「オチが弱い」と指摘され不適切編集 日テレ「月曜から夜ふかし」にBPOが放送倫理違反

放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は21日、日本テレビのバラエティー番組「月曜から夜ふかし」が街頭インタビューの映像を恣意的に編集して虚偽の内容を放送し、対象者がSNSで誹謗中傷にさらされたとして、「放送倫理違反があった」とする意見書を公表した。
意見書などによると、3月24日放送の「東京はカラスに注意」と題したエピソードで、中国出身の女性が「あんまり中国カラス飛んでいるのがいないですね。みんな食べてるから少ない。とにかく煮込んで食べて終わり」と発言した。女性は実際には自炊で食べるものを聞かれ、鍋なら「とにかく煮込んで食べて終わり」と答えた。また、女性はカラスがハンガーをくわえた写真を見せたが、カラスを食べる話はしていなかった。
担当したフリーのディレクターは制作会社のチーフディレクターから「オチが弱い」と指摘され、放送された内容に編集した。「失敗したら次の仕事がもらえない」という気持ちが強かったという。日テレの演出担当者からはチーフディレクターに「めちゃくちゃな編集をしていないか」と確認があったが、担当者に確認せずに否定した。
同委員会は制作幹部の責任の不明確さや、不正抑止のための仕組みの機能不全も指摘。「外国における食文化について誤解を与え、当該国の人々や視聴者に不快感を与えた。外国の生活様式や食文化を笑いの対象とする上では、多様性を包摂する人権尊重の精神に基づいて問題がないかをより一層慎重に吟味すべきだった」と指摘した。