京都府立医科大付属病院(京都市上京区)で、腎臓の移植手術を担う医師6人のうち5人が退職し、今春以降は手術ができない状況になっていることが15日分かった。移植を要する多くの患者の治療に支障をきたしており、同病院は患者に他の病院を紹介するなどして対応している。
同病院によると、退職した5人はいずれも移植外科に所属していた。今年4月までに医師4人が転職や留学などのため相次いで退職。5月には診療科のトップだった准教授も退職した。医師は残り1人となり、移植手術が実施できなくなったという。
同病院には腎移植を希望する患者が多く待機しており、中には手術の日程が決まっていたケースもあった。このため、京都大医学部付属病院(左京区)をはじめ複数の病院に患者を紹介している。
現在、同病院は院内外から新たに医師を確保する体制づくりを進めており、夜久均病院長は「患者に心配をかけて心から申し訳なく思っている。できるだけ早く手術を再開できるよう対応したい」と話している。