川崎市長選挙 宮部龍彦氏、演説でデマ繰り返す 動画も公開し差別拡散

司法判決や行政勧告を無視して部落差別を続ける極めて悪質なレイシストで、川崎市長選(26日投開票)に立候補している宮部龍彦氏(46)が市内各地の街頭演説でデマを繰り返し、部落差別を拡大させている。市の同和対策事業を「えせ同和行為」などと攻撃しながら、被差別部落出身者や当事者団体をデマでゆがめ、社会からの排除を煽(あお)り立てている。
差別の被害者をうそでおとしめ、人間の尊厳を何重にも踏みにじるヘイトスピーチで、市長候補としてなおさら許されない。人目を引く上、一般的にまっとうな主張と受け取られる選挙演説をデマと差別扇動の舞台に悪用したもので、市民の平穏な暮らしと民主主義を根底から破壊する暴挙として厳しく批判されなければならない。演説の動画をユーチューブで公開して被害を拡散、継続させており、卑劣さは底知れない。
宮部氏は被差別部落出身者の生活上の問題や人権に関する相談などを受ける市人権・同和対策生活相談事業について、「何か得体(えたい)の知れないことにお金を出している」「部落の人間をだしにして税金を無駄遣いしている」「市ぐるみのえせ同和行為」などと筋違いに問題視し、誹謗(ひぼう)中傷した。
さらに、委託先の部落解放同盟県連合会川崎支部と全日本同和会県連合会川崎支部に対して「部落とは関係ない」というデマや「解放同盟の支部長は東京出身で部落と全く関係ない」「所在地は横浜市で川崎市と関係がない」と問題にならない事柄を持ち出し、攻撃。「市は住所などを公開をしない。すればエセ同和だとばれてしまうからだ」とも語り、当事者団体や構成員が被害者を装い、ゆすりたかりをするよこしまな存在であるかのようにねじ曲げている。
市人権・男女共同参画室は「市内で活動し、市民の相談を受けていることなどを確認した上で補助金を支給している。出身や所在地が市外であることは問題にならない」と説明する。
宮部氏は解放同盟の支部長について「部落と関係ないと裁判資料の公正証書でわかった」というが、当事者であることは被差別部落の地名をさらした宮部氏に550万円の損害賠償を命じた判決で被害が認定されていることからも証明されている。
そもそも宮部氏は部落差別は存在せず、被害を訴えているのは利権のためだという虚構の上に立ち、差別を正当化してきた。2016年、全国5360の被差別部落の地名リストの出版を企て、インターネット上で一覧を公開。差別で金もうけをする蛮行と批判を浴びたが、裁判では「学術研究のため」などと開き直った。敗訴後も被差別部落の街並みや家屋などをサイトでさらす投稿を続け、東京法務局や大阪府が人権侵害をやめるよう勧告しても一向に応じない。
解放同盟県連合会は「ネットで拡散された情報は子どもも触れる恐れがある。どこで被害が生じているか知れず、宮部氏の行為こそが相談事業の必要性を証明している」と話している。
◆おことわり 川崎市長選に立候補している宮部龍彦氏については、経歴や出馬に当たっての主張に著しい差別的言動があり、差別が拡散する恐れがあるため、異なる扱いとしております。