大雨の特別警報が出された佐賀、福岡、長崎各県では28日、各地で川があふれ、道路が冠水するなど被害が相次いだ。佐賀県武雄市と福岡県八女市では車が流され、中にいた男性がそれぞれ死亡。佐賀市で女性1人が心肺停止状態で見つかった。
佐賀県警によると、同日午前5時15分ごろ、「車が流されている」と110番があり、消防などが捜索したところ、武雄市の武雄川付近の田んぼで、軽乗用車を発見。中にいた50代の男性1人が救助されたが、死亡が確認された。
佐賀市水ケ江の水路では、午前9時25分ごろ、「車が川に入った」と110番があり、警察と消防が水没した軽乗用車を発見。中にいた女性1人を救出したが、心肺停止状態で見つかった。
武雄市などによると、このほか、同市武内町では6人が孤立し、救助要請を受けた消防が対応。同県内の伊万里、多久両市などで川の堤防から水が一時あふれた。
福岡県警や消防によると、同県八女市立花町で水路に軽乗用車が流され、中にいた70代ぐらいの男性が心肺停止状態で見つかり、病院に搬送されたが、死亡が確認された。県警によると、水路は増水し、道路との境目が分からない状態だった。
同県災害対策本部などに入った情報によると、太宰府市の林道と、うきは市の市道ののり面が崩れたが、いずれもけが人はいない。
長崎県内では27日からの雨で、佐世保市や平戸市などで合計34棟の家屋が浸水。がけ崩れや冠水など約10カ所で道路に被害が出た。佐世保市では早岐川が28日午前4時50分、氾濫危険水位の2.1メートルに達し、同市は早岐地区の1万3723世帯3万3310人に対し避難指示を出した。
[時事通信社]