にも慎重な意見が出ている。29日に開かれる党大会で決定する2026年度の活動方針の原案では、合流是非の判断について「27年6月をめどに結論を得る」との表現にとどめた。来賓としてあいさつした同党の水岡代表は「3党四脚でこの苦境を乗り切っていこう」と述べたが、合流に向けた発言はなかった。
▽代表
竹谷とし子氏(たけや・としこ)参院東京。復興副大臣。創価大。当選3回。56歳。
ホテルのチェックアウト時間が過ぎても居座る アメリカ国籍の女を逮捕 「質問には答えません」
ホテルのチェックアウト時間が過ぎても居座る アメリカ国籍の女を逮捕 「質問には答えません」
札幌・中央警察署は2026年3月15日、不退去の疑いで、アメリカ国籍の女(56)を現行犯逮捕しました。
女は15日午前11時すぎから午後0時半ごろまでの間、札幌市中央区南2条西11丁目のホテルで、従業員から退去するよう命じられたにも関わらず、午後2時半ごろまで退去しなかった疑いが持たれています。
警察によりますと、女はホテルの宿泊客で、15日午前2時ごろから宿泊し、午前11時にチェックアウトするはずでしたが、部屋から退出しなかったということです。従業員は女に対し、午前11時すぎから午後0時半ごろまでの間あわせて4回ほど退出を促しましたが、女は従わず居座りました。
午後0時半ごろ、ホテルの警備員が「宿泊客がチェックアウトしない」と110番通報し、駆け付けた警察官が現行犯逮捕しました。
調べに対し女は「質問には答えません」と容疑を否認しています。
「空襲で生産設備が壊滅」「徴兵で労働力不足」もはや“ドン底”と言っても過言ではない…1945年の日本人が直面した『永久的奴隷化の恐れ』
1945年8月、日本は敗戦を迎えた。空襲で都市と生産設備は壊滅し、労働力は徴兵で不足。さらに植民地を失い、賠償の重圧がのしかかる。日本人の多くが思い描いたのは、「永久的奴隷化」という最悪の未来だった。
終戦直後の混乱のなか、日本経済はいったい何を考え、どのように動いたのか。防衛研究所主任研究官・小野圭司氏の著書『 太平洋戦争と銀行――なぜ日本は「無謀な戦争」ができたのか 』(講談社)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/ 続きを読む )
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日本が負けた日
昭和20(1945)年8月15日の正午、ラジオからの時報が終わると放送員(敵性語排斥によるアナウンサーの言い換え)が聴取者に起立を求めた。下村宏情報局総裁が、「天皇陛下におかせられましては、全国民に対し、畏くもおんみずから大詔を宣(の)らせ給うことになりました。これより謹みて玉音をお送り申します」と説明する。
「君が代」に続いて、詔書を読み上げる玉音が拡声器から流れる。水を打ったような4分半だった。
その日の午後、首相の鈴木貫太郎は内閣総辞職を決める。
通貨・金融体制に関わる者たちも、それぞれの場で8月15日の正午を迎え、放送を拝聴した。しかし戦争が終わっても、彼らには新たな使命が待っていた。むしろ玉音放送は、「新たな使命」が始まる号砲だった。
土壇場の債務清算
米英中3ヵ国によるポツダム宣言発表の4日後となる昭和20(1945)年7月30日、大東亜省から金の時価売却で債務を清算する考えが示され、この方針は8月10日に閣議決定を得た。
外資金庫は特殊銀行(横浜正金銀行、朝鮮銀行)と、そしてこれら特殊銀行は中国親日政権の中央銀行(中国聯合準備銀行と中央儲備銀行)との間で、相互に帳簿の上で相手に貸し付けを行い、相手側はそれを預金として受け入れていた(預け合い勘定:図4-1)。
この取引を清算するためには、受け入れている相手の預金と相手に対する貸し付けを相殺すればよい。
しかし中国聯合準備銀行(聯銀)と中央儲備銀行(儲備銀)の特殊銀行に対する貸し付けが残っている。一方で聯銀・儲備銀に特殊銀行が預けている預金は、現地通貨(聯銀券・儲備券)の形で「戦費として」引き出して現地軍に渡された。
この関係を清算するためには、特殊銀行経由で聯銀と儲備銀に現地通貨を返済しないといけない。手っ取り早いのは、政府が保有する金を時価売却することだ。
政府保有の金を聯銀・儲備銀に売却することに決まり、手続きは正金銀行が担当することになった。正金銀行の上海支店と天津支店に保管されていた、政府名義の金塊約17トンがこれに使われた。聯銀には8月18日に3トン、儲備銀には8月14日から9月3日にかけて14トンが売却され預け合い勘定は清算された。
この清算を急いだのは、各銀行が連合国軍側に接収されると金銀の売却が自由にできなくなるためだ。実際に昭和20年9月13日に儲備銀総行(本店)、10月17日には聯銀総行が蒋介石国民政府に接収され、その後は各分行(大型支店)・支行(支店)に接収は広がった。
金価格は1年で「45倍」
これに加えて、金の市場価格が急騰していたことも金売却を急がせた。表4-1に見る通り、中国での金の市場価格は終戦前の約1年で45倍以上に膨れ上がっていた。
預け合い勘定清算の責任者である大蔵省外資局長の久保文蔵にとって、これは「千載一遇の好機」だった。
実際に、終戦の翌月には金の市場価格は5月に比べて約20分の1に急落した。もちろん、終戦直後の日本による金塊売却が市場価格の低下を促したに違いない。結果的に久保は、金の価格高騰を捉えて売り抜けることに成功した。
外資金庫は日本の戦費として5228億円を支払ったが、この殆どが特殊銀行2行を経由して、聯銀と儲備銀から借りた形となっていた。これに対して、8~9月にかけて行われた金売却の代金は4978億円だった。外資金庫を通じて借りていた日本の戦費の、実に95%が金の売却で瞬時に清算された。その他の資金も含めると、最終的に外資金庫の借り入れ返済に充当された金額は5026億円に上った。
昭和20年の値は無いが、昭和19年の日本の国民総生産(GNP)が745億円である。この7倍に迫る金額が戦費として占領地の親日政権中央銀行から借り入れられ、そして終戦に際して即座に返済された。
17トンの金塊がどれ位のものかというと、終戦時(昭和20年8月25日現在)の日本銀行が保有していた金地金は105トンだった。また当時のドイツは日本以上に金に不足しており、1944年末のドイツ帝国銀行(中央銀行)の金保有残高は30トンであった。このためドイツは戦争中、日本に対する軍事技術供与の対価として金の現送を要求し、昭和18年に4トン、19年には2トンの金塊が潜水艦でドイツに運ばれた。ただし19年の2トンは輸送を担当した「伊五二」潜水艦が大西洋で撃沈されて海没した。
参考までに1945年末の米国の金保有高は1万7831トン、英国が2418トン、フランスが1886トン、イタリアが77トン、ドイツに至っては6トンに過ぎなかった。
戦争中、日本は採算を度外視して産金に努め、昭和15~20年の間に189トンを産出した(表2-4)。
もっとも昭和18年以降は、労働力不足から産出量は大きく低下した。
永久的奴隷化の恐れ
古来より、戦争における敗者の末路は悲惨であった。ポエニ戦争(紀元前264~同146年)でローマ帝国と地中海の覇権を争った海洋商業都市カルタゴは、敗北後には物は掠奪され人々は奴隷にされた。
「神殿を包んで燃えあがる火の中に身を投げ、奴隷よりも死を選んだカルタゴ人も少なくなかった」「陥落後のカルタゴは、城壁も神殿も家も市場の建物も、ことごとくが破壊された」(塩野七生『ハンニバル戦記 ローマ人の物語Ⅱ』)。
1453年にオスマン帝国を率いるメフメト二世に対して徹底抗戦の後に陥落したコンスタンチノープル(現:イスタンブール)は、三日三晩にわたってこれもオスマン兵士たちによる暴行と掠奪のほしいままとなった。
20世紀に入ってからも第一次大戦では、敗れたドイツは天文学的な金額の賠償金を課せられ戦後復興どころではなかった。この時の余りにも過酷な賠償要求を、英国の経済学者ジョン・メイナード・ケインズは「クレマンソー氏(引用者註:フランス首相)のカルタゴの平和」と表現している(ケインズ『平和の経済的帰結』)。
日本の歴史においても、源平の合戦、戦国時代、そしてつい80年ほど前の戊辰戦争でも、敗者の扱いは罪人同様であった。
日本も同じ目に遭うのであろうか。
ようやく戦争が終わったという安堵感も、そう長くは続かない。戦いに敗れた日本は、どのような扱いを受けることになるのか。思い浮かぶのは戊辰戦争時の江戸城無血開城ではなく、大坂夏の陣での大坂落城後の狼藉と掠奪でしかない。終戦、そして敗戦という現実に直面した人々の胸の内は、安堵から間もなく深い懸念へと変わっていった。
日銀の調査部は玉音放送から6日後の8月21日に、「ポツダム宣言を前提とせる日本経済の将来構図」という調査報告をまとめている。
ポツダム宣言には軍国主義の永久的除去、日本の領土は北海道・本州・四国・九州と諸小島に限定、賠償負担が可能な水準の経済力維持、これら条件が達成されるまで連合国軍が保障占領を行う、などが記されている。
ただでさえ空襲で生産設備が大きく傷ついたうえに、労働力は多くが徴兵に取られて減少したままだ。さらに植民地・外地の割譲で領土は4割以上減少する。軍需産業の民生産業への転換には時間を要するだろうし、そもそも民生品の需要も終戦の混乱で見通せない。
「日本民族の永久的奴隷化」への危惧
この満身創痍の日本経済に、どれほどの賠償が果たされるのか。そして弱り切った日本企業は顧みられることもなく、日本は欧米資本の草刈り場になってしまうのではないか。神武以来、これほど悲観的にならざるを得ない状況はなかった。
日銀の報告書では、「現在のドン底生活を永続せしめ、将来苟も生ずる余裕は挙げて之を賠償に振向けしむるが如きことあらば、それは日本民族の永久的奴隷化」であると述べている(日本銀行調査局編『日本金融史資料 昭和続編 第7巻』)。この報告書を取りまとめた担当者の心境は察するに余りある。
程度の差はあれ、多くの日本人が「日本民族の永久的奴隷化」への危惧を抱いていた。
〈 「避難民に銃を向けようとする軍人の姿も…」日本人が忘れた「満州難民」の命がけの逃避行【早く逃げないとソ連軍が…】 〉へ続く
(小野 圭司/Webオリジナル(外部転載))
中東情勢・ホルムズ海峡めぐり、日米防衛トップが電話会談 小泉大臣「アメリカを含む関係国ともよく意思疎通していきたい」
小泉防衛大臣はアメリカによるイランへの攻撃をめぐり、15日アメリカのへグセス国防長官と電話で会談しました。
防衛省によりますと、小泉防衛大臣は15日午後9時半ごろからおよそ30分間、アメリカのへグセス国防長官と電話で会談したということです。
会談では、ホルムズ海峡を含む中東情勢をめぐり、へグセス長官から最新の動向と今後の見通しについて説明があったということです。
小泉大臣は「ホルムズ海峡を含む中東地域の平和と安定の維持は、日本を含む国際社会にとって極めて重要」と指摘した上で、「アメリカを含む関係国ともよく意思疎通をしていきたい」と伝えたということです。
これに対し、ヘグセス長官は「今般の中東情勢は、在日米軍の態勢に変更を与えるものではなく、引き続き万全の態勢を取っている」と応じたということです。
また、両氏は引き続き緊密に意思疎通をしていくことで一致しました。
ホルムズ海峡をめぐっては、トランプ大統領がSNSで日本などを名指して、安全な航行を確保するための艦船を派遣することに期待を表明していて、アメリカ政府内ではホルムズ海峡の事実上の封鎖で影響を受ける日本などに対し、艦船の派遣を求めることは「極めて合理的」との意見もあがっています。
日本とアメリカの防衛トップが電話会談を行うのは、アメリカがイランに攻撃を開始して以降、2度目となります。
小沢一郎氏が明かす、自民圧勝の陰で見えた“高市政権の弱点”「最大のアキレス腱は過半数割れの参議院。否決された法案を衆議院で再可決しようものなら人気も終わる」
先の衆院選では高市早苗首相率いる自民党の圧勝により、立憲民主党と公明党が合流した中道改革連合では、大物の落選が相次いだ。そのうちの一人が過去に二度の政権交代を実現した”政界の壊し屋”こと小沢一郎氏(83)だ。議員生活56年目にして味わった、まさかの敗北に、何を思うのか。そして政治家人生には終止符を打たず、「現役続行」を宣言した真意とは。フリージャーナリストの城本勝氏が問うた。(文中一部敬称略)【第3回】
高市政権のアキレス腱は参議院
行き詰まった結果、石破政権は退陣、後を継いだ高市首相が、今度は多数の回復を大義名分にして、解散・総選挙に打って出て大勝した。衆議院の3分の2を超える圧倒的多数となった与党を前に、立ちすくんだようにも見える野党だが、小沢は、その圧勝の陰に高市の弱点も見えたと言う。
「うん、表面的には衆議院は自民が圧勝した。ところが僕は、『あ、高市政権は、これでもうダメだな』と気づいたことがあったんです。この間の首班指名の時、一発で過半数を取ると思っていたところ、過半数取れなかった。そこで、はっと気がついた。高市政権の最大のアキレス腱は参議院なんだと。衆議院でいくら議席を持っていても参議院で過半数取れてないんだから、ものすごい不安定さは石破政権と変わりない。
つまり衆議院で数があるからといっても、高市君は無茶をできないんです。安全運転をすれば、その間はなんとか政権が持つと思います。だけどね、例えば、防衛増税なんかを参院で否決され、それを衆院の3分の2の再議決で通すなんてやったら、高市人気もいっぺんになくなる。つまり参議院で過半数がないというのは、最大の不安定要素なんです」
その参議院の首班指名で、立憲に所属する小沢グループの5人が、1回目の投票では執行部の意向に反して、中道の小川淳也代表に入れなかった。決選投票となった2回目は、野党の立場から小川氏に投票したが、執行部からは「造反」だと厳しい処分を求める声も出ている。背後に小沢氏の指示があったと見て、野党の結束を更に乱すものだと批判する議員もいる。
「あれは造反じゃない。筋道を通しただけです。参議院は中道に合流しないと言っているのに、首班指名で中道の小川君に入れるのはおかしい。しかも決選投票ではちゃんと小川君に入れている。何の問題もないでしょう。
いずれにしても参院で一致した行動を5人の議員がとった。一人地元の事情で今回は参加しなかったけど、参院で6人いる。これはものすごく大きい力だ。高市君は、実際に問題に遭遇しなければ分からないだろうが、法案を参院で否決されたら、衆議院で再可決なんてできません。そんな強引なことをすれば、高市人気はおしまい。だから参議院の過半数割れっていうのは大きいんです。
日本のタンカーが攻撃されても自衛隊は何もできない…ホルムズ海峡封鎖に祈ることしかできない法律の高い壁
2026年2月28日に発生した、イランに対するアメリカとイスラエルによる攻撃を契機として、中東情勢はその緊迫度を大きく増している。なかでも、イランの軍事組織であるイスラム革命防衛隊は、ホルムズ海峡を通航しようとする特定船籍の外国船舶を攻撃すると宣言し、同海峡を事実上閉鎖した。すでに、タンカーなど民間船舶に攻撃が加えられているうえ、一部報道ではイランがホルムズ海峡に機雷を敷設したとの情報もある。
ホルムズ海峡は、ペルシャ湾とオマーン湾の間に位置し、最も狭いところでは幅が約33キロという海峡である。ここを、全世界の石油および液化天然ガス(LNG)供給量の約2割がタンカーに積載されて通過するという、まさに世界規模での海上交通の要衝と言える。
そのホルムズ海峡が閉鎖されたとなれば、世界経済に与える影響は計り知れない。もちろん、石油や天然ガスの輸入を船舶による海上輸送に頼っている日本も、例外ではない。
そこで思い起こされるのが、2015年に国会論戦を通じて日本の国論を二分し、翌2016年に施行された、いわゆる「平和安全法制」である。
このとき、まさに国会で議論されたのが「ホルムズ海峡に機雷が敷設された際の日本の対応」であった。
当時、日本政府は、ホルムズ海峡に機雷が敷設されるという状況は「存立危機事態」にあたり得るため、その機雷を自衛隊が掃海することが可能であるという整理を行っていた。あらためて、当時の国会答弁を整理しながら、現在日本は何ができるのかについて考えてみよう。
まず、今回の議論の前提となる存立危機事態とは何かという点から見ていこう。
存立危機事態とは、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と定義されている。
これをもう少しわかりやすく言えば、「日本と密接な関係にある他国に対する軍事攻撃が発生した場合に、日本がその状況で何らの行動も取らず、武力を用いた対処を行わなければ、日本国民に対して日本が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻かつ重大な被害が及ぶことが明らかな事態」ということになる。
存立危機事態が認められれば、日本は限定的な集団的自衛権(自国と密接な関係にある他国が攻撃を受けた際、自国が攻撃されていないにもかかわらず、その攻撃に共同で対処することが出来るという国際法上の権利)を行使することが可能となる。
存立危機事態がこのように定義されたのには、日本政府の憲法解釈が大きく関係している。日本政府は、武力行使を禁じた憲法第9条のもとにおいても、日本を防衛するための必要最小限度の実力は行使できるとしてきた。その理由は、他国からの武力攻撃によって「国民の平和的生存権や、生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される」ような事態に対処することを、流石に憲法は禁じていないと解釈したためだ。そのため、日本が直接攻撃された場合は当然として、それと同様の深刻な被害が他国に対する攻撃によっても生じる明白な危険がある場合には、限定的に集団的自衛権を行使できると整理したわけだ。
そして、平和安全法制が国会で審議されていた当時、日本政府は「あくまでも例示」としながらも、ホルムズ海峡に機雷が敷設された場合にはそれが存立危機事態に該当し得ると説明した。
これは、日本が輸入する原油の8割、天然ガスの3割を輸送するタンカーが、ホルムズ海峡を通過しており、もしこれが滞れば、国民生活に死活的な影響、すなわち国民の生死にかかわるような深刻、重大な影響が生じると判断したためである。
そして、法案審議時の日本政府による国会答弁では、どこかの国が別の国に対する攻撃の一環としてホルムズ海峡に機雷を敷設した場合、その機雷を処理することは武力の行使にあたり、かつ日本が攻撃を受けたわけではないことから、集団的自衛権の行使が必要と説明された。そのため、こうした状況に対応するためには、存立危機事態の認定が必要になったというわけだ。
それでは、現状でホルムズ海峡における機雷敷設や船舶への攻撃は、存立危機事態に該当するのだろうか。結論から言えば、それは難しいだろうというのが筆者の考えだ。
これにはいくつか理由があるが、中でも重要なのは「日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生し得ないという点だ。これは、平和安全法制が国会で議論されていた際に見落とされていた論点と言って良いだろう。
そもそも、ホルムズ海峡における機雷敷設が存立危機事態に該当し得るための大前提は、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、その一環として機雷が敷設されることだ。
日本と密接な関係にある他国とは、「外部からの武力攻撃に対して共通の危険として対処しようという共通の関心を持ち、我が国と共同して対処しようとする意思を表明する国」を指している。
そして、平和安全法制が議論されていた当時の国会論戦では、政府側も野党側も、「日本と密接な関係にある他国との間の武力紛争の最中に、ある国がその国を攻撃する目的で機雷を敷設する」という前提の上で舌戦を繰り広げていた節がある。
たとえば、今回イランが明確にアメリカに対する直接攻撃の一環として機雷を敷設したのであれば、これは問題とならなかった。しかし、実際にはイランは半ば無差別攻撃に近い状態で機雷を敷設し、また自爆型無人機を飛ばしている。
そして、国際法上は民間船舶への攻撃に関して、基本的にその船が掲げている旗の国、すなわち旗国に向けられたものと見なされる。つまり、今回の事例では、イランが武力攻撃を行っている対象は被害船舶の旗国ということになる。
さらに、タンカーなど外洋を航行する大型の民間船舶の場合、運航コストや税制優遇の観点から規制の緩いリベリアやパナマ、マーシャル諸島などを旗国とする、いわゆる便宜置籍船が主流であるため、これらの国々が「日本と密接な関係にある他国」に当たるとは思えない。
また、仮にそこをクリアしたとしても、民間船舶への攻撃が自衛権行使の引き金となる武力攻撃に当たるためには、当該攻撃を行った国が明らかであり、かつ攻撃国がその船舶(より正確にはその旗国)を意図的に狙っていたことが、国際法上の要件として求められる。
つまり、そもそも今回のイランによる措置はホルムズ海峡付近における航行の自由や通航制度に対する違反にはなり得るものの、武力攻撃とまでは言えない可能性があり、かつ被害国の性質も相まって、存立危機事態の認定は極めて困難ということになる。
では、存立危機事態の認定が困難とすると、ホルムズ海峡を通るタンカーの護衛のために日本がとり得る措置としては、どのようなものが考えられるだろうか。
残念ながら、現状の法制度ではその選択肢は非常に少ない。
たとえば、海上の治安回復を目的とする「海上警備行動」では、武器を使用して防護できる対象船舶は日本籍船に限られるため、実効性に疑問がある。一方で、あらゆる船籍の民間船舶を防護できる「海賊対処行動」では、船舶から他の船舶への乗っ取りなどを指す海賊行為しか取り締まれず、自爆型無人機の撃墜などはできない。
一案としては、「武器等防護のための武器使用」がある。
自衛隊法第95条に規定されるこの武器等防護は、日本の防衛力を構成する重要な物的手段たる自衛隊の武器等を破壊や奪取から守るための武器使用権限を、その任務を与えられた自衛官に付与するというもの。
事前に武器等を退避させたり、人に危害を加えられるのは正当防衛または緊急避難に該当する場合に限るなど、武器使用には厳しい要件が課されている。
しかしそのおかげで、日本の領域外で他国軍からの襲撃に対処したとしても、憲法上の問題は生じないというのが日本政府の見解だ。
そして、基本的に武器等防護のための武器使用は、自衛隊が保有する武器等を守ることを目的としているが、その効果がそれ以外のものに及ぶことがあり得る。
たとえば、海上自衛隊の護衛艦が自艦防護のため、接近する自爆型無人機を撃墜したとする。このとき、たまたま民間船舶が護衛艦と接近した状態で並走していたとすると、自艦防護が結果的にこの民間船舶をも防護したことになるが、こういったケースが該当する。
しかも、あくまでこれは自艦防護だから、並走している船舶の船籍に制限はなく、事実上どの国の船でも防護は可能だ。
ただし、これはあくまでも「裏ワザ」の類であって、派遣される自衛官に対して「これで大丈夫だ」と胸を張って送り出せるようなものではない。本来であれば、海上警備行動のあり方を見直すなど、法改正が先決だろう。
また、こうした直接的な護衛活動への参加以外にも、ホルムズ海峡における事態を「重要影響事態(そのまま放置すれば我が国に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態等我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態)」に認定し、そこで活動するアメリカ軍や欧州各国の艦艇部隊に海上自衛隊の補給艦による洋上補給を含めた後方支援活動を実施することも考えられる。
3月12日現在、イラン革命防衛隊がホルムズ海峡への機雷敷設を実施したと報じられているが、過去には湾岸戦争後に自衛隊艦艇が派遣され機雷掃海任務に従事したことがある。
今回もどこかのタイミングで自衛隊がホルムズ海峡の機雷掃海任務のために自衛隊を派遣すべき、という議論が沸き起こる可能性もある。
ただ、機雷掃海・掃討を行う機雷処理活動に関して、そもそもこれを行う掃海艦艇はほぼ非武装であり、現場における戦闘が終結した後でないと活動を実施することは困難だ。そのため、今すぐに自衛隊がホルムズ海峡に派遣されて機雷の処理を行うような事態は想定されないだろう。
いずれにせよ、天然資源の輸入を海上輸送に大きく依存する日本にとって、ホルムズ海峡の安定はまさに国家の命運を左右すると言っても過言ではない。
それに対して、現状では法的な縛りがあまりにも厳しく、自衛隊の派遣が難しいばかりか、仮に派遣されたとしても動きは相当制限されてしまう。今回の事例を踏まえて、あらためて日本という国のあり方そのものについて、検討が必要ではないだろうか。
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(軍事ライター、国際法・防衛政策研究者 稲葉 義泰)
スーパーの駐車場で夫(81)が運転する車に妻(74)がはねられ死亡 車を止めなおす際に急発進か
15日午後、三重県桑名市にあるスーパーの駐車場で、駐車をしようとした夫が運転する車に妻がはねられて死亡しました。
警察によりますと。15日午後2時20分ごろ、桑名市内のスーパーの駐車場で、81歳の夫が運転する車に74歳の妻がはねれました。
夫婦は夫が運転する車でスーパーに訪れ、駐車した際に先に車から降りた妻がうまく駐車できてないことに気づいたということです。
妻が運転席の横まで行って夫に伝え、夫が車を止めなおそうとしたところ、急発進して車の前を通っていた妻をはねたとみられています。
妻は意識不明の状態で病院に搬送されましたがその後、死亡しました。
車は50メートルほど前進して停止し、事故を目撃した人が車を追いかけて夫に声をかけたところ、男性は妻をはねたことを認識していなかったということです。
警察は、夫が車を止めなおす際にブレーキとアクセルを踏み間違えた可能性があるとして事故の原因を詳しく調べています。
「人の頭蓋骨のようなものを見つけた」通行人が河川敷で人骨を発見 近くから衣類見つかるも身元不明…捜査続く《新潟》
15日、妙高市高柳地内の河川敷で人骨が見つかり、警察が事件性の有無などを捜査しています。
警察によりますと15日午後3時ごろ、通行人の男性が「河川敷で人の頭蓋骨のようなものを見つけた」と警察に通報。臨場した警察官が頭蓋骨など複数の人骨を確認しました。
性別、年齢などは不明で人骨の近くからは衣類も発見されたということです。
警察が死因や身元などの捜査を進めています。
「人生がどうでもよくなった」自宅に放火した疑いで自称会社員の男(32)を現行犯逮捕 岡山・中区
自宅に火をつけて全焼させたとして、岡山市中区の自称会社員の男(32)が非現住建造物等放火の疑いで現行犯逮捕されました。
警察によりますと、男は3月15日午後2時半ごろ、岡山市中区の自宅に火をつけて全焼させた疑いがもたれています。自宅は木造3階建てで、男は一人で暮らしていました。
男は出火後すぐに「自宅に火をつけた」と110番通報していて、駆けつけた警察官が火のついた住宅から出てきた男を現行犯逮捕したものです。
警察の調べに対し、男は容疑を認めたうえで、「人生がどうでもよくなり、死んでもいいと思った」などと話しているということです。
卒業祝う赤飯給食2100食廃棄 福島・いわき「3.11になぜ」で 市長「相談ない」
福島県いわき市の市立中5校で11日、卒業祝いとして給食の献立にあった約2100食分の赤飯が調理後に廃棄されていたことが16日、分かった。東日本大震災の発生日と重なっていたため、保護者から疑問視する電話があり、提供を取りやめたという。5校の生徒には代わりに、備蓄品の缶詰のパンやアルファ米を出した。
市教委などによると、調理したのは市内に7カ所ある学校給食共同調理場のうち小名浜調理場。11日午前に保護者から学校に「震災の日に赤飯を出すのか」と問い合わせがあったという。東日本大震災でいわき市では、関連死も含め468人が死亡。この日午後、市主催の追悼式が予定されていた。学校から報告を受けた市教委は赤飯提供の中止と廃棄を決めた。
市教委は「献立を詳細に把握していなかった」とするが、献立は事前に学校から生徒や保護者に知らせ、市教委のホームページにも掲載している。
内田広之市長は「3月11日に赤飯が重なってしまったことに対し、仮に何らかの対処をするにしても、約2100食分破棄はもったいないと感じる。こうした件について、今後、私を含め市長部局にもあらかじめ相談してから判断するよう教育委員会に指示した」とコメントした。
教育委員会に対する首長の権限は、平成27年に施行された改正地方教育行政法で強化されたものの、教委が首長から独立した執行機関であることは変わらない。