開門判決「無力化」認める=差し戻し審で国勝訴―諫早干拓訴訟・福岡高裁

国営諫早湾干拓事業(長崎県)をめぐり、潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決の効力が争われた訴訟の差し戻し審判決が25日、福岡高裁であった。岩木宰裁判長(梅本圭一郎裁判長代読)は、国の訴えを退けた一審判決を取り消し、国側の逆転勝訴とする判決を言い渡した。敗訴した有明海沿岸の漁業者側は上告する方針。
開門を命じた2010年の確定判決の無力化を認める内容。今回の判決が確定すれば、国に「開門」と「非開門」の相反する義務を課す司法判断のねじれ状態が解消されることになる。
岩木裁判長は確定判決について、5年間の期限付きで開門を命じた暫定的な性格だとして、判決後の事情の変化を検討。諫早湾周辺の漁獲量は「増加傾向にあり、今後もこの傾向が見込まれる」と認め、堤防閉め切りから長期間が経過して漁業への影響は軽減していると判断した。
確定判決に従って開門した場合、防災面や営農上の支障が大きいとも指摘。別訴訟で「非開門」の司法判断が出たことや、開門しない制裁金として漁業者側が国から既に約12億円を受け取っていることも挙げ、現時点での開門の強制は権利乱用に当たると結論付けた。
岩木裁判長は「判決によって有明海周辺に生じた問題が直ちに解決するものではない。双方が協議を継続させ、全体的解決のため尽力することが強く期待される」と付言した。
[時事通信社]