「期末テストそっちのけ」中学生記者・川中だいじさん(14)が抜いた特ダネスクープの“思わぬ端緒”「斎藤知事ボランティアに“選挙慣れ”した女性が…」《突撃著書サイン時間稼ぎ作戦で玉木氏を直撃取材》

7月3日に公示され、20日に投開票された参議院議員選挙。選挙戦序盤の7月6日、「日刊ゲンダイDIGITAL」に、とある記者が寄稿した1本の記事が配信された。そして、その記事は13人の候補者が3つの議席をかけて争った兵庫選挙区の当落に大きな影響を与えることになる──。
タイトルは「仰天! 参院選兵庫選挙区の国民民主党候補は、県知事選で『斎藤元彦陣営ボランティア』だった。記事を書いたのは、「日本中学生新聞」を主宰する中学3年生の川中だいじさん(14)だ。国民民主党の多田ひとみ候補(45)が、昨年11月に行われた兵庫県知事選で斎藤元彦候補(現県知事)のボランティアをしていたことを本人に認めさせた“特ダネスクープ”だった。
川中さんの取材に同行することもあるという保護者は「もうクタクタです」と笑うが、実際、彼は数多くの現場に足を運び取材しているようだ。彼は中学生ながらに、いかにして特ダネをスクープしたのだろうか──。【全3回の第1回】
小3で“選挙マニア”、「忖度しない」を掲げ新聞を創刊
──まず、川中さんが選挙や政治に興味を持ったきっかけを教えてください。
「小学3年生だった2019年にも参院選があったのですが、その時に街中で大人がマイクを持って大きな声で何かを訴えていて、手を振ってきたんです。僕も手を振り返したら『ありがとうございます!』って言われて、『何をやっているんだろう? 何か面白そうだぞ!』と思ったのがきっかけでした。
そこから選挙があるたびに候補者の政策や公約パンフレットを片っ端から集めるコレクター活動を始めました。大声で右翼的な主張を叫ぶ、目つきの鋭いリーゼントの候補者でも、意外と子どもには優しいんですよ。ほとんどの大人が目を合わせないようにして素通りしていたけど、勇気を出して『チラシください』って頼んだら、『お母さんに見せてね』ってくれるんです。それが楽しくて、出会った候補全員から集めていました」
──“選挙マニア”がなぜ記者活動を?
「2023年のG7広島サミットがきっかけでした。小学6年生の修学旅行で被爆者から原爆の恐ろしさを聞いた広島でG7サミットが行われることを知り、各首脳の核兵器禁止条約への考えを取材したいと思ったんです。しかし、中学1年生だった僕は記者としての実績がない。だから記者申請のための実績づくりとして「日本中学生新聞」を創刊しました。最初は手書きの新聞を1000部印刷して、いろいろな所に配り歩きました。その後noteやX、YouTubeチャンネルも開設し、選挙を中心とした記事や動画を配信するようになりました」