悲鳴聞いて外に出た男性クマに襲われ死亡、男女3人が頭などに重傷…秋田・東成瀬村で成獣1頭駆除

秋田県東成瀬村で24日、男女4人がクマに襲われ、男性1人が死亡、他の3人は頭や顔などに重傷を負った。クマは地元の猟友会員が駆除した。亡くなった男性は、襲われた人の悲鳴を聞き、外に出たところを襲われたという。環境省などによると、今年度クマに襲われたことによる死者は計10人となった。(秋田支局 吉田夏子、橋立大駿)
同日午前11時10分頃、村役場から「クマに襲われた人がいるようだ」と県警横手署に通報があった。
同署などによると、同村田子内で屋外作業中に横手市の男性(76)と妻(72)が襲われた。近くの無職佐々木喜行さん(38)と父親(65)も異変に気づき、自宅から出て襲われた。佐々木さんはその後、死亡した。
現場近くでは午後1時15分頃、猟友会員がクマを見つけ駆除した。体長約1メートル20、体重80キロの雌の成獣で、爪には血のようなものが付着していた。村は4人を襲ったクマとみている。
現場は村役場から西に約350メートルの住宅や畑が点在する地域で、周辺には山林が広がる。村によると、村内では今年度、10月までに計110件のクマの出没が確認され、18頭が捕獲された。昨年度の出没は1年間で14件だったという。
現場近くの主婦(80)は8月に自宅にクマが近づいてきたという。「山奥にいるものと思っていた。こんなに多くの人が襲われるなんて」と不安そうだった。
環境省によると、クマによる人身被害は今年4~9月に全国で108人に上り、過去最悪だった2023年4~9月の109人とほぼ同じ。秋田県警によると、今年、同県の人身被害は今月24日現在で49人に上り、うち2人が死亡した。