交通事故で無罪確定の男性に新たな免許証…民事訴訟経ず違反点数など事故前に戻る「異例の対応」

車で右折中に赤信号で進入してきた対向車線のバイクに衝突したなどとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)などに問われた福岡県古賀市のナイジェリア国籍のアルバイト男性(53)に対し、福岡地裁が言い渡した無罪判決が11日付で確定したことがわかった。検察側が控訴を断念した。無罪確定を受け、男性は13日、事故前の状態に戻った新たな免許証の交付を受けた。
男性と男性の元弁護人によると、13日に連絡を受け、訪れた県警粕屋署で違反点数などが事故前に戻った新たな免許証が交付されたという。男性は事故後に違反点数8点の処分を受け、30日の免許停止にされていた。元の状態の免許を取り戻すためには、通常は無罪確定後に処分の無効を求める民事訴訟を起こす必要などがあり、こうした対応は異例という。
判決によると、男性は2021年10月、同市の交差点で乗用車を運転。赤信号で対向車線の車が停止し始めたのを確認して右折したが、直進してきたバイクと衝突。判決は「バイクが赤信号に従わず進入したことが事故の原因」と判断した。男性側によると、バイクの赤信号無視を把握しないまま起訴されていた。
男性は取材に対し、「免許は元に戻ったが、許せない気持ちは変わらない」と話した。