米国産原油を日本で「共同備蓄」、日米首脳が合意へ…対米投資で増産分・価格安定化や調達先の多角化図る

日米両政府は、日本側の投資により米国産の原油を増産し、増産分を日本で共同備蓄する方向で最終調整に入った。米時間19日にワシントンで開く高市首相とトランプ大統領の会談に合わせて合意する見通しだ。イランによるホルムズ海峡の事実上封鎖を受け原油価格が高騰する中、価格安定化や日本の調達先の多角化を図る狙いがある。
複数の政府関係者が明らかにした。日米関税交渉の合意に基づく5500億ドル(約87兆円)の対米投資の一環と位置付ける。投資額などは今後詰めるが、投資先にはアラスカの油田が有力視される。米本土のシェール油田も候補に挙がる。
日本政府は、原油供給の約9割を中東地域に頼る。アラスカから原油を輸送する場合、太平洋だけを通過し、中東よりも1週間近く時間を短縮できるため、アラスカでの増産は「日本のエネルギー安全保障上、意義が大きい」(政府高官)と受け止めている。
米国にとっても自国産原油の供給先確保は喫緊の課題だ。アラスカ産の原油出荷量は、日本の年間消費量の1割超に相当するが、現在はほとんどが米国内に供給されている。
米国は2000年代以降の「シェール革命」により世界最大の産油国となった。トランプ政権は石油の生産拡大を掲げるが、日本での備蓄用に安定した需要が見込めれば開発の後押しとなる。日本での備蓄分は販売も可能とすることで、アジア諸国への供給拠点にもなる見通しだ。
日本での備蓄は、余っている備蓄施設などを活用する方針だ。有事などの際に日本向けに放出できるようにし、日米両国で安定したエネルギー供給を確保したい考えだ。
日米両政府は中東情勢の悪化を受けて、原油価格が高騰し、国内経済に悪影響が生じ始めていることに懸念を強めている。日米首脳会談では、燃料価格の安定化に向けた両国の取り組みが焦点となっていた。

性的ディープフェイク作成、中高生で横行…我が子の加害防ぐには

もし、自分の子どもが生成人工知能(AI)で同級生の「性的ディープフェイク(偽画像)」を作っていたら――。
警察庁が今年2月に公表した統計によると、18歳未満の画像を使った性的ディープフェイクの被害相談・申告のうち、同級生や同じ学校の生徒が加害者であるケースが約6割に上った。
なぜ子どもたちが性的ディープフェイクに巻き込まれるのか。我が子を加害者にしないために、親にできることはあるのか。
男子中学生が作成、販売の事案も
警察庁の統計によると、昨年全国の警察に寄せられた被害相談や申告は合計114件あった。
加害者は同級生や同じ学校の生徒だったケースが最も多く65件だった。
次いでSNSなどで知り合った相手(10件)、親や教員など面識のある大人(7件)が続いた。
具体的には、男子中学生が女子生徒の画像を生成AIで裸に加工し、他の男子生徒に販売▽有料で性的画像作成を請け負う成人男性が、男子高校生の依頼を受けて女子生徒の性的画像を作成しSNSで拡散――などの事案があった。
下がる「加害」のハードル
なぜ加害者が低年齢化しているのか。
デジタル性被害のパトロール活動や相談事業に取り組む任意団体「ひいらぎネット」の永守すみれ代表は、画像生成サービスの利用のハードルが下がったためだと指摘する。
性的コンテンツの作成がガイドラインなどで規制されているChatGPTやGeminiなど一般的な生成AIサービスよりも、海外サイトの作成用サービスが利用されるケースが多いという。
「当初は有料がほとんどでしたが、最近は無料サービスが増え、小中学生でも触れるようになっています」
海外サービスの使用方法を解説する情報も出回っており、英語が分からなくても作成できる状況だ。
性暴力の認識乏しい?
日本では、性的ディープフェイクを包括的に取り締まる法律は未整備で、政府は2027年3月までに対策を取りまとめるとしている。
性犯罪に詳しく、被害者支援にも取り組む上谷さくら弁護士は「同意のない画像生成や拡散は性暴力だ」と指摘する。
「特に若年層は、性暴力だという認識や悪意のないまま、安易に生成・拡散する人も多いのではないか」と懸念する。
性的画像は一度拡散すると被害回復が難しい。事案によっては、名誉毀損(きそん)罪やわいせつ物頒布罪などで摘発される可能性もある。
「加害者に強固な悪意がなくても、一度拡散した性的画像は転々と流通し続ける可能性があり、結果は重大です。被害者が防御することも困難ですし、被害も深刻です」
親にできることは
我が子が加害行為に及ばないよう、親にできることはあるのか。
上谷さんは「スマートフォン利用を始めるタイミングで子どもと約束事を明確に定めること」を勧める。
「性的ディープフェイクに限らず、盗撮やリベンジポルノ、闇バイトなどの入り口はスマホがメインです。スマホを渡すタイミングで、禁止事項や定期的な中身の確認など、本人に納得してもらった上で利用に親が関与することが有効だと思います」
親自身が多様化する性犯罪の実態を知っておくことも重要だ。
「デジタル性犯罪の証拠などを見ていると、ぞっとするような加害行為を目にすることもあります。どんな事案が起きているのか、何が加害にあたるのか、親が理解を深めることがまず重要です」
また、家庭で幼少期から性教育を積み重ねることも必要だと指摘する。
「自分がされたら嫌なことは相手にしない、と教えることはもちろんですが、より重要なのは、自分やみんながされてよいと思う行為でも、それを嫌がる人がいる、ということを分かってもらうことです」
性的な行為の大前提は、相手の同意を取ることだ。
「たとえば友達とふざけて抱き合うときに、お互いがそうしたいと思っていることが大事。相手が嫌だと思っていないか、意思を確認する習慣をつけましょうと教えることが、性教育の第一歩だと思います」【待鳥航志】

抗がん剤注射後に神経症状、別の患者2人も発症…意識あるが下半身に麻痺

埼玉県立小児医療センター(さいたま市中央区)で、脊髄周辺に抗がん剤を投与する「髄腔(ずいくう)内注射」を受けた患者3人が神経症状を発症し、1人が死亡、2人が意識不明になった問題で、同センターは17日、同様の注射を受けた別の患者2人も神経症状を発症していたと発表した。意識はあるが、下半身に麻痺(まひ)が残っているという。
同センターが記者会見し、院内調査の概要を発表した。それによると、別の患者2人は2025年に髄腔内注射を受け、約2週間後に神経症状を発症した。
死亡したのは10歳代の男性患者。男性は25年10月、意識不明の2人は25年1月と3月にそれぞれ、髄腔内注射を受けた。3人の髄液からは、血管内に投与する抗がん剤で髄腔内注射に使ってはいけない「ビンクリスチン」が検出された。
一方で、別の患者2人の髄液からはビンクリスチンは検出されていない。神経症状の原因について、同センターの渡辺彰二副病院長は「わからない。色々な可能性がある」と述べた。
髄腔内注射は白血病患者に対する一般的治療で、同センターでは24年に延べ512人、25年は注射を中止する11月までに延べ427人が受けた。まれに神経症状を発症することもある。

小泉進次郎防衛相、邦人退避のフライング投稿で「国の安全保障にリスクをもたらす」と国民からもバッシング

小泉進次郎防衛相が、自身のX(旧Twitter)を更新。日頃から自衛隊活動のSNS発信に積極的な小泉氏は、邦人退避のための自衛隊機派遣について書き込んだ。だが、12日発売の週刊誌「週刊文春」(文藝春秋)は、正式な手続きに先立つ“フライング”であったと報じた。
米国とイスラエルによるイラン攻撃から1週間が経過した8日、中東情勢の悪化で湾岸諸国に足止めされている邦人退避のため、日本政府が手配したチャーター機の第1便が、オマーンの首都マスカットから成田空港に到着。オマーンやアラブ首長国連邦(UAE)にいた日本人旅行者ら107人が帰国した。
こうした安堵の息をつくなかで、冒頭の小泉防衛相の投稿が問題となっている。5日午前0時過ぎに「邦人の退避が困難となる場合に備え、邦人輸送のための自衛隊機の派遣準備に着手しました」と投稿。だが、邦人退避のための自衛隊機派遣は、外務大臣からの依頼で行うことが自衛隊法で定められ、正式に外務大臣から準備の依頼があったのは6日であったと同誌が指摘した。
そして、「小泉氏は功を焦ったのか、5日に『派遣準備に着手』と踏み込んだ表現でフライングしてしまった」といった“政治部記者”のコメントを掲載し、情報のリスク管理を問いただした。
報道を受け、ネット上では「閣僚や防衛大臣がSNSで軽率に情報を発信することは、国の安全保障にリスクをもたらすと危惧します」「首相も含めて閣僚のSNSの位置づけが不明瞭だ」「防衛庁内で内々に派遣への対応を進めることと、それをネットで公開することの違いが分からないのだろう」といったSNSでの発信の意図を問う声が多く、また政府内にも混乱を招いた。
政府に突きつけられた「過去最大級」ともされる邦人退避は14日、第6便が成田空港に到着。政府に退避希望を伝えた邦人1086人が全員帰国し、ミッションをコンプリート。2020年1月、新型コロナウイルスの感染が拡大し中国湖北省武漢市にチャーター機を5回派遣して退避させた828人を上回り、国数・人数ともに過去最多となった。インドの隣国、モルディブで待機している自衛隊機は近く撤収する見通しだ。
15日、小泉防衛相がエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡を含む中東情勢を巡り、ヘグセス米国防長官と電話で会談。小泉氏は「ホルムズ海峡を含む中東の地域の平和と安定の維持は日本を含む国際社会にとって極めて重要だ」とし、防衛省は16日に米国などと意思疎通していく考えを伝えた。
ホルムズ海峡の封鎖状態解消の目途が立たず、米・ニューヨークの原油先物価格が1バレル=100ドル台と再び上昇傾向に転ずるなか、16日に民間石油備蓄の放出は開始された。戦争とは無縁の我が国にも影響を被ったイラン情勢。どこもかしこも混乱に陥っているが、頼みの綱は政府しかない。今こそ、防衛相の手腕が問われる。

波にのまれた平和学習、2隻目の転覆で女子生徒は死亡 辺野古事故 見えてきた悲劇の実像

沖縄県名護市の辺野古沖で16日、平和学習中の船2隻が転覆し、同志社国際高(京都府京田辺市)の2年の女子生徒(17)と船長が死亡した事故で、波浪注意報が発表されていた事故当日の生徒の乗船判断を、同校が船長にほぼ一任していたことが17日分かった。同日、学校側が記者会見して明らかにした。亡くなった女子生徒は先に転覆した1隻目とは別の船に乗り、1隻目の救助に向かった際に転覆したことも判明した。
事故で死亡した船長の金井創(はじめ)さん(71)らは普段、転覆した2隻を米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設への抗議活動で使用。他人の需要に応じて運送する場合は、海上運送法に基づく事業登録が必要だが、2隻はいずれも無登録だった。学校側は登録の有無を「把握していない」とし、事前に確認していなかったことを認めた。
会見に出席した同校の西田喜久夫校長によると、沖縄本島に波浪注意報が出ていた事故当日は、現地に引率の担当教員が2人いたが、最終的に金井さんの判断に従って出航を決めた。金井さんに生徒の安全を委ねた理由について、西田校長は「船長との信頼関係で大丈夫だと思った」と説明した。
引率教員2人は乗船しなかった生徒への対応のためいずれも陸地に残り、転覆した2隻には生徒18人と運航関係者の3人のみが乗船していた。
同校は沖縄への研修旅行を昭和55年の創立当初に始め、平成27年からは辺野古見学を陸上から行っていた。同校がキリスト教に基づく教育をしていることから、牧師である金井さんと縁があり、令和5年から船上見学を取り入れていたという。
西田校長は会見で「2年生1人が不慮の事故で亡くなり、心よりおわび申し上げる」と謝罪。今月中に外部有識者からなる第三者委員会を立ち上げ、当時の状況を調査する方針を示した。

「卒業を祝って何が悪い」3.11に給食の赤飯2100食が廃棄で大炎上…「赤飯は法事などで食べられることもある」といった声も、いわき市の判断に広がる波紋

11日、福島県いわき市の中学校で給食の主食として提供される予定だった「赤飯」が急遽廃棄されるという事案が発生した。一部報道によれば、卒業式前の給食で赤飯が提供されることが慣例となっており、今年は3月11日に提供予定だった。
【画像】「約2100食分破棄は、もったいないと感じています」いわき市長が投稿したコメント

しかし、この日は東日本大震災の発生から15年という節目の日でもあり、祝い事の席で食べられることが多い「赤飯」に対して懸念する声があったという。だが廃棄されたのが約2100食分ということもあり、SNSなどでは「もったいない」という声が多くあがっている。
祝い事の象徴である赤飯の提供はふさわしくないと判断
「去る3月11日に小名浜学校給食共同調理場が担当する5校の中学校において、学校給食の主食として赤飯を提供する予定としておりましたが、これを急きょ取りやめ、防災備蓄用のパンに変更いたしました。
この変更は給食提供の直前ではありましたが、東日本大震災の発生日に当たる3月11日が本市にとって追悼の意を表すべき特別な日であり、祝い事の象徴である赤飯の提供はふさわしくないと判断し、対応したものです」
赤飯給食の廃棄問題を受け、いわき市教育長は16日に公式ホームページでこのように経緯を説明した。
いわき市教育委員会事務局学校支援課の担当者は次のように話す。
「すでに報道にもあるとおり、市内の中学校に保護者の方からお電話が入ったことがきっかけで、赤飯の代わりに缶詰のパンを提供しました」
いわき市の中学校では例年卒業前に赤飯を出す慣例があり、これまでも3月中旬の卒業前の時期に提供されてきたという。今年は提供日が11日に重なっており、そのことに直前まで気づかなかったという。
学校支援課の担当者は多くの問い合わせが来ているとし、「『食べ物を無駄にしてしまう』ということへのご指摘など、多くのご意見をいただいております」と話した。
いわき市の内田市長は自身のXの中で、2100食分の廃棄は「もったいないと感じています」としたうえで、「こうした件について、今後、私を含め市長部局にも予め相談してから判断するよう教育委員会に指示しました」と投稿している。
いっぽう、この件を受けてSNSには、 「3月11日震災のあった日を思い返したら食材廃棄するなどあり得ない」 「今回のお赤飯献立の何が悪いのか全く理解出来ない」 「卒業を祝って何が悪い」 「お赤飯を食べられなかった卒業生が本当にかわいそう」 など、多くの声があがっている。
「お墓参りでお墓にお赤飯を供えるという風習がある地域もあるようです」
今回の廃棄の件をめぐっては、「赤飯は法事などで食べられることもある」といった声も聞かれる。
赤飯文化の普及啓発活動を行なう「赤飯文化啓発協会」の担当者に話を聞いた。
「赤飯が法事などで提供されることはありますし、お盆の時期にお供えする地域もあります。特に東北地方などは多いと聞きます。お墓参りでお墓に赤飯を供えるという風習がある地域もあるようです」
同協会のホームページによれば諸説あるが、赤飯はもともと縄文時代に初めて中国大陸から日本に伝わってきたお米である「赤米」を蒸したものが起源とされるという。
日本では古くから赤い色には邪気を祓う力があると考えられており、加えてお米が高級な食べ物であったことから、赤米を炊いて神様に供える風習があったそうだ。赤飯が一般的に庶民層まで広まったのは江戸時代にさかのぼるという。
「白米や精製度の高い米が広く流通・消費され、一般的にお米を食べられるような環境になっていったのが江戸時代で、そのころから赤飯が食べられるようになったと言われています。その後、昭和の時代では、誕生日などのちょっとしたお祝いでも赤飯を食べる習慣がありました。
しかし現代はさまざまな食品がどこでも食べられるようになり、赤飯を食べる機会は減ってきているように感じます。
結婚式でも昔は赤飯の引き出物は当たり前のようにありましたが、今では例えば料理のメニューを見ても和食だけではありません。食文化そのものが変わってきているというのは、(赤飯を食べる機会が減った要因の)一つとしてあると思います」
今回の廃棄について尋ねると、「前もって(11日の給食に赤飯が出るという)情報が共有されていれば、防げたのではないかとも感じます」と話した。
今回の廃棄問題を受けて、食品ロスの観点から批判する声も相次いでいる。
環境省の推計によれば、令和5年度(2023年度)の国内の食品ロス発生量は464万トンで、前年度から約8万トン(約1.7%)減少し、事業系が231万トン、家庭系が233万トンという内訳だ。
発生量は年々減少傾向にあるものの、依然として多くの食品が廃棄されている状況にあり、同省では、食品ロス削減に向けて事業者、家庭双方の取組が必要としている。
組織の体制のあり方、食品ロスの現状、食文化の変化など、さまざまな課題を浮き彫りにした今回の赤飯廃棄問題。東日本大震災から15年を迎えたいま、震災の記憶をどのように受け継いでいくのか、改めて思いを巡らせたい。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

予算案巡り少数与党の参院自民、首相と現実の間で苦悩…年度内成立に強引手法使えず野党の協力不可欠

参院自民党が2026年度予算案を巡り、年度内成立を目指す高市首相(党総裁)と少数与党の現実の間で苦悩している。イラン情勢の悪化もあり、首相の早期成立への思いは変わらない一方、衆院のような強引な手段は使えず、成立には充実審議を求める野党の協力が欠かせないためだ。予算審議が遅れるようなことがあれば、批判の矛先が参院自民に向きかねないと警戒している。(長谷部駿)
「(予算案について)年度内も念頭に置きつつ、一日も早い成立を目指すというのが基本的な考え方だ」
自民の磯崎仁彦参院国会対策委員長は17日、立憲民主党の斎藤嘉隆参院国対委員長との会談後、記者団から年度内成立について問われたが、こう述べるにとどめた。会談では、年度内成立に向けた「工夫」の一環として、19日の予算委員会の質疑時間を全て野党に譲ることを提案したものの、斎藤氏に拒否された。
首相は予算案の年度内成立について、強い意欲を維持している。ホルムズ海峡の事実上の封鎖で燃料価格の高騰が懸念される中、年度内成立を断念した場合に編成する暫定予算では、臨機応変な対応が難しくなるためだ。首相周辺は「生活への影響を考えれば、国民も年度内成立を望んでいる」と指摘する。
ただ、参院では与党の議席が過半数に満たず、野党の反対を押し切って職権で委員会開催を決めるといった手法は取りづらい。野党の協力を取り付けなければ、採決で予算案が否決される可能性もある。年度末までに成立が必要な「日切れ法案」を扱う委員会でも多数を奪われている。
参院自民内では、衆院で予算案を審議している段階から年度内成立を不安視する声が出ていた。参院は「熟議の府」として与野党合意を重んじてきた気風もあり、審議時間の短縮が必要となる年度内成立に二の足を踏む向きもあった。参院で予算審議が始まってからは、暫定予算の必要性を指摘する声が広がりつつある。
とはいえ、年度内成立を断念した場合、国民生活への影響懸念から世論の反発を招く可能性も指摘される。参院自民ベテランは「自分たちから無理だとは言えない。我々が批判の対象となりかねない」と吐露する。首相が暫定予算編成を関係省庁に指示する姿勢を見せない中で、「年度内成立が本格的に困難となった時、誰が首相に進言するのか」(参院自民関係者)と苦慮する声も出ている。

定数削減「今国会で成立」確認…自維党首、副首都実現や国旗損壊罪創設の法案も

高市首相(自民党総裁)と日本維新の会の吉村代表(大阪府知事)は17日、国会内で党首会談を行い、衆院議員定数(465)を1割程度削減する法案について、今国会で成立を目指す方針を確認した。「副首都構想」を実現するための法案や、国旗損壊罪を創設するための法案も、今国会で成立を期すとした。
会談は、予算案の衆院通過を受け、両党が昨年10月の連立合意書に盛り込んだ政策の進め方を協議するために開いた。自民の鈴木幹事長や維新の藤田文武共同代表らが同席した。
吉村氏は会談後、記者団に「定数削減は、今国会で必ずやりきろうと、改めて合意した」と述べた。
会談では、衆院議員の定数を45議席削減することでは一致した。吉村氏は「比例の議席のみを削減するべきだ」と主張したが、具体的な削減方法は今後の協議で詰めることになった。鈴木氏は会談後、記者団に「実務者で協議して決める。きょう決め打ちされたものはない」と説明した。
定数削減を巡っては、両党は昨秋の臨時国会に、法施行から1年以内に結論が得られない場合に「小選挙区25議席、比例20議席」を自動的に削減する内容の法案を提出した。法案は野党の反対で審議入りせず、1月の衆院解散で廃案となった経緯がある。
定数削減は維新が「改革のセンターピン」と位置づける看板政策だ。吉村氏としては、党首会談での合意を法案提出に向けた弾みとしたい考えで、「必ずやりきる」と重ねて強調した。
ただ、維新が衆院選後に、再び「比例のみ45議席削減」を主張するようになったことに対し、自民内では「昨秋に提出した法案の内容を変える理由がない」などとして慎重論が根強い。
一方、旧姓使用の法制化は、他の法案の審議状況などを勘案し、秋に想定される臨時国会に先送りする方向だ。連立合意では、今年前半の国会に法案を提出する方針を明記していた。
会談では、イラン情勢に関する維新の提言も首相に手渡された。ペルシャ湾に留め置かれている日本関係船舶への補給支援や、原子力発電所の再稼働の加速化などが盛り込まれた。

今日は西から雨の範囲広がる 関東は一日を通してにわか雨が心配

今日18日(水)は、前線を伴った低気圧が西から接近します。西日本から次第に雨の範囲が広がり、午後は東日本や北日本でも天気が下り坂に向かう見込みです。関東は一日を通してにわか雨の可能性があります。
西日本は広範囲で本降りの雨に
今日18日(水)は、朝鮮半島の南に低気圧が進み、そこから伸びる前線に伴う雨雲が九州、中国、四国へと広がります。西日本では広範囲で本降りの雨となる予想です。

今朝は、九州では既に雨が降っている所があります。雨のエリアは、午後は近畿、夕方には東海や北陸まで広がっていく見込みです。

特に九州の東シナ海側や四国の太平洋側では雨雲が発達しやすく、一時的な強雨や落雷、突風に注意が必要です。お出かけの際は丈夫な大きい傘をお持ちください。
関東は一日を通してにわか雨の可能性
関東は、低気圧や前線が接近する前から、南岸に停滞するシアーライン(風の流れが変化する境界線)周辺で雲が広がりやすくなります。

ウェザーニュースアプリの利用者の天気報告を見ると、既に東京都内や埼玉県内、神奈川県内など関東南部では雨が降っている所があります。

にわか雨のリスクは夜にかけて続くとみられ、一日を通して雨が降ったり止んだりの空となるため、外出の際は折りたたみ傘をカバンに入れておくと安心です。

なお、今夜遅くからは前線本体の雨雲がかかり、明日の朝にかけて本降りの雨となる見通しです。
雨でも春らしい体感
今日はあいにくの天気の所が多いものの、各地で春らしい体感となります。

予想最高気温は福岡で18℃、東京と名古屋で16℃、大阪で15℃で、平年並みか平年よりやや高めの気温。雨による凍えるような寒さはないものの、雨に濡れて体を冷やさないよう、撥水性のある上着などで調節するのが良さそうです。

この雨は桜の開花を促す「催花雨(さいかう)」となりそうです。ウェザーニュースの予想では、東京の桜の標本木の開花日は今日18日(水)となっています。桜のつぼみの成長はラストスパートへ突入しそうです。

辺野古転覆、誰が安全管理をしていたか 学校「海のこと分からない」引率教員は乗船せず

「海のことはよく分からない」「船長との信頼関係で大丈夫だと…」。沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、乗っていた同志社国際高(京都府京田辺市)の生徒と船長が死亡した事故。一夜明けた17日、初めて会見した学校側の説明からは、現場海域での乗船判断をはじめ、生徒の安全管理に疑問を抱かせる対応が次々と露呈した。
同校の一室でこの日午前11時から始まった会見の冒頭、西田喜久夫校長や同校を運営する学校法人の役員らは約10秒にわたり深々と頭を下げた。
会場には50人以上の報道陣が詰めかけた。学校側は当初、質問を「記者1人につき1問」としたが、約3時間後に学校側が打ち切るまで、質問を求める挙手がやむことはなかった。
転覆した2隻は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設工事の反対運動などに用いられていた移設抗議船だった。
うち1隻の「不屈」の船長で死亡した金井創(はじめ)さん(71)は牧師で、令和5年からキリスト教に基づく教育を行う同校の生徒を辺野古沖で乗船させていた。
「船長の考えで出航決めた」
16日の事故当時、沖縄本島には波浪注意報が出ており、2隻は大波の影響を受けて転覆したとみられる。17日の会見では生徒の乗船判断を最終的にだれが行ったのかという点に質問が集中。同校の西田校長は「現地で担当教員と、船長の金井牧師が相談して決めることになっていた」としながら「私どもは海のことはよく分からない部分もあるので、船長の考えで出航を決めた」と、最終判断を金井さんにほぼ一任していたことを明らかにした。
金井さんを頼みとした理由として、これまでの「信頼関係」を強調。辺野古移設の反対運動で「有名な方だった」と評しつつ、校長自身は「あいさつする程度」で、金井さんと関わってきた現場の教員が信頼を寄せていた、と語った。
過去には引率の教員が船に同乗したこともあったが、16日に現場にいた教員2人はいずれも陸側にとどまり「出航後は全然状況がつかめないままだった」と語った。
転覆した2隻については、海上運送法に基づく事業登録がされていなかったこともすでに判明。この点について西田校長は「(金井さんから)普段から観光客や修学旅行生を乗せているという話を聞いていた」としたが、事業登録の有無は「把握していない」と述べ、主体的に確認していなかったことを認めた。
事前説明で「抗議船」表現使わず
会見では、辺野古移設に賛否がある中で、平和学習として生徒を抗議船に乗船させた点にも質問が及んだ。学校側によれば、生徒や保護者に対する事前説明では、抗議船という表現を使わず「普段、基地反対を唱えている方々が乗っている船」と伝えていたという。西田校長は「辺野古のボートについては(生徒に)特定の政治思想を持たせるものではなく、現在沖縄で起きている出来事を実際の現場で知る学習の一環と位置付けている」と釈明した。