日本維新の会の石井章参院議員(68)=比例=の秘書給与詐欺事件で、不正受給の総額が800万円程度とみられることが28日、関係者への取材で分かった。
東京地検特捜部は27日に続き、茨城県取手市の地元事務所など関係先を家宅捜索した。これまでに元秘書ら複数の事務所関係者から任意で事情を聞いており、押収した資料を分析し、秘書の勤務実態や資金の流れについて調べる。
28日午後、白いワイシャツ姿の係官ら数人が黒いかばんを手に、取手市の事務所や隣接する建物に次々と入った。捜索は午後3時半ごろまで続き、押収物が入った段ボール箱などを車に積み込んだ。
国会議員は政策秘書、公設第1、第2秘書の3人を国費で雇うことができる。1990~2000年代、国会議員による秘書給与詐取事件が相次ぎ、再発防止のため04年には秘書給与を本人に直接支給するよう国会議員秘書給与法が改正された。しかし、昨年8月には広瀬めぐみ元参院議員が秘書給与や退職手当計約358万円をだまし取ったとして東京地検特捜部に在宅起訴され、その後有罪が確定した。
石井氏は取手市議などを経て09年の衆院選に旧民主党から出馬して初当選。16年の参院選におおさか維新の会(当時)から出馬して当選し、現在2期目。 [時事通信社]