71歳父親、一部無罪主張=手足拘束の長男監禁死―横浜地裁

川崎市麻生区の自宅で、精神障害を患っていた長男=当時(37)=を約4カ月間拘束し、死亡させたとして、逮捕監禁と保護責任者遺棄致死罪に問われた父親の横山直樹被告(71)の裁判員裁判の初公判が14日、横浜地裁(足立勉裁判長)であった。同被告は逮捕監禁罪を認めた一方、保護責任者遺棄致死罪は「医師の診断を受けさせなければいけないとは思っていなかった」と述べ、無罪を主張した。
検察側は冒頭陳述で、長男が大学を中退後、自宅に引きこもるようになって統合失調症の疑いがあるとされ、2021年5月、全裸で外に出たことをきっかけに、横山被告が身体を手錠やロープなどで拘束していたと指摘。長男は同年8月に階段から滑り落ちた際に脳出血になり、敗血症なども起こし、同9月に死亡したと明らかにした。
弁護側も冒頭陳述を行い、長男が暴力を振るったため、被告が身の回りの世話をしていたと説明。拘束は近隣住民に危害を加えるのを避けるためだったとし、脳出血を起こしていたとは知らなかったと主張した。
[時事通信社]