八潮の陥没事故、運転手の捜索を下水道管に移行…「穴内部で発見の可能性ない」と小型カメラ投入

埼玉県八潮市で県道が陥没してトラックが転落した事故で、県は、安否不明の男性運転手(74)の捜索に向け、地表部に細い穴を開けて小型カメラを下水道管に投入する方針を固めた。準備が整い次第、10日にも作業を開始する。
陥没現場では湧き出した水などに阻まれて捜索活動が難航している。消防は9日朝、現場で捜索を再開し、重機で土をさらうなどしたが、運転手の手がかりは見つからず、「陥没でできた穴の内部での発見の可能性はない」と判断。スロープや土砂が崩落する恐れもあり、同日で陥没現場での捜索を終えた。今後、捜索の中心を下水道管内に移す。
下水道管内では5日、ドローンによる調査で、陥没現場から100~200メートル下流付近でトラックの運転席とみられるものが見つかったが、正確な位置はわかっていない。
このため県は、小型カメラでより詳細な画像や情報を得て、運転手の発見につなげることを目指す。現場下流の複数箇所で地表に細い穴を開けて下水道管内にカメラを入れ、運転席とみられるものがある位置や状況を把握したうえで、下水道管内での具体的な捜索方法などを詰める。
ただ、現場は水流が強いうえに硫化水素の濃度も高く、作業には危険が伴うことが考えられ、県や消防は対応策を慎重に検討する。