野村証券元社員が殺意を否認 広島で顧客を強盗殺人未遂 初公判

顧客に睡眠薬を飲ませて現金を奪い、殺害しようとしたとして、強盗殺人未遂などの罪に問われた野村証券元社員の梶原優星被告(30)は6日、広島地裁(角谷比呂美裁判長)で開かれた裁判員裁判の初公判で起訴内容を一部否認した。殺害しようとは思っていなかったと述べた。
被告は2024年7月、広島市内に住む営業先の80代の顧客宅から現金約800万円を盗み、同28日には顧客を昏睡(こんすい)させて約1800万円を奪って顧客宅に放火したとされ、窃盗、現住建造物等放火、住居侵入罪にも問われている。
被告は当時、野村証券の広島支店で働いており、事件後に懲戒解雇された。顧客は逃げて無事だった。
検察側の冒頭陳述によると、被告は、個人的な金融取引で多額の損失を出し、顧客への昏睡強盗を計画。24年5~7月、「株取引の資金」として約2600万円の現金を顧客に引き出させ、顧客宅に保管させた。
検察側は、被告が「利益が出た祝い」名目で顧客宅での食事の約束を取り付け、顧客に睡眠薬入りの日本酒を飲ませて意識を失わせたと指摘。被告は顧客が横たわっていた寝室に火を付けたといい、「被害者を死亡させる危険性の高い行為だった」と述べた。
一方の弁護側は、睡眠薬を飲ませたのは現金を盗む場面を見られないようにするためだったとし、自宅への訪問も顧客側から招待を受けたからだと反論。強盗殺人未遂と住居侵入罪について争う方針を示した。
初公判では入廷時についたてが置かれた。最高裁は1月、手錠・腰縄姿を見られないよう、ついたて裏で被告の拘束を解くよう求める通知を出しており、これを踏まえたとみられる。
公判は2月19日に結審し、3月3日に判決が言い渡される見通し。【西山夏奈】