有本香の以読制毒 日本版「国防生産法」でウイグル弾圧を許すな まさに“デジャビュ”自民、公明両党のぬるさに呆れる「対中非難決議」自由投票に切り替えよ

まさにデジャビュ(既視感)。 ウイグル迫害に関する参院での「対中非難決議」に、公明党が難色を示しているという件だ。昨年の同じ6月、通常国会の会期末ギリギリに、衆院が「対中非難決議」を断念した、あの光景の再現のようである。 参院の公明党は棄権すればいいではないか。自民党の親中派議員も同様だ。法律案の採決ではないのだから、党議拘束などあえて外して、議員一人一人の人権に対する見識と覚悟を見せるよい機会と思える。 私たち有権者としては、7月の参院選(6月22日公示、7月10日投開票の予定)での投票の参考にもなるから、ぜひとも参院の自由投票で会期末までに「対中人権非難決議」をやってほしい。 ただし、ウイグル弾圧の実態を示す新たな内部の文書が公表されたいま、今年2月の衆院でのあの「なんちゃって非難決議」の文面の使い回しではダメだ。強い非難の文面を見たいものである。 ところで、昨年6月の衆院では、立憲民主党と共産党を含む全野党が、予想外にも非難声明採択(賛成)で足並みをそろえる一方、自民、公明両与党が足を引っ張るかたちで決議ができなかったことも忘れてはならない。 このときの自民党幹部と起案議員らの密室でのやり取りを暴露した筆者の本コラム記事(2021年6月17日発行紙面)が、当時の「自民党幹事長室」を怒らせたらしく、しかし、その割には、厳重抗議とも読み取れない「猫パンチ」的な「書面」が届く一幕もあった。 この末(てんまつ)に興味ある方はネットのアーカイブでお読みいただければ幸いだが、一年がたち、参院へ舞台を移しても、自民、公明両党の本件への取り組みのぬるさは全然変わっておらず、あきれている。 「猫パンチ」書面の顛末はアーカイブでどうぞ うんざりしながら外へ目を転じると、米国が画期的な策を打っていた。 ジョー・バイデン米大統領が6日、東南アジア4カ国から輸入する太陽光パネルの関税を2年間免除すると発表したのである。そのココロは、中国産の太陽光パネルの締め出しだ。 近年、先進諸国が気候変動対策を重視する流れのなかで、中国は太陽光パネルの世界市場で約8割のシェアを持ってきた。そのうちの6割近くが新疆ウイグル自治区で生産されている。つまり世界の太陽光パネルの半数近くが、ウイグル人の労働による産物である疑いが排除できない現状だ。 昨年、「ウイグル強制労働禁止法」を制定した米国は、こうしたジェノサイドの産物を自国に入れないと決断したのである。そのため、東南アジアからの安い輸入品の活用を促進し、同時に、大統領権限で自国の民間企業に特定製品の増産を命じることができる「国防生産法」を発動したというわけだ。
まさにデジャビュ(既視感)。
ウイグル迫害に関する参院での「対中非難決議」に、公明党が難色を示しているという件だ。昨年の同じ6月、通常国会の会期末ギリギリに、衆院が「対中非難決議」を断念した、あの光景の再現のようである。
参院の公明党は棄権すればいいではないか。自民党の親中派議員も同様だ。法律案の採決ではないのだから、党議拘束などあえて外して、議員一人一人の人権に対する見識と覚悟を見せるよい機会と思える。
私たち有権者としては、7月の参院選(6月22日公示、7月10日投開票の予定)での投票の参考にもなるから、ぜひとも参院の自由投票で会期末までに「対中人権非難決議」をやってほしい。
ただし、ウイグル弾圧の実態を示す新たな内部の文書が公表されたいま、今年2月の衆院でのあの「なんちゃって非難決議」の文面の使い回しではダメだ。強い非難の文面を見たいものである。
ところで、昨年6月の衆院では、立憲民主党と共産党を含む全野党が、予想外にも非難声明採択(賛成)で足並みをそろえる一方、自民、公明両与党が足を引っ張るかたちで決議ができなかったことも忘れてはならない。
このときの自民党幹部と起案議員らの密室でのやり取りを暴露した筆者の本コラム記事(2021年6月17日発行紙面)が、当時の「自民党幹事長室」を怒らせたらしく、しかし、その割には、厳重抗議とも読み取れない「猫パンチ」的な「書面」が届く一幕もあった。
この末(てんまつ)に興味ある方はネットのアーカイブでお読みいただければ幸いだが、一年がたち、参院へ舞台を移しても、自民、公明両党の本件への取り組みのぬるさは全然変わっておらず、あきれている。
「猫パンチ」書面の顛末はアーカイブでどうぞ
うんざりしながら外へ目を転じると、米国が画期的な策を打っていた。
ジョー・バイデン米大統領が6日、東南アジア4カ国から輸入する太陽光パネルの関税を2年間免除すると発表したのである。そのココロは、中国産の太陽光パネルの締め出しだ。
近年、先進諸国が気候変動対策を重視する流れのなかで、中国は太陽光パネルの世界市場で約8割のシェアを持ってきた。そのうちの6割近くが新疆ウイグル自治区で生産されている。つまり世界の太陽光パネルの半数近くが、ウイグル人の労働による産物である疑いが排除できない現状だ。
昨年、「ウイグル強制労働禁止法」を制定した米国は、こうしたジェノサイドの産物を自国に入れないと決断したのである。そのため、東南アジアからの安い輸入品の活用を促進し、同時に、大統領権限で自国の民間企業に特定製品の増産を命じることができる「国防生産法」を発動したというわけだ。