台風15号の影響で交通機関が止まり、成田空港(千葉県成田市)で到着客ら最大1万6900人が空港内に足止めされた問題を巡り、成田国際空港会社(NAA)が国土交通省から着陸制限を提案されながら、要請していなかったことが明らかになった。NAAの田村明比古社長は26日の定例記者会見で「結果として混雑を生じさせてしまった。今後、改善策を講じたい」と述べた。
成田空港は台風が通過した9日早朝から滑走路を閉鎖した。NAAによると、運用を再開した9日昼ごろに国交省から、空港の航空機の駐機場(スポット)が不足する事態であれば着陸制限の措置を取ると打診されたが、スポットの運用に特段の問題はなかったため、国交省に着陸制限を要請しなかった。9日午後6時ごろになってNAAは空港内の混雑緩和のため、国交省にダイバート(着陸地変更)を相談したが、最寄りの羽田空港の着陸枠に限界があり、ダイバートできたのは羽田への3便にとどまった。
国交省は「ダイバートさせるとしても、羽田で受け入れられず遠くの空港に行くことになれば、利用者の利便性を損なうだけでなく、その後の機材繰りにも影響が出た。今回の判断を含め検証したい」としている。
一方、田村社長は会見で、足止め問題について「アクセスの復旧の見通しがあまり立たない状況で、情報提供は十分でなかった。日本語や英語以外の言語の対応はあまりできていなかった」と不備を認め、陳謝した。【中村宰和、松本惇】