13日午前10時10分頃、宮城県岩沼市下野郷の海岸で、通行人から「人が倒れている」と110番があった。駆けつけた警察官が、倒れていた仙台市太白区鹿野、保育士行仕(ぎょうじ)由佳さん(35)を発見し、その場で死亡を確認した。
胸などに複数の刺し傷があり、司法解剖の結果、死因は刃物のようなもので刺されたことによる失血死だった。県警は14日、殺人・死体遺棄事件と断定し、岩沼署に捜査本部を設置した。
県警によると、行仕さんは波打ち際に衣服を着た状態であおむけに倒れており、スマートフォンなどの所持品はなかった。今月12日を最後に行仕さんと連絡がつかなくなったことから、両親らが県警に行方不明者届を出していた。
行仕さんは仙台市内の保育施設に勤務していたという。かつての勤務先の関係者は「苦手なことに一生懸命に取り組む真面目な人だった。亡くなったことは今でも信じられず、本当にショックだ」と悔やんだ。
現場は仙台空港から南東に約3キロ。住宅は建てられない岩沼市の災害危険区域に指定され、東日本大震災の慰霊碑や津波襲来時の避難場所が整備されている。