警視庁「トクリュウ対策本部」発足 2026年は捜査員100人規模で増員へ “捜査のカギ”は海外に?

警視庁は、匿名で集められた実行役らによる詐欺被害などが急増していることから、こうした犯罪グループを匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」として、摘発を進めています。その中心となる「トクリュウ対策本部」。その現状と2026年の捜査のカギを取材しました。
2025年秋、警視庁は匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」の首謀者検挙、壊滅に向けて、「トクリュウ対策本部」を発足しました。
警視庁の捜査員だけでなく、全国警察から精鋭およそ100人を集め、実態解明に取り組んでいます。
捜査幹部は「一定の成果はある」としつつも、2026年の課題として、「この勢いを保っていかなくてはならない」とも話しました。
2025年10月、警視庁は「匿名・流動型犯罪グループ対策本部」を新設しました。
これと同時に、殺人・強盗捜査などの「捜査一課」と詐欺捜査などを行う「捜査二課」が所属する「刑事部」と、「暴力団対策課」「薬銃対策課」などが所属する「組織犯罪対策部」の統合も行い“大刑事部”となりました。
組織改編の狙いについて、捜査幹部は「犯罪の傾向を見ても、組織犯罪であることが多く、一元的な情報の集約と縦割りをなくす必要があった」としています。
こうして発足した“大刑事部”は、「トクリュウ対策本部」と連携を図りながら捜査を進めていて、発足以降これまでに「トクリュウ」に関与した226人の容疑者を検挙しているといいます。
「トクリュウ対策本部」について、捜査幹部は「表に出ていない捜査の中でも、容疑者検挙に向けた重大情報を入手するなど一定の成果はある」としつつも、「来年の捜査員増員に向けて、この勢いを保たなくてはならず、全国から捜査員を集めるので、成果をあげなくてはならないというプレッシャーはある」と話しました。
この「トクリュウ対策本部」には従来の都道府県の警察単位で捜査してきた“縦割り”をなくすため、警視庁の捜査員だけでなく、全国の道府県警から集めた100人の捜査員が加わっていたが、2026年4月には全国からの捜査員を倍増させて200人規模にするといいます。
体制も強化された「トクリュウ対策本部」は、今後どのように捜査を加速させていく考えなのでしょうか。
カギは、海外拠点の摘発と情報収集だといいます。
対策本部は特殊詐欺などの犯罪行為が行われる拠点は、日本国内でなく海外に広がっていて、その拠点に日本からも“闇バイト”でリクルートされた日本人が大量に送り込まれ、日本へ詐欺の電話などをかけているとみています。
東南アジアに多い特殊詐欺の拠点は現地当局の摘発を受けることがありますが、その際にいち早く現地で状況を把握することが重要な要素になるとして、「トクリュウ対策本部」の捜査員らを派遣する動きを本格化する方針です。
捜査幹部は「トクリュウグループが海外の犯罪組織と結託するなど犯罪のグローバル化が進んでいる」「海外の警察組織と連携することが重要で、グループの解析を進め、裏に潜む中核的なメンバーを明らかにしていきたい」としています。
海外拠点で日本国内に詐欺電話をかける人物は使い捨てで、拠点を摘発しても首謀者とされる人物が検挙される例はこれまで多くはありませんでした。
そうした状況を打破するために海外拠点にも警視庁の捜査員が積極的に関わっていくことで、重要な資料や指示を出した人物との関係性を早期に見つけることを期待しているといいます。
「これまでに前例のない形の連携」と捜査幹部が評する警視庁の新たな組織。捜査員の増員で、2026年はさらなる捜査の推進を図る構えです。