高市早苗新首相の夫である山本拓氏(73)が日本初の「ファースト・ジェントルマン」となった。衆院議員の先輩に当たり、得意の料理でアピールして2004年に結婚。お互いの落選や離婚などの「危機」を乗り越え、今も支え合う。
首相の妻は「ファースト・レディー」と呼ばれてきた。女性初の首相誕生により、日本の首相の配偶者が男性となるのは初めて。
山本氏は21日、電話で記者団の取材に応じ、高市首相の誕生に「ほっとしている」と語った。現在は東京・赤坂の衆院議員宿舎で二人暮らし。互いの健康を一層気遣う考えを示し、「目立たない『ステルス旦那』という形でしっかり支えていきたい」と強調した。
1952年7月、福井県鯖江市で生まれ、法政大卒。県議を経て、90年衆院選で初当選し8期務めた。高市氏とは共に自民党旧森派(清和政策研究会)に所属。04年、落選中の高市氏に「調理師免許を持っているので、一生おいしいものを食べさせる」と電話でプロポーズした。05年の衆院選で高市氏が当選し夫婦で衆院議員となった。料理が苦手な高市氏に「台所は僕の城なので入らないで」と食事を作り続けたという。
「政治的スタンスの違い」を理由に17年に離婚したが、高市氏が21年の党総裁選に出馬すると全面支援。直後の衆院選で自身が落選したのを機に再び婚姻届を出した。この時は戸籍姓をじゃんけんで決め、「高市」に改姓した。
昨年10月の衆院選で福井2区から無所属で出馬したが落選。その後発症した脳梗塞などのため、高市氏がリハビリ生活を支えている。
父は元鯖江市長の山本治氏(故人)。元妻との間に子どもが3人おり、長男は福井県議の建氏(41)。 [時事通信社]