「何も話せない」険しい表情の発生農場 武道館には殺処分用の袋が山積み 鳥インフル疑いに緊張

沖縄県金武町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が発生した。遺伝子検査で詳しい結果が分かるのは16日早朝。数万羽が殺処分になるとみられる。現場や県庁には緊張が走った。(北部報道部・玉城日向子、政経部・下地由実子、石川亮太)
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15日午後6時過ぎ、養鶏場付近に県職員と町の関係者10人ほどが集まり、鳥の殺処分を想定して防疫方法などを申し合わせた。既に辺りは暗くなっていたが、車のヘッドライトを頼りに屋外で話し合いを続けた。
県職員と養鶏場の従業員は午後7時ごろまで敷地の内外を回り状況確認した。従業員の1人は「今は対応に追われ話せることは何もない」と険しい表情だった。
金武町立武道館では午後10時過ぎ、県の職員らが防疫資材を運び込んだ。トラックに積み込まれた段ボールを次々に荷台から下ろしていく。入り口付近には殺処分した鳥を入れるための袋が山積みにされていた。
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県庁9階の畜産課は、情報確認や対策本部会議の準備で緊迫した。
通常の勤務時間を過ぎた午後5時半。普段は開けっ放しの三つのドアが閉め切られていた。記者がノックしてドアを開けると、数人の職員が立ったまま腕組みをして調整の真っ最中。「まずいので外へ」と職員が廊下に促し、「対策本部会議の時間はまだ流動的」と手短に伝えた。
その直後、入れ替わるように廊下へ出てきた別の職員は「対策本部会議は6時! リリース出した」と告げ、足早に幹部の部屋へ。資料を印刷する音や、職員たちのやりとりする声が廊下に響いた。
県建設業協会は県から一報を受け、北部支部を中心に埋却地整備のための重機と作業員の確保に当たった。2013年に締結した防疫協定に基づく協力要請を受けた対応で、20年1月に発生した豚熱では約70社、延べ750人が穴掘りなどに従事した。
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15日夕には養鶏場近くにある埋却予定地の調査に入り、掘削用の重機が通れる道が確保されているかなどを確認。現場に駆け付けた建設会社の60代男性は「明日の作業に向けて、防護服の受け取りや処分方法を確認した。これ以上被害が広がらないように全力を尽くしたい」と気を引き締めた。
作業が始まれば24時間体制になる。源河忠雄専務理事は「初動が遅れるといけないのですぐに重機と人員を手配した。16日朝から作業を始められるように準備は整えている」と話した。